サザンオールスターズ 40周年シングル+回顧7~1995-1996~
94年は桑田ソロによりサザンとしての活動は無く、95年になって活動を再開。この際に91年以降活動休止していた関口が正式に復帰した。90年代以前から人気を博していたベテラン勢は軒並み95年を境に失速して、90年代以降にデビューした若手がトップへ上り詰めていく新たな時代に突入していたが、既にデビュー20周年が見え始めていたこの時期、この2年間でシングルミリオン2作、オリジナルアルバムで初の200万枚突破という特大ヒットを放ったのは当時かなり異例だったといえる。しかしJ-POP世代交代の波はサザンにもすぐそこまで迫っていた。
2008年30周年時に聞いてないシングルがありながら禁断の空欄突破で公開した過去曲回顧「30周年シングルレビュー」を、2013年35周年復活時にA面全曲聞いた上での完成版「35周年シングルレビュー~1978-2008~」として公開。
今回は40周年を記念して全C/W追加、各アルバムからも数曲ずつピックアップして全面リメイク。以前書いたA面部分もほとんど破棄して書き直している。
シングルは05年リマスター盤、アルバムは08年リマスター盤を全て聞いての執筆。
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35th マンピーのG★SPOT
95年5月22日
94年の桑田ソロ2期を終えて、サザンとして再び始動。91年から休養していたベース関口も今作で復帰した。しかしどういうわけかジャケットでは6人を改めて強調すべきタイミングで、謎の爺5人。よりによって6人に戻ったのに5人って…。
これは原由子以外の男性メンバー5人がGにかけて爺になった姿、というシャレらしいがそんな分かりにくい事をやるより、「エロティカ・セブン」「素敵なバーディー(NO NO BIRDY)」で5人ジャケやっているので、ここは関口復帰をアピールし6人ジャケはけっこうマストな状況だったのでは…。復活を派手に煽るよりさりげなく復帰したかったのかもしれないけど。
88年の復活時と同様にすぐにはオリジナルアルバム制作へは向かわず、この年はすかさず『すいか』に続く限定ベストアルバム『HAPPY!』(『すいか』『HAPPY!』共に今でいう”オールタイムベスト”だったので収録内容は一部重複)をリリースし、今作はそちらに収録されたため、次のアルバムには収録されなかった。『HAPPY!』も『すいか』同様に即時完売した。
マンピーのG★SPOT
作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
歌詞の下ネタっぷりや、何故か毎回異なるハゲヅラを被って繰り広げるド派手なパフォーマンスなどのインパクトが強すぎるが、サウンド自体はこれまでの楽曲ではあまり見られなかった派手なエレキギターが曲をリードしていく骨太なロックサウンドが炸裂。サザン流のハードロックとも言えるこの雰囲気、小林武史を離れてセルフに戻って改めて若いロックバンドにも負けないという意気込みも感じられる。歌詞の過激さがどうしても先行するが、音だけ聞くとかなりカッコいい。ちょっとガツンとした曲を聞きたい時にも最適な1曲だ。
★★★★☆
限定ベスト『HAPPY!』
ベスト『海のYeah!!』
C/W メリージェーンと琢磨仁
作詞作曲:桑田佳祐、英語補作詞:Tommy Snyder、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫
つのだ☆ひろの代表曲「メリー・ジェーン」、KUWATA BANDのベース担当だった琢磨仁、唐突にこの2つが組み合わされた謎タイトルだが、曲冒頭でタイトルが登場し、続けて“風のようなラップ小僧 九十年代ノリがどうもわかんないBro.”とか歌われており、90年代という時代についていけなくなった男というテーマが歌われている。映像や音楽を見れば分かるように80年代末~90年代前半にかけてはファッションも髪型も音楽も何もかも流行が急速に考えられない勢いで変化していったので、そういった時代性が反映されているものと思われる。ただ嘆くよりもなんだかそれも含めて楽しんでいる感じで、曲調も早口&ノリのいいファンク調で全体的にオシャレでカッコいい曲。打ち込みっぽい軽めのリズム音などバンドっぽさは控えめではあるが、曲自体は非常に洗練されていて90年代に適応した曲で古さを感じさせない。
★★★☆☆
限定ベスト『HAPPY!』
36th あなただけを~Summer Heartbreak~
95年7月17日
2年ぶりのサザン夏シングル。「エロティカ・セブン」以来のO社1位、3作目のミリオンセラーを達成。80年代後半~90年代初頭のレコードからCDへの切り替わりの時期にトップセールスを記録したベテラン勢が失速、90年代序盤以降にデビューした当時20代の若手がトップセールスを塗り替えていく、要するに世代交代の転換期となったのがこの95年辺りが境目だったが、ベテランに属するサザンはまだまだ元気だった。
今作以降のシングルが翌年のアルバム『Young Love』収録となる。
あなただけを~Summer Heartbreak~
作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫&サザンオールスターズ
同じ事務所の福山雅治の初主演ドラマ『いつかまた逢える』主題歌。90年代J-POP王道の優しくさわやかなソング。『Young Love』で初めて聞いた時からかなり好きな曲だったが、あまりに王道すぎるのとこの手のパターンの曲はサザンでも3期以降のソロでも何度か出てくるので徐々にあまり聞かない曲になっていった。ただ久々に聞いてみるとやはりいい曲だしとても懐かしい。なんだかんだ同系統のさわやかJ-POPな曲の中でもこの曲を越えていく曲って意外と無かったりもするし、『Young Love』での思い出補正、音楽聞き始め初期補正も大きい。
★★★★☆
12thアルバム『Young Love』
ベスト『海のYeah!!』
3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~』
C/W LOVE KOREA
作詞作曲:桑田佳祐、ハングル語補作詞:具善恵、編曲:サザンオールスターズ
SNS発達以降でこういう曲を出すとすぐに炎上しそうなタイトルだがそのまま韓国をテーマにした曲。C/Wゆえに知名度が低く、長年忘れ去られていたがSNS発達以降は何度か蒸し返された事もあるようだ。在日韓国人が主人公になっていてハングルもちりばめられているが、代表的な食べ物と簡単な単語をちょっと使っているだけで(文章にはなっていない)これで補作詞わざわざいる?という気がしなくもない。明るくポップな曲調だが、ポヨンポヨン間抜けな音が鳴ってたり、2番で唐突に“(今何時!?)そうねだいたいね”などと「勝手にシンドバッド」の引用(歌詞だけでなくメロディーも引用)が出てくるところは印象的。
★★★☆☆
アルバム未収録
37th 愛の言霊~Spiritual Message~
96年5月20日
2作連続4作目のミリオンセラー。4作のミリオンヒット全てがドラマタイアップであり、90年代の黄金ヒットパターンに乗っかり、ドラマタイアップ×サザンオールスターズはここまで無敵の強さを見せた。前作を上回る自身3番ヒットとなり、現在は4番ヒット作。
愛の言霊~Spiritual Message~
作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、SAX SOLI編曲:山本拓夫
香取慎吾主演の日テレ土曜9時枠ドラマ『透明人間』主題歌。香取慎吾が透明人間になるという当初はコメディ色が強いドラマだったが(服が透明にならないので透明になっている間は全裸にならなければならず、最後に時間切れで町中で全裸みたいなオチもあり、さすがに後ろ姿だが街中で香取が全裸(尻)を晒してアタフタするなんていう今じゃ出来なそうなシーンもあった)、終盤は初期がありえないほど重い展開になり、主要人物が次々と殺されるというかなりシリアスな展開で盛り上がった。当時10代の間で熱かった土9枠ドラマで、小学6年生当時リアルタイムでハマっていたので思い出深い。サザンをリアルタイムで聞いたのもこれがきっかけだった。
当初、主題歌としてかかっていたこの曲は何言っているのか全く分からず、普通に洋楽だと思っていた。両親がサザンオールスターズを知っていたのでこれはサザンだと教えてくれ、まもなく発売された『Young Love』をレンタルしてきてくれたのでそれで聞きあさった。なので厳密にはこのシングルは当時手に取っていない。
これまでとは一線を画すほどぶっ飛んだわけの分からなさ、呪文のような歌詞やメロディー、「とは」「挿話」で韻を踏む絶妙なインパクト、間奏以降ではインドネシア語のラップやラジオボイスによるなんだかアブナイ感じのラップ…と様々な要素が詰め込まれている。聞いたことのないすさまじい衝撃になんだか魅了されてしまい、教室でも「とは」「挿話」の韻踏み部分を強調しながら歌っている奴がいたし、周囲でもちょっとしたブームになっていた。後追いで聞くとこんなマニアックな曲が何でこんなにヒットしたんだと思うかもしれないが、ドラマを見ていた少年少女達を魅了する何かがこの曲にはあったと思う。理屈ではない。
★★★★☆
12thアルバム『Young Love』
ベスト『海のYeah!!』
3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~』
C/W 恋のジャック・ナイフ
作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
切れ味鋭いスリリングなアップナンバー。シンセやキーボード音が目立ち、ドラムが機械っぽい響きなのであまりバンドっぽくはないが、間奏ではギターソロも聞くことができる。当時こっちのカッコよさに魅了された者たちも多く、「C/Wの「恋のジャック・ナイフ」の方がカッコいい曲なんだぜ!」と豪語している奴がいたのを記憶している。なんでそんな自慢気なんだと思うかもしれないが、何かとそんなお年頃だったのである。
特に表記は無いが『Young Love』収録時に若干の変更が施されており、『海のYeah!!』にも『Young Love』バージョンで収録された。シングルバージョンは厳密にはアルバム未収録となっているが、その違いはかなり些細。左右に音が振られる激しいイントロ部分をよく聞くと少しだけ聞こえてくるDJボイスがシングルでは高めの声だが、『Young Love』『海のYeah!!』では低くなっている(たぶん機械的にいじった?)というもの。たぶんこれ以外に違いはないと思う。
★★★★☆
シングルバージョンアルバム未収録((イントロのDJボイスが高い)
12thアルバム『Young Love』(イントロのDJボイスが低い)
ベスト『海のYeah!!』(イントロのDJボイスが低い)
38th 太陽は罪な奴
96年6月25日
デビュー18周年記念日リリース。アルバム先行シングルにして2ヵ月連続リリース。前作が目下大ヒット中だったため見事に喰われてしまい、初登場5位。「Bye Bye My Love (U are the one)」で連続トップ10ヒットが始まってからは全て1~4位以内を記録していたため、5位以下に落ちるのはトップ10落ちした「Tarako」以来。しかも4位になるのを防いだのは自分自身(愛の言霊)であった。しかもその翌週なんと「愛の言霊」は1位に返り咲き、今作は14位にダウン…。
後追いだと何故「愛の言霊」があれだけヒットした後に今作がさっぱり売れなかったのかはたぶん当時以上に謎だと思う。アルバム『Young Love』は過去最高の200万枚突破を果たしているし、アルバム先行にしても売れなさすぎではあった。
が、元々サザンはアルバムはそこそこ売れるし、ミリオン2曲収録の『Young Love』の大ヒットはシングルが多少失速したところで普通にあるとして、シングルベースで見ていくとたぶん「愛の言霊」が相当イレギュラーなヒットで、95年を境に急速に進みつつあった世代交代の波は実際には始まっていたのかもしれない。
太陽は罪な奴
作詞作曲:桑田佳祐、英語補作詞:TOMMY SNYDER、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:中西俊博&サザンオールスターズ
メンバー出演のキリンラガービールCMタイアップ。ウキウキビート(音楽用語的にはモータウンビート)に乗せたウキウキなサマーソング。夏のイメージの割にTUBEみたいに夏全開な曲がたくさんあるわけでもないサザンだが、この曲に関しては夏のサザンイメージに沿った曲だ。といってもモータウンビートにしてもありそうで意外とやってなかったし、イメージ通りな割に同系統な曲が実はないという。なのに何故こんなにもサザンらしいと感じるのか。
前作が複雑怪奇だった反動もあるのだろうけど、OVER 40’s WORLDなこのタイミングでこういう若々しいノリに挑んだのもある種開き直りに近いところもありそうだ。管弦交えた豪華なアレンジだが基本はロックバンド的であるところも個人的には好き。前作目当てで聞いた『Young Love』だがかなり早い段階で今作の方が好きな曲になっていた。
『Young Love』ではイントロに波の音が追加されているが演奏自体は同じもの。
★★★★★
12thアルバム『Young Love』(イントロに波の音が追加)
ベスト『海のYeah!!』
C/W 君に贈るLOVE SONG
作詞作曲:松田弘、編曲:サザンオールスターズ&片山敦夫、管編曲:山本拓夫
33rd以来の松田ボーカル曲。2作連続で本人自作。フュージョン路線の非常に心地いいサウンドが炸裂する良作。6分近い長尺の曲だが演奏が心地いいいのであまり長さを感じない。正直松田ボーカルやメロディーよりもサウンドの心地よさが先に来このサウンドの雰囲気は完全に当時のSMAP(007期)がメインでやっていたもので、レコード会社も同じだっただけに、そのままSMAPに提供しても何の違和感も無かったと思う。
★★★★☆
アルバム未収録
12thアルバム『Young Love』
96年7月20日
250万枚を記録したオリジナルアルバム最大ヒット作。個人的には初サザンの1作。このため全曲スタンダード化してしまっているため、各オリジナルアルバムからは数曲ずつ時には苦しく引っ張り出していたが、今作のみむしろ削る曲が無い勢いだったので全曲取り上げる形を取った。バランスも何もあったもんじゃない。
『海のYeah!!』は98年発売ではあるが、収録範囲は今作まで+97年にビデオ作品に付属するCDに収録されていた「平和の琉歌」で締める構成となっている。
胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ
作詞作曲:桑田佳祐、英語補作詞:Tommy Snyder、編曲:サザンオールスターズ
ロックバンドとしてのサザンオールスターズを久々に感じられるアルバムオープニングナンバー。車(キャデラック)のCMソングだったが、英語詞のブリッジ部分でさりげに商品名を思いっきりアピールしているCMソングの鑑(歌詞の流れとしては商品名ではなく単語の意味)。続くサビのファルセットといい、ブリティッシュロック調のサウンドは全体にとにかくカッコいい。このアルバムが初サザンなので、TVではないオーディオで聞いたのは1曲目であるこの曲が最初の1曲。始まりの1曲としての印象はどのアルバムの1曲目よりも強い。
★★★★★
12thアルバム『Young Love』
ドラマで始まる恋なのに
作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
ド王道のミディアムバラード。ド頭から最後まで美メロかつ切ない雰囲気の名曲。なのだが何故か『バラッド3』に外されてしまったのが謎すぎる。なんでもライブでも1度もやっていないため、本人評価が著しく低いのではないかという説が…。王道すぎて逆になんだかなということなんだろうか。『KAMAKURA』辺りまでを至高として以降に否定的なリスナーには売れ線狙いすぎの凡曲と思われそうなくらいのJ-POPではあるけど、名曲だ。
★★★★☆
12thアルバム『Young Love』
Young Love(青春の終わりに)
作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
前期ビートルズフレーバーが漂うロックナンバー。タイトル通りに青春の終わりを歌っている。96年でメンバーは全員OVER 40’s WORLD(今作リリース次点で12月生まれの大森・原はまだ39歳)だったが、40歳を1つの区切りとしてこういう曲が生まれたのかもしれない。バンドを始めた頃と変わらないような、むしろあの頃に戻るかのようなストレートな演奏からはバンドの楽しさが聞いていて伝わってくる。サポートメンバーも角谷仁宣のComputer Oparationのみでほぼメンバーの演奏のみで構成しているサウンドがとにかく良い。当時10+1年しか生きていなかったので冒頭の”今10年経って若すぎた日が~”のくだりも全く分かっていなかったが…年齢を重ねるごとに突き刺さる1曲にもなってきた。
★★★★★
12thアルバム『Young Love』
Moon Light Lover
作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫&サザンオールスターズ
ジャジーな雰囲気のミディアムバラード。「ドラマで始まる恋なのに」とは対照的にベスト盤への連続選出もあって一般認知度も人気も非常に高く、恐らく今作のアルバム曲の中では人気知名度トップと思われる。当時から好印象だったので、『海のYeah!!』発売時、シングル以外で既に知っていた唯一の曲がこれだったりもした。ベストへの連続収録でちょっと食傷気味になったところはあるが、名曲には違いない。
改めて聞くとベースがミョンミョンしすぎててなんだか打ち込みっぽいが、実際これは関口のベースではなく桑田による打ち込みであると後に明かされているようだ。
★★★★☆
12thアルバム『Young Love』
ベスト『海のYeah!!』
3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~』
汚れた台所
作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
サザンでは珍しいゴリゴリのエレキギターが曲を引っ張り、畳みかけるように展開していくハードなロックナンバー。援助交際が社会問題になっていた時代を反映したような社会派な歌詞だがいつも以上にしゃがれた歌声なので歌詞カードを見るか注意深く聞いていないと何を歌っているのかは良く分からない。ロックバンドとして、そしてサポート抜きでサザンメンバーだけでのガツンとした演奏を堪能できる曲の1つ。5人になってからしか知らずに聞くとこれは驚く1曲かもしれない。
★★★★★
12thアルバム『Young Love』
恋の歌を唄いましょう
作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:中西俊博&サザンオールスターズ
恒例の原由子ボーカル曲。アルバムのほぼど真ん中に配置され、激しめの曲や強烈な曲が多いアルバムにおいて癒しの時間が流れる。歌謡寄りではなくポップな雰囲気が心地いい。
何故か次のアルバム『さくら』収録の「唐人物語」が『バラッド3』『海のOh,Yeah!!』に連続収録されてしまったのでもしかしたらあまり本人評価も人気も無い曲なのかもしれないが、ゆったりしすぎてない適度なテンポ感といい、ポップオブポップなメロディーといい、原由子の楽曲では1,2を争う名曲だと思う。『バラッド3』は「唐人物語」の方がコンセプト上合っていたと思うけど、『海のOh,Yeah!!』はこの曲にしてほしかったなぁ…。
当時このアルバムはカセットに録音していて、この曲の2番突入時点でA面が終わってB面に再度録音した。このため今でも2番に突入するとガチャコン!(テープが裏面に切り替わる音)ってなるような気がしてしまう。
★★★★☆
12thアルバム『Young Love』
原由子2ndベスト『ハラッド』
マリワナ伯爵
作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
マリファナ=大麻をテーマにした曲。S・D・R(セックス・ドラッグ・ロックンロール)がテーマか。当時そんな話が分かるはずも無く、なんだかワケの分からない曲という印象が非常に強かった。原由子ボーカル曲を挟んで一気に空気が変わって打ち込み中心の無機質なサウンドも含め、アルバムはディープなゾーンに突入していく。
★★★☆☆
12thアルバム『Young Love』
愛無き愛児~Before The Storm~
作詞作曲:桑田佳祐、英語補作詞:Tommy Snyder、編曲:サザンオールスターズ
社会のダークサイドを映し出したような暗いバラード。当時子供心になんだか怖い曲だなという印象があった。「家なき子」的な世界というか、雲に登ってる時点で死が近づいているみたいだし、終盤では大空に抱かれながら永遠の旅に出ているのでそれって完全にあの世に旅立ってしまった?死んだってこと?捨てられて死ぬ寸前の孤児の曲?みたいに考えてしまい(小6当時の発想です)、かなり怖くなったのを覚えている。今改めて聞いてもそんなに間違った解釈でもない気がする。というか当時思ったその印象が未だに強すぎる。
★★★☆☆
12thアルバム『Young Love』
3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~』
Soul Bomber(21世紀の精神爆破魔)
作詞作曲:桑田佳祐、英語補作詞:Tommy Snyder、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫 サザンオールスターズ
サブタイトルといい、なんだか精神状態がぐちゃぐちゃな感じはするがサウンド自体はハードロック。ここで再びロックバンドとしてのサザンオールスターズのカッコよさを堪能できる。非常にカッコいい曲ではあるが、ドライブ中に聞く上では難点が1つ。曲中で車の走行音や工事現場の音など様々なSEが入ってくる所があるんだけどそこで救急車の音がけっこうリアルに入ってくる。運転中に聞くとリアルに救急車が迫ってきたように聞こえるので、思わずバックミラーや周囲を確認してしまう。また当時は当然運転できないのでこのカセットをかけるたびに運転中の親が焦っていた。
★★★★☆
12thアルバム『Young Love』
心を込めて花束を
作詞作曲:桑田佳祐、編曲:宮川泰
ピアノとオーケストラのみの大バラードナンバー。バンドが入っていないため律儀に編曲にサザンが表記されずに宮川泰の単独名義になっている。愛を叶えた男が両親に向けて歌っているような内容のため結婚式ソングとして扱われる事も多い。アルバムのカラーとは少し異なるが締めとしては悪くない。
★★★☆☆
12thアルバム『Young Love』
3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~』
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