森高千里 シングル回顧2~1994-1999~

ワン・アップ・ミュージック設立以降の活動後半(ワン・アップ・ミュージックは現在のZetimaへ変化してワーナーから完全独立した)。

この時期になると大きな変化はなくなったが、セールス的には全盛期を迎えた。といってもドラマタイアップでポーンとミリオンが出ていた90年代においてあまり大きな当たりも無く、シングル最高ヒットで40万台というのは当時としては大ヒットというほどでもなく、年間チャートになると50位を下回る。「気分爽快」でも年間54位だし、最高ヒットの「二人は恋人」に至っては95年なので年間82位である。これは同時代に活躍していた女性ソロシンガーに比べてもかなり低い。

しかし95年のベスト盤『DO THE BEST』はミリオンを越える大ヒットを記録。1995年の年間チャートでも10位を記録して年間トップ10入りを果たした。これは逆にシングルでミリオン前後のヒットを出している同時代に活躍していた女性ソロシンガーらでも達成できていない偉業であり、大きな1発は無いがヒット曲を連発していた事が実を結んだものと思われる。

一方でこのベスト盤の大ヒットを機に次のシングルからはいきなり売上が半減。タイアップは続いていたが、徐々にヒットから遠ざかっていく事となった。かろうじて年末バラードシングルで持ち直して96,97年と2年続いて存在感は示していたものの、97年の「SNOW AGAIN」を最後に98年以降は本格的に低迷した。

99年には江口洋介との結婚・妊娠を発表。これに伴い新作アルバムが制作されなくなり、99年後半はリメイクシングル、ベスト、リミックス等の企画盤のリリースが相次ぎ、産休に突入してそのまましばしの半引退状態となった。

以降も自選ベストの発売やCM出演などちょいちょいと活動しつつ、00年代後半以降はTV出演も徐々に再開された。2012年の25周年で『ザ・シングルス』発売を機に主にYou Tubeを主戦場として200曲セルフカバー企画を行い、コンサート活動なども行うようになった。しかし現在でも新作アルバムの制作や、そもそもに通常の新曲の発表などは行われていない。

2020.5~6執筆

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森高千里 シングル回顧1~1987-1993~

シングルが40枚だったので20枚で分割したが、実際の公式ではレコード会社が変わった~19th、20th~で分けられることが多い。厳密には20thは新レコード会社ワン・アップ・ミュージックを設立したが品番は前のままという過渡期で、21stから品番もワン・アップ・ミュージック独自のものに切り替えられた。

また音楽的には自身で楽器演奏(主にドラム)を開始したタイミング(「渡良瀬橋」以降)が大きな転機となっているほか、それ以前にも個性的な歌詞を自作し始めた、派手な衣装を止めたなどいくつかのターニングポイントがあるのがこの前半の特徴だ。

初期の路線は特段個性のあるものではなく、ある程度時代に即したような曲が並んでいたが、まずとんでもない歌詞で強烈なインパクトを残し、そろそろ耐性が出来てきて歌詞がインパクトなだけでは前ほど驚かなくなってくると、自ら楽器演奏を開始するという流れは鮮やか。唯一無二の存在へと進化していった前半を振り返る。

2020.4~5執筆

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6th ザ・ストレス(ストレス中近東ヴァージョン)

ザ・ストレス
1989年2月25日
作詞:森高千里、作編曲:斉藤英夫
アルバム『見て』収録曲「ストレス」のリミックスによるシングルカットでタイトルは「ザ・ストレス(ストレス中近東ヴァージョン)」に改められた。「ミーハー」に続く“ザ・”付属によるリミックスシングルカットで、方向性もそのままインパクト路線をより拡大させたようなパワーアップ版のようになっている。さらに今作ではウェイトレス姿という一見曲に関係ないがインパクトだけはあるコスプレ衣装にて視覚的なインパクトも重視。一応「ストレス」と「ウェイトレス」の“トレス”繋がりでこうなっているようでとにかくインパクトで覚えてもらおうという考えがあったようだ。さほど大ヒットはしなかったが一応初のトップ20ヒットでここまででは最高の売上を記録し、次回作への弾みとなった模様。

ひたすらストレスが溜まると連呼しまくり、そしてストレスが地球も男も女も何もかもダメにしてしまう事を訴えるというストレートな内容だが、シンプルさを追求したためかストレスの原因については一切言及されていない。具体的なストレスの原因を並べた方がストレスあるあるで共感は呼べただろうけど(SMAPの「ストレス」(『Peace!』C/W)はこの手法を取っている)、ひたすらストレスが溜まる、ストレスがダメにすると1番言いたい事だけを明確に繰り返しているのが大きなインパクトに繋がっていると思う。斉藤英夫によるシンセを駆使しまくった初期の80’sアレンジもここに極まった感がある。

オリジナルの「ストレス」も十分にインパクトだが、「ザ・ストレス(ストレス中近東ヴァージョン)」では間奏にエフェクトのかかった声や溜まるぅ~と台詞が入っていたり怪しげなサウンドが加味されたリミックスが施されている。この怪しげな雰囲気が”中近東”の由来か?(なんとなく中近東っぽいイメージ)。

『森高ランド』の新録音では表記が「ストレス」に戻っているが、テンポが速くなってより忙しなくなっている。間奏ではストレスが溜まって苦悩している台詞が入っているが何故か早口言葉を言い切ってああスッキリした!と言い放つという謎のストレス解消も行われていてちょっと笑える。

『ザ・森高』の「ザ・ストレス(ザ・森高ヴァージョン)」ではストレスの国を探す探検隊の男性2人による寸劇が冒頭で展開するなどよりぶっ飛んだ設定に。ついにストレスの国を発見した2人の前に現れたのはストレスの国の女神で…というところから曲がスタートし、曲本編自体は「ザ・ストレス(ストレス中近東ヴァージョン)」とほぼ同じだが、間奏では寸劇の続きで捕まってしまい女神の生贄にされてしまうと焦り助けを求める2人の様子と女神の高笑い、そして『森高ランド』の「ストレス」に入っていた早口言葉でストレス解消しようとする台詞もぶち込まれまさに集大成のような仕上がり。なお探検隊の2人がどうなったか明らかにならないが最後の様子から女神の生贄にされてしまったと思われる。合掌

アルバムへの収録はこのように初期は毎回違うバージョンで収録されていて、シングルバージョンである「ザ・ストレス(ストレス中近東ヴァージョン)」でアルバム収録となったのは99年の『the best selection of first moritaka 1987-1993』が最初だったが、以降のベスト盤では3連続で「ザ・ストレス(ストレス中近東ヴァージョン)」で収録されている。

また2006年には安倍なつみがジョージアGABAのCMソングとしてカバーしてシングルとしても発売された。この際のタイトルは「ザ・ストレス」でC/Wには危機Version、shakabone HIDE Remix、アカペラVersionとひたすら同曲別バージョンで攻め、一応カバー自体は話題にはなったものの既に安倍なつみの人気が低迷しつつあったこともあって7作目にして初のトップ10落ちとなってしまうなどセールス的にはコケてしまった。
★★★★☆
3rdアルバム『見て』(「ストレス」)
1stベスト『森高ランド』(新録音「ストレス」)
2ndベスト『ザ・森高』(ザ・ストレス(ザ・森高ヴァージョン))
4thベスト『the best selection of first moritaka 1987-1993
7thベスト『ザ・シングルス
8thベスト『UHQCD THE FIRST BEST SELECTION ’87~’92

PV
セルフライナー
200曲セルフカバー(2014)

5th ALONE

アローン~ALONE~
1988年10月25日
作詞:森高千里、作編曲:安田信二、編曲:斉藤英夫(森高ランド)
安田信二の作編曲と作家が異なるものの初期の切ない失恋路線を引き継いだ楽曲。前後のシングルがインパクト強いだけに後追いで聞くと地味目な印象になってしまいがちではあるが、今日別れたばかりでタイトル通りALONEになった主人公の未練全開なサビでの好きよの連発はシンプルな言葉遣いが曲の落ち着きや地味さをいい感じにカバーしていて意外と残りやすい。切ない曲ながらもサウンドもけっこう心地いいミドルナンバーだ。

アルバム『見て』では表記は無いがアルバムバージョンとなっていてアウトロのフェードアウト部分が変更されていて若干長くなっている。フェードアウトで終わるのはシングル同様だがサビがそのままフェードアウトしていくシングルと異なり先にリズムがフェードアウトしてオフになり、シンセと再度サビの一部を繰り返すのみになって静かに消えていく。

『森高ランド』での新録音では斉藤英夫によるリアレンジで、オリジナルの要素は残したまま打ち込みながらバンドサウンド風にリメイクしているのでオリジナルよりもリズムがしっかりしてギターも鳴っているなどがっしりとした仕上がり。こちらはシングルとほぼ長さは同じながらもフェードアウトせずに演奏が終了する。恐らくライブでのバンド演奏を想定して打ち込みされたものと思われる。
★★★☆☆
3rdアルバム『見て』(表記は無いがアルバムバージョン)
1stベスト『森高ランド』(新録音)
4thベスト『the best selection of first moritaka 1987-1993
7thベスト『ザ・シングルス

4th ザ・ミーハー(スペシャル・ミーハー・ミックス)

ザ・ミーハー
1988年4月25日
作詞:森高千里、作編曲:斉藤英夫
アルバム『ミーハー』表題曲「ミーハー」をリミックスしてシングルカットでC/Wにはアルバム音源そのままのシングルカット「ミーハー(オリジナル・ヴァージョン)」が収録された。リミックスに際してバージョン名だけでなくタイトルに「ザ・」が付属し、以降「ザ・」が多用され、「ザ・」が森高のシンボル(?)のようにもなった。

アルバム唯一にして初の本人作詞ながらアルバムのタイトル曲になっていてシングルカットにもなった事からもその作詞の非凡なセンスが好評だった事が伺える。実際最初の作詞にしていきなりサビで“お嬢様じゃないの 私ただのミーハー”と言い放つのはなかなか凄いセンスだと思う。なんか少しアホっぽい感じもあるんだけど独自の道がしっかりある感じというか…狙って出せるようなものでもなかなかないような…。

オリジナルもなかなかのインパクトだったがこの「ザ・ミーハー(スペシャル・ミーハー・ミックス)」では特にインパクトの強いサビのフレーズを切り貼りして間奏に使用するなど、リミックス、しかも当時よくあった引き延ばし系のリミックスバージョンみたいな雰囲気。当時のシンセサイザーの威力を活用したオリジナルからさらにバリバリに活用しまくったようなサビの切り貼り+ようやく始まった歌メロがサビ始まりに変わっていたりと、た・だ・のミーハー♪のフレーズがより耳にこびりつくような仕上がり。

『森高ランド』の新録音ではオリジナル表記に戻った「ミーハー」として収録。かなりスピーディーになっていて声も低くてかなりあっさり歌っているのでだいぶ印象が異なる。

『ザ・森高』では「ザ・ミーハー(ザ・森高ヴァージョン)」として「ザ・ミーハー(スペシャル・ミーハー・ミックス)」をさらにリミックス。間奏のボーカル切り貼りはより複雑になっているようにも聞こえるが全体には少し落ち着いたような印象も。

と、当時は出すたびに新バージョンで発表されていたが、『the best selection of first moritaka 1987-1993』『ザ・シングルス』では「ザ・ミーハー(スペシャル・ミーハー・ミックス)」が、『UHQCD THE FIRST BEST SELECTION ’87~’92』ではオリジナルの「ミーハー」でアルバム収録されている。
★★★☆☆
2ndアルバム『ミーハー』(「ミーハー」)
1stベスト『森高ランド』(新録音「ミーハー」)
2ndベスト『ザ・森高』(ザ・ミーハー(ザ・森高ヴァージョン))
4thベスト『the best selection of first moritaka 1987-1993』(ザ・ミーハー(スペシャル・ミーハー・ミックス))
7thベスト『ザ・シングルス』(ザ・ミーハー(スペシャル・ミーハー・ミックス))
8thベスト『UHQCD THE FIRST BEST SELECTION ’87~’92』(「ミーハー」)

3rd GET SMILE

GET SMILE
1988年2月25日
作詞:伊秩弘将、作編曲:島健、編曲:斉藤英夫(森高ランド)、編曲:前嶋康明(ザ・森高)
今作よりCDでの発売も始まった。本人作詞ではない初期3作の最後の1作。島健が作編曲という珍しい1曲。90年代以降の島健ってピアノや主にストリングス系のアレンジャーとして、ストリングスアレンジを施す際に色々なところで起用されていたイメージだったのでなんか普通に作曲と編曲している上にイメージの圏外にある普通にユーロビート系のダンスナンバーとは…。サビ頭が”行くぞ”になっているし、ライブでは盛り上がりそうなアップテンポなナンバーだが、アレンジはかなり薄味というか淡々としまくり。ほとんどリズムと薄いシーケンスの音で突き進んで随所でシンセの装飾音が入ってくるんだけどかなり控えめなので延々ビート刻んでいる印象しか残らないという…。

シングルでは最後のサビの繰り返しの途中でフェードアウトしていってしまうが、『ミーハー』収録時のAlbum Versionでは最後のサビがしっかり歌われ、さらに長いアウトロも聞ける…が、しっかり終わらずにこれまたフェードアウト。

『森高ランド』の新録音では斉藤英夫によるリアレンジでギターを効かせたロック系のバンド風アレンジに変更されていて前2作よりもリアレンジの度合いが大きい。というかけっこうガラッと変わった。

前2作と異なり『ザ・森高』にも生き残り、前嶋康明によるコンサート・アレンジ・ヴァージョンとして生音でリメイクされた。『森高ランド』でのロック系アレンジをさらにライブ仕様に発展させたようなイメージ。ドラムが軽めでライブの生バンドアレンジにしては…というところはあるが最初のシングルバージョンのアレンジの薄さに比べると進化したなと感じられる仕上がり。
★★★☆☆
2ndアルバム『ミーハー』(Album Version)
1stベスト『森高ランド』(新録音)
2ndベスト『ザ・森高』(コンサート・アレンジ・ヴァージョン)
4thベスト『the best selection of first moritaka 1987-1993
7thベスト『ザ・シングルス

2nd オーバーヒート・ナイト

オーバーヒート・ナイト
1987年10月25日
作詞:伊秩弘将、作編曲:斉藤英夫
英字表記の場合は「OVERHEAT.NIGHT」で現在の公式サイトではこの表記だがアルバム収録時の表記は最初は「「オーバーヒート.ナイト」でこれ以外は「オーバーヒート・ナイト」である事が多い。また公式の『ザ・シングルス』曲目では「オーバーヒート.ナイト」だが、作品内での表記は「オーバーヒート・ナイト」だったりもして「.」と「・」の違いにこだわりがあるのかないのかイマイチ良く分からないことになっている。2012年のセルフライナー動画では「OVERHEAT. NIGHT」と表記し、元々OVERHEATED NIGHTだったのが言いにくいのでピリオドを入れて…と解説しているので英字のピリオド表記が本人公式と思われる。

当時はEP/CTのみの発売で、88年3月25日に「NEW SEASON」との両A面扱いで8センチCD化されたがジャケ写は1stのものが使用された。このため1曲目収録のシングルCDとしては発売されておらず、You Tubeでのセルフライナー動画でも1stは1stのジャケ写が使用されている8センチCDを持って解説していたが今作はEP盤を持って解説していた。後にSPEEDの作詞作曲で広く名が知られた伊秩弘将だが前作ではHIRO名義、今作で伊秩弘将名義でクレジットされ、森高千里作品で作詞家として、そして同年の渡辺美里の作品では作曲で起用されるという何故か作詞と作曲でそれぞれ別の人への提供で作家デビューしていた。

ユーロビート系でサウンドはいかにも80’sで歌詞も夜がオーバーヒートしている感じ(?)で、なんというか80年代の夜のクラブな雰囲気。AメロとBメロのようなサビの2ブロックしか無くややサビが分かりにくいが、やたら合間にダンシンダンシン言っててクールに決めた台詞っぽいパートも出てくるのでシングルっぽい風格も一応あると思う。アウトロで曲が終わったと思ったら瞬時に持ち直してその後でフェードアウトしていくという謎のフェイントかまされるのが聞くたびになんだか気になる。

2ndアルバム『ミーハー』のAlbum Versionでは冒頭にカウントが入っているほか、フェードアウトではなく最後まで演奏されるという違いがある。
『森高ランド』の新録音ではテンポがかなり速くされた。シングルとアルバムでは5分前後あったのが3分47秒まで短くなっていてとにかくスピーディー。あっという間に駆け抜けていくようなイメージ。
★★★☆☆
2ndアルバム『ミーハー』(Album Version)
1stベスト『森高ランド』(新録音)
4thベスト『the best selection of first moritaka 1987-1993
7thベスト『ザ・シングルス

1st NEW SEASON

NEW SEASON
1987年5月25日
作詞:HIRO、作編曲:斉藤英夫、Keyboard Solo:森高千里
当時はEP/CTのみの発売で、88年3月25日にC/Wを2nd「オーバーヒート・ナイト」に差し替えた両A面仕様で8センチCD化された。当時のアルバムでのクレジットでは“Sampling Keyboard Solo”というクレジットだったが、1作目にしていきなり本人がキーボードソロ演奏を担当していてPVでもこの箇所ではキーボードの前に行って演奏している様子が映し出される。当初この演奏表記は普通に演奏クレジット枠だったが、後年のベスト盤では何故か作詞作曲編曲クレジットと一緒に併記されるようになり、現在の公式サイトディスコグラフィー、『ザ・シングルス』、『UHQCD THE FIRST BEST SELECTION ’87~’92』では演奏クレジットが非掲載にも関わらず何故か”Keyboard Solo:森高千里”の表記だけ作詞作曲編曲の横に一緒に掲載されている。どうしてこんなことになったのだろうか…。

80年代後期らしい固めのユーロビート風の打ち込みに物凄く固めのボーカルが乗っかる…という初々しさと緊張感が漂う1作目らしい1作目。正直初期の作品は個性もあまりなくて後々あまりに個性的すぎるのもあるがあまり印象に残らない曲が多いが、初期3作の中では売上通りでなんかんだこれが筆頭かなと。失恋から立ち直ろうとする歌詞だったり、割と淡々とした曲調はデビュー作らしい派手さは無いがサビのメロディーの良さはこれが1番かなと思う。

シングルバージョンは歌詞カードに書いてある2サビのリピート部分に突入するより前の1サビのリピート終盤で早くもフェードアウトが始まり、2サビのリピートのド頭(ファーストフードで♪)からすぐに音が消えていってしまう(歌詞カードでは2サビリピート部分にはFade Out表記がされているほど)。

1stアルバム『NEW SEASON』では現在のCD盤では表記が無いがアルバムバージョン。オリジナルより1分ほど長くなっていてシングルではほとんど聞けなかった2サビのリピート部分が最後まで歌われ、さらにアウトロのギターソロ部分まで収録されている。しかしそれでもなおフェードアウトでギターソロと共に遠ざかっていってしまう。

斉藤英夫によるリアレンジが全曲に施された1stベスト『森高ランド』ではリアレンジされた。大幅にイメージが変わるほどではないが、斉藤英夫が当時の制作環境で自宅で宅録してきた1人制作オケという事もあって全体に音が軽めに仕上がっている。ボーカルは経験を重ねて固さが抜けていて森高千里感(?)が増した。加えてアルバムバージョンよりもさらに30秒ほど長くなり、ついに6分越えの長尺になってしまったが、今度こそ最後まで演奏された。2サビを終えた後のアウトロギターソロも最後まで演奏され、もう1度サビ終わりの締めが歌われて演奏がちゃんと終了する。ここまで来るとなんかやっと完全版聞けた!感が強い。そして思ったより長ぇ曲だった…。

初期のアルバム収録では2回とも最終曲を飾っていたので恐らくリアルタイムのリスナーにとって締めの1曲という印象が強かったと思われるが、『the best selection of first moritaka 1987-1993』以降のベスト盤では3連続で時系列収録なので1曲目を飾っていて始まりの1曲という印象が個人的には強い。
★★★☆☆
1stアルバム『NEW SEASON』(Album Version)
1stベスト『森高ランド』(新録音)
4thベスト『the best selection of first moritaka 1987-1993
7thベスト『ザ・シングルス
8thベスト『UHQCD THE FIRST BEST SELECTION ’87~’92

キンモクセイ 活動急始記念シングル回顧 2001-2007,2011

7,80年代の日本のポップスを00年代前半のミュージックシーンで再現していた特異なバンド、キンモクセイ。世間がR&B風やらラップミュージックで沸いている時代に実にマイペースに”あの頃の匂い”を掲げ、懐かしくも新しいサウンドを展開し続けた。早い時期での「二人のアカボシ」でのブレイクはあったものの、時代と合ってなさすぎたせいか早々に忘れられてしまい1発屋扱いされるようになってしまったが、02~06年当時のヒット曲が懐かしくなる中でも彼らの楽曲は色褪せない。むしろ全体に懐古ムードが高まり、時代の彼方へ置き去りにされていた80’sのサウンドすら逆に新しいものとして受け入れられるようになってきた昨今、キンモクセイの楽曲に改めて触れてみると当時よりもさらに普遍的に感じられる。

『Beautiful Dreamer』15周年2017年2月11日に、02年2月11日このサイト開始当時にまさに「二人のアカボシ」がブレイクしていたのを思い出し、調べたら02年2月11日付の週間チャートで初のトップ10入りを果たしており、ベスト盤の年表でも2月11日に初のトップ10入りをしたことが記載されている。ここだ!という事で過去曲回顧旧スタイル最終章を飾ったキンモクセイのシングル回顧だったが、活動急始に合わせてC/W追加で早くもリニューアル。

※2015年に概ね執筆したままお蔵入りしていたものを2016年デビュー15周年に向けて微修正、しかし修正が遅れてタイミングを逃して再度お蔵入りしていて2017年2月のサイト15周年と「二人のアカボシ」のヒットが同時期だった事から2017.2.11公開したものをC/Wを追加した完全版として2020.3大幅追記修正。
※音源を所持していなかった8thC/W、11thC/WはSpotify無料版(PC)で試聴したのみで感想を書いていますので視聴環境が他の曲と著しく異なります。

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タンポポ シングル回顧~1998-2002~

98年にメジャーデビューしたモーニング娘。が3rd「抱いてHOLD ON ME!」で初の1位を獲得して最初のブレイクを迎えたタイミングで、初の派生ユニットとして誕生したのがタンポポだった。メンバーは1期の石黒彩飯田圭織、2期の矢口真里の3人。当時のモーニング娘。よりもさらに大人っぽさを強調したセクシー路線で2作のシングルをリリース後にオリジナルアルバムも発売。そこからシングルカットされた「たんぽぽ」は爽やか路線となっていた。この時点まではまだ様々なグループを手掛ける前だったので早期の1stアルバム制作という好環境含めてかなり丁寧なプロデュースワークが展開していた。

「LOVEマシーン」の大ヒットで状況が大きく変わっていく渦中の10月に4thシングル「聖なる鐘がひびく夜」を発売するも、年明けに石黒彩がモーニング娘。を脱退したためタンポポも脱退。リリースは無いが冠ラジオやライブでは2人編成での活動がしばし続いた。

その後プッチモニに4期吉澤ひとみが加入したタイミングで、タンポポには同じ4期の石川梨華加護亜依が加入し4人組に。以降はガールポップ路線となり、プッチモニと連動してのシングルリリースが3回続いた。売上ではプッチモニに比べて下回っていたものの、飛び道具要素のない正統派なガールポップ路線は非常に評価が高く、ハロプロで最初に聞くなら聞きやすいのはタンポポだという声も当時一部であった。

しかし02年7月の通称ハローマゲドンにより、なんと石川以外強制脱退紺野あさ美・新垣里沙・柴田あゆみ(メロン記念日)が加入して新体制になると発表された。プッチモニの再編成は後藤・保田のモーニング娘。卒業が発表されていたためまだやむを得ない部分があったが、初期メンでありタンポポというグループへと愛着を常日頃語っていた飯田・矢口には卒業予定は無かった。ミニモニ。と兼任していた矢口矢口はミニモニ。も脱退することになるもハロプロキッズと新たなユニット結成という救済が発表されていた。同じくミニモニ。兼任だった加護はミニモニ。には残留した。飯田には本当に何の救済も無かったため、あんまりな仕打ちだと批判が噴出した。

9月4日のベスト盤『All of タンポポ』でこれまでを総括した月末の26日には新編成での1発目としてシングル「BE HAPPY 恋のやじろべえ」がリリースされるも人気は大幅下落。続いて予定されていた新編成プッチモニのシングルはリリース延期のまま破棄となり、タンポポの新曲発売もこれにて停止。1年後にラジオが終了し、解散宣言無くタンポポもまたフェードアウトしていった。

2019.12新規執筆(プッチモニ同様に2007年頃の過去曲回顧を全面破棄して書き直し)

1st ラストキッス

B00005G3QC
98年11月18日

石黒彩、飯田圭織、矢口真里

編曲:小西貴雄
3rd「抱いてHOLD ON ME!」が初の1位を獲得して最初のブレイクを迎えていたモーニング娘。の派生ユニットしてデビューしたタンポポのデビュー作で30万枚を越えるヒットを記録。最終的に「恋をしちゃいました!」「乙女パスタに感動」に続く3番ヒットとなるが、本家が50万弱のヒットの中で派生ユニットで30万ヒットはなかなか驚異的だったと思う。「恋をしちゃいました!」「乙女パスタに感動」の頃にはもう一気にCD売上全体が下落しまくっていたので98年という時代が良かったのかもしれないが、それでも「LOVEマシーン」直後の「聖なる鐘がひびく夜」でも20万越えたのがやっとだったし、何だか今作は異様に売れた感じはある。

かなり大人びた雰囲気の失恋ナンバー。決してくちびるお化けではな“くちびるにだけ”がやたら連発されるのでこの部分のメロディーがやたらと印象に残る。10代だった飯田・矢口には背伸び気味の世界観だったように思うが、一応歌詞中では”初めての恋終わった”という初恋設定が含まれているので設定自体はそんなに大人びてもいないのか。好みの曲調ではないがコーラスワーク含めて完成度が高い1曲だと思う。
★★★☆☆
1stアルバム『TANPOPO 1』(single version)
1stアルバム『TANPOPO 1』(album version)
ベスト『All of タンポポ』
ベスト『タンポポ/プッチモニ メガベスト』

ラストキッス
タンポポ
2008/12/10 ¥204

2nd Motto

B00005G3QM
99年3月10日

石黒彩、飯田圭織、矢口真里

編曲:河野伸
大人っぽさをさらに突き詰めた2作目。当時モーニング娘。でリリースされた『Memory 青春の光』もNY録音のオケといいコーラスワークといい音楽的に凝りまくっていたが、凝りすぎてかなり覚えにくく親しみにくい曲調になってしまった。この時期の凝りまくりの方向性はヒットチャート的にも失策で、そこに力入れても世間には伝わらないと判断されたようでこれっきりとなった。『Memory 青春の光』は40万ヒットを記録していたが、今作はアルバム先行も響いて10万割れとなった。

今作に関してはやりすぎは良くないな…と思ってしまうような楽曲。吐息を連発したり、歌い方もかなり全力で色っぽく歌っているのが過剰すぎる。色っぽく歌いすぎても聞いてて引くだけだなっていうかなんていうか。一方でオケの完成度は異様に高く、「Memory 青春の光」同様にNYレコーディングを行った効果が存分に発揮されている。
★★★☆☆
1stアルバム『TANPOPO 1』(album mix)
ベスト『All of タンポポ』
ベスト『タンポポ/プッチモニ メガベスト』

Motto
タンポポ
2008/12/10 ¥200

3rd たんぽぽ(Single Version)

B00005G3QW
99年6月16日

石黒彩、飯田圭織、矢口真里

編曲:小西貴雄
唯一のオリジナルアルバム『TANPOPO1』収録曲をボーカル再録音&リミックスでシングルカット。好評だったからシングルカットしたと言っただけあってタンポポというユニットを象徴する代表曲として扱われた。実際シングルカットにも関わらず2ndを上回る売上を記録するなどセールス面でも好評が反映された。前2作とは違い、明るくさわやかな曲。どこにだって咲く花だけど根強く咲くたんぽぽのようにあれというユニットコンセプトが反映され、これはメンバー自身にも響く活動方針になっていたと思う。今聞いてもいい曲。

Grand Symphonic Versionは文字通りにオーケストラバージョンみたいなリアレンジだが、飯田圭織、矢口真里、石川梨華、加護亜依の4人体制ではなく、石黒彩のボーカルテイクも使用した幻の5人バージョン。
★★★★☆
1stアルバム『TANPOPO 1』
ベスト『All of タンポポ』(Single Version)
ベスト『All of タンポポ』(Grand Symphonic Version)
ベスト『タンポポ/プッチモニ メガベスト』(Single Version)

たんぽぽ(Single Version)
タンポポ
2008/12/10 ¥204

4th 聖なる鐘がひびく夜

B00005G3RB
99年10月20日

石黒彩、飯田圭織、矢口真里

編曲:小西貴雄
『LOVEマシーン』の1ヵ月後にリリースされた結果的に石黒彩の最終参加作品今年最速のクリスマスソングみたいな宣伝もしていたが、あまりに早すぎて街がクリスマスモードに染まっていく前にチャートアウトしてしまっていた。前作の爽やか路線でコーラスワークも生かしつつそのまま奇をてらわないクリスマスソングをやってみたといった感じの普通にいいポップスだが、「LOVEマシーン」とプッチモニの「ちょこっとLOVE」に挟まれたリリース位置を思うとこの曲の正統派っぷりが一際輝く一方でこの2作がミリオンヒットして今作が20万程度で終わったのはそのままインパクトの差でもあって難しいところ。耐用年数が高いのは今作だと思う。
★★★☆☆
ベスト『All of タンポポ』
ベスト『タンポポ/プッチモニ メガベスト』

聖なる鐘がひびく夜
タンポポ
2008/12/10 ¥204

5th 乙女 パスタに感動

B000059O5J
00年7月5日

飯田圭織、矢口真里、石川梨華、加護亜依

編曲:永井ルイ
石黒彩の脱退によりしばらくライブやラジオは2人編成だったが、モーニング娘。4期からタンポポには石川梨華、加護亜依が加わって4人編成となった。プッチモニに吉澤ひとみが加入したので4期は辻希美だけ取り残される事となったが、年明け01年には低身長の矢口と加護と辻とココナッツ娘。のミカでミニモニ。としてデビューしたので当時のモーニング娘。でソロデビューもユニット参加もしていないのは安倍なつみだけという状況になった。今作以降は基本的にタンポポ、プッチモニは連動しての稼働となり、ほぼ連続でシングルをリリースする形で3作続いた。

ブリティッシュ風味と形容されることが多かったが、これは当時のつんくが『A HARD DAY’S NIGHT つんくが完コピーやっちゃったヤァ!ヤァ!ヤァ! Vol.1』というビートルズのカバーアルバムを出したり、多忙になっていくプロデュースワークの間に自身の所属するシャ乱Qとは別にビートルズに傾倒したソロ活動をしていたのも反映されていると思われるが、4人になってからのタンポポは正統派のガールポップ路線となり、ギミックやインパクトよりも正統派のかわいらしさ、正統派のポップなメロディーを聞かせる方向性となった。当時は他のハロプロはノリが苦手だけどタンポポだけは聞きやすいとかハロプロを最初に聞くならタンポポがお勧めだという論調も生まれた。

金曜日に彼と過ごす休日を想像して盛り上がる女の子のウキウキな様子を歌ったかわいらしいポップナンバー。タイトルは冒頭で昼休みにスープパスタに感動したと触れているだけでその後の歌詞の内容には全く関わりが無く、さらにジャケ写もいつの時代ですか?というような最早誰が誰だかパッと見で分からない珍妙なモノで、タイトルと見た目で珍品扱いされがちなのがちょっと惜しかった。歌衣装とかも普通にかわいらしかったし、ジャケ写の格好が出てくる余地はPVにすら全くなかったのになぜこんなことに…。
★★★★☆
ベスト『All of タンポポ』
ベスト『タンポポ/プッチモニ メガベスト』

乙女 パスタに感動
タンポポ
2008/12/10 ¥204

6th 恋をしちゃいました!

B00005HUWE
01年2月21日

飯田圭織、矢口真里、石川梨華、加護亜依

編曲:渡部チェル
前作同様のガールポップ路線。より自信をもって突き詰め、今回はジャケ写もタイトルもそのまま正統派勝負。プッチモニの方が終始売上は格上だったが、プッチモニが売上を落としていた中で、タンポポは前作→今作でわずかに売上が上昇して今作で最高ヒットを記録したので、楽曲自体も好評だったものと思われる。恋に落ちた女の子のキラキラまぶしい心情を綴った歌詞は随所でわざとらしく拙い感じを醸し出してアイドル的な、主に加護ちゃんのロリ感をブーストしてきたと思いきや、サビの”ラーメンを食べました”に呼応するコーラスが“食っちゃった”と突如野郎っぽい言葉遣いだったりもするところにつんく独特のセンスが出ているように思う。

つんくのコメントによれば”オケは徹底的に骨太に、歌い方も「ブリッコ禁止」「かわいい禁止」、「かっこいい」をテーマに歌ってくれ、と指示”したそうだが、歌詞やコーラスやガヤなんかもかわいらしいものなのであまりかっこいい印象はしない。ただ確かに若干ボーカルが全員強めに歌っているような気はする…かもしれない。リズム隊(ドラムとベース)は7 HOUSEのメンバーが担当していて生音志向なのも丁寧で良かった(後に飯田圭織が結婚した相手はこの7 HOUSEのボーカルだった人である)。

あと個人的には当時NINTENDO64版のスマッシュブラザーズが友人間でブームなっていて、よく自宅でシングル詰め込みCD-Rをかけながらやっていたので、この曲のコーラスの「やっちゃった」の瞬間に「殺っちゃった」と叫びながらスマッシュ、というのが流行った思い出。
★★★★★
ベスト『All of タンポポ』
ベスト『タンポポ/プッチモニ メガベスト』

恋をしちゃいました!
タンポポ
2008/12/10 ¥204

7th 王子様と雪の夜

B00005RF0R
01年11月21日

飯田圭織、矢口真里、石川梨華、加護亜依

編曲:永井ルイ
唯一の1位獲得シングル。前2作ではタンポポ→プッチモニの順番でリリースしていたが、今作時のみ初めてプッチモニ→タンポポというリリース順になり、結果プッチモニがKinKi Kidsにぶつかり初の2位、タンポポは敵なしで初の1位という結果となった。自力人気の差から売上は普通にプッチモニの方が10万程度高い。クリスマスという単語は出てこないがクリスマスを思わせるガールポップ路線のウィンターソング。やはりかわいらしい曲でタンポポの王道が完全に完成されている印象。この時期だけ起用されていた永井ルイというアレンジャーも非常に合っていたと思うんだけどハロプロ御用達アレンジャーにはならずこの時期限定だったのが惜しい(というか個人的にこのアレンジャーいいなと思ったハロプロのアレンジャーって大体その時限定で終わる辺りからして好みとズレているんだと思う。

全体にラブラブな雰囲気のラブソングではあるが、冒頭の“テレビを見てたら不安になっちゃって”というくだりには、911テロ直後の世相が反映されていて、さらっと時流を取り入れるつんく流が垣間見える。

楽曲の評判は良かったし、この2期タンポポのガールポップ路線満載の2ndアルバムは聞きたかった。
★★★★☆
ベスト『All of タンポポ』
ベスト『タンポポ/プッチモニ メガベスト』

王子様と雪の夜
タンポポ
2001/12/19 ¥204

8th BE HAPPY 恋のやじろべえ

B00006IICU
02年9月26日

石川梨華、紺野あさ美、新垣里沙、柴田あゆみ(メロン記念日)

編曲:永井ルイ
大改革ハローマゲドンにより、石川以外がリストラされ、当時5期として加入したばかりの紺野あさ美、新垣里沙、メロン記念日の中心メンバー柴田あゆみが加入。前作の半分以下の6万程度に終わり、最低売上を更新する事態となり、続けてリリースされる予定だったプッチモニは発売延期のまま中止となり、タンポポの新作もこれっきりとなるなど事実上の改革失敗となった。

アレンジャー永井ルイは継続起用しているものの、下敷きがHIP HOPになっていて平メロや間奏はラップ調、2期タンポポのガールポップ的な部分はサビメロに残しながらサビでもポップなメロディーのバックでスクラッチ音やCheck! Check!、Ah!Ah!などHIP HOP要素を入れまくっているので何だか摩訶不思議な印象に…。前のタンポポのポップ感を残しながらも新しいタンポポへと変化する過渡期的な立ち位置になるはずだった…のかもしれない。
★★★☆☆
ベスト『タンポポ/プッチモニ メガベスト』

BE HAPPY 恋のやじろべえ
タンポポ
2002/12/18 ¥204