発売30周年記念『翼を広げて』~Again and Again Spread Wing~

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発売30周年記念『翼を広げて』~Again and Again Spread Wing~

2014年Complete Sorasanaide、2016年Always Not Alone、2018年Many Times Negattayoに続き、2023年30周年でTake away completelyが公開されたばかりだったが、まさかの5度目のバカ企画がもうやってきてしまった。

1stシングルがミリオンヒットを記録する中で発売された2作目のシングルにして、自身3番ヒット作。大規模ライブのラスト付近を飾る1曲としての印象が強いが、初期にライブラストのイメージがつきすぎたため、一時期は演奏しない事もあった。武道館ライブ以降は武道館では演奏するけど通常ツアーではまずもって演奏されなかったりもする。定番曲の1つのようにも思えるが、大きなライブの目立つ場面で演奏される機会が多いためそう感じるだけでこれまで取り上げてきた最定番に位置する曲に比べると少し頻度は低めだろうか。

とはいえ大規模ライブでの演奏が多い=映像はたくさん残されているわけで相変わらずこのバカ企画らしいボリュームにはなっている。

今回発売30周年を記念し、スタジオ音源全バージョンはもちろん、ライブCD、ライブ映像作品に収録された全ての「翼を広げて」を完全網羅した史上初のAgain and Again Spread Wingをお送りする。

何せ最初から最後まで全部同じ曲について何度も語っているという、BD史上5度目になるというのに未だ誰も足を踏み入れてこない究極の企画である。読んでいるとあまりに同じ曲について延々と語り続け、各ライブ映像も歌い方とアレンジの細かい差異以外に書く事が乏しくなり、いつもの読者はもういないなんて事になるかもしれない。同種の企画も5度目、しかも今回は間を置かずの連投となるとますます面白くもなく、洗いたてのシャツのような笑顔で笑ったComplete Sorasanaideの衝撃もないと思う。それでもこの曲も30周年を迎えたのである。何度でも翼を広げまくってそっとエールを送ろうではないか。誰のためじゃなくただ曲のため

2023.5~7 延々聞き続け見続けて翼を広げ続けて延々執筆の末に完成
2024.2.12 8th Live CD Spread Wing/26th Live DVD/Blu-ray Spread Wing追記

Studio Recording Spread Wing

1st Spread Wing
翼を広げて

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1993年7月17日
作詞:坂井泉水、作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけし
原曲。先日書いたばかりの全曲回顧は以下。

2ndSg 翼を広げて
2ndSg 翼を広げて 1993年7月17日 DEENは6月の「果てしない夢を」には呼ばれず前作から4ヶ月ぶり。今作では最初からメンバー4人がジャケットに載っていて4人組バンドである事を強調。裏ジャケットでも4人が向かい合って話し合いをして

何度かリメイクされているが原曲アレンジはDEEN版の基礎となっており、ライブのメドレー以外で曲の構成が変更されたことは無く、2番サビは2回繰り返す→間奏→合唱パート→”愛してたよ”で締めというのは以降のリメイクでも踏襲されている。

Promotion Spread Wing
『THE GREATEST CLIPS 1993-1998』
3rdベスト『DEENAGE MEMORY』初回特典DVD『DEENAGE MEMORY THE MOVIE 1993-2012』

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2番からサビ1回まで(繰り返しのサビ前にフェードアウト)。Break1のライブ映像にCD音源を被せた偽ライブ映像仕立てのクリップ。発売から2年以上後の映像なので『SINGLES+1』のプロモーションや公式サイトでPV視聴コーナーを作るために後から用意されたものと思われる。この映像に本来のライブ音源が乗せられたライブ映像はこのDVDから10年後の2013年『DEEN LIVE HISTORY-20th ANNIVERSARY-』にて初公開された。

『DEENAGE MEMORY THE MOVIE 1993-2012』は歴代シングルPVをダイジェストでさかのぼっていく映像版ノンストップMIX的な映像。『THE GREATEST CLIPS 1993-1998』収録の映像をさらに短くして“Friday Night”の部分から収録されている。

『LEGEND of 90’s J-ROCK BEST LIVE&CLIPS』

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2番の歌始まりからサビまで(繰り返しなし)。2012年になってようやく初商品化となった初期映像。ジャケットに出ている仲居辰磨・倉澤圭介と共に初期メンバー4人でスタジオで作業している風のかなり貴重な映像。動く初期メンバーの映像はほとんど残されておらず、PV集でもほとんど差し替えられているので完全に封印されたと思いきや、BEING LEGENDツアー展開に向けてのコンピ盤で蔵出しされた。

2nd Spread Wing
翼を広げて

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2005年10月26日 31stシングル両A面曲
編曲:島健
通称キセキ Version。当時はバージョン名が無かったので暫定的な通称だったが、『DEEN The Best FOREVER~Complete Singles+~』収録時には正式にキセキversionと題されている。両A面なのに影が薄く、MVも制作されなかった。

島健によるストリングスバージョンといった装いの仕上がり。シングル表題曲としての扱いは悪い部類に入るが、このアレンジ自体はかなり多用された。発表以降のライブではこのバージョンを改変しての演奏が多い。ストリングスがいない場合はイントロ部分だけを同期で使用して原曲アレンジというパターンを始め、ピアノやアコースティックギターが1番で入るか入らないか、エレキギターに切り替えるか切り替えないかなど細かいバリエーションも複数存在する。最後の合唱パートの前の間奏~合唱パートにかけてはソプラノサックスのソロが入っていてギターソロは入っていないが、ライブではサックスはまずいないので、田川のギターソロ(アコースティックかエレキ)に置き換えられるのが常。

3rd Spread Wing
翼を広げて

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2012年8月8日 13thアルバム『マリアージュ』DISC-2『Triangle Cover Album』
編曲:山根公路
通称Triangle Cover Version

主に3人だけで回る47ツアー用に制作されたアコースティックバージョン。このバージョンが発表された時は未発表だったZARDバージョンも発表された後だったが、DEEN版としてはあくまで合唱パートありを貫いており、シンプルな編成ではあるが構成自体は変えていない。最後の合唱パート部分でUh-Fu-と裏声を入れてくるのはライブではおなじみだったが(やらない時もある)、スタジオ音源では初めてそれが導入された。

せっかく作ったものの扱いはあまり良くない。というのもわざわざこのバージョンで演奏する機会がほとんどないため。通常ツアーだとそもそも原曲アレンジでもあまり演奏する曲ではなく、リゾートライブでも案外そんなにやらない。主目的であった2012、2017年の47ツアーでは重宝されたものの2012年は映像化カットとなった。

4th Spread Wing
翼を広げて

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2023年3月8日 『DEEN The Best DX ~Basic to Respect~』DISC-1『DEEN The Best Studio Live 30th』
30周年を記念して新規制作された初の原曲アレンジのままのセルフカバー。相変わらずバージョン名が無いがStudio Live 30th Ver.とか30th Ver.、Studio Live Ver.などと区別されるようになるのではないか。全曲原曲アレンジのまま初期5年(B-Gram期)のシングル11曲が選抜されてスタジオライブ形式で再レコーディングされた。メンバー2人に加え、田川伸治脱退以降のサポートである侑音(Guitar)、石田純(Bass)、北村望(Drums)が演奏を担当。

大挙して参加していた原曲のコーラス陣がいなくなっているものの、概ね現代によみがえった原曲アレンジといった装い。合唱パートは豪華コーラス陣が抜けたため単なる山根ボーカルパートみたいになっているのは割と大きい違いか。ライブでは初期からやっていた最後の合唱パート時に裏声でUh-Fu-♪と入れてくる部分は今回もしっかり再現された。

LIVE CD Spread Wing

1st LIVE CD Spread Wing
DEEN at 武道館~15th Anniversary Greatest Singles Live~
ALL TIME LIVE BEST

2008年6月8日の初の日本武道館ライブの音源。バンド+ストリングス8名でのキセキVersion。初の武道館公演として映像化より先にライブアルバムとして発売されたが、2年後に『ALL TIME LIVE BEST』にもこの音源が選曲されたのでライブ音源が2つある。

当日8名のストリングス隊がいたため、キセキツアーの時は同期で済ませていたストリングスも生演奏でのキセキversionがライブで初めて実現した記念すべき音源。キセキVersionとしては圧巻の完成度でのベストテイクといえる。

2nd LIVE CD Spread Wing
DEEN at 武道館 2014 LIVE JOY SPECIAL(Blu-ray盤)』のみ付属CD

2014年10月12日の日本武道館ライブの音源。同作品に映像でも収録。バンド+ストリングス4名でのキセキVersion。今作以降、映像作品にCDが付属する事が増えたのでライブCD音源が積み重なっていく事となる。

3rd LIVE CD Spread Wing
DEEN at 武道館 2015 LIVE JOY SPECIAL(Blu-ray)』のみ付属CD

2015年10月11日の日本武道館ライブの音源。同作品に映像で収録。キー下げ原曲アレンジ。

4th LIVE CD Spread Wing
DEEN at 武道館 2016 LIVE JOY SPECIAL~Ballad Night~(Blu-ray)』のみ付属CD

2016年11月23日の日本武道館ライブの音源。同作品に映像で収録。バンド+ストリングス8名+学生コーラス隊でのキセキVersion。ただし学生コーラス隊の出番は最後の合唱パートのみで音源だけで聞いているとほとんど存在感はない。

5th LIVE CD Spread Wing
DEEN JAPAN PARADE 47~絆~(Blu-ray)』のみ付属CD

47都道府県ツアー2017年9月2日徳島県オデオン座公演の音源。同作品に映像で収録。Triangle Cover Version。このバージョンのスタジオ音源は2012年でこの5年前の47ツアーで3人だけで演奏されているが2012年の演奏は映像化・音源化されていない。

6th Live CD Spread Wing
DEEN at BUDOKAN FOREVER~25th Anniversary~』完全生産限定プレミアム盤のみ付属CD
単独配信

2018年3月10日の日本武道館ライブの音源。同作品に映像で収録。原曲アレンジ。田川伸治、宮野和也・HIDEも最終参加。原曲キーを取り戻したライブ1曲目となり観客を驚愕させた

7th Live CD Spread Wing
The Last Journey 47 ~扉~-tour documentary film-

2022年4度目にして最後と宣言した47都道府県ツアー8月8日千葉市美浜文化ホールメインホールの音源。同作品に映像で収録。メンバー2人+ギター侑音のみの3人編成だがベースドラムその他足りない音を全部同期で流すという半カラオケ状態の原曲キー下げアレンジ

Extra Live CD Spread Wing
DEEN The Best DX~Basic to Respect~』初回限定盤のみ『DEEN The Special Tracks』

2022年2月10日東京ガーデンシアターで開催されたZARDの30周年を締めくくったライブ『ZARD “What a beautiful memory~軌跡~』にて池森単独ゲスト出演した際の音源。ZARDの映像作品として発売済みだったが、ここでCD化された。

ZARDバージョンのアレンジで生演奏して坂井泉水の生前ボーカル音源を同期させ、ゲスト参加した池森さんが生歌唱するという構成。当然キーが異なるので坂井泉水のメインパートでは池森さんは低いハモりを入れているのみだが、生演奏であるのを生かして2番では強制的に転調してDEENのキーに変更して2番のみ池森メインで歌唱(最後のサビでまたZARDのキーに戻す)。原曲に坂井泉水がコーラス参加していて坂井泉水によるDEEN版のキーに合わせたコーラステイクが残されていたためか、まるでそこで一緒に歌っているかのように坂井泉水のハモりが聞こえてくるのが凄い。

8th Live CD Spread Wing
DEEN at BUDOKAN DX-30th Anniversary-』完全生産限定盤のみ付属

30周年記念で5年ぶりに開催した2023年3月12日日本武道館のライブ音源。同作品に映像で収録。『DEEN The Best DX~Basic to Respect~』で新録音していたが近年の演奏と大きな変化は無し。

LIVE DVD/Blu-ray Spread Wing

1st Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN LIVE HISTORY-20th ANNIVERSARY-

1996年10月5日Break1赤坂BLITZの映像。
Break1の映像だけならPVでの偽ライブ映像が既出だったが、20周年2013年になってついに当時の音源で発売された現存最古のライブ映像・音源

Break1他の曲同様にキー下げしても声に力が無く出し切れていない様子のボーカルではあるが、元々キーを下げてもあまり違和感が出にくい曲でもあるので他の曲よりはまずまずな印象。

実際にはアンコールラストで演奏されたためか、ステージ引きの映像になった際には恐らくその前のクライマックスで発射されたと思われるテープシュパーン(仮称)の残骸天井に引っかかって無残に宙づりになっているのがいかにも宴の後感。池森さんは野球帽みたいな帽子を被っているという初期ならではの珍しい姿。

CD通りの構成だがエンディングはやたら引っ張る。とにかく演奏もボーカルも固く、いかにも慣れない初期といった印象。特筆すべき点は2度目の「翼を広げて」の後にCDには無いがライブでは定番になり後のリメイク音源ではレコーディングもされている裏声でのFu-Uh-をこの時点で既にやっているところか(現在よりも短い)。

2nd Live DVD/Blu-ray Spread Wing
Another Side Memories~Precious Best~(初回盤)

1998年6月22日Break2渋谷公会堂の映像。これ以降ベースは宮野和也。
2010年に公開された映像。今回もアンコールラストで演奏。原曲キー原曲アレンジ

池森さんは今回は帽子を逆に被っている。初期のライブではアンコールで帽子を被るのが慣例だったのだろうか…。

ボーカル含めた演奏はいかにも固かったBreak1から成長。安定感がありCDと比べても違和感はない。間奏以降のギターソロ&合唱パートでは池森さんが田川さんをセンターまで行くように促して運んでいき、田川さんがセンターでギターソロを弾いている間に池森さんは観客へマイクを向けて左右を動いていくという定型スタイルも確立。今回は裏声でのFu-Uh-はやっていない。エンディング部分ではBreak1で雛形のようにちょっとやっていた池森さんの手振りに合わせて最後の演奏をジャガジャガジャガジャガジャーーーン!と締める部分を進化させ、両手を広げて下げながらしゃがみ込むと演奏が人力フェードアウト、しばらく静止した後に再度両手を広げながら立ち上がると人力フェードイン、両手を左右に指揮のように振りながらジャーン!ジャーン!とやりながら最後は思いっきりジャーーーン!と締めるという初期の締め方も確立した。

なお演奏終了直後に立て続けにサポートメンバーを紹介して最後の挨拶に入っているため「ベース宮野和也!」という紹介も一緒に収録されている。

3rd Live DVD/Blu-ray Spread Wing
LIVE JOY Special YOKOHAMA ARENA
LEGEND of 90’s J-ROCK BEST LIVE&CLIPS

1999年12月11日横浜アリーナの映像。ドラムは宇津本直紀で在籍時の映像はこれが最後

ファンの間では最も有名かつ印象深いであろう映像。間奏部分~最後の合唱部分にかけて「僕達はデビューして7年目になるんですけど」から始まるデビュー当初いきなり売れたためにDEENという存在が先に行ってしまったという感覚になった事、先へ行ってしまったDEENという存在と自分たちとの差を埋めるのに苦労するなと正直感じた事、作品作りとライブを重ねてきて今回のツアーでようやく先へ行ってしまったDEENの後ろ姿が見えてきて本当の意味でのスタートラインに来れたと実感しているという旨の事を語った当日の池森さんのMC音声をインサートする編集が施されていてこれが非常にうまい事この部分にハマっていて感動的な仕上がりになっている。実際に曲中で喋ったわけではなく、当日どの部分でこのMCをしたのかは当日その場にいて覚えているファンしか知らなかったりはするんだけど…。

加えて1番の歌の部分は丸々Break1~3の過去ライブ映像(「翼を広げて」演奏時だけでなく様々な過去ライブ映像)を挟んでここまでの歴史を見せる演出、件のMCインサート部分でも当日のダイジェストを流す…など映像にはかなりの編集が施されているのも特徴。Break1の一部、Break2フルは後年になって映像化されているが、当時は初の映像作品で過去のライブ映像なんて残っていたのか…というような状況だっただけに過去の映像の断片だけでも貴重だったし、Break3っぽい映像に至っては未だ幻のままだし…。

演奏は前2回と比べてもさらに安定。合唱パート終盤での裏声でのFu-Uh-の部分は早くも完成しており、現在まで続けているFu-Uh-とほぼ同じようなFu-Uh-をしている。両手を広げて下げながらしゃがみ込むと演奏が人力フェードアウト、しばらく静止した後に再度両手を広げながら立ち上がると人力フェードイン、両手を左右に指揮のように振りながらジャーン!ジャーン!とやりながら最後は思いっきりジャーーーン!と締めるというやり方もBreak2の時よりもさらにこなれた感じに。

初期ライブの大団円「翼を広げて」の完成形にしてベストアクト極まる。そんな映像である。

今作の編集というか”先へ行ってしまったDEEN”のMCははかなりインパクトを残したためか、次のDVD『on&off>tour document of ‘need love』冒頭の「Prologue」では再度この時の映像が使用され、この際には再編集が施されていて件のMCを実際に喋っている時の映像が新たに公開されている。MCの映像も残っているなら本来無関係の「翼を広げて」の音声と映像はいらなくない?とも思わなくもないが、それほどインパクトを残したのと前DVDからの続編のような意味合いを持たせたかったのだと思われる。

その後ライブ映像の合間に挟まれているオフショット&インタビュー映像「on&off scene」のいくつかで改めて池森さんがあのMCの真意を語っている。スタートラインに来れたという発言もあったためか、後ろ姿が見えてきただけで並んだわけでも追いついたわけでもないとも。またラストの「on&off scene #8」ではバックにBreak5のアコースティックコーナーで演奏していた「翼を広げて」の合唱部分が少しだけ使用されている。

ライブラストのイメージがつきすぎたのであえて避けていた時期もあったと後年山根さんがコメントしているようにBreak5ツアー前半では「翼を広げて」は演奏していなかった。序盤の大宮ソニック公演を見ていたので「翼を広げて」を演奏した記憶ないんだけどな…と発売時に思っていたが、どうやらツアー後半からアコースティックコーナーで演奏していたようだ。和音、Break6では演奏せず、10周年のBreak7では久々にラストで演奏されたが映像化されていない。

4th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
『LIVE JOY COMPLETE 2002-2004』DISC-2『DEEN LIVE JOY-Break8 at Seoul-~Lookin’ for Utopia~

Break8の2004年1月18日韓国延世大学100周年記念館韓国公演の映像。これ以降ドラムはHIDEコーラスとしてko-saku,入日茜が参加。

前述のようにBreak7は10周年だったので久々にラストで演奏したがBreak8ツアーでは再度セットリストから外されていた。Break8に含まれるとはいえ韓国公演では90年代のヒット曲を増やしてセットリストを変更しており、この際に「このまま~」なども一緒に追加された。最後の最後はアルバム最新曲「いくつものありがとう」で、アンコールのラスト1つ前に演奏。ガッツリとキーが下げられているが下げた事で歌はかなり余裕がある。間奏ギターソロの途中で田川さんを促してセンターに立たせて池森さんは観客への合唱を促すために左右に移動してマイクを向けるというのはBreak2の時と同じだが、今回は裏声のFu-Uh-はなく、キー下げ前はやっていた締めを引っ張る演出も無く普通に演奏が終わる。

10周年Break7とこの韓国公演は過去曲が必要という判断でセットリストに加えたという感じで、2004年8月の野外ライブ「ONE DAY LIVE ’04-END of SUMMER-」では夏の曲を多めに演奏して歌い出しが”夏の落とし物”で季節的にピタリだったのにやはり外され、続くBreak9でも外されるなどAOR期は回避傾向が続いた

結局キー下げした2002年以降キセキversionが制作される前のライブでの演奏はBreak7と韓国公演のみだったので映像はこれだけ。

5th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
BEST of DEEN キセキ LIVE COMPLETE

2006年Break10の最終公演2月2日東京厚生年金会館の映像。キセキversionの演奏。

本編の最終曲として演奏。キセキversionは島健アレンジによるストリングスメインだがこのツアーは5人バンド編成だったのでストリングスパートは全部同期。このためイントロ部分はオケがかかっているだけとなり、1番の間はギターベースドラムの出番がなくスポットも当たらずに静止したまま、山根さんのピアノ(キーボード)の伴奏と池森さんのボーカルだけが生演奏という状態に。2番以降はバンドインするが、田川さんは終始アコースティックギターなので座ったままの演奏となり、全体におとなしい雰囲気。裏声のFu-Uh-はあり。締めを引っ張る演出も無く普通に演奏が終わる。

安定はしているもののストリングスメインのアレンジでストリングスがいない時に同期でストリングス流して演奏するとなると何とも言えない感じになるのは仕方ない。

6th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
LIVE JOY COMPLETE 2006-2007

2007年Break11の1月28日東京厚生年金会館の映像。イントロ前にキセキversionのイントロストリングスのオケを同期で流して途中でキー下げ原曲アレンジで演奏を開始。

「このまま君だけを奪い去りたい」に続けて5曲目に演奏。ラストどころか序盤で意外な位置での演奏となった。キセキversionイントロのストリングス演奏部分をバンド演奏開始前のSEのように使用しつつ原曲イントロで演奏開始しているので本当に前曲からの繋ぎのSEみたいになっている。まだライブ序盤でみんなで歌おう的な煽りもなく、ラスト合唱部分での池森さんは中央に佇んだまま動かない。裏声のFu-Uh-はあり。

ライブの締めのイメージは避けたいが、しかし有名曲なのでセットリストには入れたいという事にしても「ダイヤモンド」で始まって「Memories」(キセキ)~「瞳そらさないで」~「このまま君だけを奪い去りたい」~「翼を広げて」と初期ヒット曲4連発もしているのでそんな無理してこの曲演奏しなくても…と思わなくもない。この後は最新作『Diamonds』収録曲中心の構成となった。

7th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
The Best クラシックス』初回盤DVD
LIVE JOY 2007-2008 JAPAN ROAD 47+6』DISC-1

2007年の47都道府県ツアー9月14日東京公演(キリスト品川教会 グローリア・チャペル)でのライブ映像。3人だけの演奏。『The Best クラシックス』初回盤DVDに先行収録されてから、『LIVE JOY 2007-2008 JAPAN ROAD 47+6』に収録された。

曲前のMCでタイアップと絡めて1993年当時Jリーグが発足した頃の思い出を語っている。キセキVersionをアコースティックバージョンリメイクしたようなアレンジで、イントロ部分はキセキVersionのストリングスのフレーズをアコースティックギターに置き換えたようなアレンジ。1番はイントロ以外はピアノ伴奏のみ。2番以降はアルペジオメインで絡んでいくがあくまでピアノ伴奏を軸に進行していく。3人だけのアコースティックという事もあってしっとりめでボーカルも抑えめなのでサビの“君のため”で裏声になってしまうほど声を張らない歌い方(2番後半は声を張っている)となっているが、以後しばらくバンド編成でもこの裏声使用傾向が続く事になった。アコースティックになっても合唱パートは健在だが、観客も着席でおとなしいモードなのと客席の音声をほぼ拾っていないので山根さんの声ばかり聞こえる。裏声のFu-Uh-はあり。最後の”愛してたよ”はマイクオフの肉声を会場に響かせている…が、音が小さい。もう少しこの部分の音声を大きめに拾っても…。

8th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
LIVE JOY 2007-2008 JAPAN ROAD 47+6』DISC-2

2008年Break12の2月11日ZEEP TOKYO公演の映像。イントロ前にキセキversionのイントロストリングスのオケを同期で流して途中でキー下げ原曲アレンジで演奏を開始。

アンコール1曲目に演奏。バックの照明が灯ったまま観客のアンコールが続く中でキセキversionのイントロストリングスのオケが流れると照明がオフになり、この暗闇に乗じてメンバーがスタンバイ。Break11同様に原曲イントロへと移行する。今回はアンコールでの登場シーンを見せずに闇に乗じてスタンバイするための演出の一環としてキセキversionのイントロを利用する事でなんとなく意味を持たせた。

Break11の頃より声の張りがやや弱くなっており、47ツアーに続いて1番サビと2番サビ前半の”君のため”は裏声、2番サビ後半のみ張り上げる。間奏ギターソロはどこかおとなしめだが、久々にギターソロの途中で池森さんが田川さんを中央に運んで池森さんは観客へ合唱を促して左右へ移動するという定型パターンが発動。裏声のFu-Uh-はあり。

これを最後に通常ツアーにおいて演奏することは無くなり、基本的には特別公演(日本武道館、ストリングス入りのリゾートライブ、47ツアーでのアコースティック)で演奏されるという扱いへ移行する。

9th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN at 武道館 NO CUT 15TH ANNIVERSARY PERFECT SINGLES LIVE

2008年6月8日の日本武道館ライブの映像。バンド+ストリングスでの生演奏キセキVersion

アンコールラストで演奏。この後のWアンコールは3人だけでの「このまま君だけを奪い去りたい」なのでバンド演奏曲としては最後となった。Break10以来のキセキVersionだが、この初の武道館公演ではストリングス隊8名が参加しており、当然この曲でも参加。これによりストリングス同期ではない生演奏でのキセキVersionが初めて実現した。Break10では1番は山根さんしか演奏していなかったが今回は1番まではアコースティックギター、2番からはエレキギターに持ち替えて演奏。エレキギターの演奏は原曲よりは抑えているが、間奏のギターソロはやはりこういう大舞台で大所帯の演奏となるとアコースティックよりエレキの方が映えるか。

1番サビと2番サビ前半の”君のため”は裏声、2番サビ後半のみ張り上げるボーカルスタイルは今回も継続。ギターソロの途中で池森さんが田川さんを中央に運んで池森さんは観客へ合唱を促して左右へ移動するという定型パターンも発動しているが、いつもより広いので池森さんちょっと走る。裏声のFu-Uh-はあり。そのままいつもなら”愛してたよ”で締めだが、引き延ばしてバンド演奏オフでの合唱をサビ2回たっぷり繰り返す。満員の武道館での合唱は圧巻。バンドインして最後にもう1回サビを合唱して”愛してたよ”で締めとなった。

この締めの時点で池森さんは花道の先端まで来ていてこれより前にいるアリーナ席前列の観客以外には明らかに見えるようにマイクを床に置いて構えに入った。なのでマイクオフで”愛してたよ”をやるというのは容易に察する事ができて、多くの観客は最後は合唱ではなく黙るところだというのを察していたと思われるが、意外とこれが理解できない観客が多かったようで、マイクオフの池森さん肉声”愛してたよ”にまあけっこうな数の観客の合唱が被さってしまった事…。”たぁよォォォォォ”と少しロングトーンで伸ばしたのでこの伸ばしの最後の方ではうっかり合唱していた観客も大半が察してフェードアウトしたが、当日会場にいると合唱が邪魔で肉声があまり聞こえなくてちょっと残念だった記憶。いやちゃんとマイク置く振りもあったじゃねーかそのまま歌い続けた連中はどこ見てたんだよ…とはどうしても思ってしまったな。

10th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN at 武道館 2009~LIVE JOY SPECIAL~

2009年5月9日の日本武道館ライブの映像。「武道館Special Ballad Medley」の最後にキセキVersionと原曲の合体版変則サイズで演奏。

初めてメドレーの1曲としての演奏イントロはキセキVersionだがストリングスは参加しておらず同期になっていて繋ぎのSE兼イントロみたいな扱い。今回は原曲イントロを挟まずにそのまま2番のバンドインした状態から歌い出す。1番の歌詞でバンドが入っているのは何気に新鮮。歌詞は1番だが2番同様にサビ2回→間奏へという流れだが、今回はいつもは声を張り上げるサビ2回の後半”君のため”も裏声。合唱パートではメンバーは定位置のままだが、前回の初武道館同様に裏声のFu-Uh-の後に締めに行かずにバンドオフでのサビ合唱2回へとなだれ込む。前回と違って今回は山根さんのピアノ伴奏は入っている。バンドインしてもう1回サビを歌った後に今回はマイクオンの”愛してたよ”、そしてキセキVersionのアウトロで締め。

前回武道館の後のBreak13ツアーでは再度外され、今回が1年ぶりの演奏だった事、ラストは避けてバラードメドレーでの変則披露など新鮮な場面が多く、まだまだパターンの工夫が見られた時期であり、後年のようなまたか感はまだ無い。

11th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
LOVERS CONCERTO』初回盤DVD

2009年7月18日Unplugged Summer Resort Live ’09(リゾートライブ)軽井沢公演の映像。シングル『Negai』初回盤DVDにはダイジェスト(全編1トラック)で2番サビ部分のみ抜粋収録されていたが、こちらではフルサイズで収録されている。バンド+ストリングスによるキセキVersion。

前曲「このまま君だけを奪い去りたい」の2番の後の間奏ギターソロから最後のサビに突入すると思いきや、2008武道館に続く生演奏ストリングスによるキセキversionの演奏へとメドレー。2009武道館同様のショートサイズで、イントロの後は1番の歌詞で2番の演奏から入る。その後は原曲通りの進行でFu-Uh-の後は締め。最後の”愛してたよ”はマイクから離して肉声で張り上げる。今回は池森さんの座り歌唱、田川さんは終始アコースティックギターでストリングスを前面に出した本来のキセキVersionに寄せたアレンジとなっている。

「このまま~」のクセ強が年々増していく中でも比較的変化が少なく”君のため”の裏声くらいしか目立った変化は無かったが、さすがにこの時期になってくるとちょいちょい歌い回しのクセが強くなってきた感はある。

12th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN at 武道館2010 LIVE JOY SPECIAL

2010年5月8日日本武道館ライブの映像。バンド+ストリングスによる変則ショートサイズでのキセキVersion(ギターはエレキ)。

アンコールでの演奏。アンコールで上海ロックスターが登場して持ち歌を演奏後、「ひとりじゃない」も引き続き上海ロックスターがギターを演奏。上海ロックスターが去っていき、池森・田川でMCを繋いでいる間に山根さんがステージに戻ってきてあくまで別人設定の茶番的トークを繰り広げた後に演奏を開始。ストリングス4名によるキセキイントロからキセキVersionで演奏が始まり、歌い出しはバンドが入っておらずピアノとエレキとストリングスのみなのでフルサイズかと思いきや、“真夜中”辺りから徐々にバンドインしていき、サビで完全にバンドインするとそのまま2番と同じサビの繰り返し、間奏ギターソロへと展開していく実はショートサイズでしたパターン。Fu-Uh-の後は再度サビに移行するが今回はバンドオフにせず演奏したままサビを1回だけで”愛してたよ”とちょいちょい変則初披露パターンのため、どこまで&どっち(サビ頭だけか・サビフルなのか・繰り返すのか)で合唱するのか正直ちょっと戸惑う。一方でややクセはあるものの、“君のため”の裏声が改善され地声へと戻った

13th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
BEING LEGEND LIVE TOUR 2012~T-BOLAN,B.B.QUEENS,FIELD OF VIEW,Special Guest DEEN~

2012年BEING LEGENDツアー11月28日の大宮ソニックシティ公演の映像。ベースドラムはLEGENDツアーのサポートメンバーでベース川崎哲平、ドラム斉藤たかし。

90年代のヒットシングルメドレーとして「瞳そらさないで」~「未来のために」~「ひとりじゃない」~「夢であるように」に続けて最後に演奏。イントロからいきなり飛んで2番サビからラストまでという変則編成。メドレーの中で平メロを省いてサビだけだったのはこの曲だけであった。裏声使用は無く、Fu-Uh-もやらず、全体にはややクセ強なボーカルだがそれ以上にこの日は田川さんが通常のDEENライブより明らかに張り切ってギュインギュイン弾きまくっており、妙にテンションが高い。ギターソロでもいつも以上に体をくねらせて熱演している上に、アレンジしまくってていつもとかなり旋律が変わっているし、エンディング部分でもこれでもかとばかりにギュインギュイン入れてくる。久々にファン以外の前での演奏、それもかつての同僚たちの前で張り切っていたのだろうか。

14th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN at 武道館~20th Annivesary~COMPLETE』DAY ONE

2013年の20周年日本武道館ライブ1日目10月12日の映像。「武道館Special Ballad Medley」の最後の1曲としてショートサイズのキセキVersion

ストリングス4名がいたのでストリングスも生演奏でのキセキVersionとなり、田川さんも前曲まで弾いていたエレキギターをストリングスイントロの間にアコースティックギターに持ち替えて演奏。ショートサイズなのでイントロの後は2番のバンドインした演奏のまま1番の歌詞でそのままサビ2回→間奏→合唱。Fu-Uh-はあり。

この日は全体に低音カッスカスで歴代最大レベルに平メロ部分の大半が歌いきれていない状態だったため、比較的安定感のあるこの曲でさえもそれが顕著に出てしまった。平メロにしてもサビにしても声が出し切れなくて正直ここまでで1番声が出てない。高音は伸びる状態だったので一時期は裏声にしていた”君のため”のような張り上げる部分はバッチリと伸びているのに…

15th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN at 武道館~20th Annivesary~COMPLETE』DAY TWO

2013年の20周年武道館ライブ2日目10月13日の映像。「武道館Special Ballad Medley」の最後の1曲としてショートサイズのキセキVersion前日と全く同じで変更なしの配置

2日目の「武道館Special Ballad Medley」は8曲中7曲が入れ替えとなった中でこの曲のみ据え置きとなった。「このまま君だけを奪い去りたい」はフル固定、「ひとりじゃない」「瞳そらさないで」の2曲は2日間でフルサイズ⇔メドレーの1曲と位置を変えて演奏されていたので、それら3曲に続く扱いといった感じ。

構成自体も同じだがこの2日目はまだささやきボイスになってしまったり聞きとりにくくなったりしてしまう箇所が散見されるものの、1日目に比べれば低音カスカスが改善されたのである程度安心して聞ける仕上がり。

16th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN at 武道館 2014 LIVE JOY SPECIAL

2014年10月12日の日本武道館ライブの映像。バンド+ストリングス4名でのキセキVersion。

キセキVersion自体はここのところ原曲アレンジより披露頻度が高くなっていたが、ショートサイズ続きだったので、ストリングスがいる生演奏でフルサイズのキセキVersionは何気に2008年以来。田川さんは終始アコースティックギター。今回も低音部のカスカスが目立ち、平メロの低いところはほとんどささやき声状態で聞き取りにくい。。前年2013年のショートサイズがフルサイズになったくらいしか全体の印象もあまり変わっていない。

しかし最終曲だけあってエンディング部分では両手を広げて下げながらしゃがみ込むと演奏が人力フェードアウト、しばらく静止した後に再度両手を広げながら立ち上がると人力フェードイン、両手を左右に指揮のように振りながらジャーン!ジャーン!とやりながら最後は思いっきりジャーーーン!と締めるというBreak2や1999年横浜アリーナの時のあのパフォーマンスが復活した。これは懐かしい。

節目の公演を除くとラスト付近で披露される頻度は減っており、通常ツアーでは演奏しなくなって久しく、20周年でもバラードメドレー送りでショートサイズになっていたわけだけど、毎年武道館時代の後半に当たるこのライブよりライブラストの定番曲として完全復権した。2014年当時はライブラストに原点回帰したのかくらいだったがまさかここから3年連続最終曲になるとはね…。

17th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
THE GREATEST CLIPS 2014-2017

2015年5月30日ホテル オリオンモトブリゾート&スパで行われた「DEEN×OKINAWAシーサイドライブ」の映像。3人だけの演奏。Triangle Cover Version。当時CS放送はされたものの商品化されたのは田川脱退後のMV集特典映像としてだったので、3人時代の最後に発売されたライブ映像となった。

Triangle Cover Versionでの初映像化(2012年は映像化されていない)。キーボード(ピアノ)とアコースティックギター演奏にパカパカ簡易リズムを同期で加えるスタイル。相変わらず低音が不安定で特に1番は”落とし物”や”日々”など随所でささやきカスカス声になってしまっているが、サビなど高音張り上げ部分はそこそこ安定というこの時期のいつも通りな感じ。

18th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN LIVE JOY-Break19 ~全開恋心!!~ 2015.8.29 Zepp Tokyo

2015年Break19ツアー8月29日のZepp Tokyoの映像。キー下げ原曲アレンジ。東京、名古屋、大阪、福岡の4ヶ所7公演行われたツアーのうち2本目。

珍しく通常のツアーで披露されたが、「このまま君だけを奪い去りたい」と入れ替え枠で演奏されており、前日公演では「このまま~」だった。これ以外にも発売以降定番化していた「coconuts feat. kokomo」も入れ替え枠で「Burning my soul」にするなど、最定番になっていた曲をわざわざ入れ替え枠にしたのはマンネリ回避の一環だったのだろうか。正直ライブ動員も落ちてきて20周年を最後にホールツアーを行わなくなる中で、いつの間にか定番曲まみれ、予定調和まみれになっていたライブの選曲や構成に変化をつけようという動きも見えてきていた時期だったと思う。

キセキイントロも使用しない原曲アレンジで、この時期にしては低音のカスカスが抑えられていて比較的安定した仕上がり。2014年武道館→シーサイドライブ→2015年武道館はいずれも低音がきつそうで時期的にも地続きな感じがするけど、このライブだけ調子がいいのでシーサイドライブと2015年武道館の間に入るというのが逆に違和感があるほど。

19th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN at 武道館 2015 LIVE JOY SPECIAL

2015年10月11日の日本武道館ライブの映像。キー下げ原曲アレンジ。

2年連続の最終曲として演奏。今回はストリングスがいないので久々にキー下げ原曲フルサイズ。原曲アレンジ自体が2012年のBEING LEGEND以来だったがメドレー、それ以前もSE代わりにキセキイントロを使用してからの原曲アレンジというのが続いていたためキセキが出来てから初のキセキ要素無しのキー下げ原曲フルサイズだろうか。低音不安定傾向は続いていてなるべくカスらないようにかなり力んで空気多めに歌っているせいか結果的に凄く絞り出している感が強くなっているような…。

エンディングは普通に1度締めたと思いきや、池森さんがやたらめったらアゲアゲアゲアゲしながら動き回って煽りまくり、長めに演奏ジャカジャカジャカジャカを繰り広げてからお立ち台(中央のモニター、最後に山根っちコールをする際に山根さんが乗るところ)の上からジャーンと締める、という新パターン

20th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN at 武道館 2016 LIVE JOY SPECIAL~Ballad Night~

2016年11月23日日本武道館ライブの映像。バンド+ストリングス8名+学生コーラス隊でのキセキVersion

まさかの3年連続「歌になろう」→「翼を広げて」の最終コンボ。キセキ→原曲キー下げ→キセキと同じバージョンが続かないようにはしているが…。この2016年は『Ballad Night』だから「翼を広げて」がマストではあったけど、3年連続最終曲とかひねりの無い事があり得るのか?しかし今回90年代のバラードばかりだしなぁ…「MY LOVE」もやってないけど「MY LOVE」最終曲にするよりこれはやっぱり…と思っていたらやっぱりな「翼を広げて」であった。動員ガッラガラのリアル武道状態で最後のMCで池森さんが殊勝な顔つきで「空席が目立ちますが25周年は埋められるように精進します」と映像化の際にカットされた発言が飛び出すほどだったが、当時会場で感じたマンネリ感が凄かった記憶

今回は久々にストリングスを8名に増員(2008年武道館に続くライブでの最多ストリングスだったはず。2023年に『DEEN Premium Symphonic Concert -WINGS TO THE FUTURE-』を開催した事で最多は大幅更新したはずだけど)、このためか演奏が無い田川さんが1番の間はずっとストリングスの方に向かって指揮をしている。今までやってなかったのに急にどうしたんだ…(最後の”愛してたよ”の後にストリングスだけの演奏になる部分でも片手で指揮をしている)。2013年に続いて参加した日本工学院専門学校ミュージックアーティスト科(前回から3年経っているので全員入れ替わっていたはず)の生徒勢は前曲「歌になろう」での合唱要員でもあったのでそのまま最初からいるもののずっと棒立ちのままで、手を振りだすのも歌い出すのも結局最後の大合唱部分のみ

エンディングは1度演奏終了後、池森さんがアゲアゲアゲアゲしながら動き回り、煽りまくり、長めに演奏ジャカジャカジャカジャカを繰り広げてからお立ち台(中央モニター)の上で締めるというの前年と同じようなパフォーマンスを繰り広げる。どうもこれはステージの左・右・真ん中から演奏のパワー(?)を引き出して観客の方に向かって押し出す(パワーを送り出す)という意味合いのパフォーマンスっぽいが、今回はそれに加えてお立ち台の上で初期パフォーマンスの両手を広げて下げながらしゃがみ込むと演奏が人力フェードアウト、しばらく静止した後に再度両手を広げながら立ち上がると人力フェードイン、両手を左右に指揮のように振りながらジャーン!ジャーン!とやりながら最後は思いっきりジャーーーン!と締めるというまさかの新旧締めパターンの合わせ技。さすがにちょっとくどいが3年連続ともなると何か加えずにはいられなかったのか。

ボーカルはようやく低音部分の絞り出し感も改善傾向に。

21st Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN JAPAN PARADE 47~絆~

2017年47都道府県ツアー9月1日愛媛県松山市民会館小ホール公演の映像。珍しい地方公演を映像化。3人だけの演奏。Triangle Cover Version

Triangle Cover Versionの初映像化。この後で沖縄ライブの時の映像も商品化されたものの、時系列ではこのバージョンを3人で演奏した最後の映像となった。歌の調子も上がっていて安定感のある演奏。

22nd Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN at BUDOKAN FOREVER~25th Anniversary~

2018年3月10日25周年日本武道館での映像。原曲キー復活。

2014~2016年に3年連続最終演奏曲となり、ライブ最後の曲イメージが復活していた中で迎えた25周年にして衝撃の田川伸治脱退による最終参加ライブではまさかの1曲目の演奏で意表をついた。1曲目に演奏したのは。しかもイントロの演奏がなんか高い。高いっていうかこれなんかCDと同じ?とまさかの事態に驚く中で”夏の”と歌い出しからやっぱり高い。高いっていうかこれCDと同じだ。え!?原曲キー復活!?耳を疑う事態となった印象深い始まりとなった。平メロ部分はオリジナルに比べれば歌い方を変えて抑えめに歌っているがそこまで安定はしておらずカスり気味ではあるが、一時期よりはカスっていない。何より高音が原曲キーで出ている。1曲目からこれは感動的過ぎる。

1曲目という事もあってか最後の合唱パートでも池森さんはその場で動かず佇んでいるのみでいつものように手を振ったりもしないが、Fu-Uh-はあり。原曲キーになると裏声のFu-Uh-も高い

23rd Live DVD/Blu-ray Spread Wing
NEWJOURNEY』初回盤AのみBlu-ray

2018年Break21の12月31日Zepp Tokyoでのカウントダウンライブの映像。原曲キー。バンドメンバーが一新されGuitar:侑音、Bass:石田純、Drums:矢野顕太郎となった。

このライブでは「夢であるように」を1曲目に持ってきた以外は2曲目以降「このまま君だけを奪い去りたい」~「遠い空で」まで『SINGLES+1』のシングル曲をリリース順に演奏。よって3曲目の演奏となったが、何気にこの曲を通常ツアーで演奏することは頑なに回避し続けていたので2008年のBreak12以来。これで解禁になったわけではなく、このツアーは『SINGLES+1』のシングル曲基準だったので機械的に選曲しただけで、この後のBreak22~24でも演奏されていない。

新バンドメンバーの演奏はオリジナルに忠実。個人的にはラウドさが出ていたリズム隊がスッキリ基本に忠実な感じになってこういうバラード系だと正直以前よりも良くなったのではないかという感触(ロック系だと宮野和也&HIDEの方が勢いがあって新バンドメンバーだともう少しはじけてもいいのになという感じになる)。

25周年武道館に続く原曲キーで『SINGLES+1』を連続披露するという高音続きのセットリストになっているが、武道館の時から歌い方をさらに改良。低音の安定感が増していて、ストレートにより良くなった、安心して聞けるスタイルになった。パフォーマンス自体は武道館同様にまだ最序盤なので合唱パートの手振りすらなく、合唱パート時はFu-Uh-以外はその場で佇みスタイル。

24th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
POP IN CITY~for covers only~』初回盤Blu-ray

2020年「Summer Resort Live~7th wave~」2020年9月16日の大さん橋ホールの映像。Guitar:侑音、Bass:石田純、Drums:矢野顕太郎+ストリングス4名によるキセキVersion。

新バンドメンバーでは初のキセキVersionとなったがこれまでとは異なる点が多い。山根さんのピアノ伴奏も入らずコーラスを入れているだけで1番の演奏はストリングスのみ。2番からバンドインして基本に忠実な演奏が続くが、最後の大合唱パートは合唱を完全カットしたインストバージョンとして演奏を展開。侑音が弾き続けるアコースティックギターのソロ演奏は合唱パートの”翼を広げて”、”誰のためじゃなく”部分ではメロディーをなぞるように演奏しているもののそれだけでコーラスすら入れていない。Fu-Uh-も無く、最後の”愛してたよ”のみ歌が入る。全体にしっとりした仕上がりで座り歌唱、原曲キーを取り戻した後での原曲よりキー下げしているキセキVersionなので歌唱には余裕がある。

声出しどころか観客のお口そのものが封じられた事を考慮しての合唱カットと思われるが、声出し封じのライブでよく見られた心の中で歌ってくれ的に演奏自体はそのまま行ってステージ上のメンバーだけで合唱したり、合唱音声を同期で被せて厚みを出すという選択肢もあったと思われるが、合唱自体をカットしてしまうのはなかなかの英断である。しかしZARD編成(合唱パートが無い)にするのではなく、パート自体はカットせずにインストに置き換えるというところには一定のこだわりも感じられる。

25th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
The Last Journey 47 ~扉~-tour documentary film-

2022年4度目にして最後と宣言した47都道府県ツアー8月8日千葉市美浜文化ホールメインホールの映像。メンバー2人+ギター侑音のみの3人編成だがベースドラムその他足りない音を全部同期で流すという生演奏よりオケの比重が完全に上回っている半カラオケ状態の原曲キー下げアレンジ。2018年武道館以降の極力全曲原曲キー方針からこの47ツアーより無理せずに下げる時は下げるようになり、『SINGLES+1』期の選曲を中心としたこのツアーは50本もある過酷さもあってか基本的に全面キー下げ(たぶん-1)にして演奏していた模様。30周年武道館でもこの方針だったようで『DEEN The Best DX』では原曲キーで再録音していた曲で合っても原曲キー、キー下げを使い分けていた模様。

原曲に忠実な歌唱・演奏。ボーカルが終始ド安定。低音はカスらず引っ掛かりもせずにブレの無い安定した歌唱でキーを下げた事もあるが高音もよく伸びているので、正直キーが下がっているのに気づかないレベルで調子がいい。一方で演奏はキーボードとエレキギターしかいないのに原曲アレンジでイントロや2番以降バンドサウンドなので半カラオケ感は強い。ドラムもオリジナルとは異なるポスポスパスパスとした軽めの音に仕上げられていてこのツアー用に全曲オケを打ち込みし直してはいるようだが、リズム隊打ち込み同期はさすがにどうなのか…。

引き続き観客は声を出せない状況で、合唱パートの”翼を広げて”、”誰のためじゃなく”ではインスト状態にはせず、追加録音のコーラスも被せず山根さん単独ボーカルとなっている。侑音は歌っていない。よって合唱というより単なるボーカルチェンジ、池森さんのFu-Uh-はあって最後に繋げているのでパート分けのようでもある。

田川在籍時、正規メンバー3人でこの状況を迎えていた場合どうしていたのかはちょっと気になる。

26th Live DVD/Blu-ray Spread Wing
DEEN at BUDOKAN DX-30th Anniversary-

30周年記念で5年ぶりに開催した2023年3月12日日本武道館公演の映像。Guitar:侑音、Bass:石田純、Drums:北村望。日本武道館では2014~2016年に3年連続最終演奏曲、2018年3人時代最後は逆に1曲目原曲キー復活で度肝を抜いたが、今回は本編中盤というかなり珍しい中途半端なタイミングで演奏された。冒頭5曲をフルサイズ、47ツアー系の3曲をメドレーで演奏した後のバラードメドレーの最後という立ち位置になるが今作のみフルサイズで演奏したため、CDの方では「武道館Special Medley Ⅰ」→「武道館Special Medley Ⅱ」→今作単独→「武道館Special Medley Ⅲ」とメドレートラックに挟まれる形になっている。

演奏は終始安定。最後のFu-Uh-ありで新録音されていたので完全にCD通りとなった。また47ツアーから規制緩和が進んで、マスク義務で声出しOKとなったため一応観客に最後の合唱を振ってはいるんだけど、ラストで演奏していた時のように最後を引き延ばして演奏をオフにして大合唱する部分は無い(これは1曲目で演奏した2018年も同様)ため、合唱はほとんど聞こえず正直聴感的にはあまり変わっていない(いずれにしても直前まで声出しOKなのかどうなのかかなり曖昧だったのと4年に及ぶ規制慣れの影響でおっかなびっくり、そもそも布に阻まれている影響でいきなり以前ほどのボリュームにはなりようがなかったはず)。

Extra Spread Wing(把握できたカバー音源)

翼を広げて/織田哲郎

1993年12月23日
編曲:JIMMIE HASKELL
From 『SONGS

初出カバーは作曲者である織田哲郎が同年末にセルフカバーアルバムをリリースし、「このまま君だけを奪い去りたい」と共にセルフカバーした。原曲のロックバラードっぽさや合唱的な要素は排した雄大なバラードナンバーとなっていて味わい深い仕上がり。池森さんがコーラスに参加している事になっているが、全く分からない

翼を広げて/ZARD

2008年4月9日
編曲:明石昌夫
From 44thシングル

坂井泉水没後に発表されたが、制作自体は原曲発表時期とほぼ同時期と考えられている。大きな盛り上がりは無く、シンプルなバラードに仕上げている。

44th 翼を広げて/愛は暗闇の中で
44th 翼を広げて/愛は暗闇の中で 08年4月9日前作から4ヵ月ぶり。過去の未発表セルフカバーとリメイクの両A面シングル。両A面は4作目、Wコナンタイアップは3度目。初回盤は「きっと忘れない」追悼ライブ映像を収録したDVD付。ZARD史上...

翼を広げて/相川七瀬

2015年10月28日
編曲:関口Q太,鈴木Daichi秀行
From 『Treasure Box-Tetsuro Oda Songs-
デビュー20周年の際に織田哲郎の楽曲を全てロック調にアレンジしてカバーするという企画作にてカバー。コーラスで柴崎浩が参加している(ギターではない)。

このアルバムではかなり大胆になんでもかんでもド派手なロックアレンジに改変しまくるという作風で今作も気を遣わずにかなり派手に盛り上げているのが最大の特徴。他のセルフカバーがどれも無難なので目立つ。またDEEN版の終盤の構成を踏襲している唯一のカバー音源でもある。

翼を広げて/SARD UNDERGROUND

2023年2月22日
編曲:麻井寛史
From 5thシングル『卒業式』初回限定盤AのみC/W

原曲が30周年を迎える直前に発表された最新カバー音源。といってもDEENではなく、ZARDの曲をカバーするという事でZARD版に忠実なコピー的なアレンジとなっている。

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