NIPPON NO ROCK
BAND
桑田佳祐が86年限定で結成した洋楽ロックサウンドを目指したバンド(ドラムだけはサザンメンバーの松田弘)の
唯一のオリジナルアルバム。全英語詞で構成されており、シングルとして発売されていた楽曲は未収録。
全曲新曲のアルバムとなっている。洋楽ロックのテイスト、特に桑田が影響を受けている
6,70年代の洋楽サウンドを目指しているようでサザンの作品とは雰囲気が異なっている。80年代特有の古臭さのようなものもあまり感じない。当時のサザンのサウンドよりも聞きやすいのは01年再発売のリマスタリングがかなり効果的だからなのもあるけど、単純に俺の好みの問題かもしれない。桑田の声がボーカルな時点でもうそれ以外の何者でもないとはいえ、雰囲気は完全に洋楽。この洋楽ロックに対するこだわりは後に本家を越えられなかった失敗作とされたらしいのだが、02年の桑田ソロ『ROCK
AND ROLL HERO』にて日本語詞という形ではあるが、
より満足の行く形で実現
されているような気がする。


★★★★☆
ROCK
CONCERT
2枚組ライブ盤。『NIPPON
NO ROCK BAND』収録楽曲、及びそこに収録されなかった日本語詞の4シングル、カバー曲などを2枚組でたっぷり収録。
ロック志向ということでサザンよりも
圧倒的にロックバンドしており、個人的にはかなり好きなサウンドである。サザンと違って桑田ソロ作品はその全てが
01年にリマスターで再発されているのでとにかく
音が良い
。そのために音に厚みがあってほとんど時代を感じない点も素晴らしい。若き日の桑田の姿勢は色々求められる事が多くなって保守路線にならざるを得なくなった後期サザンと比べてもかなり挑戦的な姿勢を感じる。桑田自身はただ単に洋楽を真似ただけだったと後に述べて今ではあまり触れられる機会も少ないこのバンドだけど、個人的にはサザン旧作よりも断然いいと思う。


★★★★☆