05年7月21日
シングルカットの前作から7ヶ月、新作としては1年ぶりのシングル。ベスト盤においても今作から2作目に突入するが、シンセを導入したり、ギター押しのアップナンバーが減ったりと音楽的にも転換点の1作となった。ここまでの自己最高初動を記録し、ここからの1,2年がシングル売上におけるピークとなった。ただ同時期に大塚愛も「プラネタリウム」でヒットするというタイトル被りを起こしたため、05年下半期の「プラネタリウム」といえばどっちを思い浮かべるか、人によって分かれる。
また「プラネタリウム」に合わせて歌詞カードでは実際のプラネタリウム模型の作り方がイラストで解説されている。
プラネタリウム
アナログシンセサイザーを導入し、抑えたサウンドで比較的淡々と進行する楽曲。これまでの高揚感のあるギターロックとは真逆の方向性で正直ある程度聞きこまないと良さが見えてこない。当時も随分地味な曲を出してきたなぁ…と思っていて当時は「プラネタリウム」といえば大塚愛の方だった。
自作したプラネタリウムに実在しない穴を空けて自分だけの星を作ってあれやこれや1人でやっているだけという四畳半の自室で全て完結しているミニマムな世界観なんだけど、何故かとても広大な気がしてくる。BUMP=宇宙なイメージは今作からアルバム『orbital period』にかけてまたより強くなっていたようにも思う。聞きこむほどになんだかけっこういいなぁと思えてくる曲。
ただ歌詞の解釈は特に2番は1歩間違えると誘拐犯の危ない歌になってしまう。この歌詞の”君”=”実在しない穴を空けて出来た自分だけの星”だと思うんだけど、これを人間だと解釈すると、“君をついに閉じ込めた”から先がついに相手を拉致監禁してしまった犯人の曲になってしまう。こうなってしまうと”触れることをあきらめてた””やめとけばよかった””いつだって見付けるよ君の居場所は”という歌詞も全く別の響きを持ち始める。決して誘拐犯の歌だと思ってはいけない。絶対だよ!
★★★☆☆
5thアルバム『orbital period』
2ndベスト『BUMP OF CHICKEN Ⅱ[2005-2010]』
C/W 銀河鉄道
電車移動の際に見た風景と人生について考えたことがつらつら綴られているアコースティックナンバー。序盤は弾き語り風だが途中からバンドも入ってくる。「プラネタリウム」同様に抑えめのサウンドで特にドラマティックな盛り上がりも無いままに6分半に至るので正直かなり長く感じてしまう。浸ればいい曲ではあるが…地味といえば地味か。
★★★☆☆
C/Wコレクションアルバム『present from you』
シークレットトラック
いか
3~11トラックの5秒ずつの無音を経て12トラック目の20秒過ぎくらいから聞くことができる。フェードアウトで4分付近で曲が終わるものの何故かそのまま12分25秒まで延々と無音が続く。
一昔前のカラオケ音源みたいな淡々としたキーボードがガイドメロディーのように主メロをなぞりながらのバンド風サウンドでさわやかな君へのラブソングが歌われる。何気に今までのシークレットトラックの中でも屈指のポップさを誇る。とはいえアイドルポップみたいなノリなのでBUMPのイメージではありえないというシークレットトラックらしさは変わっていない。
しかもさわやかなメロディーを歌っていると唐突にイカ!イカ!!イカ!イカ!!と連呼し始めるので思いっきり吹き出してしまう。シュールすぎて意味不明なものも多い中で、分かりやすい破壊力のある1曲。
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