ゆず 20周年シングル回顧1~1997-2000~

1997年にインディーズデビュー。トイズファクトリー社長の稲葉貢一がゆずのために設立したセーニャ・アンド・カンパニー(SENHA&Co.)に所属してのインディーズデビューだった。インディーズではミニアルバム『ゆずの素』1作のみで、98年には2ndミニアルバム『ゆずマン』でメジャーデビュー。トイズファクトリーではなく、セーニャ・アンド・カンパニーのままメジャーデビューした。セーニャにはその後何度か別のアーティストが所属した事もあったが、どれも単発~数年程度で離れており、実質的にゆずの専属レーベルとなっている。ゆずのCDの品番が「SNCC」で他にほとんどこの品番を使っているアーティストを見かけないのはこのためだ。

シングルを出したのはインディーズデビュー、メジャーデビューの後の98年6月3日。ミニアルバム2作の頃は無名で、「夏色」のロングヒットで世間一般にゆずの名が知れ渡った。一般的に1stシングル=デビュー作と捉えられがちなのでゆずのデビューは98年の夏という認識が強く、07年に10周年、17年に20周年というのは正しいんだけど何か1年早い気がするのはこれが原因だろう。

メジャーデビューと同時に寺岡呼人がサウンドプロデューサーとして主にアレンジ面を支えた。先に曲を書いていたのは岩沢だったらしく、このためインディーズ時代は岩沢曲がメインだったがメジャーデビューと同時に北川が才能を発揮するようになり、すぐに北川曲がやや多めという配分になった。

この時期は連続でスマッシュヒットを連発。そのどれもが20~30万台にとどまり、ミリオンヒット全盛期の90年代末期だったが、当時の基準における大ヒット曲は出なかった。アルバム『ゆずえん』は唯一ミリオンセラーを記録しているが、大ヒットが出ないことで逆にピークを作らず、安定した人気の土台を作れたのは大きかったと思う。

ただかなり連続でリリースしていたのでTVには出なかったもののかなり多忙を極めていたようで、99~00年頃、アルバム『トビラ』にかけては一時的に内省的な楽曲を立て続けに発表。基本前向きで明るい曲をメインとするゆずが最もやさぐれたのがこの時期となった。




1st 夏色

夏色
98年6月3日
詩曲:北川悠仁
97年のインディーズデビュー、98年のメジャーデビューを共にミニアルバムで飾って、満を持しての初のシングル作品。デビュー当時のメインライターは岩沢だったが、今作で北川曲がA面採用されると以降徐々に比重は逆転していった。

梅雨の始まり頃にリリースし、初登場59位からじわじわとチャートを上昇、1ヶ月後には今作が収録された1stアルバムもリリースされたが、問題なくロングヒットして夏を駆け抜けて秋になってもヒットし続けていたが、最高位は17位止まり。ゆず唯一のトップ10圏外作品。しかも17位を記録したのは9月になってからだった。しかしながら強いインパクトを残し、その後「栄光の架橋」がヒットするまでは「いつか」に続く代表曲といったポジションだったが、00年代半ば以降にTV出演を増やすようになってからは、とりあえず弾き語りスタイルでもこの曲をジャカジャカ弾き始めれば誰もが知ってて場が沸く…といった場面がお茶の間レベルに浸透したためか、最大級の代表曲の1つになったような印象。

夏なのに夕焼けが早すぎておかしかったり(作った季節が夏じゃなかったため)、”ゆっくりゆっくり下っていく”のに曲調の忙しなさからどう頑張っても坂道を豪速で駆け下りていく光景が浮かんだりと、歌詞にはツッコミどころもあるが、とにかく若さと勢いに溢れていて眩しい。98年当時のヒットシーンではこういうシンプルなアコースティックサウンドは決してメインストリームではなかったが新鮮だった。ライブアルバムでは皆勤賞でもあり、弾き語りでここまで盛り上がるのかと驚くほどの盛り上がりを体感できる。
★★★★☆
1stアルバム『ゆず一家
4thミニアルバム『ゆずスマイル
1stべスト『Home[1997-2000]
1stライブアルバム『歌時記~サクラサク篇~』(ライブ)
2ndライブアルバム『歌時記~ふたりのビッグ(エッグ)ショー篇~』(ライブ)
3rdライブアルバム『二人参客 2015.8.15~緑の日~』(ライブ)
4thライブアルバム『二人参客 2015.8.16~黄色の日~』(ライブ)
5thベスト『ゆずイロハ

夏色
ゆず
1998/06/03 ¥250

2nd 少年

少年
98年9月18日
詩曲:北川悠仁
7月に発売されていた1stアルバムからのシングルカット。「夏色」のヒット中発売され、初のトップ10入りを果たした。「夏色」と同じような無邪気で明るい若さと勢いに溢れたアコースティックナンバー。「夏色」以上に若さ溢れる勢いが眩しい。迷いを感じさせない屈託の無さはこの当時でしか出せなかった空気だと思う。アルバムでは間奏で何故かネプチューンが参加していたが、シングルでは北川がふざけている声に差し替えられている。
★★★★☆
1stアルバム『ゆず一家』(間奏の台詞が異なるオリジナルバージョン)
1stべスト『Home[1997-2000]』(シングルバージョン)
3rdライブアルバム『二人参客 2015.8.15~緑の日~』(ライブ)
4thライブアルバム『二人参客 2015.8.16~黄色の日~』(ライブ)
5thベスト『ゆずイロハ

少年
ゆず
1998/09/18 ¥250

3rd からっぽ

からっぽ
98年11月11日
詩曲:岩沢厚治
3作目にして岩沢曲。前2作とは打って変わっての失恋バラード。若さ溢れる勢いだけでなくじっくりメロディーを聴かせるバラードでも強い曲を生み出せる、しかもソングライターが2人いるというのを世に示した1作。ここで初の30万枚突破としっかり結果も残した。
★★★☆☆
1stライブアルバム『歌時記~サクラサク篇~』(ライブ)
2ndアルバム『ゆずえん
1stべスト『Home[1997-2000]
5thベスト『ゆずイロハ

からっぽ
ゆず
1998/11/11 ¥250

4th いつか

いつか
99年1月20日
詩曲:北川悠仁
デビュー以降の連続リリースの中でも最も強いインパクトを残し、圧倒的というわけではなかったが「栄光の架橋」が出るまではゆずの筆頭代表曲はこの曲だったと思う。雪原で歌っているPVと共にゆずというとこの曲という印象がしばらくあった。弾き語りのしやすさからもギターを持った同級生たちはみんなこの曲を練習していたのを記憶している。しかし彼らはひとしきり弾けるようになって気づくのである…キー高くね…?と。前作で岩沢がバラードで聞かせたと思ったら北川もバラードでそれを上回るインパクトを見せてきたというところが地味に凄い。
★★★★☆
1stライブアルバム『歌時記~サクラサク篇~』(ライブ)
2ndアルバム『ゆずえん
2ndライブアルバム『歌時記~ふたりのビッグ(エッグ)ショー篇~』(ライブ)
1stべスト『Home[1997-2000]
5thベスト『ゆずイロハ

いつか
ゆず
1999/01/20 ¥250

5th サヨナラバス

サヨナラバス
99年3月17日
詩曲:北川悠仁
「サヨナラバス」というキャッチーなタイトル通りにキャッチーな響きの明るい別れの歌。90年代末期の当時のアーティストが普通に辿っていたようなここから更なる大ヒット…という流れにはならず、連続リリースで20~30万弱の同じようなインパクトの中規模ヒットを連発。そのどれもがポップでキャッチ―、同系統の楽曲だったがどれも突出せず、しかしどれもいい、というなかなか難しいところを突き進んでいった。実際この頃は突出してこれいいという曲が無く、どれもいい!という状態でどんどんリリースされていた記憶がある
★★★★☆
1stライブアルバム『歌時記~サクラサク篇~』(ライブ)
2ndアルバム『ゆずえん
1stべスト『Home[1997-2000]
3rdライブアルバム『二人参客 2015.8.15~緑の日~』(ライブ)
5thベスト『ゆずイロハ
5thベスト『ゆずイロハ』(ゆず×back number)

サヨナラバス
ゆず
1999/03/17 ¥250

6th センチメンタル

センチメンタル
99年8月18日
詩曲:北川悠仁
前作も別れがテーマだったのでセンチメンタルな感じが漂っていたけど、タイトルに掲げた今作の方がセンチさが少し増している。切ないとはいえ、やはり初期らしい明るいイメージが強いせいか、あまり夏の終わりの曲として取り上げられる事が無いが、サビ終わりには夏が終わっていく寂しさも感じられる。
★★★★☆
2ndアルバム『ゆずえん
2ndライブアルバム『歌時記~ふたりのビッグ(エッグ)ショー篇~』(ライブ)
1stべスト『Home[1997-2000]
4thライブアルバム『二人参客 2015.8.16~黄色の日~』(ライブ)
5thベスト『ゆずイロハ

センチメンタル
ゆず
1999/08/18 ¥250

7th 友達の唄

友達の唄
99年9月29日
詩曲:北川悠仁
学生たちが輪唱のようなサビをみんなでシンガロングする光景が浮かぶ10代の友情ソング。中学3年生だった当時はGLAYやラルクの全盛期だったので、そっちにハマっている同級生が多くて、これはもう少し若い子(小学生くらい)の無邪気さじゃないかなんて思ったりもした。数歳下のZONEのMAIKOがZONEの現役時代にクラスでこの曲を合唱したのが思い出とか語っていたのでもう2年以上若かったらキャンプファイヤーで合唱したみたいな思い出も生まれていたかもしれない。ただ幼い感じの曲調に反して歌詞はかつての旧友を思い出す大人目線(それでも20代前半くらいまで?)になっていたりもする。
★★★★☆
2ndアルバム『ゆずえん
2ndライブアルバム『歌時記~ふたりのビッグ(エッグ)ショー篇~』(ライブ)
1stべスト『Home[1997-2000]
4thライブアルバム『二人参客 2015.8.16~黄色の日~』(ライブ)
5thベスト『ゆずイロハ

友達の唄
ゆず
1999/09/29 ¥250

8th 心のままに/くず星

心のままに
99年11月25日
初の両A面曲。しかし当時はTVにも出ていなかったのでチャートでPVがかかるくらいしか露出が無く、そこで流れていたのは「心のままに」だけだったので、「くず星」はC/W状態だった。

心のままに

詩曲:北川悠仁
これまでの陽の雰囲気から一転してダークサイドを歌った楽曲。現実に打ちのめされた心境をそのまま綴ったようなサビ部分はほぼ北川の叫びとなっていて、ハーモニカも暴れ回る。急速な環境の変化によって売れた後の多忙な日々でミュージシャンが陥りがちなこの現象、特にミスチルの『深海』への流れが分かりやすかったので、この時期はミスチル深海期に例えられることも多い。ゆずの場合はこの曲の時はそうでもないが翌年には北川が突如金髪になったり、髪型変えまくったりと目に見えてやさぐれたのでより分かりやすかった。
当時は高校受験がしんどい程度だったのでここまでの状態には陥らず、ゆずは突然どうしたのかと思ったがメンバーと同世代くらいになり、本当の現実に打ちのめされるような年頃になってきて急にこの曲は俺だ…と妙にハマった時期があった。
★★★★☆
3rdアルバム『トビラ
1stべスト『Home[1997-2000]
2ndライブアルバム『歌時記~ふたりのビッグ(エッグ)ショー篇~』(ライブ)

心のままに
ゆず
1999/11/25 ¥250

くず星

詩曲:岩沢厚治
A面曲アルバム未収録四天王最初の1曲(四天王で唯一の単独A面だった「恋の歌謡日」が2017年のベストで救済されたため四天王の一角が崩れた)のうちの1曲。この曲に関してはライブアルバムには収録されているだけ残った2曲よりはマシか。北川に引っ張られるように岩沢曲であるこの曲も自信をくず星と言ってしまうのでややダークさを感じさせるものとなっている。アコースティックギターとハーモニカのみで淡々と歌われる割には5分を越えるのでやや長く感じる。
★★★☆☆
スタジオ音源アルバム未収録
2ndライブアルバム『歌時記~ふたりのビッグ(エッグ)ショー篇~』(ライブ)

くず星
ゆず
1999/11/25 ¥250

9th 嗚呼、青春の日々

鳴呼 青春の日々
00年5月31日
詩曲:北川悠仁
9作目にして初の1位を獲得。売上も当時の最高を少し突破した。ジャケットイラストを本宮ひろ志が担当。99年からシリーズ化して放映されていたドラマ高橋克典主演版の『サラリーマン金太郎』の原作マンガの作者だったので、ゆずの2人の雰囲気もサラリーマン風に見えるが、別にこのドラマのタイアップがついていたわけではなく、高橋克典主演版シリーズの間には主題歌を担当する事も特になかった。08年の永井大主演版では「シシカバブー」で主題歌を担当している。
今を生きるかつての友人たちを振り返りながら青春時代を振り返る楽曲。後半では亡くなった友人も出てきて曲の意味合いが大きく変わってくる。前作で一気にダークサイドを見せたがそれでもあくまでアコースティックギターというこれまでのスタイルのまま作風を変えたが今作では初めてエレキギターを弾くという演奏スタイルに変更。北川の金髪もあって、ビジュアル面、サウンド面でゆずが激変したのを印象付け、当時けっこう驚いた。それでも当時の最高ヒットになったので割と普通に受け入れたリスナーが多かったし、音楽性が幅広くなった今聞くとごく普通に聞ける。また年齢を重ねる事でより深みが増していく曲でもあると思う。
★★★★☆
3rdアルバム『トビラ
1stべスト『Home[1997-2000]
2ndライブアルバム『歌時記~ふたりのビッグ(エッグ)ショー篇~』(ライブ)
3rdライブアルバム『二人参客 2015.8.15~緑の日~』(ライブ)
5thベスト『ゆずイロハ

嗚呼、青春の日々
ゆず
2000/05/31 ¥250

10th 飛べない鳥

飛べない鳥
00年10月18日
詩曲:岩沢厚治
ドラマ『涙をふいて』主題歌。嵐の二宮和也が出演していた縁でOPには嵐の『感謝カンゲキ雨嵐』が起用されていた。ドラマはそれほど話題にならなかったが、前作に続いて1位を獲得すると自身最大のヒットを記録。現在もこの記録は破られていない。シングル曲の大半を書いている北川ではなく岩沢曲がゆずの最大ヒットになっているという事実は面白い。38.2万枚という40万枚にも届かない売上は00年当時では中ヒット程度。結果的に突き抜けたヒットが出てその曲のイメージ一色にならなかったのもゆずの人気が明確なピークを迎えずに長続きしている理由なのかもしれない。

そんなわけで特にロングヒットしたわけでもなく、当時も別に大ヒットした印象は無かった。2作連続1位ではあったものの、前年までのヒット曲と比べてこの曲が最大ヒットという認識もO社の数字を確認しない限りは特に持たれていなかったと思う。今となってはゆずの最大のヒット曲がこの曲だと言うとプチトリビアみたいな感じになるし、人によっては「この曲知らない」と返されてしまうほどで一般知名度はさほど高くない。ただ『ゆずイロハ』での収録位置は代表曲と並ぶ序盤に配置されていたので、最大ヒットだということをメンバーが忘れていなかったんだなと思った。

アコースティックなサウンドは前作のロックサウンドに驚いた後だと従来のゆずに戻った感じではあるが、明るさは皆無。自身を飛べない鳥に例えた悲しみと憂い全開の哀愁漂うナンバー。岩沢メインボーカルでひたすら高く伸びていくハイトーンボイスが印象的。サビの突き抜ける高音は「虹」と並んで一般男性がカラオケで歌えない曲の筆頭でもあると思う。
★★★★☆
3rdアルバム『トビラ
1stべスト『Home[1997-2000]
2ndライブアルバム『歌時記~ふたりのビッグ(エッグ)ショー篇~』(ライブ)
5thベスト『ゆずイロハ

飛べない鳥
ゆず
2000/10/18 ¥250

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