01年9月5日
前作から1年2ヶ月、アルバム『REAL』からも1年ぶり。あれほどの連続リリースから一転して01年唯一の新作となった。1位こそ獲得したものの、売上はこれまでに比べ大幅に落とした。また今作を最後に特に休止を宣言することも無く、メンバーは各自ソロ活動を展開し続け、完全に活動停止状態となった。次なる新作に向けての話が全く無い状態だったと思われ、これまでシングルには掲載されていなかったサポート含むメンバー担当楽器以外の演奏表記が歌詞カードに記載されている。
今作に関しては完全に点での活動となり、休止前、休止後のいずれにも属さない立ち位置となったが、休止中にリリースされたベストアルバムには収録されず、休止明けのアルバム『SMILE』にC/Wの全英語詞バージョンの「Spirit dreams inside」が収録された。表題曲である日本語バージョンの「Spirit dreams inside-another dream-」はアルバム未収録のまま。
Spirit dreams inside-another dream-
作詞作曲:hyde、編曲:L’Arc~en~Ciel&岡野ハジメ
日本語バージョン。hydeによるジャカジャカ鳴り続けるアコースティックギターをリズム楽器のように効果的に用いながらもややダークに攻めたロックナンバー。全体に歌の音程は低めで、hydeのボーカルからも特徴の1つだった優雅さは感じられないが、これはこれでかなりカッコいい。こちらのバージョンはタイアップもついていないが、シングルとして出すには全英語詞では…という事にでもなったのか、一応シングルの表題曲となるも現在もそのまま放置されている。けっこういい曲なので何だかもったいない。
★★★★☆
アルバム未収録
Spirit dreams inside
作詞作曲:hyde、編曲:L’Arc~en~Ciel&岡野ハジメ、English translation:Lynne Hobday
世界初のフル3DCG映画『FINAL FANTASY』主題歌。全英語詞バージョン。7月に映画のサントラに先に収録されており、厳密にはシングルカット。オケ自体は全く違いが分からないので恐らくanother dreamと同じものでボーカルだけ差し替えたものと思われる。another dreamでもかなり英語詞が残されていたのでいっそ全部英語である今作の方がストレートにカッコよさが伝わるところもあると思う。
タイアップ先の映画『FINAL FANTASY』は大人気ゲームシリーズを映画にしたものでFFがハリウッドと手を組んで多額の予算をつぎ込んで世界初のフル3DCGに挑んだ超大作として話題になっていた。その主題歌となったラルクも必然的に全米デビュー、世界デビューというかなりのビッグプロジェクト…だったはずだが…。
先に公開された全米で大コケしてしまい(というか興行収入が製作費を下回る完全な大赤字)、日本公開時には既に背水の陣みたいな空気に変わっていた。というか当時の日本の映画界はジブリの某神隠しが空前のブームになっていたので、他の映画が必然的に影の薄い状態になっていた。ラルクファンでFFプレイヤーでもある友人はそれでもわずかな期待をして颯爽と見に行ったが、戻ってきた彼は「 さ っ ぱ り 意 味 が 分 か ら な か っ た 」と疲れ切った死んだ目でつぶやくのみで黙り込んでしまう始末。案の定日本でも大コケし、FFを制作しているスクウェアはこの多額の負債で一時経営が傾いたとして伝説となっている。
★★★★☆
9thアルバム『SMILE』
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