globe シングル回顧1~1995-1997(前)~
95年8月にデビュー。以前から曲提供はしていたがtrfの成功とTMNの終了と前後して本格的にプロデューサーとして知名度を上げていた小室哲哉が自らメンバーとなり、オーディションで選んだKEIKO、そのオーディションを行ったイベントでMCを担当したMARCと共に立ち上げた新グループとして大々的にデビュー(当初は小室はメンバーではなくKEIKOとMARCで「Orange」というユニットだったという話も)。この最初のオーディション時にKEIKOが勢いよく登場してそのまま勢いよくステージから転げ落ちる(そして復活する)シーンはネタ映像として後に何度も歌番組等で放送されていた。
むしろ失敗が許されないくらい、売れる事は当然として始められた特大プロジェクトだったと思われる。8月デビューから年内にシングル3枚を立て続けにリリース。ペースが早すぎて売れてるうちに次が出てしまうという状況で最初の3作はミリオンに迫るもミリオンに届かなかったが、4枚目のシングル「DEPARTURES」は一気に200万枚を突破。続く1stアルバム『globe』は当時のO社記録である初の400万枚突破を達成する空前のヒットとなった。当時は毎年のようにアルバム売上記録が更新されていたので歴代1位だったのは1年ちょい程度だったが、オリジナルアルバムとしては現在も宇多田ヒカル1st、2ndに続く歴代3番目の売上記録となっている。
そんないきなり全盛期から始まって絶頂を極めに極めた初期10シングルを振り返る。
1st Feel Like dance
95年8月9日
初登場6位からトップ10に居座るロングヒットを経て10月1週目になって最高位となる3位を記録。最終的に95万枚の大ヒットを記録したが、次々とシングルが発売された事もあってミリオンには届かず、95年当時DEENだけが持っていた1stシングル&1stアルバムが共にミリオンという記録の達成は叶わなかった。
ドラマ『ひとりにしないで』主題歌。だったがドラマ主題歌として記憶している人はあまりおらず、TM NETOWORKの人が90年代に入るとtrfの大ヒットでプロデューサーとして有名になり、篠原涼子には”with t.komuro”、ダウンタウン浜ちゃんをH Jungle with tとしてなんか微妙に自分の名前をアピールしながら200万枚ヒットに導いたあの小室哲哉が、ついに自らメンバーとなって始動させた超大型グループのデビュー作として注目を集めていた…んだと思う。当時はビーイングがよく使っていた露出を抑えて謎めいた雰囲気を出すという初期戦略を取っていた。売り出しが派手だった割にこの時期の曲がTVでかかると何だか物凄く適当っぽいイメージ映像みたいなPVやそもそもPVでもなさそうな素材映像、後年のライブ映像しか出てこないのはこのためと思われる。
楽曲自体はまさに時代を完全に捉えていた小室哲哉のプロデューサーとしての全盛期極まる90年代ダンスミュージックのド王道。というかこの王道を作ったのがまさにこの人だった。いよいよ見えてきた21世紀に向けて物凄く近未来な感じのするこれまであまりヒット曲で聞いたことない新しい感じのダンスミュージックは後追いで聞くよりも断然新鮮だったんじゃないかと思う。
サビのキャッチーさが印象的だが実は6分近い大作だったりもする。これはMARCのラップとKEIKOの歌パートをかなり何度も繰り返すためで、しかも途中では小室自らも歌唱。圧倒的な音楽作りの才能に恵まれながらも歌声の才能にだけは本当に恵まれなかったな…と思うしかないような残念な感じの歌声ではあるが、MARCのパートの多さもあって、ボーカル1人とおまけ2人のグループではなく、3人組であることを強調したかったのかもしれない。それこそ「DEPARTURES」辺りでもうMARCのパートは間奏で何度か登場する感じになり、後年globeの曲がカバーされたりするとどいつもこいつもMARCのパートは亡き者としてKEIKOの歌メロパートだけでカバーすることも多くなってしまうが、この曲は別格。さすがにこの曲カバーするのにMARCと小室のパートを削ってしまったら本当に曲が半分になるし、なんかメロディー少なくね?となってしまう。実際華原朋美がカバーした際はラッパーを招いてカバーしている(小室パートは華原自ら歌唱)。3人絶対必要(いや小室のパートは必然ではないか)な名曲。
デビュー作だけあってか、各種リミックスアルバムでもシリーズを1作と捉えれば皆勤賞。さすがに全部はチェックしきれていないが…。
★★★★★
1stアルバム『globe』
5th+1stベスト『CRUISE RECORD 1995-2000』
2ndベスト『8 YEARS~Many Classic Moments~』
4thベスト『globe decade-single history 1995-2004-』
5thベスト『15YEARS-BEST HIT SELECTION-』
1stリミックスアルバム『FIRST REPRODUCTS』(below the belt remix)
2ndリミックスアルバム『SUPER EUROBEAT presents EURO global』(Traditional Mix)
4thリミックスアルバム『global trance 2』(Club LUCIDA Mix)
5thリミックス(ベスト)アルバム『global trance best』(Club LUCIDA Mix)
6thリミックスアルバム『house of globe』(FPM EVERLUST Remix)
7thリミックス(+レゲエカバー)アルバム『Ragga globe~Beautiful Journey~』(Ring Dung&Toraumaによるカバー)
8thリミックスアルバム『globe EDM Sessions』(2013 ORIGINAL PANTHER D.B.R REMIX)
9thリミックスアルバム『GDM』(Jazz Master mix)
2ndリプロダクトアルバム『Remode 2』
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』(小室哲哉ソロピアノ演奏)
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』Disc 2 ORIGINALS(20th EDIT)(長い曲が多くてCD1枚に入らないので各楽曲のあちこちを削ったバージョン)
2nd Joy to the love(globe)
95年9月27日
前作が最高位となった3位を記録した翌週にまだ4位にバリバリ残っている中で初登場1位を獲得。立て続けのリリースとなったがこれまた80万枚を突破する大ヒットを記録。“(globe)”という表記は歌詞中のサビ部分でも同じように表記されているが特に歌われておらず、コーラスもされてない。グループ名をアピールしたかったのかは不明だが、元々Joy to the globeという歌詞だったのが歌いにくいのでloveに変えたとなんていう話もある。Joy to the globeとかどう考えてもこのメロディーに対してハマりが悪すぎる気がするが正気だったのだろうか。いずれにせよ1stアルバム収録時にはこの文字は消え去っていた(『globe decade-single history 1995-2004-』のように表記が復活したベスト盤もある)。表記が消え去っただけで別にアルバムバージョンというわけではないようだ。
ジャングルのリズムを取り入れた2作目にしてかなりの実験作。これぞTKサウンドな仕上がりだった前作に比べると早速実験的ではある。しかしそれでもMARCの英語詞ラップが鬼門になるとはいえ当時の若者がカラオケで歌いたくなるようなサビのキャッチーな勢いは健在。これこそがまさに全盛期の勢いだったんだなと改めて思う。
20周年の『Remode』シリーズでもしれっと外されるなどリミックスの際にピックアップされないことが多く、『FIRST REPRODUCTS』に収録されているのは当初のアルバムのコンセプト予定だった公開スタジオレコーディングによるスタジオライブバージョン。
★★★★☆
1stアルバム『globe』
5th+1stベスト『CRUISE RECORD 1995-2000』
4thベスト『globe decade-single history 1995-2004-』
5thベスト『15YEARS-BEST HIT SELECTION-』
1stリミックスアルバム『FIRST REPRODUCTS』(live version)
6thリミックスアルバム『house of globe』(Remixed by Kentaro Takizawa)
8thリミックスアルバム『globe EDM Sessions』(2013 ORIGINAL PANTHER D.B.R REMIX)
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』(AAAによるカバー)
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』Disc 2 ORIGINALS(20th EDIT)(長い曲が多くてCD1枚に入らないので各楽曲のあちこちを削ったバージョン)
3rd SWEET PAIN
95年11月1日
ドリカムに及ばず2位となったが同じエイベックスのV6のデビュー曲を3位に押しやった問題作(配慮的な意味合いで)。エイベックスはジャニーズへの配慮無しだったのだろうか前作を越える売上を記録している。間に少し実験を挟んで(前作)、1stと同系統のダンスミュージック路線の王道に挑んだような楽曲。連続で同じような曲調ではなく、1曲挟んだ事で改めて隙の無い1曲に感じられる。
また当時メディア出演が無く、前2作のラップが全部英語だったので日本語が喋れるのかも良く分かっていなかったMARCが初めて自身のパートで日本語を披露。実は日本国籍を取得してて日本語ペラペラだと判明するのはもう少し後だったと思うので当時はあの外人ラッパー日本語喋った!という驚きがあったものと思われる。このMARCのパートが前2作と異なり、やや歌メロっぽくなってテンションも高めになっているのが今作のポイントだろうか。
NEW VERSIONはさらっと聞いた感じだとほとんど同じだが、なんとな~く各音色やバランスがそこはかとなく、しかし確かに変わっている…といった感じ。また『CRUISE RECORD 1995-2000』に収録された際はアレンジはシングルと同じなのに最後フェードアウトではなく演奏が終了するといった変更がしれっと施されていた。
★★★★☆
1stアルバム『globe』(NEW VERSION)
5th+1stベスト『CRUISE RECORD 1995-2000』(シングルバージョンで完奏する未発表バージョン)
4thベスト『globe decade-single history 1995-2004-』
5thベスト『15YEARS-BEST HIT SELECTION-』(NEW VERSION)
4thリミックスアルバム『global trance 2』(push Remix)
5thリミックス(ベスト)アルバム『global trance best』(push Remix)
6thリミックスアルバム『house of globe』(Remixed by SHINCO (スチャダラパー))
7thリミックス(+レゲエカバー)アルバム『Ragga globe~Beautiful Journey~』(Tone & Madd Loveによるカバー)
8thリミックスアルバム『globe EDM Sessions』(2013 ORIGINAL PANTHER D.B.R REMIX)
1stリプロダクトアルバム『Remode 1』
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』(lolによるカバー)
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』Disc 2 ORIGINALS
4th DEPARTURES
96年1月1日
JR Ski SkiのCMタイアップ。初のミリオンヒットどころか200万枚を越えた最大のヒット作。元旦発売で初登場1位から翌週ZARDが1位になって2位に落ちたものの、その次の週から2週連続1位に返り咲いた。ダンスミュージック路線からガラッと歌謡方面に切り替え、なんとなくアレンジはトレンド風だったものの、メロディー自体はその手の味付けをすれば演歌に近くなるんじゃないかというくらいコテコテ。200万枚ヒットも納得というかこれまでの小室サウンドは当時の最先端を狙っていたのでついていけない人はついていけないところもあったと思われるが、今作は古き良きな歌謡曲要素が強いので、さらに広く受け入れられたんじゃないだろうか。なんだかんだカラオケ全盛のこの時代において鬼門になるMARCのラップが一気に減らされたら大ヒットしたというのも皮肉な話ではあるが…。スキーのタイアップだったが、当時スキー場でもかかりまくっており、J-POP聞き始める前だったがゲレンデ定番曲として認識していた。一時期聞き飽きた事もあったが、やはり名曲、時代を彩った大ヒット曲に違いない。
シングルバージョンはRADIO EDITとされており、TKプロデュースにおいては一部を編集で短くしたものを表題曲として先に発表、アルバムでフルバージョンを発表するという手法を時々取っていた。この曲に関してはRADIO EDITでも5分越え、ALBUM MIXで5分20秒越えなのでそこまで長さには差が無い。
RADIO EDITだとド頭がいきなりサビでMARCのパートが1回しか出てこない。ALBUM MIXはRADIO EDITで取ってつけたようだった冒頭サビをカットして普通にイントロからしっとり入り、サビに向かって盛り上がっていく自然な流れになっている。また2番終了後にMARCのラップパートが登場して合計2回登場する。単なるアルバムバージョンというよりこっちがフルバージョンという感じで、ベスト盤やコンピ盤でALBUM MIXが採用される事も多い。
この2バージョン以外にARRIVAL versionというものもあるが、これは小室とKEIKOが結婚した際に作ったウェディングリミックスみたいな仕上がり。いかにもな教会の鐘の音などなんとなく結婚式っぽいオケに差し替えたようなものだが、どうにもやっつけ感も漂う。
★★★★★
1stアルバム『globe』(ALBUM MIX)
5th+1stベスト『CRUISE RECORD 1995-2000』(ALBUM MIX)
2ndベスト『8 YEARS~Many Classic Moments~』(RADIO EDIT)
3rd(バラード)ベスト『Ballads&Memories』(ARRIVAL version)
4thベスト『globe decade-single history 1995-2004-』(RADIO EDIT)
5thベスト『15YEARS-BEST HIT SELECTION-』(ALBUM MIX)
1stリミックスアルバム『FIRST REPRODUCTS』(fallen angel remix)
2ndリミックスアルバム『SUPER EUROBEAT presents EURO global』(SUNSHINE REMIX)
3rdリミックスアルバム『global trance』(Dub’s Arrival remix)
5thリミックス(ベスト)アルバム『global trance best』(Dub’s Arrival remix)
6thリミックスアルバム『house of globe』(Remixed by Shinichi Osawa)
7thリミックス(+レゲエカバー)アルバム『Ragga globe~Beautiful Journey~』(G-Governor Remix)
8thリミックスアルバム『globe EDM Sessions』(2013 ORIGINAL PANTHER D.B.R REMIX)
9thリミックスアルバム『GDM』(Sweet Smoke mix)
2ndリプロダクトアルバム『Remode 2』
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』(HYDEによるカバー)
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』Disc 2 ORIGINALS(20th EDIT)(長い曲が多くてCD1枚に入らないので各楽曲のあちこちを削ったバージョン)
5th FREEDOM
96年3月27日
1stアルバムへの先行シングル。アルバムが31日だったので4日前発売という待ちきれない人向け?4日前って中途半端な…。さすがに売上は50万枚程度まで落ち込んだが、アルバムのリード曲として既に確立されたglobeらしいキャッチーなダンスミュージックを提示したような1曲。前作では間奏でしか出番の無い印象だったMARCだったが、今作ではサビ=KEIKO、サビ以外=MARCという歌割になり比重が大幅増し。3人組のバランスを考えるとこっちの方がバランスがいいなとは思うけど、結局MARCの出番が少ない方が売れたりもするので難しいところだったか…。
今作もシングルはRADIO EDIT。今回は前作のような構成の変更は無いが、アルバムではNO EDITEDと題されたフルバージョンとなり30秒ほど長い。最後のサビを歌いながらフェードアウトしていくのは一緒だが、掲載されている歌詞も数行増えている。
★★★★☆
1stアルバム『globe』(NO EDITED)
5th+1stベスト『CRUISE RECORD 1995-2000』(RADIO EDIT)
4thベスト『globe decade-single history 1995-2004-』(RADIO EDIT)
5thベスト『15YEARS-BEST HIT SELECTION-』(NO EDITED)
2ndリミックスアルバム『SUPER EUROBEAT presents EURO global』(global Extended Mix)
3rdリミックスアルバム『global trance』(tatsumaki remix)
5thリミックス(ベスト)アルバム『global trance best』(tatsumaki remix)
6thリミックスアルバム『house of globe』(Remixed by KONISHI Yasuharu)
8thリミックスアルバム『globe EDM Sessions』(2013 ORIGINAL PANTHER D.B.R REMIX)
1stリプロダクトアルバム『Remode 1』
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』(Da-iCEによるカバー)
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』Disc 2 ORIGINALS(20th EDIT)(長い曲が多くてCD1枚に入らないので各楽曲のあちこちを削ったバージョン)
6th Is this love
96年8月28日
次回作が出た頃に継続的なCDレンタルをするようになって、ひとまず聞き覚えのあるglobeのシングルを借りようとしたが、「DEPARTURES」(のサビ)を想定しながら今作を手に取ってしまい、借りてきて聞いたら全然違う曲どころか延々MARCがラップしてて唖然とした…という小6当時のどれがどの曲なのか良く分かっていなかったCDレンタル初期の思い出がある。
そんなわけでKEIKOがタイトルを連呼して始まるもののその後は延々と出てこない、ようやく出てきたサビもファルセット中心。カラオケ需要からも引いて抑えに徹した楽曲。間違えて借りてきた曲ではあったが、これはこれでありだなと感じて当時から割と好きな1曲だ。結果的に以前にも以後にも属さない単発な立ち位置の楽曲にもなったけど、意外と00年代序盤頃の軽めのトラックが流行っていた時代を偶然にも見据えていたような曲だったかもしれない。
『FACES PLACES』におけるNew Arrangeではロック色の強めなアルバムに合わせてオリジナルよりもギターやベースの存在感が増し、ドラムの音色も変えてバンドっぽさを少し強めた感じの仕上がり。
★★★★☆
2ndアルバム『FACES PLACES』(New Arrange)
5th+1stベスト『CRUISE RECORD 1995-2000』
2ndベスト『8 YEARS~Many Classic Moments~』
4thベスト『globe decade-single history 1995-2004-』
5thベスト『15YEARS-BEST HIT SELECTION-』(New Arrange)
1stリミックスアルバム『FIRST REPRODUCTS』(method of madness remix)
7thリミックス(+レゲエカバー)アルバム『Ragga globe~Beautiful Journey~』(Toneによるカバー)
9thリミックスアルバム『GDM』(Bubble Party mix)
1stリプロダクトアルバム『Remode 1』
7th Can’t Stop Fallin’ in Love
96年10月30日
「DEPARTURES」に続くJR Ski SkiのCMタイアップ。そのまま「DEPARTURES」を踏襲したような歌謡路線。MARCのラップは再び間奏担当といった感じになった。個人的にリアルタイムで聞き始めたの頃はこの曲からだった。店やスキー場やTVやラジオでかかっているのではなく、自分でその曲を入手して自在に聞ける(カセット録音だったけど)というのが凄く新鮮な経験だったというレンタルCD初期、その思い出と共にある1曲。J-POP聞き始めの原点に当たる曲の1つなので名曲というかスタンダードな域に達している。
また今回のMARCのパートは日本語メインだったため、”道徳もない規則も無い…”とMARCのパートを真似する同級生が続出。当時小学6年生だったが、この真似されやすいラップパートの系譜は中学3年時の”俺は東京生まれHIP HOP育ち”や高校1年時の”俺の行く末密かに暗示する 人Honey!”などへと受け継がれていった…そんな世代である。
シングル盤の歌詞カードにはCan’t Stop Fallin’ in Love…と続く英語詞の部分の後に「止められない」とか「きっと誰にも」とか全く曲中で歌ってない日本語詞が一緒に書いてあって、これはなんだ…?と思っていたら、C/WのEXTENDED MIXではMARCがその日本語詞部分も歌っていてこれか!と思ったのを記憶している。
『FACES PLACES』でのNew Arrangeは冒頭のMARCパートをカットしてほぼピアノ1本でしっとり始まり、以降も音数を減らしたシンプルなバラードバージョンのようなアレンジに大幅改変。せっかくのミリオンヒット曲からシングル曲の風格をごっそり抜き取ったような地味な仕上がりで、アルバムを実質的にしっとり締めくくる役割に徹している(次の曲はピアノインスト化した「can’t stop PIANO SOLO」で、最後はリミックスの「FACES PLACES(REMIX)」)。
★★★★★
2ndアルバム『FACES PLACES』(New Arrange)
5th+1stベスト『CRUISE RECORD 1995-2000』
3rd(バラード)ベスト『Ballads&Memories』
4thベスト『globe decade-single history 1995-2004-』
5thベスト『15YEARS-BEST HIT SELECTION-』(New Arrange)
3rdリミックスアルバム『global trance』(Max Graham remix)
5thリミックス(ベスト)アルバム『global trance best』(Max Graham remix)
6thリミックスアルバム『house of globe』(Remixed by Q;indivi)
7thリミックス(+レゲエカバー)アルバム『Ragga globe~Beautiful Journey~』(Toneによるカバー)
9thリミックスアルバム『GDM』(Candy Smoothie mix)
2ndリプロダクトアルバム『Remode 2』
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』(當山みれいによるカバー)
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』Disc 2 ORIGINALS(20th EDIT)(長い曲が多くてCD1枚に入らないので各楽曲のあちこちを削ったバージョン)
8th FACE
97年1月15日
2作連続3度目のミリオンにして自身2番目の売上を誇る最後のミリオンヒット作。これまでよりもロック色が出ていてスリリングでカッコ良かったのと、KEIKOがド金髪になっていたのが当時かなり衝撃だった。前作よりもMARCの出番は多いが、三大ミリオンの全てでMARCのパートが間奏でラップをする人の印象で固まってしまい、MARCがもう少し出番の多い曲でイメージが根付かなかったのはやっぱりそうなるかというところでもあるか。スピード感のある曲なのであまり長くは感じないが終わってみると6分越えという長尺の楽曲だったことにはけっこう驚きがある。それほど長さを感じさせない。
改めて聞いてもかなりカッコいい曲だが、globe王道にして新機軸、全盛期小室サウンドの王道にして少し新しいところを垣間見せたような1曲だったかなと思う。もう少しこの路線でマニアックに走らずに売れ線をキープできれば例え宇多田ヒカルで時代が変わったとしてもあと数年は全盛期が伸びていた気がしなくも無い。
またJ-POP聞き始めの当時は前作と今作まではついていけたが、この次の2曲は何だかついていけなくなってしまったので、個人的なglobe絶頂期はリアルタイムで接して数ヶ月で過ぎ去ってしまった印象ではあるんだけど、それでも非常に強く印象に残っている1曲には違いない。
『FACES PLACES』のNew Arrangeでは冒頭からエレキギターが強調されてよりロック色を強めた仕上がりに。『globe decade』リリース時はなぜかこの曲のみ未発表ミックスだと発表され、実際そこはかとなく音の響きやバランスが違うような…そうでもないような…。細かいミックス違いにこだわりのある曲だったのだろうか。
★★★★★
2ndアルバム『FACES PLACES』(New Arrange)
5th+1stベスト『CRUISE RECORD 1995-2000』
2ndベスト『8 YEARS~Many Classic Moments~』
4thベスト『globe decade-single history 1995-2004-』(未発表ミックス)
5thベスト『15YEARS-BEST HIT SELECTION-』(New Arrange)
2ndリミックスアルバム『SUPER EUROBEAT presents EURO global』(Eurosenti Mix)
3rdリミックスアルバム『global trance』(tatsumaki remix)
7thリミックス(+レゲエカバー)アルバム『Ragga globe~Beautiful Journey~』(G-Governor Remix)
8thリミックスアルバム『globe EDM Sessions』(2013 ORIGINAL PANTHER D.B.R REMIX)
1stリプロダクトアルバム『Remode 1』
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』(GReeeeNによるカバー)
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』Disc 2 ORIGINALS
9th FACES PLACES
97年3月5日
アルバムのタイトル曲にして1週間前先行シングル。静かに始まり徐々にキーも上がり盛り上がっていく大作。ただ大作といっても前作より15秒ほど長い程度だし、次回作に至っては1分以上も長い。その割にはやけに今作が大作に感じられるのは徐々にスケールアップしていってクールダウンして終わっていく構成ゆえだろう。終盤でのKEIKOのキンキンの高音はかなりすさまじく、オクターブ下でコーラスしている小室の声もいつもより高めで熱が入っているほど。フォーク世代の両親は”青筋立てて歌っているようなこんな高音は嫌だ”とか言ってglobe苦手を表明してしまっ前作でも片鱗は見せていたもののここでロック色を強く打ち出し、煌びやかなダンスミュージックのイメージとは程遠いダークで重たいサウンドと複雑化していくサウンドからは既存イメージのTKサウンドを大きく逸脱している。
かなりマニアックな曲だし、当時なんだか違う方向に行ってしまったなぁ…とは思いつつもなんだかんだメロディーが強くて印象にはしっかり残っていた事とそれゆえに後年になるほどこの曲いいなと早い段階で思えるようになっていたことで、やはりこの時期の小室楽曲には勢いがあったんだなと思う。
歌詞中に1970年、1981年、1984年、1994年、1997年といった年号が登場する。84年がTM NETOWROKのデビュー年で、94年が終了の年、97年が現在であった事から、当時から小室哲哉にとって重要な年だろうと言われてきた。概ねリスナーが予想していた通りの内容ではあったが
globe20周年の際のインタビューで正式な意味を回答している。
・1981年:SPEEDWAYに加入し、プロが始まったとき
・1984年:TM NETWORKデビュー
・1994年:TMN(TM NETWORK)終了。プロデュースワークの始まり
・1997年:精神的なスイッチングの年
★★★★☆
2ndアルバム『FACES PLACES』
2ndアルバム『FACES PLACES』(REMIX)
5th+1stベスト『CRUISE RECORD 1995-2000』
2ndベスト『8 YEARS~Many Classic Moments~』
4thベスト『globe decade-single history 1995-2004-』
5thベスト『15YEARS-BEST HIT SELECTION-』
1stリミックスアルバム『FIRST REPRODUCTS』(live version)
2ndリミックスアルバム『SUPER EUROBEAT presents EURO global』(Aggressive Mix)
4thリミックスアルバム『global trance 2』(Typhoon Mix)
5thリミックス(ベスト)アルバム『global trance best』(Typhoon Mix)
7thリミックス(+レゲエカバー)アルバム『Ragga globe~Beautiful Journey~』(Ring Dung & Toraumaによるカバー)
9thリミックスアルバム『GDM』(Funky Carnival mix)
1stリプロダクトアルバム『Remode 1』
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』(木村カエラによるカバー)
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』Disc 2 ORIGINALS(20th EDIT)(長い曲が多くてCD1枚に入らないので各楽曲のあちこちを削ったバージョン)
10th Anytime smokin’ cigarette
97年4月9日
アルバム『FACES PLACES』発売から1ヶ月弱でのシングルカット。煙草をキーワードにしながらも大人が抱く閉塞感を描き出したダークな1作。KEIKOもMARCもけだるげなボーカルを披露しており、TKサウンドの王道イメージである煌びやかさとはこれまた対極にあるような1曲。当時は正直TV披露時に冒頭でMARCが実際に煙草に火をつける動作をしていたのが印象に残っている。当時は今のように健康被害が声高に叫ばれたり、嫌煙者が強く声をあげたりすることも無く、分煙とかも全然進んでなくて、煙草=カッコいいという図式が成立していた時代だった。ただそれでもパフォーマンスで火をつけるのは危険じゃないかとか問題になっていたような記憶も…。
当時なんだか良く分からない曲ではあったが、やはりメロディーの強さゆえにそんなに好印象じゃなくても問答無用で耳に残ってくるくらいのインパクトがあった。前作同様にもう少し大人になって改めていい曲だったなと歌詞含めて思えるようになった。まあ煙草に手を出すことは無かったが…。
『Remode』シリーズ2作では唯一2回収録された。2の方ではボーカルが未発表の別テイクになっているらしいが、2度も収録するほど気に入った曲だったのかすぐにやり直したくなるような何かがあったのか。
★★★★☆
2ndアルバム『FACES PLACES』
5th+1stベスト『CRUISE RECORD 1995-2000』
4thベスト『globe decade-single history 1995-2004-』
5thベスト『15YEARS-BEST HIT SELECTION-』
1stリミックスアルバム『FIRST REPRODUCTS』(live version)
9thリミックスアルバム『GDM』(Emerald Snow mix)
1stリプロダクトアルバム『Remode 1』
2ndリプロダクトアルバム『Remode 2』
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』(hitomiによるカバー)
トリビュートアルバム『#globe20th-SPECIAL COVER BEST-』Disc 2 ORIGINALS(20th EDIT)(長い曲が多くてCD1枚に入らないので各楽曲のあちこちを削ったバージョン)
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