12年9月の『firefly』以降、13年7月に初のベスト盤を2枚同時発売。それとほぼ同時期に配信での1曲ずつのシングルリリースがそれまでに比べると活発に行わるようになった。タイアップが付属することも多かったが、C/Wとシークレットトラックが無く1曲ポッキリなので制作の手間が軽減されることもあってフットワークが軽くなったのかもしれない。
この時期までの配信シングルはitunes、レコチョクを中心としており、moraでの配信を何故か拒否していた。個人的にモーラー(moraを利用する者)でitunesやレコチョクには登録すらしていなかったため、これらは全て後追いでアルバムで聞いた。配信の最大の弱点はなんだかんだ配信系のチャート紹介がおざなりであるためタイアップ先で触れない限りあまり聞く機会も無い事と、そもそも積極的に追いかけていないと発売を知る事すらないという点で、まさにこれだった。
1st 虹を待つ人
13年8月21日
映画『ガッチャマン』主題歌。この時期はまだ配信といっても着うたが強かった時期の最後の頃だったので、着うたや着うたフルでの配信がメインだったんじゃないかと思う。
個人的に打ちのめされた曲。ベスト盤購入時のチラシで運良く『BUMP OF CHICKEN 2013 TOUR「WILLPOLIS」』公演の最終日10月29日、日本武道館公演へ行くことが出来た。この時点ですでに全アルバムを聞いていて、初期の隠しトラック以外は全曲を聞いていた状態で、そこそこのファンだと自認していたのだが、いきなり3曲目に全く聞き覚えの無いこの曲が出てきて、しかも自分以外の観客が皆一糸乱れぬ合唱を繰り広げている始末。このライブ終始こんな感じでオール総立ちの観客がとてつもない一体感を放っていて圧倒されてしまい、BUMPライブに私ごときにわかが2度と行ってはならぬと誓いを立てるほど蚊帳の外感を味わったライブ(ライブ自体は非常に良いものだった)だった。配信限定だったため全く出ていることすら知らず、どんな曲が来ても必ず聞き覚えがある!という自信というか自惚れを序盤で砕かれたこの曲はその記憶を象徴するものとなっている。
それを抜きにすると、いきなり鳴り響く電子音サウンドにまず驚く。正直この前までは停滞しつつあったというか落ち着いてきて長い曲、盛り上がらない曲が増えてきている状態ではあった。そんな停滞感を打破するような勢いに満ちたライブ向けの楽曲だと思う。観客が大合唱するようなウォーウォーパートもあるし、ライブ映像で見るこの曲は確かに熱い曲だ。恐らく音源を聞いた後にライブを見ていればあそこまで出遅れ感を味わうことは無いしついていけただろう。
★★★★☆
7thアルバム『RAY』
2nd ray feat.HATSUNE MIKU
14年3月12日
アルバム『RAY』と同時発売された初音ミクとデュエットしている別バージョン。このバージョンはCD化されていない。一部のパートは初音ミクの歌唱に差し替えられており、予想外の組み合わせに大きな反響を呼んだが、賛否両論も生んだ。実際電子音声と藤原のボーカルは正直かみ合っている気がしなくて違和感が最後まで抜けない。企画モノとしては面白いけど普通にオリジナルバージョンの方が好き。
前述の10月29日の日本武道館公演で初披露されたため、この曲だけは観客全員が初聞きであり、熱狂的なファンの皆さんに置いていかれることなく聞くことができた。かなりデジタルポップな曲だなぁ…と思ったんだけど、CDになってみたら程よくデジタルとバンドが融合していて良かった。
バンド全体が新たな境地に進み、新規ファンを開拓するような開いた状態になったことを感じる開放感がある。2015年に紅白に初出演した際も並居る代表曲を抑えてこの曲を披露した(オリジナルの方)。非常に前向きな曲だが、単に意味も無く前向きなわけではなく、色々な出来事を経て色々な事を受け入れて認めた上でたどり着いた楽しい方がいいというシンプルな結論。”○×△どれかなんて みんなと比べてどうかなんて 確かめる間も無い程 生きるのは最高だ“、時には本気で思えないかもしれないけどこう考えた方がきっと生きるのは楽しい。
★★★★★
配信バージョン未CD化、アルバム未収録
7thアルバム『RAY』(オリジナルバージョン)
3rd You were here
14年8月1日
しっとりしたバラードナンバー。ライブとそこにいる観客たちに対する思いを綴ったような楽曲で、基本的にライブに来ているファンなら感動できる楽曲だと思うけど、そこについていけなかった自分にはやや疎外感がある1曲でもある。
★★★☆☆
8thアルバム『Butterflies』
4th ファイター
14年11月28日
漫画『3月のライオン』とのコラボ曲。単独では配信限定だが、漫画『3月のライオン』10巻特装版には今作を収録したCDが付属したため、アルバム収録前にCD化されていた。シンセサウンドと抑えめのバンドサウンドが融合したメロディアスなナンバー。高揚感もあるがどちらかというと電子音大胆導入直前までの落ち着いてきていたバンドのモードに新機軸のシンセサウンドを融合させたようなイメージ。サビの広がりのあるメロディーがけっこういいのでもう少し盛り上がるサウンドで聞きたかった。
★★★☆☆
8thアルバム『Butterflies』
5th パレード
14年11月29日
映画『寄生獣』主題歌。ほぼ全面的に電子音が鳴り響く打ち込み全開の異色ナンバー。大胆にもボーカルにもオートチューンがかけられまくっていて、最早誰だか分からなくなってくる勢い。打ち込みと機械的な音声によるスリリングさが存分に出ているとはいえ、ちょっとやりすぎたというか…。打ち込み全面導入を解禁してこっち方面の音作りにするのが新鮮で楽しくてしょうがない状態だったのかなとも思う。
★★★☆☆
8thアルバム『Butterflies』
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