河村隆一 20周年シングル回顧~2001-2013~

大成功の97年のソロ活動を経てLUNA SEAは活動を再開したが00年に終幕。LUNA SEAの再開後はЯKとしてプロデュース活動を継続しており、この間に上原多香子へ提供したソロデビュー作「my first love」や、工藤静香へ提供した「きらら/in the sky」などのヒット曲も生まれた。

01年にソロ活動を再開。より老若男女誰でも楽しめる普遍的なポップスを歌いたいと目標を掲げ、さらにナルシストなイメージを壊してもっと気さくなイメージを前面に打ち出していこうとして積極的なメディア出演をこなした。前回同様のCMやドラマ出演もそうだったが、ラジオパーソナリティやバラエティの司会にまで挑戦し、マルチタレント路線を爆走。

歌番組でもかなりギャグめいた言動や行動を連発。『HEY! HEY! HEY!』では乳首相撲ができるなどと発言したり、『うたばん』でも何でもやりたいと言い放ちハゲヅラを被りたがったり、顔に落書きさせたりと自ら率先して行ったため、普段はアイドルを少し強引にいじるような芸風だった石橋貴明や中居正広が本当にいいの?と若干引き気味になるほどだった。他にも朝の情報番組のお天気コーナーの直後に突如背後に天気マークの被り物を被って登場したこともあったような記憶が…。

ニッポン放送「河村隆一のオールナイトニッポンコム」では特に徹底的にイメージを破壊し、終始ふざけた口調でエロオヤジトークを繰り広げた。リスナーから王子様のようなトークを期待していたのに…と苦情が来ても軽く流すなどしたため、女性リスナーの大半がここで離れてしまったと思われる。

個人的には01年の河村隆一はめっちゃ面白かった。毎回ゲラゲラ笑いながら楽しんでいたが、正直やりすぎなんじゃないか、大丈夫なのか?とも思っていて結果的には案の定な結果になった。面白がるより唖然とした人の方が多かったようで、音楽作品が聞かれなくなり、セールス的には大失速。大量メディア出演も02年になると01年中に決まっていたと思われるドラマ・映画出演を最後にピタリと停止。ラジオもバラエティも打ち切りになり、ついにはビクターとの契約も終了し、ЯK Worksとして展開していたプロデュースワークもクローズとなってしまった。

マルチタレント河村隆一は文字通り02年中盤頃を最後にほぼメディアから消えた。ほとんどのリスナーがこの頃を最後に突如として河村隆一の記憶が途絶えているのは徐々にではなく、スッとメディアから消えたためだと思う。

03年はFC限定で新曲を発表するに留まり、04年にはコロムビアに移籍して活動を再開。LUNA SEAと被るので避けていたというロック路線を本格解禁して意気込んだがさほどの手ごたえは得られず、世間に向けて広く売っていこうという姿勢を捨て去り、これ以降は聞いてくれるファンにだけ焦点を絞ったような地道な活動へと移行。結果的には00年代半ば以降はほぼ毎年新作をリリースするようになり、活動は安定した。

2017.11執筆
(昔公開していた04年までをC/W加えて全面改訂、以降新規書き下ろし)



5th Ne

Ne
01年4月25日
再始動シングル。01年の音楽活動は徹底的に97年の再来を狙って踏襲した形を取っており、97年同様に色違いのジャケットデザインをアルバムまで一貫して通した。01年の方がグッとシンプルで各ジャケットは1色というデザインだった。今作はピンク色

マキシシングルになり20分少々が限界の8センチCDよりも余裕が生じたため、01年の作品では新曲3曲+アコースティックインスト+表題曲カラオケ(for you)の5トラックで通された。カラオケは”for you”という表記がされている。

普通にトップ10入りは果たし、多少の粘りは見せるも15万枚を越える程度に落ち着いた。一気にCDが売れなくなっていた時代だったとはいえ、97年と比べると圧倒的に低く、厳しい出足だった。しかし以降の行動全てが裏目に出たらしく、01年以降全ての作品の中で今作が最高売上であった。以降シングルでの10万越えは無く、アルバムも2ndアルバム『深愛~only one~』のみ(今作より売上が低い)。

Ne

作詞作曲:ЯK、編曲:ЯK&[K]assyi
語りかけるようにねぇを連呼する普遍性の高いポップなラブソング。落ち着いたAメロから、既にサビのような広がりを見せていくBメロ、このBメロ部分が何気にサビ部分よりも伸びやかで個人的には好きだ。ナルシストイメージを消そうとした結果、97年当時ネタにされたような要素も極力排除する試みがされているため、全体にフックが弱くなってしまい、良くも悪くも普通になってしまったというか、独特のオーラが消え去ってしまった感じがして発売当時はもう少し何か足りない気がしていた。しかしこの曲に関しては他の曲よりも圧倒的に耐用年数が高く、聞けば聞くほどスタンダードな名曲に思えるようになった。

07年の『evergreen anniversary edition』では01年の作品は今作とアルバムタイトル曲「深愛~only one~」の2曲しか選ばれていない。半音下げとなっているためAメロ部分に低さを感じるほか、一部歌い回しが変わっているのが少し違和感。
★★★★★
2ndアルバム『深愛~only one~
ベスト『very best of songs…
バラードベスト『Dear…
2ndカバー『evergreen anniversary edition』(リテイク)

C/W Open your heart

作詞作曲:ЯK、編曲:ЯK&[K]assyi
全英語詞で伴奏はピアノ1本のシンプルな1曲。地味な曲だが意外とコクがあり飽きさせない。隠れた佳作。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W Stay with me

作詞作曲:ЯK、編曲:土方隆行
映画「走れイチロー」主題歌。特に告知されなかったが、Say a Little Prayerの6thシングル『Kiss me』を下敷きにして作り直した再利用曲のようだ。メロディーはかなり変更されているのでほぼ別の曲のようでもあるが、アレンジ含めて全体の雰囲気が妙に似ている兄弟作のような感じ。3連バラード。王道バラード以上ではないが、期待通りの良作。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W Ne(ac g version)

アコースティックギターによるインストナンバー。アコースティックギターのみなのでかなりシンプルだが純粋にメロディーの良さを感じられる。

6th 静かな夜は二人でいよう

静かな夜は二人でいよう
01年6月21日
「Glass」の再来を狙った01年の勝負バラードシングル。3曲通して夜から夜明けへの時間の経過を表現していて、他のシングルと比べてもコンセプト色がやや強いのが特徴。今作のカラーは黄緑。

静かな夜は二人でいよう

作詞作曲:ЯK、編曲:ЯK&[K]assyi
かなり熱量のこもった大バラード。当時も歌うのに物凄く熱量を消費する曲だとコメントしていたが、確かにかなり力のこもったバラードだ。「Glass」の再来を狙っていた、正直もっと売れてほしかったと後に語っていたらしいけど、そこはう~ん…。確かに「Glass」と同じように2番が終わるまでドラムが入らないなど構成も寄せているんだけど、この曲は熱量は凄いが普通にいいの域を出ないストバラ…という印象が発売当時から変わらない。「Glass」にあった孤高のオーラやインパクトが綺麗に排除された除菌バラードとでもいうのか。より広く受けようとスタンダード性を狙いすぎたのが仇となってしまったような印象。もちろんこれが00年代後半のJ-POP大ストバラ時代にリリースされ、いきものがかりやHY泉などその時代のトレンドバラードアーティストが歌えば代表曲になるくらいの力作ではあったと思う。でも河村隆一に期待していたのはこういう普通のバラードではなかった。
★★★☆☆
2ndアルバム『深愛~only one~
ベスト『very best of songs…
バラードベスト『Dear…

C/W 眠れない夜

作詞作曲編曲:ЯK
アコースティックギターを重ねまくったギタージャカジャカの軽快な楽曲。文字通り、不安で眠れない夜を歌っているが、いろいろ考えすぎてさらに眠れなくなりそうな曲である。曲調がカラッと軽快で不安感が皆無なのは救いか。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W Flight

作詞作曲:ЯK、編曲:土方隆行
スタンダードなバンドポップナンバー。この曲で夜が明けていくようなイメージとなっており、確かに夜明けを思わせるさわやかさが全体に漂っている。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W 静かな夜は二人でいよう(ac g version)

てっきりこの曲はピアノインストなのかと思ったら前作と同じアコースティックギターのインスト。結果的には02年まで全部アコースティックギターインストで統一された。
アルバム未収録

7th ジュリア

ジュリア
01年8月22日
楽曲でのイメージ破壊を試みた初のシングル。衝撃的なPVが話題となった。「Ne」に続くヒットとなり、紅白歌合戦にもこの曲で出演した。ジャケットカラーは水色。

ジュリア

作詞作曲:ЯK、編曲:ЯK&[K]assyi
97年では「BEAT」に該当する8ビートのさわやかポップス。最早当たり障りない領域に達するほど河村隆一独特の濃さを消し去ったような普通にポップでキャッチーだがそれ以上にインパクトを残したのはPVであった。

バックバンド含めてスーツ姿の七三分け、ダセェサングラス、ジュリアナ風の女性を従えて灼熱の屋外で歌うという基本スタイルだけでもインパクトだったが、最後のサビでは全員演奏放棄で肩の辺りで右手を左方向に、左手を右方向に交互に水平にフニャフニャ動かし続けるという通称ジュリアダンスが炸裂。ダンスというかただ手を左右にフリフリしているだけなんだけど、段々乗ってきて少々イッっちゃってる表情で顔まで一緒に振り乱すという放送事故級の姿は河村隆一何やってんの!?という強烈なインパクトを生んだ。当時、個人的にはゲラゲラ爆笑していたんだけど、どうもこの後の更なる低迷を思うとファン激減の決定打の1つになったっぽい。

紅白出演時は最後の砦であったアルバム『深愛~only one~』の売上も伸びが悪く、01年の活動が完全に滑ったのを自覚しつつある状況だったと思うんだけど、バックダンサーのみがジュリアダンスをやり、本人は終始真面目に歌唱し続けた。またこのPVが商品化されることはなかった某所で検索かければ非公式なやつがたぶん見れると思うけど、非公式なやつじゃなくて公式・高画質でもう1度見たい…
★★★☆☆
2ndアルバム『深愛~only one~
ベスト『very best of songs…

C/W Yeah Yeah

作詞作曲編曲:ЯK
全英語詞のポップナンバー。タイトルでも分かるように盛り上げ系のナンバーで英語詞ながらキャッチーで耳に残る。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W 浪漫

作詞作曲:ЯK、編曲:土方隆行
Say a Little Prayerの2ndシングル「a day」を原曲として作り直した再利用曲歌詞は全面変更されている。ただし「複雑な女心」と歌っていた箇所がそのまま「複雑な男心」になっているなど名残はある。1度はこのメロディーでA面で出した曲だけあってけっこういい曲。ただアコースティックギターを主軸にしたとにかく耳障りに絶対ならないような綺麗なアレンジが早くも食傷気味になってきた感もある。実験的なことをほとんどやらずにとにかく普遍性を狙っていたせいだろうか。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W ジュリア(ac g version)

恒例のアコースティックギターインスト。

8th 君の前でピアノを弾こう

君の前でピアノを弾こう
01年10月24日
テレビ東京系『おはスタ』の1年ごとに交代していた女の子アシスタントの「OHA-ガール グレープ」に提供し、今作発売の1週間後には「OHA-ガール グレープ」バージョンの「君の前でピアノを弾こう」もリリースされた。メンバーは川田由起奈、笹岡莉紗、あびる優、芳賀優里亜、内田莉紗万引き告白で失脚したあびる優が1番有名だが、川田は後のBOYSTYLEメンバー、笹岡莉紗は昼ドラ「大好き!五つ子Go」シリーズ(高校生シリーズ)の美穂役、芳賀優里亜は昼ドラ『ドレミソラ』や『仮面ライダー555』ヒロインを後に担当した。

ジャケットカラーは紫。

君の前でピアノを弾こう

作詞:ЯK&michiko、作曲:ЯK、編曲:ЯK&[K]assyi
キッズ向けを狙って書かかれているため、チャイルドコーラスの導入など全体に歌のお兄さんのような優しい雰囲気。覚えやすくて歌いやすいメロディー、好きになった君のためにへたくそでもピアノを弾こうというかわいらしい恋愛模様など、徹底的に分かりやすく親しみやすい。正直おはスタよりもNHK「みんなのうた」を狙っていたんじゃないかと思うけどどうなんだろうか

ラクガキみたいなかなり簡易な線画アニメーションによるPVは曲の内容をほぼそのまま映像化している。またこの頃から河村隆一はインタビューでピアノを習い始めたとコメントしていたのでその影響もあったのかも。ただピアノを弾こうといいながらもピアノよりもアコースティックギターの印象の方が強い。

シングルとアルバムではフェードアウトで終わるがベスト盤では完奏するバージョンで収録されている。特に表記が無かったので普通に演奏が終わって驚いた。
★★★★☆
2ndアルバム『深愛~only one~
ベスト『very best of songs…』(最後まで演奏される未発表バージョン)

C/W generation

作詞作曲:ЯK、編曲:ЯK&[K]assyi
01年では初となる社会派ソング。これまで同様に社会への警鐘を鳴らすようなシリアスな内容になっている。ただストリングスとアルペジオとピアノによるシンプルな伴奏は全体的に優しい雰囲気のまま。97年の「RED」や「Evolution」で見せていたようなヒリヒリした冷たい空気とは真逆。確かに聞きやすいのはこういうアレンジではあるけど…警鐘を鳴らすような歌詞の内容ならアレンジはもう少し攻めて良かったのでは…。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W share my destiny

作詞:ЯK、山本富士夫、編曲:島田昌典
どっしりとしたポップナンバー。作曲が提供、初参加の島田昌典が編曲という事で、大枠の印象は大きくは変わらないが、ここまでの曲とは一味違う良さを感じられる。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W 君の前でピアノを弾こう(ac g version)

ピアノの曲だしもしかして今回は…という期待を裏切り今回も普通にアコースティックギターインスト。今作だけ音質が異なるが確かこれだけモノラル録音だったような…。
★★★☆☆

9th 恋をしようよ

恋をしようよ
01年11月21日
97年よりも1作多いアルバムへの先行シングルとなる01年5作目のシングル。演歌歌手氷川きよしが初めて別名義でポップスに挑んだKIYOSHI名義の「きよしこの夜」を提供プロデュースしており、同時発売。

この頃には既にイメージが崩壊した影響か、KIYOSHI名義は一応話題にはなっていたはずだが14位に終わってしまう。しかし今作はさらにそれを下回る18位に終わってしまい初のトップ10落ちとなった。

ジャケットカラーはオレンジ。発売後に本来封入されるはずだったクリスマスカードの封入忘れというミスが発覚し、購入店舗で申告すると後からもらえるという措置が取られ、別にいらなかったけど店に取りに行ったのを記憶している。

恋をしようよ

作詞作曲:ЯK、編曲:土方隆行
河村隆一と飯島直子の司会でフジテレビ系で23時からの30分枠で放映されたバラエティ『アイ×カチ』テーマソング。ついにバラエティの司会にまで挑んだが、不評だったのか最初から2クールの予定だったのか半年で終了してしまった。

01年はC/W3曲目に登板することの多かった土方隆行を「Love is…」以来のA面起用。アルバム先行シングルとアルバムで土方隆行を起用するというのは97年のジンクスを踏襲していたのだろうか。

「ジュリア」も明るかったが、河村隆一史上恐らく最も明るくポップでドキャッチーな恋愛至上ソング。01年5枚目のシングルで相変わらずアレンジが普遍的すぎてマンネリに聞こえてしまうところはあったが、この曲は歌詞とメロディーでそこを凌いでいくだけの勢いがあったと思う。特に1番では登場せず、2番で登場する落ちサビのメロディー展開が最高。バラエティのテーマ曲としても、アルバム先行シングルとしても極上ポップな1曲だったと思うが…。

PVは「ジュリア」を遥かに凌ぐ超絶噴飯モノ。「探偵物語」のパロディーと思いきやアフロ風ヘアという共通点のみで林家ペースタイルのアフロヘアにだっさい衣装を着て仮装した河村隆一が探しものの依頼を受けるドラマパートから始まるという気合の入った長編ムービーになっている。この時点で既に声もキャラも河村隆一とは思えないほどにぶっ飛んでしまっているが、曲が始まって以降も終始、怪しげな歩調で動き回りギャグをかましまくり(小ネタとして「ジュリア」スタイルの自身の写真を見て切り捨てるような様子も)、変な怪人と対決したり、ナンパしまくったりと、あまりにも脈絡のない謎シーンが次から次へと繰り出されてハチャメチャ。最後はお姉さんたちに捕まって仮装を脱がされて白衣装の大勢のエキストラの中で普通にカッコよく歌い上げている。このシーンでの河村隆一にはさすがのカッコいいオーラが漂っていた。

既にイメージ完全崩壊後だったためか、「ジュリア」より凄かったのにほとんど話題にならなかったのはもったいなかった。滑った以前にスルーされてしまったような…。「ジュリア」同様封印されてしまったのか商品化されていない。これはマジ面白かったし、この時は滑ってしまっていてもやり続ければ別のファンがついてきたかもしれないのに早急に心折れたように撤収してしまったのが悔やまれる。
★★★★★
2ndアルバム『深愛~only one~
ベスト『very best of songs…

C/W Break an anxious night

作詞作曲:ЯK、編曲:土方隆行
Say a Little Prayerの4thシングル『like or love』を原曲として作り直した楽曲。これまでの使い回し楽曲の中でも格段にポップで勢いがあり、01年ラストシングルへの並々ならぬ気合が感じられる1曲。
★★★★☆
アルバム未収録

C/W 深月に恋文をしたためて

作詞:ЯK、作曲:Michiko Yoshida、編曲:山口一久
和風テイストの異色楽曲。01年アレンジ面でほとんど攻めなかったので、今作のテイストはかなり際立ってインパクトがある。
★★★★☆
アルバム未収録

C/W 恋をしようよ(ac g version)

というわけで5連続アコースティックギターインストで通した。
★★★☆☆



10th Sugar Lady

Sugar Lady
02年4月24日
02年唯一にして結果的にビクターでの最終シングル自身出演ドラマ主題歌という現時点で最初で最後のタイアップだったが、今作もトップ10落ちとなった。この後、夏に唯一の主演作映画『ピカレスク 人間失格』で太宰治を演じ、そこから生まれたミニアルバム『人間失格』をリリース後は、早くもベスト盤となりビクター時代は終了した。『ピカレスク 人間失格』は前年秋頃の撮影だったため、このドラマ出演を最後に俳優活動も撤退へ向かった(以降は03年のドラマ『メッセージ~言葉が裏切っていく~』に1回ゲスト出演、13年にED主題歌を担当した昼ドラ『白衣のなみだ』にゲスト出演している)。。

Sugar Lady

作詞作曲:ЯK、編曲:ЯK&岡部啓一
ドラマ『九龍で会いましょう』主題歌。石田ゆり子が主演扱いで河村隆一は準主役の相手役だった。石田ゆり子が不倫の上司(伊原剛志)と優しくて誠実な彼氏(河村隆一)との間で揺れるという三角関係メインのラブストーリー。原作が『東京ラブストーリー』の柴門ふみだったので90年代のトレンディドラマみたいな内容だったが、この当時王道のラブストーリーのドラマが飽きられたと判断されていたのか激減していたので妙に懐かしい感じがあった。

河村隆一が演じたのはちょっと頼りない(肝心なところで押しが足りずに石田ゆり子を引き留めておけない)ヤサ男だったので、このドラマにおいてはストレートに前髪を下した普通の人になりきっており、カッコよさをほぼ封印。加えて上司で恋のライバル役が伊原剛志、友人役が東幹久…と長身俳優が立ち並び、彼らは普通に自信家の役設定だったため、相対的に河村隆一は妙に背が低く、3人の中でも1番冴えない見た目になってしまった。恐らくこの役を受けたのも前年同様にナルシストなイメージを壊してもっと普通で身近な存在を目指したゆえだったと思うけど、結果これを最後にほぼTVから消えちゃったからなぁ…。最終回では九龍まで石田ゆり子を追いかけていく熱さも見せて成長し、いい奴だったんだけどね秀太郎(役名)。あと当時の石田ゆり子は30越えたくらいの頃でけっこう若いなぁ…と高校生ながら思っていたけど以降ドラマで見かけるたびにほぼこの頃の印象のままで、若いなぁ…の印象が50近くなった2017年現在でも変わらないのが改めて凄い。

主題歌となったこの曲は01年のどこか優等生にまとめすぎた楽曲群とは異なり、久々にこれぞ河村隆一といえる独自のオーラと前年の活動で得た普遍的なポップ性、ヒット曲としてのキャッチーさを抜群に捉えたような名曲。河村隆一の全シングルの中では1番90年代のヒット曲っぽいオーラを放っている曲かもしれない。ドラマを盛り上げる主題歌として文句なしだったし、これがこの時点での数年前の月9主題歌だったら大ヒット間違いなしだったと思う(このドラマはテレ朝の夜11時枠だった)。ただ時は2002年。R&Bのようなクールなアレンジが時代の主流で90年代っぽい音楽はほぼ姿を消していたので時代にはそぐわなかったのかも。

PVは街中をひたすら河村隆一が走り回り「Sugar Lady」を探し続けるという内容。ラストで石田ゆり子とすれ違った際にスカウターのような反応を見せて石田ゆり子がSugar Ladyと判定しめぐり合うといった内容でドラマとリンクしていた。

ドラマの最終回ではバラードにアレンジしたバージョンが挿入歌として使用された。このバージョンがballad versionとしてベスト盤に収録されたが、この曲のオリジナルはアルバム未収録のままとなってしまった。この路線で01年の壁を突き破ったオリジナルアルバムが聞きたかった…。バラードバージョンは個人的には少々くどい感じがしてあまり好きではないが、逆にオリジナルのポップすぎるアレンジが苦手だとバラードの方が気に入るかも。

07年のリテイクはオリジナルの方のアレンジを踏襲しているがキー下げされていて少し違った雰囲気に感じられる。
★★★★★
オリジナルバージョンアルバム未収録
ベスト『very best of songs…』(ballad version)
バラードベスト『Dear…』(ballad version)
2ndカバー『evergreen anniversary edition』(リテイク)

C/W I wanna be loved

作詞作曲:ЯK、編曲:ЯK&岡部啓一
Wow Wow言ってる割合が大半の短い曲だがこれまたポップ性抜群。ポップでキャッチーであることに対する絶対的な自信を感じるというか、取り戻したような感じがする。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W Sugar Lady(ac g version)

作曲:ЯK、編曲・演奏:喜多山信
アコースティックギターインストは前年から引き続き採用。これが一旦最後となった。



11th SPOON/Missing you

SPOON/Missing you (初回限定盤 アネモネ) SPOON/Missing you (初回限定盤 ダリア) SPOON/Missing you (初回限定盤 ポピー) SPOON/Missing you (通常盤 バラ)
04年3月3日
コロムビア移籍第1弾。久々のリリースだったため、リリース時には今後についてかなり考えたと語っており、全体的には01年以降の色々な活動の実質的失敗が尾を引いているようなインタビューでの発言も残っているが(ЯK worksのレーベルがクローズになってしまったと記事に書かれていたので辞めたのではなく契約が終了してしまったようだった)何はともかくここで心機一転。ЯK名義での提供活動が実質的に終了して移籍もしたためか、作詞作曲の名義は河村隆一に戻った

アネモネ、ダリア、ポピー、バラの4種のジャケットが用意され、バラが通常盤、他3種は初回盤という扱いだったがジャケットデザインが違うだけで中身は同じであった。

アルバム『VANILLA』の先行シングルだったが、アルバムリリース後は再び新作リリースが停滞した。

SPOON

作詞作曲編曲:河村隆一
LUNA SEAと同じような路線だと言われるのは嫌なのであえて避けていたというロック路線をシングル表題曲で本格解禁。ストレートなバンドサウンドでこれまでになくエレキギターも全開。といってもあくまでJ-POPのロックサウンドであり、LUNA SEAとは全く印象は異なっている。これならもっと早くこういう方向性をやっても良かったんじゃないかと当時思った。

前へ進んでいく意志を示しながらも後悔の念も随所に表れている歌詞はLUNA SEAの事を歌っているのではないかとも言われた。LUNA SEAもそうだけど再起っていう意味合いが強い気がする。一皮どころか二皮以上向けたようなパワーアップで、大満足の1曲だったのだがトップ10入りはしたものの急落。手ごたえが無かったという判断になったのか、今作以降は万人受けとかヒットとか97年の再来だとか関係ない残ったファンだけ大切にする活動へとシフトしていった印象がある。
★★★★★
シングルバージョンアルバム未収録
3rdアルバム『VANILLA』(album mix)

Missing you

作詞:河村隆一、作曲編曲:葉山拓亮
両A面のバラード。Tourbillonメンバーとなる葉山拓亮との初コラボ楽曲。今作はまだ今までのイメージに近い曲だが、これまでのような万人受けポップス感がないのはアレンジャーが完全に変わったせいだろう。以降に通じる大人っぽさを感じる。

なおシングル盤だと作曲が葉山だが、アルバムでは何故か作曲が河村隆一になっている。JASRACの登録では葉山作曲になっているので、アルバムの記載が誤植だったと思われる。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
3rdアルバム『VANILLA』(album version)



13th 誰の為でもなく君に…

誰の為でもなく君に...(初回生産限定盤)(DVD付) 誰の為でもなく君に...
07年4月18日
3年ぶりのシングル。前作に参加した葉山拓亮、LUNA SEAギタリストのINORANと共に05年にTourbillonを結成して05~06年にかけて2枚のアルバムを発売して活動していたためソロ活動は中断されていた。

この年はソロ10周年。一応10周年を意識した活動を展開させていたものの、あくまでここまでついてきてくれているファン向けのプロモーションに留まり、再び世間に打って出るような事は無かった。

初回盤AはC/Wが「Flow」でPV収録のDVD付。
初回盤BはC/Wが「きらめきの向こう」で34ページフォトブック+画像データの入ったCD-ROM付。
通常盤はC/W2曲を網羅してさらに「誰の為でもなく君に… (piano)」を追加収録したCDのみ。

時代に合わせた複数商法となり、今作よりアイドル商法化が本格的に始まった。

誰の為でもなく君に…

作詞作曲:河村隆一、編曲:田屋雅章、ストリングスアレンジ:葉山拓亮
デビュー10周年のバラードという事でファンへの感謝を歌ったような曲だが、タイトルに表れているようにかつてのように不特定多数の外へ向けたヒットソングではなく、今なお聞いてくれているファンに向けて歌っているんじゃないかと思う。「深愛~only one~」辺りをさらに落ち着かせたような印象。よりクラシカルな歌い方を獲得したので今作でグッと大人のシンガーになったように感じられる。ポップスター河村隆一が、シンガー河村隆一に本格的に切り替わったような1曲。
★★★☆☆
4thアルバム『ORANGE

初回盤A、通常盤C/W Flow

作詞作曲河村隆一、編曲:田屋雅章
比較的躍動感のある楽曲。以前のようなポップな感じではなく、やはり大人の落ち着きを感じられる。
★★★☆☆
アルバム未収録

初回盤B、通常盤C/W きらめきの向こう

作詞作曲河村隆一、編曲:田屋雅章
落ち着いた穏やかな雰囲気のバラード。
★★★☆☆
アルバム未収録

通常盤のみC/W 誰の為でもなく君に…(piano)

久々のピアノインスト。曲が落ち着いているためか、以前にもましてクラシックっぽい。

14th Once Again

Once again
07年10月31日
04年のアルバム『VANILLA』リリース後のライブで初披露されるも、封印宣言により幻となっていた楽曲を10周年を記念して待望のリリース…という触れ込みで発売されたシングル。格別な思い入れがあるためなのか、今作に関しては完全1種発売で複数商法が行われなかった。

ソロデビュー10周年でもあったがこの年はLUNA SEAが公式サイトで7月になってから謎のカウントダウンを開始。8月28日に12月24日一夜限りの復活ライブを行うことを発表した。そちらは大きな話題となっていた。

Once Again

作詞作曲:河村隆一、編曲:葉山拓亮
ザ・バラードといった感じのバラード。正直バラード、としか感じなかったほどの普通のバラード曲で、当時封印されていた待望の楽曲みたいな煽りを聞いて期待して聞いたら、あれ?普通…となったのを記憶している。葉山拓亮と組むようになって大人の味わいが増したのと、歌い方をよりスッキリさせた事で、進化と変化は確かに感じるんだけど…。改めて聞いてもやはり普通のバラード以上の印象が持てない…。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
2ndカバー『evergreen anniversary edition』(Album Version)

C/W あの日の少年

作詞作曲:河村隆一、編曲:小泉信彦
タイトル通り少年時代を振り返るというド王道のノスタルジック系ナンバー。曲自体はわりかし普通だけど河村隆一の楽曲の中ではこういった少年性を歌った曲はかなり珍しく新鮮。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W Hello Hello

作詞作曲:河村隆一、編曲:小泉信彦
今作の中では最もポップで躍動感のある楽曲。個人的にはこのシングルでは1番好き。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W Once again(piano)

恒例ピアノインスト。
★★★☆☆



15th ヒロイン

ヒロイン(初回生産限定盤)(DVD付) ヒロイン(通常盤)
09年2月4日
セルフカバー&カバーアルバム『evergreen anniversary edition』にて織田哲郎の「いつまでも変わらぬ愛を」をカバーしたことがきっかけとなり、織田哲郎とのコラボレーションで生まれたシングル。アルバム『ピアノ』の先行シングル。

初回盤はPV収録のDVD付。
「緑の詩」と「ヒロイン(for you)」(カラオケ)は通常盤のみ。

コロムビアでの最終シングル

ヒロイン

作詞:河村隆一、作曲編曲:織田哲郎
前2作が印象に残らなかったので織田哲郎作曲に期待していたが…やはりあまり前2作と印象の変わらないザ・ストリングスバラードであった…。この頃の織田哲郎は自分の作品も落ち着いたアコースティック系のバラードばかりだったので、織田哲郎作曲というだけで過度な期待はしていなかったが、それでももう少しシングルなんだからさぁ…という感じはあった。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
5thアルバム『ピアノ』(album mix)

C/W 誰もかれも騎士(ナイト)

作詞:河村隆一、作曲編曲:織田哲郎
こちらの方が普通にテンポのあるミドルナンバーで聞きやすい。やはりそこまでではないものの「ヒロイン」よりは好き。
★★★☆☆
アルバム未収録

通常盤のみC/W 緑の詩

作詞作曲:河村隆一、編曲:葉山拓亮
今作唯一の自作曲。一応ラブソングではあるが、環境や平和を守っていこうという広い方向性で徐々に盛り上がりを増していく7分越えの超大作。どんどん盛り上がっていくドラマティックさやサビが連発される構成ゆえに織田哲郎の2曲よりもこっちの方がメロディーが強いように感じられる。これではせっかく招いた意味が…。
★★★☆☆
アルバム未収録



16th Brilliant Stars

Brilliant Stars【1万枚限定生産】(DVD付) Brilliant Stars
09年9月30日
Tourbillonで所属していたエイベックスへソロでも移籍しての第1弾作品。以降現在までエイベックス所属となっている。また2010年にLUNA SEAが完全復活して以降、2011年~2012年にはLUNA SEAもエイベックスへ移籍していたが、何故かその後再び元のユニバーサルへ出戻り、河村隆一とTourbillonは引き続きエイベックスという形となっている。

初回盤はPV収録のDVD付。
通常盤はC/Wに「Song for you」が追加収録されている。

Brilliant Stars

作詞作曲:河村隆一、編曲:葉山拓亮
移籍を機にヒット戦線へ回帰したかのような久々のロマンティックな煌めきをまとったポップナンバー。もうヒットを狙う気はすっかり無くなっているように感じていたので今作には非常に驚いた。キラッキラなんだけど、それでもかつてとは違う大人っぽさもしっかりあって、かつてのポップスター河村隆一の正当進化版のような雰囲気。07年以降のシングルで1番聞きやすいのはこの曲だと思う。
★★★★☆
シングルバージョンアルバム未収録
6thアルバム『Sora』(album mix)

C/W 朝日にゆるされ

作詞作曲:河村隆一、編曲:葉山拓亮
抑えた雰囲気のミディアムナンバー。全体にセレブな雰囲気が漂うような…。
★★★☆☆
アルバム未収録

通常盤のみC/W Song for you

作詞作曲:河村隆一、編曲:葉山拓亮
ラブソングかと思いきや応援歌。最後はラララ合唱で盛り上がるポジティブな1曲。
★★★☆☆
アルバム未収録

17th 抱きしめて

抱きしめて(DVD付)【1万枚限定生産】 抱きしめて
10年1月20日
移籍第2弾でアルバム『Sora』への先行シングル。

初回盤はPV収録のDVD付。
通常盤はC/Wに「最後の口づけ」が追加収録されている。

抱きしめて

作詞作曲:河村隆一、編曲:葉山拓亮
またしてもバラードだが、前作同様にヒット期の煌めきが戻っており、あの頃の河村隆一っぽいロマンティックなバラード。07年以降のバラードで1番パッと浮かぶのはこの曲だ。結局、一時的なものだったのか2作連続で煌めきを取り戻したもののこれっきりだった。
★★★★☆
6thアルバム『Sora

C/W Fly away

作詞作曲:河村隆一、編曲:葉山拓亮
現代社会を広い視点で歌っているような描写がやや曖昧な歌詞が異色だが、楽曲自体はさらっとしたアップナンバー。
★★★☆☆
アルバム未収録

通常盤のみC/W 最後の口づけ

作詞作曲:河村隆一、編曲:葉山拓亮
表題曲ほどではないがロマンティックなラブバラード。
★★★☆☆
アルバム未収録



18th YO GA YONARA…

YO GA YONARA...
11年7月20日
2010年にはLUNA SEAが完全復活。LUNA SEAの完全復活以降初のシングル。これ以降はLUNA SEAと各自のソロ活動を並行して行うスタイルとなり、河村隆一はアルバム主体の活動で毎年アルバムをリリースし続ける順調な活動を展開。シングルは重要視されなくなりほとんどリリースしなくなっていた。

アルバム『Fantasia』への先行シングル。

A盤はPV収録のDVD付。
B盤は「YO GA YONARA…(PIANO version)」を追加収録したCDのみ。

YO GA YONARA…

作詞作曲編曲:河村隆一
直接的に復興支援を打ち出したような歌詞ではないが震災を受けて書かれたようなシリアスな楽曲。真面目な楽曲なのでロマンチックな雰囲気も不要という事ではあるんだけど、オーソドックスなバンドスタイルで前2作から一転してまたファン向けのシンガー路線に戻った感じで正直かなり地味。
★★★☆☆
7thアルバム『Fantasia

C/W 白い絵の具

作詞作曲編曲:河村隆一
これまた自身編曲。どっしりシンプルなバラード。
★★★☆☆
アルバム未収録

B盤のみC/W YO GA YONARA…(PIANO version)

恒例インストバージョン。
★★★☆☆

19th 七色

七色 (SG+DVD) 七色
13年5月29日
アルバム『Life』への先行シングル。完全にアルバム主体に切り替えたため、シングルリリースをしなくなっていたが今作は昼ドラのタイアップがついたために久々にシングル発売に踏み切ったものと思われる。現時点での最終シングル。以降も制作ペースは落ちていないが、ほぼ年1でアルバムのみを出すというスタイルへ完全移行した。

CD+DVD盤はPV収録。
CD盤はC/Wに「七色(PIANO version)」を追加収録。

七色

作詞:河村隆一、作曲編曲:葉山拓亮
ドラマ『白衣のなみだ』ED。この頃次のアルバムはロック色が強いと発言していたが、全くそんな気配を感じない王道のバラード。さすがにシックだった前作や07~09年頃よりは盛り上がるが…。
★★★☆☆
8thアルバム『Life

C/W the earth~未来の風~

作詞作曲:河村隆一、編曲:葉山拓亮
これまた王道バラード。歌っている愛の形が以前より大きくなってきた辺りには変化を感じる。どこがロック色強いんだ…と思っていたらアルバム『Life』はロックな曲が多く、正直その色をシングルで出せばよかったのに…と思うくらいには好感触だった。
★★★☆☆
8thアルバム『Life

CD盤のみC/W 七色(PIANO version)

恒例インストバージョン。
★★★☆☆

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