globe
96年発売の1stアルバム。シングル「Feel Like dance」「Joy to
the love」「SWEET
PAIN」「DEPARTURES」「FREEDOM」収録。後半2シングルはシングルと違ってロングバージョンになっている。初動だけで120万、2週目も105万と恐ろしいことになっているが、1週目は発売日の関係で1日分の集計だったらしい。
合計6週に渡って1位を獲得。414万枚を売上げて、
当時のアルバム売上記録を更新した(それまではミスチルの「Atomic
Heart」だった)。ただこの記録はCDバブルのこの時期においてはほぼ毎年更新されており、現在はGLAY、B'z2枚、宇多田2枚、浜崎に抜かれており
歴代7位
となっている。オリジナルアルバムでは3位。
2nd〜4thまではリアルタイムだが、今作は
10年くらい後追いで聞いている。「DEPARTURES」以外のシングルは、99年の初ベストで初めてちゃんと聞いているので初期globeはあれだけバカ売れしていたので耳に入っていても、
あまりリアルタイムではない。
当時聞いておけばよかったな…と思うのだが(当時は「Can't
stop〜」が出た後くらいに1番有名で聞き覚えがあった「DEPARTURES」のシングル盤だけ借りた)、以降のアルバムでは早くも実験色が強くなる中で
今作はダンス+ポップ色が全開で非常に聞きやすい。シングル曲の強さには届かないが、アルバム曲もいいのが並んでいる。
あとやっぱり外せないのは
マーク・パンサーのラップ。彼のラップは当時(俺の場合もう少し後だが)新鮮だったし、これがあるのとないのとでは全然違う。
とにかく凄くかっこよかった。ラップが完全に定着した今では別に何でもないんだけど、この頃って1,2年前にEAST
END×YURIが単発的にヒットしたくらいだったし、あれはもう少しパーティー系のノリだった。
マークのかっこよさは当時小学生だった俺らの世代の中では最強
だったのだ。今の若い世代のラッパーにはマークに影響されてラップに目覚めた人が絶対いると思う。
★★★★☆
FACES PLACE
97年発売の2ndアルバム。シングル「Is
this love?」「Can't Stop Fallin' in
Love」「FACE」(表記は無いがこの3曲はアレンジが違う)収録。1週前に先行で「FACES PLACES」がリリースされ、1ヵ月後に「Anytime
smokin' cigarette」がカットされた。2週連続1位で324万枚の大ヒットになった。
大ヒット曲の「Can't
Stop〜」をラストに配置した挙句に、シンプルなリアレンジしてしまうほど、今作は前作とは違う方向へ向かっている。前作の煌めきはどこへやら、いきなり
暗黒全開な作風は暗くて重く、長い。サウンドでもけっこうドラムまで使ってバンドサウンドになっている曲も多い(前作は小室とギターのサポートしか表記されてなかった)。リアルタイムで聞き始めたのはここからだったが、というかJ-POP聞き始めてからまだ半年くらいだったので、たぶんこのアルバムは初めて聞いたアルバムから数えてもまだ
一桁くらいの頃
に聞いていると思う。当時も「FACES
PLACES」と続く「Anytime〜」の重苦しい長さにかなりマニアックだなと思いつつも、それでもそこそこ気に入っていた。アルバム曲も基本は暗いが「
So far away from home(Beautiful Journey)
」など明るい曲もあるし、すっかりシングル以外は忘れていたのだが、久々に聞いたらけっこう覚えていた。そんなわけで前作よりは思い入れがあり、たぶん1番覚えている作品がこれ。そのため、1番印象がいいのも今作だったりする。まあ10年経って改めて聞いてみたら、歌詞は閉塞感全開
だし、見方はかなり変わったけど。
当時小学生から中学生に上がる時期だった俺は、まだまだ呑気なものだったけど、この暗くて閉塞感のある作品を当時の人々がしっかり受け入れた
ということは、既に時代はかなり疲れていたのかもしれない(感覚的には21世紀以降に一気にお疲れムードが高まった気がしてたんだけど)。まあ勢いで売れただけだとも思うけどね。実際次回作で半数近くいなくなるし…。
★★★★☆
Love again
98年3月発売の3rdアルバム。シングル「Wanderin'
Destiny」収録。同時発売で「Love again」がシングルカットされた。またTK PRESENTS「You are the
one」のglobeバージョンも収録されている。これまでシングルが多かったものの、ここでペースを落とし、シングルは結局2枚のみ。実質ヒット曲1曲+セルフカバーでの発売となったため、166万枚と売上は前作から半減した。
前作から一転。再び作風はダンスサウンド寄りに戻り、
1stに近い作風になった。普通ならこれが2ndアルバムというような流れである。マニアックな雰囲気も強くは無く、シングル曲は少なく、薄味な部分はあるが、
売れ線のポップアルバムとして完成度の高い1枚という印象。個人的には同時発売の「Love
again」がやはり最高。この曲は当時から印象が良かった。前作に比べて、今作を聞いた回数は少なく、覚えていない曲も多かったが、改めて聞くとけっこういい。当時、「DEPARTURES」を越える曲を!とのドラマ「青い鳥」プロデューサーからの打診で、脚本を読み込んで制作した渾身の1曲であった「Wanderin'
Destiny」だが曲が暗すぎたせいなのか(なお今作ではリミックスされてややマイルドに)、SPEEDの「White
Love」に勢いでも売上でも惨敗。最終的にSPEEDとはおよそ100万枚もの差がつき、この曲はミリオンに届かなかった。この時点で
globeピーク過ぎた感は強くなっていたが、
今聞くとこの頃も十分ピーク
だ。
★★★★☆
Relation
98年12月発売の4thアルバム。4連続リリースとなったシングル「wanna Be
A Dreammaker」 、「Sa Yo Na Ra」、「sweet heart」、「Perfume of
Love」収録。シングルは全てリミックスされているが、特に前半3曲は分かりやすく、「Perfume of
Love」が1番違いが微妙なものになっている。シングル4連発は1発目以外は50万に届かない程度に終わったものの、何故かGLAYの2枚同時発売、ラルクの3枚同時発売など数倍は数字も印象も残した者たちを差し置いて
「wanna
Be〜」はレコード大賞を獲得し、今作も前作よりも少しだけ売れて173万枚となった。結果的にはこれが
最後のオリジナル作の大ヒット
で、翌年のベスト(+ニューアルバムと銘打った)盤の特大ヒットが最後の花火となり、人気は激減する。
最後のヒット作ではあるが、内容はかなり
実験的。中盤過ぎになると7,8曲目のように穏やかでメロディー重視の優しい系等の曲もあるのだが、序盤はなかなか歌が入ってこなかったり、攻撃的な
サウンド重視の曲が続く。歌詞は2ndのように
暗く、哀しみに溢れている。当時はシングルもかなりマニアックな印象で、実験に走ってるな〜と思い、今作も借りはしたものの聞いた回数はかなり少なかった。改めて聞いてみると、シングル曲がバージョン違いでよりガツガツした雰囲気になっているところなど、当時はそこまで聞きこんでなかった&気にしてなかったので気づいてなかった部分も見えてきてけっこう面白かった。4連続のシングルは3連続までは微妙だと思っていたのだが、最後に出てきた「Perfume
of Love」は
売れ線globe最後にして最大の大名曲
だと思う。しかし…いくらなんでも翌年以降、激変しすぎた。
★★★★☆
FIRST
REPRODUCTS
99年3月発売のリミックス&ライブアルバム。前作に応募券がついており、
抽選で公開レコーディングライブに招待(200組400名に10万通来たとされる)、その
公開レコーディング楽曲を収録したアルバムになると言われていた。しかしどういうわけか、
ライブ楽曲は3曲のみ、残り6曲がリミックス、もう1曲は1週前にリリースされたシングル「MISS
YOUR
BODY」という構成だった(なおこのシングルのC/Wにはこのライブレコーディングで収録された音源が収録されている)。全10曲中9曲がシングル曲で、1曲だけアルバム曲。意図的に売れ線を外し、初めて1位を逃す4位に終わったものの、それでも50万枚のヒットとなった。
リミックス作品に関しては典型的にイメージされるリミックスで、やたら長いループに加工されたボーカルが入っているスタイル。そのため
無駄に長く、5,6分越えの連発で正直耐性がないと辛い。特に1曲目の「Sa
Yo Na Ra」からいきなりボーカルを引き伸ばし加工しているなど
リミックス臭全開なのでくじけそうになる。中盤過ぎに登場するライブテイクは「FACES
PLACES」「Joy to the love」「Anytime Smokin'
Cigarette」の3曲だが、アコースティック形式のライブだったため、原曲とはかなり雰囲気が異なる。また、ライブといっても
スタジオライブ録音を公開していただけなので観客の歓声等は無い。シングル「MISS YOUR
BODY」はひたすらクールなR&B楽曲へと変貌していたが、それとは方向が違うものの派手さを抑えておとなしめという点では同じだ。「Anytime〜」だけは比較的
正統派のライブバージョンといった感じでロック色も感じる。個人的に良かったのはこれだけ。コアなファン向けで、ファンでもリミックスに興味が無い人は聞く必要は無いと思うが、
ライブ音源3曲だけはまあ興味があれば…
という感じか。
それにしてもせっかく公開レコーディングしたのに、結局C/W含めて
4曲しか商品化しなかった
のはよほど出来が良くなかったのだろうか?確かにKEIKOのボーカルはブレがある箇所もあったけど。
★★☆☆☆
outernet
01年発売の6thアルバム。5th&ベスト盤だった前作から一転して、実験路線のシングルを貫いたため、
売上は激減し9位14.9万枚と、前年に出していたユーロビートリミックス盤と比べても半分という悲惨な展開になった。シングル「とにかく無性に…」、「DON'T
LOOK BACL/like a prayer」、同時発売となった「garden」のほか、globe
featuring〜名義で出した3人のソロシングルもアルバムバージョンで収録している。
前半は後に傾倒することになる
トランス路線全開。歌メロはもはやどうでもいいかのようにひたすら高揚感を煽るようなアップテンポなトラックが長々と続き、しょっぱなから
10分近い楽曲が続く。後半になると一転して、R&Bっぽいのやら、やたら長いプログレ風の曲(「DON'T
LOOK
BACK)やら、もうわけの分からない曲(「とにかく無性に…」)、思いのほか以前の作風に近い曲など、売れ線を放棄して以降の、当時の印象としてはもう何が何だか
よく分からない作風の作品がゴロゴロと並んでいる。そんな風に後半で作風が一転するなどアルバムとしては
完全な二部構成になっているが、その割には
意外とまとまっていたりもするのが不思議だ。ラスト近くになってようやく、まともに歌を聞かせるJ-POP的な作風も出てくるなど(後半2曲はなんと
編曲が葉山たけしという驚きが!)、急変についていけないファンへの一定の配慮も。ただやっぱりいきなりこういう壮大な実験作風
になったらそりゃ、ついていけない。その上、時間もほぼフル収録だし。トランス自体は、実際に小室の読み通りにその後ユーロビートを廃れさせて取って代わったものの、
globeに再び時代の風が吹く事はなかった
。今になって聞いてみたら、けっこうかっこいいし、コアな音楽ファンなら好きな人は好きと言う人も少なくはないと思われる。
★★★☆☆