倉木麻衣 20周年シングル回顧1~1999-2002~
98年末に突如出現した宇多田ヒカルの大ヒットから丸1年、99年末に宇多田ヒカルを彷彿とさせるまた新たな10代の女性シンガーが突如登場した。倉木麻衣の初期キャリアは宇多田ヒカル無くしてはありえないというくらい、宇多田ヒカルに印象を寄せたイメージ戦略が展開した。何だか良く分からないままに一大ブームとなって1stアルバムが350万枚を突破する空前の大ヒットとなったものの、その後シングルで50万枚を越えることは無く、アルバムも2ndはミリオン、3rdではミリオン割れとなった。90年代には1stがミリオン、Wミリオン級の空前の大ヒットになるも2nd以降で失速して落ち着いていくという売れ方も多かったが、そういう90年代的なメガヒットの最後の頃でもあったと思う。
基本的に代表曲とされていて広く知られているヒット曲は概ねここまでで出揃っている。当時はコナン歌手のイメージもそこまで強くは無かった。代表曲として挙げられる事の多い5,6曲の中でもコナンは「Secret of my heart」くらいである。愛内里菜、GARNET CROWら多数のレーベルメイトや新顔でコナンタイアップを回していたので倉木麻衣が飛びぬけて担当していたわけでもなかった。
- 倉木麻衣 20周年シングル回顧1~1999-2002~
- Baby I Like /Mai.K
- 1st Love,Day After Tomorrow
- 2nd Stay by my side
- 3rd Secret of my heart
- 4th NEVER GONNA GIVE YOU UP
- Delicious Way
- 5th Simply Wonderful
- 6th Reach for the sky
- 7th 冷たい海/Start in my life
- 8th Stand Up
- 9th always
- PERFECT CRIME
- 10th Can't forget your love/PERFECT CRIME-Single Edit-
- 11th Winter Bells
- 12th Feel fine!
- 13th Like a star in the night
- Fairy tale~my last teenage wish~
- key to my heart
Baby I Like
/Mai.K
99年10月16日
作詞作曲:YOKO Black.Stone、編曲:Cybersound
デビューに向けて夏休みの間にボストンでレコーディングしていた際にアメリカのインディーズレーベルでMai.K名義でリリースした全米デビューシングル。YOKO Black.StoneのカバーでオリジナルはYOKO Black.Stoneが後のGIZA発足直前の時期に大阪で展開させていたインディーズレーベルから97年にリリースしていた1stアルバム『’s All Right』収録曲。倉木麻衣の1stアルバムライナーで今作について触れた際はGIZAから99年8月に発売していたメジャーデビュー作にして実質インディーズベスト的なアルバム『THE ONE ABOUT ME』収録曲として扱われていた。
なおYOKO Black.Stone(Yoko B.Stoneと表記されることもある。また後年はYoko Blaqstone表記に正式に変更している)という名前は単に本名の漢字を2単語にして並べたらそれっぽい名前になったというだけだったようで本名はそのまま石黒洋子というらしい(石と黒なのでBlack Stone)。その後も提供やカバーはあったが、自身の歌手活動はあまり行われておらず、05年にようやく『THE ONE ABOUT ME』以来となるアルバム『Back To My Base』を発売するも以後公式サイトがそのまま放置され、いつの間にかフェードアウトというGIZA典型パターンに陥った(割と倉木麻衣的には功労者だったはずだが…)。現在は講師としての後進指導を主軸にしているようだ。
夏休みにボストンでレコーディングしていて現地でCD出してきたというのは新人としては多少破格の扱いにも思えるが、目的としては先例宇多田ヒカルを連想させるような要素を随所に入れる事で何一つ事実を盛る事無く、世間が勝手に全米デビュー実績のある帰国子女の大型女子高生新人がまた新たに出てきた、というイメージを抱かせる事にあったと思う。戦略の一環としての前フリでしかなく、アメリカで本気で売る事は考えていなかったのではないか。
そしてCybersoundとは結局何者なのか、そのメンバーの一部はPerry Geyer、Michael Africk、Miguel Sá Pessoaと曲によっては個人名も出ているが3人以外が誰なのかは明確にされていないし、結局ビーイングGIZA内ですら他ではほとんど出てこないのでどこから発掘してきた制作集団なのかも含めて謎だらけのままだ。
当時のトレンドになっていたR&B系でチッチキタカタカリズムにクールに歌い上げる楽曲だが今作に関しては洋楽テイストが非常に強くて歌謡曲的な歌メロの良さはほとんどない。終始淡々としていて印象にも残りにくいが、ただなんとなく全米デビュー作と言われればなんとな~く本場っぽいなぁ…と多くの人が思ってしまうようなそんな1曲。
この曲を聞いたことが無くても冒頭のベイビアイラ~イ♪の部分がなんとなくどこかで聞いたことがある気がするのは後の「NEVER GONNA GIVE YOU UP」のラップ部分でベイビアイラ~イ♪を引用しているため。
★★★☆☆
5thシングル『Simply Wonderful』C/W(Turn Me On Mix)
Mai-K全米デビューアルバム『Secret of my heart』
2ndベスト『ALL MY BEST』
1st Love,Day After Tomorrow
99年12月8日
作曲:大野愛果、編曲:Cybersound
全米デビューの実績を作って2ヵ月弱、倉木麻衣としてのデビュー作。初登場18位からトップ20前後を5週うろついた後に6週目にトップ10入りし、12週連続トップ10入りした中で最高2位まで浮上(2週連続)、140万枚近くを売上げた自身最大唯一にしてGIZA最大唯一でもあるミリオン作品、衝撃のデビュー作。12月発売だがトップ10ヒットしていたのは1月末~3月頃にかけてなのでミレニアム1発目のヒット曲の1つという印象が強い。ただサザンオールスターズの「TSUNAMI」が物凄い大ヒットしていたのでこの時期の印象1人勝ちというわけでもなかった。2週連続2位というのも2週とも「TSUNAMI」に阻まれての2位だった。
当時周囲でも1年前の衝撃(宇多田ヒカル)の再来?え?ナニコレ?デジャヴ?っていう感覚だった。ちょっと前に全米デビューしてましたという本場感(半分フェイクみたいなもんだったが…)、天井が低いところで歌っているようなPVも(こちらはモノクロ)1年前の『Automatic』を彷彿とさせた。この年の6月に宇多田ヒカルが『HEY!HEY!HEY!』に出た時にダウンタウン浜田が最近、お前のパクリが出てきてるやんと宇多田にストレートにぶつけて宇多田も流れで最初に聞いた時にあれ?私?と思ったなどと発言し、そのまんま放送されたため事務所が抗議した、なんていう話も残っている。昔の方がTVは自由だったと既に言われるようになっていながらもそれでも現代よりはまだまだ自由だった当時だったからストレートにそのまま放送できたようなデリケートな案件ではあったが、それくらい割とみんなそう思っていた、という事を示す出来事だった。
また小松未歩のヒットをきっかけにして大阪拠点のGIZA studioへ移して従来のBEING色を徹底的に排除、後に結局BEING/GIZAとビーイングであることを付け足すようになったが、この当時はBEINGの文字は極力出さずにむしろ隠すようにしていてKANONJIという新名義の名前以外謎のプロデューサーを立てるなど(KANONJI ROCKAKUなんていうフルネーム?っぽい名前でクレジットされる事もあったが、結局正体は長戸大幸だったらしい)新勢力のレコード会社のように振る舞っていた。インターネット普及期でまだギリギリでメディア側のコントロールで情報の少なさやミステリアスさを醸し出すことが容易にできたので作戦勝ちで売れたことは否めないが、楽曲のクオリティもかなり高い。
当時流行のR&B風のサウンド全開だが、宇多田ヒカルが案外普通に日本人アレンジャーを起用していたのに対して、倉木麻衣は国内ではなくボストン在住という海外制作陣Cybersoundを起用して形から海外製にして作り上げたカラッと乾いたサウンドに、90年代末期織田哲郎・栗林誠一郎の相次ぐ離脱に伴い、新たに発掘してきたメロディーメイカー大野愛果によるあくまでキャッチーなJ-POP然としたメロディーの組み合わせは抜群だった。R&Bブームとはいえ大ヒットするにはやはりメロディーの良さも必要という、正直ここまでいきなり売れるとはGIZAも思ってなかったとは思うんだけど、見事なまでのプロデュースだったと思う。
当時はTVに一切出なかったが、紅白出演のみ03~05年にかけて3年連続で行った。1度目ではなく何故か3度目05年でようやく歌われた。この際にはキーを下げていたが、以降もTV出演で歌われる際は軒並みキー下げで歌っていてキー下げが早いうちにデフォになっていたようだ。当時は出た声がわずか数年で出なくなった…というより元々高すぎて無理があったように思う。
★★★★☆
2ndシングル『Stay by my side』C/W(Day Tripper Drum’n’ Bass Mix)
1stアルバム『delicious way』
1stベスト『Wish You The Best』
2ndベスト『ALL MY BEST』
シンフォニックアルバム(DVD+CD)『Symphonic Collection in Moscow』(シンフォニックアレンジ)
3rdベスト『MAI KURAKI BEST 151A-LOVE & HOPE-』
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
2nd Stay by my side
00年3月15日
作曲:大野愛果、編曲:Cybersound
前作がまだ大ヒット中に発売されて初登場1位、90万枚を超えた3番ヒット作。Dragon Ashとの接戦を抑えての初登場1位、まだ大ヒットしていた「TSUNAMI」を接戦で抑えての2週連続1位だった。前作よりもメロウさが強調されたミディアムバラード。強敵とばかり当たっていたためシングルでは2度しか取っていない1位のうちの1曲だが、前作がまだヒットしていたし、すぐに次の「Secret of my heart」も大ヒットしてそっちはコナンタイアップにより長く親しまれたため、挟まれた今作はやや影が薄いというZARDで言う「君がいない」ポジションみたいになってしまっていた。ただメロウな曲の良さに関しては個人的には前作以上でけっこう好きな1曲。03年の紅白初出場時に前後2曲ではなくこの曲がわざわざ選ばれたのはかなり意外だったが、本人の意向が強かったのか、NHKがO社順位だけ見て1位曲なのでこれでお願いしたのかは不明。
★★★★☆
1stアルバム『delicious way』
1stベスト『Wish You The Best』
2ndベスト『ALL MY BEST』
3rdベスト『MAI KURAKI BEST 151A-LOVE & HOPE-』
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
3rd Secret of my heart
00年4月26日
作曲:大野愛果、編曲:Cybersound
アニメ『名探偵コナン』ED。現在も続くコナンタイアップ最初の1曲にして、コナン主題歌売上歴代1位。初動41.1万枚は自身最高で、浜崎あゆみ『vogue』(浜崎との直接対決はこの後も何度かあるが勝ったのはこの1回きり)を3位に、2週目の宇多田ヒカル『Wait&See~リスク~』を4位に抑えたものの(ここまで30万越え)、福山雅治『桜坂』が初動75万も出していたため初登場2位。前作を上回るも1stには及ばず、ミリオン目前97万枚の2番ヒットとなった(200位集計だったら100万行ってたかも)。
前作に続いてのミディアムバラードだが、全体的に切ない雰囲気が漂う。誰にもいえない秘密というテーマは「コナン」の蘭と新一の関係とも繋がりがあって相乗効果もあって非常に強く印象に残る1曲になった。当時のコナンはまだキャラ数も少なく、複数人やサブキャラ同士の人間関係も無く、恋愛模様もほぼ新一と蘭という1軸だったので、傍にいるのに自分の正体を言えないコナン(新一)と新一の帰りを待ち続ける蘭、というこれだけで十分に切なさを醸し出せていたし、これだけでED映像を何本も作れるくらいだった。なので蘭と新一の関係性を彷彿とさせるような切なさを醸し出しておくか、もしくはミステリアスな要素を入れればコナン主題歌としてきっちりハマる時代だったのも良かったと思う。だから結局コナンに特にハマっていた主題歌となるとこの後も何度も担当するけどどうしても最初の数年くらいに集約されてきてしまうところもある。
★★★★★
C/W(runnin’ around at the “Village” Mix)
1stアルバム『delicious way』
1stベスト『Wish You The Best』
2ndベスト『ALL MY BEST』
シンフォニックアルバム(DVD+CD)『Symphonic Collection in Moscow』(シンフォニックアレンジ)
3rdベスト『MAI KURAKI BEST 151A-LOVE & HOPE-』
4thベスト『倉木麻衣×名探偵コナン COLLABORATION BEST 21-真実はいつも歌にある!-』
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
4th NEVER GONNA GIVE YOU UP
00年6月7日
作詞:倉木麻衣,Michael Africk、作曲:Michael Africk,Miguel Sá Pessoa,Perry Geyer、編曲:Cybersound
1stアルバムの3週前先行シングル。元々前作のC/W予定だったが、先行でビーイングでやっていたスカパーのMUSIC FREAK TVのキャンペーン曲としてOAしていたのが好評だったのと3シングルともミディアムスローだったので違う一面も見せておこうということで急遽シングルになったという。初動28万出したものの前作では抑えた浜崎あゆみ『SEASONS』(絶望三部作の最後)に55万出されて初登場2位。アルバム先行も影響してストーンと落ちていってしまい前作初動をちょいと上回った程度の前2作の半分程度に落ち着いたが、前2作の半分といえど以降この売上を越えるのもかなり至難な感じになったので、今作以降は3作しか今作を越えられなかった。7番ヒット作。
作曲者のMichael Africk,Miguel Sá Pessoa,Perry Geyerの3名はCybersoundのメンバーだと1stアルバムライナーで明言されているが、この3人で全員なのか、これ以外のメンバーが誰なのかは明言されていない。作曲が3人名義で編曲がCybersound名義なので、Cybersoundにはまだ他のメンバーが属している可能性が高いが…。
半分以上の歌詞が英語(サビは全部英語)で、作曲者の1人であるMichael Africkとの英詩ラップの掛け合いも登場するなど一部デュエット状態になっていて作詞も共作名義。このラップ部分で「Baby I Like」のフレーズがさらっと登場するのもポイント。徹底的にクールでスピード感のある曲で当時はいきなりクールな方向に来たなぁ程度にしか思っていなかったが、今聞くとかなりかっこいい。この隙のないカッコよさはこの後の楽曲にもあまり無いような…。
★★★☆☆
C/W(It’s On Tonight Remix)
1stアルバム『delicious way』
7thシングル『冷たい海/Start in my life』C/W(Never Never Land mix one)
1stベスト『Wish You The Best』
2ndベスト『ALL MY BEST』
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
Delicious Way
00年6月28日
作曲:大野愛果、編曲:Cybersound
1stアルバムの表題曲(アルバムタイトルは『delicious way』なので表記は異なる)にして1曲目を飾ったリード曲。アルバムチャートで紹介されるときは大体この曲が使用されていたので、1stアルバムを思い返すとダントツでこの曲のイメージになる(むしろこれ以外があまり思い出せな)。シングルでのイメージを崩さずに、特に「Love, Day After Tomorrow」の雰囲気を残しながらももう少し明るさを加味させたような楽曲。そのままシングル級のヒットチューン、アルバムを聞こうと思う意欲をかきたてるリード曲のお手本のようなリード曲。
アルバムにはこの曲以上とか並ぶといったキャッチーな曲は無く、もう少しクールなR&B寄りではあったが、きっちり作りこまれた完成度の高い1枚だった。350万枚というけっこうトンデモな大ヒットになったが、正直何だかよく分からないままの勢いで売れていたのか、2ndとの差は200万枚以上に及ぶわ、シングル売上もこの後ストーンと落ちるわで今作の喧騒はちょっと異常過ぎたようにも思う。
★★★★☆
1stアルバム『delicious way』
1stベスト『Wish You The Best』
3rdベスト『MAI KURAKI BEST 151A-LOVE & HOPE-』
5th Simply Wonderful
00年9月27日
作曲:大野愛果、編曲:Cybersound
邦楽初のダブル・エディット・シングルと銘打たれたシングル。これは「Simply Wonderful」がClub Edit、Radio Editの2バージョンで収録されているというものだった。1曲目がClub Edit、2曲目がRadio Edit、3曲目以降はC/Wという扱い。無表記のオリジナルバージョンは存在しないが、2曲目のRadio Editがメイン扱いで実質オリジナルバージョンとなっている。2ndアルバムには何故か収録を外されたが、1st、2ndベスト盤には2連続でRadio Editで収録された。1曲目のClub Editはアルバム未収録。狙っているのかというくらい3作連続で浜崎あゆみ(「SURREAL」(収録アルバム同発))と直接対決になり、初動26万出したものの、32万出されて初登場2位。売上は早くも40万割れとなり、1stアルバムの大ヒットを経て一気に勢いが落ち着いた。
Club Editは文字通りクラブテイストのリミックスバージョンといった装い。あえてこれを1曲目に置いたのは邦楽初のダブル・エディット・シングルという特殊な感じを出したかったからだろうか。これ逆だと単にオリジナル曲とC/Wのリミックスという当時よくあったシングルの基本フォーマットにしか思えなかっただろうしな…。Radio Editはそのままオリジナルアレンジのような仕上がり。ただ何故Radio Edit扱いなのか。ラジオでフルでかける際に長すぎると流してもらえないので短くしたものをRadio Editと名付けるのが割と定番なので(globeの初期のシングルにいくつかシングルがRadio Edit、アルバム収録時にフルバージョンというのがある。またGLAY「時の雫」なんかはまさにそのままで長すぎるのでイントロとアウトロをショートカットしたRadio EditがC/Wに入っている)、Radio Editはいわばショートバージョンであり、フルバージョンが後にアルバムなどで音源化されるのかと思ったがそんな事も無く…。ていうか2ndアルバムにスルーされ
前作に続いてスピード感あってクールな曲だが今回はどこかラテンっぽい風味も入っていて1stアルバムで固めたイメージのさらに先を行くような仕上がり。またサビの途中でちょっと力んだように“ベイビアィワンダワァイ”と歌うのでここがやたら印象に残っててしばらく“ベイビアィワンダワァイ”の曲として認識していた。
メロウな倉木麻衣は十分に印象付けたので、もう少しクラブ寄り、アーティスト寄りな一面を強く打ち出していきたかったのだろうか。改めて聞けばこれもまたカッコいい曲ではあるが、親しみやすさは正直あまり無いし、邦楽初のダブル・エディット・シングルというプロモーションもなんていうか洋楽寄り目線みたいな感じがあった。しかもダブル・エディット・シングルなんて呼び方は全く浸透しなかったな。
★★★☆☆
Club Editアルバム未収録
1stベスト『Wish You The Best』(Radio Edit)
2ndベスト『ALL MY BEST』(Radio Edit)
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』(Radio Edit)
6th Reach for the sky
00年11月8日
作曲:大野愛果、編曲:Cybersound
NHK朝ドラマ『オードリー』主題歌。3週連続1位を独走していたMISIA『EVERYTHING』、嵐『感謝カンゲキ雨嵐』に及ばず初登場3位。50万に届かなかったものの自身5番目のヒット作。当時は朝ドラ主題歌が今ほど大きく扱われていなかったしJ-POPで主題歌というのもそんなに鉄板ではなく、実際99年は2作とも実質主題歌らしき主題歌は無し、その前の98年にはウルフルズ「あそぼう」が主題歌だったが、恐らく多くの人が「あそぼう」なんて曲はウルフルズのヒット曲にあったっけ…?という感じだろう。翌01年のKiroro「Best Friend」は復活ヒットになるくらい目立ったが…。そんなわけで代表曲として5曲ほど挙げる場合は初期3シングル+「Stand Up」ときてそのまま順番に今作が5つ目に挙げられる事はめったになく、売上ではわずかに下回る「Feel fine!」に大体持っていかれてしまうというそんなポジション。
今作が影が薄くなった要因としては99年12月デビューとはいえ年明けに大ブレイクしたのでこれまだブレイク年である。既に代表曲といえる作品がわんさか出ていた同じ年に立て続けに出し過ぎたのも良くなかったと思う。ただ朝ドラ主題歌の中で歴代最年少での起用という記録は今も保持している。現在の朝ドラは一定以上の認知度とキャリアが必須になっているので、恐らく今後も当面抜かれないのではないか…。
初期のメロウなイメージに引き戻し、さらに朝を意識してかより優しく穏やかなイメージの曲。チャートアクションが明らかに勢い落ちたな~って感じだったのと前述のように上半期凄すぎたので地味な印象が強くなってしまったが、十分にいい曲だ。最後のサビで音程が変わるところが個人的には好き。あと2ndアルバムでアルバム途中に何故かC/WのリミックスバージョンGOMI REMIX~Radio Edit~が収録されてて恐ろしく悪目立ちしているのがちょっと印象良くない。これ当時めっちゃ不評だったよな…。
★★★★☆
C/W(GOMI REMIX-Radio edit-)
C/W(KEN ISHII REMIX)
C/W(DJ HIYOCO REMIX)
2ndアルバム『Perfect Crime』
2ndアルバム『Perfect Crime』(GOMI REMIX~Radio Edit~)
1stベスト『Wish You The Best』
2ndベスト『ALL MY BEST』
シンフォニックアルバム(DVD+CD)『Symphonic Collection in Moscow』(シンフォニックアレンジ)
3rdベスト『MAI KURAKI BEST 151A-LOVE & HOPE-』
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
7th 冷たい海/Start in my life
01年2月7日
初の両A面シングル。またしても近くにいた浜崎あゆみ「Evolution」2週目を何とか交わしたが、この年の年間トップ10級となったKinKi Kids「ボクの背中には羽根がある」に当たってしまい初動20万出したものの2倍の差をつけられてまたしても初登場2位。
冷たい海
作曲:大野愛果、編曲:Cybersound
少年犯罪をテーマにしたシリアスで重たい曲。凶悪な10代の犯罪が相次いで報道されていたのでキレる17歳とか、17歳が危ないみたいな風潮が広まって社会問題になっていた時期だった。サウンド的にはそろそろいつもの倉木麻衣的な感じになってきているが、冷たい感じというかシリアスさが今までにない感じはあった。真冬のリリースというのもあったかもしれないけど。
PVではピアノ弾き語りしていたのとまだちゃんとCD手に取ってクレジットを見ていなかったのでこの頃まではずっと倉木麻衣はシンガーソングライターだと思っていた。後で一貫して作詞だけだと知って驚いた記憶がある。
★★★☆☆
2ndアルバム『Perfect Crime』
1stベスト『Wish You The Best』
2ndベスト『ALL MY BEST』
シンフォニックアルバム(DVD+CD)『Symphonic Collection in Moscow』(シンフォニックアレンジ)
3rdベスト『MAI KURAKI BEST 151A-LOVE & HOPE-』
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
Start in my life
作曲:大野愛果、編曲:Cybersound
アニメ「名探偵コナン」ED。2度目のコナンタイアップ。シリアスな1曲目に対して今作は温かみと前向きさを感じられる旅立ちと新生活への希望を歌った曲。発売時期は若干早めではあったが自身の高校卒業も近かったということで卒業ソングという位置づけになっていると思う。全体には学生生活を振り返るのではなく、ここから始めようという前向きなスタートソングになっているので何も卒業に限定せずとも聞く事ができる。当初そんなに印象的な曲ではなく、同じ制作陣でほぼイメージを固めた曲が続くので早くも失速してきた印象が強かったんだけど、この曲に関してはけっこう後からじわじわきて普遍性の高い曲だなという印象に変わった。
一方で作中の時間経過が恐ろしく遅くて数ヵ月しか経過していない事になっているコナン世界においては卒業とか新生活とかの要素は皆無に等しく(まあ小さくなったコナンや灰原が小学校生活を送るという意味ではまさしくStart in my lifeではあるが…)、穏やかな曲調がエンディングっぽい…という以外にはあまりコナンを意識した感じは無い。
★★★☆☆
2ndアルバム『Perfect Crime』
2ndベスト『ALL MY BEST』
4thベスト『倉木麻衣×名探偵コナン COLLABORATION BEST 21-真実はいつも歌にある!-』
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
8th Stand Up
01年4月18日
作曲編曲:徳永暁人
爽健美茶 Natural Breeze 2001 happy liveテーマ曲。夏に行われた初ライブは爽健美茶を買ってシール集めて応募抽選というタイアップコラボ仕様だった。またこれまで大野愛果とCybersoundの組み合わせでほぼ貫いてきたが、今作で初めて徳永暁人を起用。以降出番が急増する。前作に続いて今度は嵐「君のために僕がいる」に及ばず初登場2位。初動は前作とあまり変わらなかったが曲のウケが良かったようで2週目以降も伸ばしたため自身4番目のヒット作となり、代表曲の1つとなっている。
タイアップがそのままライブへと繋がっていたが、恐らくライブを意識した時に生まれた楽曲で、ここまでメロウな曲かクールな曲ばかりだったのでライブをやるならもう少し盛り上がる曲を作ろうという事で制作されたと思われる。今までとはガラッと変わったアメリカンポップな雰囲気で全編通して明るくて覚えやすいメロディーが印象的。歌いだしのAメロからキャッチーだが、ほぼ英語詞のサビはさらに突き抜けるし、全体的にファンと掛け合い合唱できるようにも作られていて、とにかく馴染みやすい名曲。
★★★★★
7thシングル『always』C/W(Gomi’s Disco 2001 Mix(Radio Edit))
11thシングル『Winter Bells』C/W(Gomi’s Lair Club Mix(Radio Edit))
2ndアルバム『Perfect Crime』
1stベスト『Wish You The Best』
2ndベスト『ALL MY BEST』
シンフォニックアルバム(DVD+CD)『Symphonic Collection in Moscow』(シンフォニックアレンジ)
3rdベスト『MAI KURAKI BEST 151A-LOVE & HOPE-』
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
9th always
01年6月6日
作曲:大野愛果、編曲:Cybersound
アニメ『名探偵コナン』ED、劇場版第5作『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』主題歌。映画5作目にして初めて映画TV同時起用。曲がそこまで長くなかったためか、映画のEDではカットなしでフルコーラス使用された(ただしCDはフェードアウトだが映画バージョンは演奏が終わる)。今度は新鋭のCHEMISTRY「Point of No Return」に及ばず初登場2位。ただし今回は売上を大きく落としており、累計でようやく前作初動をわずかに越えた程度の20万ヒットに留まった。ただ前作がかなりイレギュラー、今作もこれでもかなりコナン効果が出ていたようでそれらが無くなった次回作以降は一気に…。
作家陣が元に戻ったが、これまでよりも明るい雰囲気でかなり前向きな応援歌。最近(2019年)倉木麻衣が「負けないで」をカバーしたが、倉木麻衣流の「負けないで」が今作だったと思う。10代ならではのまっすぐな前向きさは眩しくもある。サビよりもalways give my love always give my love to youの方が印象的だが、実際サビよりもとにかく連呼されまくる。曲の構成が少し変わっていて2コーラス終わって全英語詞のCメロ(大サビ)が来た後に通常だとサビが最後に来るはずがサビを持ってこずにそのままalways give my love always give my love to youを延々と連呼したまま終わっていく。正直サビもう1回聞きたかったよ…という気分にはなるが繰り返し聞きたくなる魔力は増したかも…。
★★★★★
2ndアルバム『Perfect Crime』
1stベスト『Wish You The Best』
2ndベスト『ALL MY BEST』
シンフォニックアルバム(DVD+CD)『Symphonic Collection in Moscow』(シンフォニックアレンジ)
3rdベスト『MAI KURAKI BEST 151A-LOVE & HOPE-』
4thベスト『倉木麻衣×名探偵コナン COLLABORATION BEST 21-真実はいつも歌にある!-』
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
13thアルバム『unconditional LOVE』(All Fan’s Chorus Special Edit いつでも LOVE ずっと SMILE)
PERFECT CRIME
01年7月4日
作編曲:徳永暁人
2ndアルバムリード曲。これまでになかったサスペンス調の新機軸なアレンジになっていて、全体的にスリリングさが漂い聞き応えのある1曲。”孤独””暗闇”といった暗い言葉が並び、“心の犯罪(クライム)”をテーマにしているが、歌詞の内容としては暗闇を抜け出そうという前向きなものになっている。1stである程度イメージを固めたのと徳永暁人の参加で2ndでは一気に曲調が広がった。まだキャリアも浅いので出るもの出るものすべてが新鮮だったというのも大きいが、スリリングなこの曲はその中でも印象深い。
★★★★☆
2ndアルバム『Perfect Crime』
10thシングル両A面曲(Single Edit)
10thシングルC/W(DJ ME-YA URBAN BEAT BOX REMIX)
2ndベスト『ALL MY BEST』
10th Can’t forget your love/PERFECT CRIME-Single Edit-
01年8月29日
2作目の両A面曲。ドラマ『生きるための情熱としての殺人』挿入歌/主題歌タイアップ。ドラマが始まるのと同時期に2ndアルバム『Perfect Crime』が発売されたので主題歌の「PERFECT CRIME」は入手可能だったが、挿入歌の「Can’t forget your love」は未発売で、今作が発売された頃はドラマが終盤に差し掛かっていた。またシングルカットされた「PERFECT CRIME」もSingle Editとしてリアレンジされて別バージョンになっていた。この01年だけで既にKinKi Kids、嵐に及ばず2位となっていたが今度はV6『出せない手紙』に及ばずに定位置と化した初登場2位。また初めて累計20万枚割れ(18万)となった。
Can’t forget your love
作曲:大野愛果、編曲:Cybersound、徳永暁人、Additional Strings Arranged by 池田大介
ドラマ「生きるための情熱としての殺人」挿入歌。比較的淡々としてシンプルな曲だが、スケールが大きく暖かみのあるラブソング。前後のシングルに比べてもかなり地味なポジションで知らないとか覚えてないとか言われがちな楽曲だが、けっこうじわじわ効いてくるさりげない良作だと思う。また初めてCybersound、徳永暁人が連名のアレンジとなっているが、Cybersound色が強い。やや低音が強めなのが徳永暁人の影響か…?
★★★★☆
3rdアルバム『Fairy Tale』
2ndベスト『ALL MY BEST』
シンフォニックアルバム(DVD+CD)『Symphonic Collection in Moscow』(シンフォニックアレンジ)
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
PERFECT CRIME-Single Edit-
作曲:徳永暁人、編曲:池田大介、徳永暁人
ドラマ『生きるための情熱としての殺人』主題歌。2ndアルバムの1曲目を飾っていた楽曲のシングルカット。Single Editとされているが、池田大介を新たに編曲に加えてリアレンジバージョン。このバージョンはシングルでしか聞く事ができない。ベーシックな部分は同じだが、リズムトラックの響きが少々変わり、エレキギターを抑えてオリジナルには無かったピアノが取り入れられるなど、一聴して確実に違うと分かるくらいには違いがある。エレキギターの重さが引っ込んだので全体にはやや削ぎ落されて聞こえるが、スリリングさは変わっておらず、これは確実に池田大介が加えた部分だと思うけど新たに加えられたピアノが特に効果的。シングルでしか聞けないのがちょっともったいない。
★★★★☆
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
11th Winter Bells
02年1月17日
作曲編曲:徳永暁人
アニメ『名探偵コナン』OP。4度目にして初となるOPでの起用。「Stay by my side」以来となる2度目の1位を獲得したが結局シングルでの1位獲得はこれが最後。この次の「Feel fine!」までは連続1位になっていてもおかしくないくらいの初動売上は毎回出していたが(今作の累計は全2作を上回っているものの初動では前2作と変わらない)、わざとなのかジャニーズや浜崎あゆみとやたらめったらリリースが被りまくったせいで結局シングルでは1位は2作だけという…。
個人的には初めてシングルを手に取った(レンタル)最初の1作。この後しばらくは借りたり借りなかったりだった。これより前は2ndアルバムを聞いただけでビーイングという集団を知って90年代に大ヒットしたのを後追いで集めていたんだけど(DEEN、FIELD OF VIEW、WANDSなど)、GIZA系のレビューサイトが当時幅を利かせていたのにも影響されて、愛内里菜やGARNET CROWなどコナンでおなじみのところから聞き始めた…という経緯だった気がする。今作発売のおよそ1ヵ月後には当サイトがスタートしたが、シングルレビューコーナーに関してはさかのぼって1月分から一気に乗せたので、シングルレビューコーナー最初期の今作の感想はかなり流れ作業的というか曲の感想を一切書いてないというあんまりな黒歴史記録が残っている。あと結局ある程度のきっかけにはなったもののビーイングGIZA界隈のコミュニティには個人としても当サイト(相互リンクの形)としても一切参加しなかったな…。
クリスマスという単語は出てこないが冬のベルといえば…ねぇ?という感じでクリスマスを思わせる。何故か実際の歌詞表記では普段英字を多用しているのに肝心の“ウィンター・ベル”だけカタカナ表記。タイトルがWinter Bellsなのにサビで出てくるそこだけ”ウィンター・ベル”。これは何かこだわりがあるのだろうか。
明るくポップさを強調したような楽曲で今まで以上に馴染みやすいし、だからこそたぶん当時今作で初めて手に取ったんだったんじゃないかと思う。その割に感想が流れ作業じゃねーかそれだけに今作が年明け発売だったのは謎すぎた。コナンでのOAは11月最終週からだったし、とっとと12月上旬に出しておけばもう少し伸びていたのでは…。まあ「白い恋人達」(桑田佳祐)のミリオンヒットを筆頭に、プッチモニ、タンポポが連続でクリスマスソング出してたし、Gackt「12月のLove Song」とかKICK THE CAN CREW「クリスマス・イブRap」とかけっこうクリスマスソング渋滞になってヒットしていたので相殺していた可能性もあるが…(年明けは強力な新譜も少なく空いていて実際今作は1位を取れている)。
★★★★☆
3rdアルバム『Fairy Tale』
1stベスト『Wish You The Best』
2ndベスト『ALL MY BEST』
4thベスト『倉木麻衣×名探偵コナン COLLABORATION BEST 21-真実はいつも歌にある!-』
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
12th Feel fine!
02年4月24日
作編曲:徳永暁人
自身出演のSEA BREEZEのCMソング。本人出演のCMの大量オンエアが曲のPV状態だったのとGWの初夏の陽気に似合うドライブミュージック的かつどこか懐かしい感じもある爽快な楽曲のウケが良かったのか、何気に初動だけで前作累計に迫るほどの好調な売上を記録した。しかしまたしても浜崎あゆみ『Free&Easy』にぶつかって4万枚差で初登場2位。しかし結果的に「Stand Up」「Reach for the sky」と同程度の売上(45万程度)を記録してこれらに続く自身6番目のヒット作。これより後は30万20万どころか15万越えすらないほど一気に低迷したので、最後の大ヒット曲となった。「渡月橋~君 想ふ~」で紅白に返り咲くまではみんなが知ってるというか概ね代表曲として取り上げられるのはこれが最後くらいな感じだった。倉木麻衣のバックバンドが海外の人たちというイメージも今作までの間に主にPVで出来上がっていたイメージだと思う。
ここまで陽気で爽快なアップテンポはここまでにはなかったのでかなり新鮮。往年のフ~ゥ~ゥ~コーラスもベタだけど夏って感じ。ただ打ち込みのリズム周りのドタドタベタベタした響きがどうもなぁ…。もう少し輪郭のハッキリしたリズムの方が好みなんだけど、この打ち込みドラムの音作りって当時の徳永暁人がB’zやTUBEでもメチャクチャ多用してたのでザ・徳永サウンドっていうイメージがある。この後にTUBEの「I’m in love you,good day sunshine」が出たんだけど、なんでTUBEがいきなり「Feel fine!」みたいなアレンジになってんの?と思ったら編曲:TUBEじゃなくて編曲:徳永暁人だったっていう。一時だけの流行りで終わった傾向だったので、正直今の感覚で改めてリアレンジしてほしい。アレンジだけなら後のLa PomPonのカバーの方が好き。
★★★☆☆
3rdアルバム『Fairy Tale』
1stベスト『Wish You The Best』
2ndベスト『ALL MY BEST』
3rdベスト『MAI KURAKI BEST 151A-LOVE & HOPE-』
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
13th Like a star in the night
02年9月4日
作曲:大野愛果、編曲:徳永暁人、ストリングスアレンジ:池田大介
アメリカのドラマ『ダークエンジェル』日本版主題歌。アメリカのドラマだが当時はテレ朝で月曜20時枠というゴールデンタイムで吹き替え放送していた。前作から大幅ダウンとなる初動10万割れで最低売上を一挙大幅更新という事態となったが、敵がいなかったので初登場2位の定位置は守った。なお1位は2週目の平井堅「大きな古時計」(2週連続1位)でほぼ2倍の大差だったが、初登場1位になった前週でぶつかっていれば僅差で倉木麻衣が1位になれていた。
冬、夏と季節感を強調した楽曲で続けてヒットさせていたが、今作ではシンプルに歌い上げる染み渡る系バラード。ミディアム~バラードは初期からの王道とはいえ今作はピアノ1本で始まるなどこれまで以上にドバラードで歌を聞かせるのに特化。終盤はそれなりに演奏も盛り上がりは見せるが、地味ではあるのでまあ前2作の後では余計パッとしない印象にはなってしまう。あまりの地味さにリリースされていたのも忘れていたのかもうすぐ3rdアルバム出るからアルバムで聞けばいいやと思ったのか今作は手に取らずスルーしてしまったので、あまりシングル曲という感覚も無かったりする。じっくり聞き入る事を要求されるような楽曲で静かな夜にゆっくり聞きたい。
★★★☆☆
C/W(a capella ver.)
3rdアルバム『Fairy Tale』
1stベスト『Wish You The Best』
2ndベスト『ALL MY BEST』
5thベスト『Mai Kuraki Single Collection~Chance for you~』
Fairy tale~my last teenage wish~
02年10月23日
作編曲:徳永暁人
おとぎ話をテーマにしつつ、サブタイトルにあるように自身が20歳を目前に控えていたことから10代最後の楽曲という意識で作詞した記念碑的な1曲。サウンドはこの時期特有のザ・徳永サウンドでベタベタした響きの低音寄りのサウンド。おとぎ話をテーマにしつつも子供と大人の境目というこの時期特有の迷いや葛藤が表現されているのが今まで以上に等身大。当時は単純に倉木麻衣20歳になるんだなぁ程度にしか思っていなかったが、自分も19歳になった頃に改めて聞いたらまた違って聞こえた。
★★★★☆
3rdアルバム『Fairy Tale』
key to my heart
02年10月23日
作曲:大野愛果、編曲:Cybersound
PS2ゲーム『テイルズ オブ デスティニー2』主題歌。97年のDEEN、01年のGARNET CROW/New Cinema 蜥蜴(ED)に続くビーイングとしては3度目のテイルズタイアップ。何故かこの比較的大型のタイアップをアルバム曲にしてしまい、シングル化しなかった。テイルズタイアップは翌年以降3連続でエイベックス(day after tomorrow2回、Do As Infinity1回)へと…。90年代後半以降は戦略や作家など何かとエイベックスに流れていきがちだったがタイアップまで流れていってしまうとは…。
ややシンプル気味なサウンドだが、ゲームの世界をなんとなく思わせるような幻想的な雰囲気もあり、気が付けばけっこう耳に残ってくる良作。「Like a star in the night」よりこっち先行シングルにした方が外部のお客さんが動いたのではないか…と思わなくもない。もう数年後だったらたぶんこのタイアップなら喜んでシングルにしていたんじゃないかと思うが当時はまだ余裕があったのか…。ただ制作がタイトだったのか実質1コーラスしか作ってなかった曲を無理やり引き伸ばしたような構成はちょっと気になる(1コーラス→Cメロ→以降は全英語詞になりラップとサビの掛け合いを延々繰り返して終わり)。
★★★★☆
3rdアルバム『Fairy Tale』
2ndベスト『ALL MY BEST』
コメント
2004年1月発売のベスト盤に合わせて、前年の紅白初出場で『Stay by my side』を選曲した憶測が書かれたサイトを見つけました。
https://geolog.mydns.jp/www.geocities.co.jp/maik_i_like/s_02.html