B'z
88年発売の1stアルバム。同時発売のシングル「だからその手を離して」とC/W「ハートも濡れるナンバー〜Stay
Tonight〜」収録。何故か
全9曲と中途半端。松本のギター以外は全部打ち込みと思われる
バブリーなダンスビート中心。この時点では松本のギターも
バックで鳴っているに過ぎず、打ち込みがあくまで曲をリードし、稲葉のボーカルも若さ全開で余裕が無い。
天下のB'zの始まりが、こんなサウンドだったとはロック化以降、特に00年代以降にファンになった人からすると信じられないだろうと思われる。
ていうかこれだけ聞くととても天下を取れるとは思えな
また
松本が作曲してない、稲葉が作詞してないという唯一の楽曲が1曲ずつ収録されているのもポイント。まあ言われなきゃ分からんけど。どの曲も妙に英語詞が多用されているのも特徴だがラストの恋愛ソング「Fake
Lips」では、何故かそんな英語詞と日本語詞に挟まれてこんな一節が。「Fake lips tell me now 一度でいいから Shake hips
僕のname
チャートにいれて」。発売当時は果たせなかったチャート入りだが、そんな今作もブレイク後にロングヒットして47位まで上昇、記録上では
30万枚以上をセールス(100位までしか集計してない時代のロングヒットだけに、300位集計ならかなり高くなっていたと思われる)。願いは果たされた。
★★☆☆☆
OFF THE LOCK
89年発売の2ndアルバム。同時発売のシングル「君の中で踊りたい」収録。今聞くとかなり時代を感じるダンスビート中心のサウンドは正直ダサささえ感じてしまうほどだが、後に「Mixture」でリメイクされる「OH!
GIRL」「NEVER LET YOU GO」などの原曲も収録されている。う〜ん、やっぱこの頃は…好きじゃないな…。
★★☆☆☆
BAD COMMUNICATION
89年発売の1stミニアルバム。表題曲と1stアルバム収録曲「君を抱きたい」の英語リメイク、デビュー曲「だからその手を離して」の英語リメイクを収録した3曲入りで今だったら間違いなくシングル扱い。この作品が最高12位ながらミリオンセラーを記録するロングヒットを成し遂げて大ブレイクに繋がった。ベスト「Pleasure」に収録されているタイトル曲のE.Styleが最も有名であるが、今作収録のものが原曲で「ULTRA
Pleasure」でのリメイクはこの原曲にけっこう忠実に今の生音バンドサウンドでロック化させているのがよく分かる。聞き比べるとかなり楽しい。作品全体にはダンスビート色に振り切って実験してみましたって感じか。全曲6,7分を越える長さだし曲数の割には長い。
★★★☆☆
BREAK THROUGH
90年2月発売の3rdアルバム。同時発売のシングル「LADY-GO-ROUND」収録。タイトルはそのまま「ブレイクする」期待を込めたと思われる。実際トップ10入りも果たしてブレイクへ向かっていったのだが、後追いで聞くとやはりうむむ…って感じ。徐々にギターサウンドは出てきたものの、まだまだ軽い。
★★☆☆☆
Flash Back-B'z Ealry Special Titles-
97年発売の
非公認初期ベスト。3rdアルバムまでの中から選ばれたベスト…というか
『B'z』から9曲中5曲、『OFF
THE LOCK』から10曲中9曲、『BREAK THROUGH』から11曲中7曲、『BAD
COMMUNICATION』からは3曲全てが選ばれており、
選ばれてない曲の方が少ない。権利を持っていたBMGが
無許可でリリースしたため、アートワークは全部CGで制作されている。ビーイング側は
徹底抗戦の構えを見せて、同日にZARDの『ZARD
BLEND』をぶつけて、
1位を阻止。B'zファンも買い控えた者が多く、累計では99.4万枚とギリギリミリオンに届かなかった。しかし、チャート上では非公認だろうがB'zの作品であることに変わりは無いので結果的に
アルバムでの現在も続いている連続1位記録、及び『GREEN』まで続く連続ミリオン記録が分断されることとなってしまった。
B'z初期は今とは全く違うため、ロック路線になってから好きになった後追いのファンにとって、初期は絶句してもおかしくないほどに
バブリーなサウンドが展開している。音量は上げてはあるようだが特に効果的なリマスタリングはされていないようなので、4作品を集めても、今作だけでOKにしちゃってもどっちでも大差は無い気がする。ファンの間では非公認であることもそうだが、曲順がバラバラであることに対する不満も多いようである。ただ、
ここに収録されている作品は全て、後の公認ベストには一切収録されていない(「BAD
COMMUNICATION」のリメイクや『Mixture』でのリメイクを除く)ので、非公認ではあるものの初期に手を出すのをためらっている後追いファンが手軽に聞いてみる分には便利といえば便利。
★★★☆☆
RISKY
90年11月発売の4thアルバム。ここからはレコード会社も変わって、公式ベスト盤収録範囲となる。シングル「Easy
Come, Easy Go!-RISKY Style-」「愛しい人よGood Night...」収録。何気に「Easy Come, Easy Go!-RISKY
Style-」のミックスがちょっとかっこいいんだけどこの音源のリマスタリングされたものが聞きたい。一気にロック色を強めていったのがタイトルの由来だそうだが、後追いで聞くとまだまだ軽くてどこがロックやねん…といった気もするが確かにかなりギターが鳴ってきている。ラストの「It's
Raining...」では何故かサビ以外では
稲葉が彼女と電話している(設定の)声が延々収録
されているという怪作。今では絶対ありえないので貴重。
★★★☆☆
MARS
91年発売の3rdミニアルバム。全5曲収録。1曲目の「孤独なRunaway」はシングルになってもおかしくないようなA面的風格を持った1曲でファン人気も高い。ハードロック色を一気に開放してきた頃の作品だけにラストに収録されている英語詞リメイク「LADY
NAVIGATION〜
Cookie&Car Stereo
Style〜」は、原曲よりも安っぽさが薄れてかっこいい仕上がり。
★★★☆☆
IN THE
LIFE
91年発売の5thアルバム。240万枚を売上げて、B'z史上2番目に売れたオリジナルアルバムである。シングルは「ALONE」のみだが、「もう一度キスしたかった」や「Wonderful
Opportunity」といった人気曲も収録されている。打ち込みダンス色の強い楽曲はほぼ無くなり、バンドサウンド重視でギターが鳴り響く曲が増えてきている。後に比べればまだまだポップではあるが、
ポップ路線のB'zとしてはここで完成を見たのかな?という気もした。
★★★☆☆
RUN
92年発売の6thアルバム。シングル「ZERO」収録。既に出ていたシングル「BLOWIN'」はハードロックがテーマの今作には合わないので収録されなかった。一気にロックへ傾いた今作では現在に通じるような方向性になっているが、ホーンやキーボードさえあまり入れなくなった近年に比べればまだまだ聞きやすい。ただ当時としては
「RISKY」を出した時以上にRISKYな方向転換だったのではないだろうか?名曲「RUN」含めて前半は勢いがあっていいのだが、後半はスローな曲が多いままに終わるので若干物足りなかった。
★★★☆☆
FRIENDS
92年発売の4thミニアルバム。
冬と失恋をテーマにしたサウンドトラックのような1つの物語で繋がったコンセプトアルバム。全8曲中、半分がインスト曲。さらに表記上は「prologue」「SCENE1」「SCENE2」「2-2」…など、実際のトラックとは異なる表記になっているなどコンセプトを徹底している。ほぼ1ヶ月前に出ていた「RUN」で一気にロック色を強めていたが、ここではかなり落ち着いたサウンドが展開しており、
AORっぽい雰囲気さえ漂う。ストリングスやアコギを中心にして、エレキギターはガンガン弾くよりもチャッカチャッカと技術に徹している。当時としても今としてもコンセプトアルバムだから出来た異色のアルバムといった印象。やはり有名な「いつかのメリークリスマス」が収録されていることは大きいが、それ以外の曲も良曲揃い。「恋じゃなくなる日」も「ULTRA
Treasure」には選出されるなど、ファンの間でも人気は高いようだ。失恋がテーマだけに、徹底的に
失恋を引きずって悲しく、女々しい内容
でリアルさがあるので、失恋した時に聞くと相当ヘコむと思われる。
★★★★☆
The 7th
Blues
94年発売の7thアルバム。
全20曲の2枚組という大作にして、シングルは「Don't Leave
Me」1曲のみ。ややブルージーな暗い曲調が多くなっていた時期なので
暗黒時代
とも呼ばれている。まあ暗黒時代という割にはけっこう明るい曲もあるのだが、確かに「LADY
NAVIGATION」が凄いブルージーなリメイクされていたり、ジャズっぽかったりする曲も多くて前作「RUN」とは明らかに空気が違う。悪くはないけど…前作や次回作に比べるとやはりイマイチ好きになれなかった。
★★★☆☆
FRIENDSU
96年発売の5thミニアルバム。89年〜92年まで毎年ミニアルバムを出していたが、今作は4年ぶりで今作以降ミニアルバムの発売は無い。前作の続編ということで、今回も
冬をテーマにしたバラードアルバムといった感じになっている。全体通してのストーリー性は無いが、今回はサウンドが前作以上に
渋く大人っぽいAOR路線になっている。既にこの頃のB'zはロック色をかなり強めてきていたのだが、ここではロック調は一切無し。ギターもアコギを中心に、技術に徹しており、ギャギャ〜ンとエレキが響くようなことは一切無い。今後一切
こういう作風にはかすりもしないため、
相当に異色なアルバムとなっている。
こういうB'zもあったのかと驚くと同時に、発売から10年以上が経過し、サウンド的な変化はあまり見られなくなった
今こそこういう路線をまたやってほしいなとも思う。B'zが嫌いでも今作だけは認めてもいい!なんてリスナーもいるんじゃないだろうか。それほど作風が違う。
オシャレなB'zが楽しめる本当にこれだけな1枚である。
★★★★☆