98年7月8日
シングル3作同時発売の1作。「HONEY」「花葬」とはアートワークも形態も異なり、今作のみ初のマキシシングル形態が採用されていて、C/Wもある(ただしリミックス)。このため3作の中で今作のみシングルの通常価格だった税込み(5%当時)1020円の通常価格設定だった。
当時8センチシングルが主流でマキシシングルは珍しく特別感があったためか、当初は「花葬」よりも売れていた。初登場3位から2週目には「HONEY」に続く2位へ浮上。3週目までは「花葬」の上にいたが、4週目に逆転されると5週目にはトップ10落ちし、累計売上も逆転された。ロングヒットで差がついたため、2,3週目の時点では4万枚程度上回っていた「花葬」との最終的な売上差は10万枚を越えている。
前述のように今作は最初からマキシシングルだったが、2006年の15周年8センチシングルのマキシシングル化再発の際には枚数を15枚に合わせるためか、今作だけ飛ばすのも変なためか、ラインナップに含まれ、唯一マキシシングルからマキシシングルという形で再発された。一応レーベル面のデザインなど細部は変更されている。
浸食~lose control~
作詞:hyde、作曲:ken、編曲:L’Arc~en~Ciel+岡野ハジメ
映画『GODZILLA』挿入歌として先に映画のアジア盤サントラの方に収録されていたので厳密にはシングルカットとなる。タイアップ先映画の『GODZILLA』は日本のゴジラではなく、例のゴジラではないイグアナが出てくるあの世界中から酷評されたハリウッド版のゴジラ。冒頭で日本の漁船が出てくるシーンで10秒程度流れている…らしいが正直普通に見ていても気がつかないレベルで映画見てても分からなかった。酷評されながら映画自体はヒットしたもののタイアップ効果など当然全く無かったと思われ、それ故に一応サントラからのシングルカットでも新曲として扱われたものと思われる。
静かに始まり、この時点で既にかなり不穏な空気は漂うがサビでは曲調が一転して暴発したように暴れまわるダーク極まりない変拍子連発のマニアックな1曲。ダークさ、マニアックさにおいてシングル屈指の作品だが、これで90万枚を越えてしまう当時の勢いが凄い。当時は正直ワケが分からなかったが、少し経過してから何かがピタリと来たのか妙にこの曲にハマってしまいけっこう聞きあさった。友人たちが高音無理な他楽曲で残らず奇声にすらならぬ高音限界突破で沈んでいく中、なんとか歌いきれる高さの曲という事もあってラルクで1番カラオケで歌ったのはこの曲だったように記憶している(中学当時だけで以降は全く歌っていないのでたぶんもう無理)。そんなこんなで3枚同時発売の中で1番好きな曲だったりする。
★★★★☆
7thアルバム『ray』
3rdベスト『The Best of L’Arc-en-Ciel 1998-2000』
C/W 浸食~lose control~(control experiment mix)
remixed by yukihiro、作詞:hyde、作曲:ken
yukihiroによる初のリミックス作品。今作を皮切りにC/Wを自分の持ち場としたyukihiroはリミックス職人と化してリミックスや実験サウンドの自作楽曲を連発した。サビ部分を使用せずにAメロ部分と素早いリズムの打ち込みを駆使したような実験的サウンドが展開。ほぼ原曲を解体しきったようなリミックスで、複雑なリズムサウンドに面白さを見出せれば面白いリミックスではあるが、なかなか難解。
そんな難解な方向性が中学生に理解できるはずも無く、当時中学生の少ない小遣いをやりくりCDを買っていた友人の間でのyukihiroの評判は地に墜ちる勢い。1人だけヒット曲を書かずに好き放題やり始めたyukihiroに対してsakuraの方が良かった、リミックス嫌い、普通の曲を入れてくれ…とまあ今にして思えば実にストレートかつ正直な意見が飛び交ったのを記憶している。リミックスアレルギーを多数輩出したような感じだった。当時人気だった小室プロデュースもGLAYもミスチルもC/Wは実験色の強い楽曲を連発していたのでC/Wとはそういうもの…という認識も個人的にこの頃固まった。
後のリミックスアルバム『ectomorphed works』にはこれとは別のリミックス(ectoborn mix)が収録されており、今作でしか聞けない。
★★★☆☆
アルバム未収録
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