サザンオールスターズ 40周年シングル+回顧9~2003-2008~

大森の休止からの脱退を経てサザンは休止状態となり、01~02年の間には桑田ソロ3期が行われ大ヒットを飛ばした。03年に25周年を迎えると「勝手にシンドバッド」の復刻盤をリリースしてこれが異例の大ヒットを記録。最早単なる再発に留まらないリバイバルヒットととなり、当時獲得できなかった1位を獲得した。

続けて5人のサザンも本格始動。以降安定したヒットを重ねたが、例によってオリジナルアルバム発売までは数年を要した。

この時期からはメンバーの演奏クレジットが詳細表記になり、特に桑田のクレジットにベースを筆頭としたメンバー担当楽器まで併記されるようになった。また公式ライナーがアルバムに付属するようになり、ベースを自分が弾いたと公言するようになったため、実はメンバーが参加していなかった…という曲が増えた。

05年の『キラーストリート』リリース以降は活動が鈍化し、06年はシングル1作のみ。07年は桑田ソロが始まってしまい、迎えた30周年でついに無期限での活動休止を発表。ここまで本格的に休止を発表したことが無かったのと、そんな状態でも2,3年活動しないことは珍しくも無くなっていたため、いつ戻ってくるとも分からない事実上の解散宣言なのではないかと波紋を呼んだ。

2018.8~9執筆
2008年30周年時に聞いてないシングルがありながら禁断の空欄突破で公開した過去曲回顧「30周年シングルレビュー」を、2013年35周年復活時にA面全曲聞いた上での完成版「35周年シングルレビュー~1978-2008~」として公開。
今回は40周年を記念して全C/W追加各アルバムからも数曲ずつピックアップして全面リメイク。以前書いたA面部分もほとんど破棄して書き直している。
シングルはオリジナル盤、アルバムは08年リマスター盤を全て聞いての執筆。



47th 涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~

涙の海で抱かれたい ~SEA OF LOVE~
03年7月23日
00年末の大森の休養からの01年正式脱退、01~02年の桑田ソロ3期はミリオン級の大ヒットを連発する中、5人になったサザンは長く沈黙していたが、25周年を「勝手にシンドバッド」の復刻再発のヒットで迎え、いよいよ登場した5人のサザン再始動シングルデラックスシングルと称して、マキシケースではなく通常のアルバムサイズのケース、帯以外のジャケットや背文字、目次ページには『SEA OF LOVE SOUTHERN ALL STARS』と表記し、『SEA OF LOVE』というタイトルのミニアルバムのような表記もされている。

公式サイトのディスコグラフィー、発売告知、各種チャートランクイン時は当然「涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~」というシングルとして扱われているが、実はパッケージにおいては帯にしか「涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~」という表記がされていない。ジャケットやブックレット目次の表記は「SEA OF LOVE」である。また当初は全4曲と告知し、「OH! FRESH!!~ドクダミ・スパークのテーマ~」のみ曲名が帯に書かれていないなど外側からは4曲であるように見せかけていたが開けてみるともう1曲「OH! FRESH!!~ドクダミ・スパークのテーマ~」が3曲目に追加されている事が判明する仕掛けが施されていた。O社のシングルの定義は新曲で4曲までなので、最初から5曲の新曲扱いで告知していたらシングル扱いしてもらえなかったかも…?

メイン曲「涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~」に関しては小倉博和がギターを担当、斎藤誠は「雨上がりにもう一度キスをして」にしか参加していないが、ライブにおける大森に代わるサポートギタリストは斎藤誠となり、やがてレコーディングにおいて桑田ソロでもサザンでもほぼ固定のギタリストとなった。TV出演時に普通に右サイドでメンバーと区別できない立ち位置でギターを弾いているスキンヘッド、もしくは帽子姿のオジサンが斎藤誠である。意識してみるとこれ以降ほとんど常にこの人がソロでもサザンでもこの位置でギター弾いている事が分かると思う。

また01~02年の桑田ソロ活動での一部楽曲では桑田のクレジットがギターだけでなく、ベース、ドラム、キーボード演奏でクレジットされるものも出てきていたが、サザンにおいては初めて桑田の担当楽器がVocal, Chorus, Electric & Acoustic Guitars,Keyboards, Bass,Drums,Jaws Harp,Cow Bell,Narrationと1人だけ異様に長くなってメンバーの担当楽器まで記載されるようになった。既に90年代からメンバーが自分の担当楽器を全部演奏しているかはかなり怪しかった(サポートメンバーと楽器が重複しているとかそもそも打ち込みだとかで)が、今作以降はますますそれが進行。桑田のクレジットがフル開放状態となり、違ったニュアンスを出すためにベースを自分で弾いていると『キラーストリート』や『葡萄』発売時のライナーでも明かすようになった。

なおwikipediaでは何故かメンバーの演奏表記に曲番号が割り振られているが、実際のブックレットではメンバー部分には曲番号表記は無くサポートメンバーのみに曲番号表記があるため、例えばNarrationなんかは明らかに「OH! FRESH!!~ドクダミ・スパークのテーマ~」にしか入ってないので分かるが、ベースやドラム演奏は桑田本人のラジオやインタビューでの発言等を照らし合わせるか、メンバーと桑田の演奏を聞き分け出来るプロの耳を持たないと判断できない。今作から『キラーストリート』に収録された3曲で桑田がベースを自分で弾いたとコメントした曲は無いが、「恋人は南風」ではレコーディングの様子を振り返る過程でメンバーの名前が自然と飛び交っているがベース演奏のみ言及が無く(パーカッションは成田明彦と明言)、関口が演奏した様子だけ一切語られていない。

野沢秀行に関しては今作以降持病の腰痛悪化の影響でライブ不参加という事が多くなり、今作でもパーカッションは三沢またろう、成田明彦が担当していてレコーディングにもほとんど参加できなかった模様。

過去最大級にド派手なプロモーションによりCD不況が本格化する中で、70万枚越えのヒットを記録。01年の桑田ソロでは2連続ミリオンもあったので、サザンとなれば…と期待されたミリオンヒットには届かなかったが、21世紀以降で自身最大のヒット作となっている。

涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:島健&原由子、管編曲:山本拓夫
月9ドラマ『僕だけのマドンナ』主題歌。パブリックイメージである夏全開のポップナンバー。主演していた滝沢秀明が少し年上のお姉さん(長谷川京子)に恋をするという事でドラマの主人公たちの年齢設定は大学生+数歳上で設定されていた。40代後半になっていたサザンメンバーはついに自分たちの半分以下の歳となるような若者向けドラマ主題歌のラブソングを担当する事になったわけで、さすがに以前よりもかなり意識的に若々しくポップな仕上がり。しかしどこか黄昏を感じるようなところもあり、当時既にほとんどの若者が使っていなかったような”古ぼけたカセット”なんていうワードも出てきていて、自分たち方面に手繰り寄せているようでもある。

実にサザンらしいサマーポップという印象ではあり、やや面白みに欠けるというかド王道な印象も当時から持たれがちではあったが…いざ振り返ってみると案外ここまで売れ線を感じるド王道にポップな曲って無かったような…。むしろこれ以降のサザンの王道とか01年の桑田ソロから続くポップ路線の延長にあるようなイメージで当時はそこそこ新鮮でもあった。ソロの「波乗りジョニー」は1人サザンな印象もあったが、今作はサザンとしてその方向性をもう少しがっしりとバンドサウンドで構築したような印象もある。個人的にも大学生の恋愛模様を描いたドラマにして、大学1年生に直撃しての楽曲だったので非常にタイムリーで03年夏を代表するヒット曲としての印象がかなり根強く残っている。
★★★★☆
14thアルバム『キラーストリート』(リミックスとリマスタリングを施したとライナーで明言)
プレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!

涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~
サザンオールスターズ
2003/07/23 ¥250

C/W 雨上がりにもう一度キスをして

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ&斎藤誠、管編曲:山本拓夫
メンバー全員が出演していたJALのCMタイアップ。月9を見なくてフジテレビも見ていないというリスナーにとっては、大量OAされていた今作の方が事前に耳にする機会が多かったかもしれない。これまた大多数が求めるサザンらしい王道ポップな楽曲で今作が単なるC/Wではなく、デラックスシングルであることを印象付ける。

『キラーストリート』のライナーでアルバムバージョンとしての変更点は一切語られていないが、イントロド頭のドラムが加わっていたり、最後の方のボーカルが削られていたりとあからさまに変更されている部分がある。
★★★★☆
シングルバージョンアルバム未収録
14thアルバム『キラーストリート

雨上がりにもう一度キスをして
サザンオールスターズ
2003/07/23 ¥250

C/W OH! FRESH!!~ドクダミ・スパークのテーマ~

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
当初全4曲と発表されており、発売までシークレット扱いだった50秒に満たない短い曲。外のパッケージにもこの曲については書かれていなかったが、買ってきて(借りてきて)開けてみるとなんか真ん中(3曲目)にもう1曲入っている、という。

今作は普通の曲というよりも架空のドリンク「ドクダミ・スパーク」のCMとなっている。CMのバックでCMソングという形で曲が流れるような形式。爽やかなCMの雰囲気に対してナレーションがクソまずそうであり、吐くまで飲もう!というむちゃくちゃなキャッチ、エロエロエロ(ビチャビチャビチャ)という嘔吐音(実際に吐いたわけではなく、苦労の末にバケツの水に浸した大量のティッシュペーパーを地面に溢した音を使用したと明かしている)まで出してきて本気でふざけているのが面白い。
★★★☆☆
アルバム未収録

OH! FRESH!!~ドクダミ・スパークのテーマ~
サザンオールスターズ
2003/07/23 ¥250

C/W 恋人は南風

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
ソロで発表した「可愛いミーナ」辺りに通じるこれまた王道のミディアムナンバー。安心安定の1曲といった感じでいい曲ではあるがあまり新鮮さは感じない曲でもあり、当初から好感触ではあるがなかなかそれ以上に好きな曲にはなってこない。
★★★☆☆
14thアルバム『キラーストリート

恋人は南風
サザンオールスターズ
2003/07/23 ¥250

C/W 経験Ⅱセカンド

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
『うたばん』オープニングテーマ(数ヶ月で使用停止)01年に桑田ソロの「白い恋人達」で出演した際の対決企画で桑田が負けたら番組テーマ曲を作るという約束がようやく果たされたもの。名義がサザンになっているものの、話を受けたのはソロ活動時だったため、タイミングの問題で実質はソロに近い可能性が高い。

負けて罰ゲームとしての提供だったので、かなりストレートなエロソングに意図的に仕上げており、正直かなりひっでぇ内容。曲名がセカンドになっているのは、辺見マリの「経験」を元ネタとしたためだが、「経験」の歌詞”やめて”を”はめて”だの”舐めて”だのと下ネタ想起変換した程度で、「経験」に通じる要素は特にない。苦情が殺到したとかで数ヶ月で使用されなくなり、MCの中居正広は「今度は放送できる曲でお願いします」とコメントした。
★★★☆☆
アルバム未収録

経験II(セカンド)
サザンオールスターズ
2003/07/23 ¥250

48th 彩~Aja~

彩 ~Aja~
04年4月14日
「女神達への情歌 (報道されないY型の彼方へ)」以来となる4月リリース。発売形態は前々作までのフォーマットに戻って、マキシシングルで初回盤はスリーブケース仕様。12~5月の間にシングルが発売されたのは現在のところ今作が最後となる。

彩~Aja~

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ&片山敦夫、管編曲:山本拓夫
春をテーマにした優しい系統の楽曲。夏イメージが強いのもあるがそもそも明確に春を歌ったシングル曲が過去無かったこともあり、“サザンの春歌”という絶対的なポジションを獲得している。年度明けで最初に聞きたくなるサザンの曲というとこの曲だ。『キラーストリート』の桑田によるセルフライナーでベースは自分が弾いていると明かしている曲の1つで、編曲に名前が入っている片山敦夫のエレピ、キーボード、オルガンを中心としたサウンドなので、正直サザンというよりソロっぽい(パーカッションも恐らく野沢の腰痛により三沢またろうがサポートしているので…)ところはある。メンバーの担当楽器のうち本人単独演奏なのは松田ドラムだけだがこれも生演奏ではなくライナーで松田による打ち込みドラムサンプリングと明言されている。

当時はこれまたポップオブポップですっかり攻めなくなったなぁ…とも思ったが、この確かな安定感は心地いい。またどこか切なさを感じるのは、サビ頭に”夢の中へ僕を連れてって”とか”夢の中でだけどそばにいて”だとか歌っているのは「歌詞は亡き父に捧ぐ」とライナーでコメントしているように亡くなったばかりの父への思いが反映されているためか。

PVは当時子役だった神木隆之介主演によるタイのバンコクでの微笑ましい恋模様が描かれるが、当時の神木君はあまりにも美少年すぎるため相手役の現地の女の子より明らかにかわいいという色々逆転した感じの仕上がりに。
★★★★☆
14thアルバム『キラーストリート
プレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!

彩~Aja~
サザンオールスターズ
2004/04/14 ¥250

C/W FRIENDS

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ&片山敦夫
岸谷五朗・寺脇康文による演劇ユニット「地球ゴージャス」の舞台『クラウディア』主題歌。要するに事務所アミューズ主催の舞台「クラウディア」はサザンの曲名から取られ、作中では今作以外の過去の楽曲も使用されたという。

8分20秒を越える超大作サザン史上最長の楽曲となった。妹との死別を描いた非常に暗い曲で序盤はキーボードと打ち込みっぽい淡々としたリズムの中でシンプルに歌い上げ続け、歌詞の大半はこの部分でほぼ歌いきってしまう。しかし歌詞の大半を消費したにもかかわらずその時点では曲の半分近くまでにしか到達していない。以降残り4分以上は演奏が激しさを増すが、ひたすら同じフレーズを合唱のように連呼して繰り返し続けるのみ。舞台を見てその作品世界に入り込めれば違うのかもしれないが、このような構成では前半は暗いだけの地味曲だし、後半の連呼はひたすら長さしか感じず、8分20秒以上に長く感じてしまう。

後半の連呼部分は曲を依頼した岸谷五朗によるNYで観たミュージカルでサンシャインばっかり連呼するやつというリクエストに桑田がミュージカル「ヘアー」のことだと気づいてそこから膨らませたもののようなので、岸谷五朗の要望や舞台の世界には寄り添ったものだと思われる。それゆえに思い入れが非常に強いのか、正直そんなに人気曲というわけでもなさそうだが、『海のOh!,yeah!!』にまで選曲されている。今作は他の曲の2倍使ってしまうんだからこれ外せばあと2曲選べたのにィィィ…。

また『キラーストリート』ライナーでは原由子のコーラス以外はサポートメンバーの名前しか出てこなくてベースも自分が弾いたと明言しているため、例によってメンバーはほとんど参加してないっぽい。
★★★☆☆
14thアルバム『キラーストリート』(ミックス変更)
プレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!

FRIENDS
サザンオールスターズ
2004/04/14 ¥250

C/W 夢見るアニバーサリー
by 原由子&ALL STARS

作詞作曲:原由子、編曲:島健
原由子のソロ曲。『稲村ジェーン』における「愛して愛して愛しちゃったのよ」カバーという一例はあったが、サザンオールスターズ名義の作品にサザン扱いではない「原由子&ALL STARS」としての原由子のオリジナルソロ曲が収録されるのはこれが初となった。本人作詞作曲だが、演奏はボーカルコーラスのみでピアノ演奏はアレンジャーの島健が単独で担当(wikiに”片山敦夫:Celesta”とあったがこれは「彩~Aja~」の演奏表記との間違えでこの曲のクレジットに片山敦夫は載っていない)。ギター・ベース・ドラム・パーカッション全てサポートメンバーによるもので、サザンメンバーはかろうじて桑田のハンドクラップが入っているのみ。といってもこのうちギターの小倉博和、パーカッションの三沢またろう、プログラミングの角谷仁宣と3人は「彩~Aja~」でも演奏しているので、サザンメンバーが演奏に参加してないとはいえサザンの曲と全部演奏者が違うというわけではなかったりはする。ていうか2曲で「ベースは私が弾いている by 桑田」が発動して、この曲は全演奏サポートとなると、関口さんこのシングル参加してないじゃないっすかァァァァァ…。

クレジットが隠され、しれっといつものようにアルバムの真ん中あたりに入っていれば恐らくこの曲がサザンでは無い事には全く気付かなかっただろう。この時点でのサザンが既にサザンオースターズ&オールスターズ化が進行していたというのもあるが、サザンメンバーが参加していない割にはいつもの原由子ボーカル曲らしいほんわかとしたポップナンバー。終盤に”銀色の風”というフレーズが出てくるように銀婚式など長年連れ添った夫婦のアニバーサリーを歌っていて、年月の深みを感じる良曲だ。「彩~Aja~」と全く同じJALのCMタイアップ(桑田出演バージョンが「彩~Aja~」で、原出演バージョンが今作を使用していた)だっただけに、C/Wにしておくにはもったいないというかソロ名義で久々にシングルにしてしまうのもありだったのでは…。

サザン名義ではないのが災いしてか、サザンのアルバムに収録されることは無く、だったらサザン名義でのボーカル曲と自身のソロ作品から選曲した原由子のソロベスト盤『ハラッド』に収録されるだろうと思ったら、なんとそっちも未収録。『ハラッド』には何故かサザン名義のアルバムでのソロボーカル曲ばかり選んでこういう未収録曲は入らなかった。
★★★★☆
アルバム未収録

夢見るアニバーサリー
原由子 & ALL STARS
2004/04/14 ¥250

49th 君こそスターだ/夢に消えたジュリア

君こそスターだ / 夢に消えたジュリア
04年7月21日
両A面シングルだが、“2☆TOPシングル”という名目でリリースされた。両A面は「シャ・ラ・ラ/ごめんねチャーリー」以来となるが、あちらは公式では単独扱いなので公式サイトで両A面扱いしているものとしては今作が初となる。MVがちゃんと2曲作られた、2曲ともタイアップがあって扱いが平等である…など2☆TOPという宣伝に即した扱われ方だった。またジャケットに関してもひっくり返すとちゃんと「夢に消えたジュリア」をメインにすることが出来るようになっていた。ただし曲順を実際に入れ替えての2種発売は行っていない。

2018年の『海のOh,Yeah!!』に5人になって以降のシングルA面曲で唯二、2曲揃って綺麗に外されるという憂い目に遭ってしまったため、今後の知名度は徐々に下がっていってしまうと思われる。

また5人になって以降のシングルで唯一斎藤誠が1曲も参加していないシングルでもある。

君こそスターだ

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
TOYOTAのCMタイアップ。アテネオリンピック開催時期になるとCMがオリンピック応援仕様になったのでアテネオリンピックの応援歌としても使用された。各局のテーマ曲と違ってTOYOTAスポンサーのCMのある民放全部満遍なく流れていたため、けっこうオリンピックの応援歌的な印象が強く残っている。夏らしいさわやかサマーポップナンバーで、ド王道の良作。いかにもサザンっぽい求められる楽曲に応えたという感じで、後の無期限休止にも繋がったと思われるサザンオールスターズを継続する事、求められる事に応える事という点において難しさを感じる曲でもあるが…でもこれ普通以上にいい曲だしなぁ…。

前作に比べてもいつも通りなようで意外とバンド感が感じられるのも特徴的でそれを強調するように『キラーストリート』では冒頭に桑田によるカウントが加えられている。また小倉博和のギター、片山敦夫のハモンドオルガン、シンセ以外にサポートメンバーが入っておらず、今作に関しては極力メンバーによる演奏を重視したっぽい。『キラーストリート』では前述の冒頭桑田カウントのほか、シングルでは参加していなかった斎藤誠が新たにギターを重ねている

桑田自身が後にラジオで今作を否定するような発言をした事からファンの間では“桑田さんが(たぶん)嫌いな曲”として「ドラマで始まる恋なのに」などと一緒に筆頭で挙げられる曲の1つとなっていたが…『海のOh,Yeah!!』への収録を露骨に外してきたことを考えると一貫しているようでどうにも残念。

個人的に10代最後の04年の夏というのは体調的にも転機だったし、”夏の夜に咲く花火が僕達をつなぐ最後の絆”だった最後の年でもあり、いろいろと変わっていかなくてはいけなくなってきた年、あの頃のままではいられない厳しさを痛感し始めた年で率直に言えばかなり燻っていたしんどい夏だったんだけど、そんな中で明るさに救われた1曲でもある。
★★★★☆
シングルバージョンアルバム未収録
14thアルバム『キラーストリート』(表記は無いがアルバムバージョン)

君こそスターだ
サザンオールスターズ
2004/07/21 ¥250

夢に消えたジュリア

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦管編曲:島健
前作に続いてのJALのCMタイアップ。今度は全員で出演していた。グループサウンズや歌謡曲の要素を出したド派手な歌謡ポップロックナンバー。「HOTEL PACIFIC」辺りの再来のようでもあったが、今作の方がゆったりしつつもゴージャス度は高い気がする。今作に関しては「君こそスターだ」のように桑田さんが嫌っているなどという噂も特になかったようだが、何故か一緒に『海のOh,Yeah!!』を外されたという事はどこか納得いってないところがあったのだろうか…。

なおシングル盤においては一括表記だったため今シングルにおける桑田のベース表記がどの曲を指すか不明だったが『キラーストリート』の桑田によるセルフライナーによればこの曲のベースが桑田だったようだ。またこの曲ではサポートギターを入れずに全てのギターを桑田が弾いている模様。
★★★★☆
14thアルバム『キラーストリート

夢に消えたジュリア
サザンオールスターズ
2004/07/21 ¥250

C/W DOLL

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
99年頃からあった曲とされているが制作は止まって眠らせた状態にあり、ここにきて仕上げた曲とされている。実験的なサウンドによるかなり地味な曲だが、思い返すと03年以降はポップナンバーばかりになっていたので、このような地味な曲は90年代前半頃を彷彿とさせる。あの頃まではこういう実験曲でも普通にシングルA面にしたりしていたな…と思うとサザンもコントロール不能なまでに大きくなっていたんだなと改めて感じる曲でもある。

今作では関口のクレジットに初めてウクレレが表記されている(例によってシングルには3曲のうちどの曲かは記載されていないが『キラーストリート』のライナーでこの曲だと明言された)。ソロではウクレレを最大の武器として活動している関口だがサザンへウクレレを導入したのは初。関口さんサザンでもウクレレもっと生かしてもいいのでは?と思わなくもない。
★★★☆☆
14thアルバム『キラーストリート

DOLL
サザンオールスターズ
2004/07/21 ¥250

50th 愛と欲望の日々/LONELY WOMAN

愛と欲望の日々 / LONELY WOMAN
04年11月24日
04年3作目。年間3作のシングルリリースは00年以来となり、2作以上のリリースでさえ現時点でこの年が最後となっている(05年以降は年0か年1)。両A面なのか違うのかが曖昧で、両A面表記で発売告知をしたのでO社などチャートでも両A面扱いで登録されていたが、両A面ではないと掌返ししたかと思えば、公式サイトもビクターもCDの実際の表記も全て『愛と欲望の日々/LONELY WOMAN』であり、どう見ても両A面シングルですありがとうございました状態…という。前後作と異なり「LONELY WOMAN」のMVまでは作らなかったがタイアップもあり、準A面(ポジション的には「雨上がりにもう一度キスをして」に近い)みたいな立ち位置だったためだろうか。

C/W2曲はBonus Tracks扱いでライブ音源2曲を収録。

00年の『HOTEL PACIFIC』から『涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~』を除いて桑田ソロでも採用されていた初回盤スリーブケース仕様は今作まで同じフォーマットで続いた。

愛と欲望の日々

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫
ドラマ『大奥~第一章~』主題歌。時代劇とサザンの組み合わせが話題になった。ディスコ風歌謡ナンバーで、豪華絢爛な雰囲気は大奥のなんとなくなイメージにもハマっていた。MVでは振付も披露し、「HOTEL PACIFIC」の時よりもやや緩めなノリでメンバーみんなで踊っていた。ノリが良く、インパクトも強いんだけどどうもこの踊ろう路線はあまり好きになれない。TUBEやDEENも中年の領域に差し掛かってくる頃にやたらと踊りたがるようになったが、一定の年齢を越えると踊りたくなる何かがあるのだろうか。

パーカッションは三沢またろう、ベースは桑田が弾いたと『キラーストリート』ライナーで明言されている。
★★★☆☆
14thアルバム『キラーストリート
プレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!

愛と欲望の日々
サザンオールスターズ
2004/11/24 ¥250

LONELY WOMAN

作詞作曲:桑田佳祐、英語補作詞:岩本えり子、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:島健
TOYOTAのCMタイアップ。薄幸な女性をテーマにしたウィンターミディアムナンバー。歌詞中にはクリスマスも出てくる純然たる冬曲だが全体に軽めのアレンジが施されていてそこまで冬っぽさを感じない。系統としてはソロの「可愛いミーナ」、サザンでの「恋人は南風」等と同じような良メロミディアムなので、季節が違うといはいえ比較的王道な感じであまり印象的な曲ではないが、それでもいい曲。

『キラーストリート』ライナーでは1番好きかもしれないと桑田が絶賛している。『キラーストリート』収録バージョンはシングルでは3コーラス目から登場するティッティッティッコーラスが2コーラス目から登場するという微妙な変更が施されている。また演奏の詳細が語られており、ドラムは松田による打ち込み、ベースは片山敦夫によるシンセベース、エレピを原、野沢がパーカッション、桑田がバッキングのギターとされている(クレジットではアコギを斎藤誠だがコメントには出てこない)。ドラム打ち込みっぽいなぁと思ったら本当に打ち込みだったようだが、ドラマー本人が打ち込んでいるタイプの打ち込みだった。また関口さん2曲とも参加していなかったという事に…。
★★★☆☆
14thアルバム『キラーストリート』(コーラスの入りが早い)
プレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!

LONELY WOMAN
サザンオールスターズ
2004/11/24 ¥250

C/W イエローマン~星の王子様~(LIVE at ディファ有明)

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
04年7月18日にディファ有明で行われフジテレビで生中継されたFC限定ライブ「真夏の夜の生ライブ~海の日SP~」からのライブ音源。99年のシングルバージョンとは全く異なるテンポを落とした別アレンジとなっていて、かなり印象が異なる。実際のライブでは1曲目だったようで、これがいきなり演奏されても何の曲だか歌いだすまで分からないな…。シングル盤の方が色んな意味で狂っていて好きだが、このバージョンもこれはこれでありだと思う。
★★★☆☆
ライブバージョンアルバム未収録

C/W ラチエン通りのシスター(LIVE at ディファ有明)

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
2ndアルバム『10ナンバーズ・からっと』収録曲のライブバージョン。初期楽曲だけにイントロの瞬間の歓声がかなり大きく人気っぷりが伺える。前曲とは歓声がつながっているので続けて披露されたように編集されているが、実際には前曲は1曲目、今作は8曲目に披露されておりかなり離れていた。こちらは大きなアレンジ変更もなく、改めて初期の名曲に浸れる仕上がり。
★★★★☆
ライブバージョンアルバム未収録

51st BOHBO No.5/神の島 遥か国

Bohbo No.5
05年7月20日
05年はついに5人になって初、気が付けば98年以来となるアルバム発売を宣言しており、先行シングルとしての役割を果たした。曖昧だった前作に対して今作は両A面扱い(Double A-side)で一貫している。MVも2曲作られた。前年までとは異なり、スリーブケースやマキシケースの無い、通常アルバムサイズのケースでの1種発売となり、以降サザンのシングルはこの通常ケースへ移行した(07年の桑田ソロでは以前のスリーブケース仕様のマキシケースを再度採用した)。初回盤はBOHBOくんステッカー封入。前3作と異なり、桑田クレジットがギターとコーラスだけとなり、これは5人になって初。

BOHBO No.5

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫
TOYOTAのCMタイアップ。03年の復活以降夏の新曲は宿命づけられており、前2年もそれなりに派手だったが、開脚女性がぐるぐる回転するなどパフォーマンスでのド派手さはここ数年の中でも最高クラス。ペレス・プラードの「マンボNo.5」に九州地方の女性器の隠語ボーボをくっつけ、下ネタ含めてサザンらしさ満載の1曲。熱量が半端ないが、あまりにパワフルすぎて1曲やるだけでも相当消費しそうだし、このようなお祭りノリを毎年求められてくるとさすがに疲弊してくるだろうなとも思う。

『キラーストリート』では大きな変更はないがライナーノーツによればブラス・歌・ドラムの音量を持ち上げるミックス変更が施されており、微妙にシングルより派手になっているとの事。言われてみればそんな気もするが…良く分からない。
★★★★☆
14thアルバム『キラーストリート』(ブラス・歌・ドラムの音量を持ち上げ)
プレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!

BOHBO No.5
サザンオールスターズ
2005/07/20 ¥250

神の島 遥か国

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
沖縄風味を取り入れたポップナンバー。BEGINの島袋優を三線としてゲストで招いていて、この音色が沖縄感を強めるが、沖縄全開というわけではなく南国要素がミックスされている感じ。呪文のようなBメロから一転して爽快なサビの突き抜け具合が気持ちよくて派手さは無いが、当時久々に少し新しい名曲が来たなと感じた。MVでの何故か沖縄に不時着した耳のとがった宇宙人が現地の人々と交流する様子を描いた謎映像も面白かった。
★★★★☆
14thアルバム『キラーストリート
プレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!

神の島遥か国
サザンオールスターズ
2005/07/20 ¥250

C/W ブルーライトヨコハマ

作詞:橋本淳、作曲:筒美京平、編曲:サザンオールスターズ&斎藤誠&片山敦夫、管編曲:包国充
1968年いしだあゆみのヒット曲のカバー原由子ボーカル曲。昭和のヒット曲だけに昭和歌謡臭の強い曲だが、ここでは打ち込み要素の強いノリの良いダンス調のアレンジが施されていてなかなか面白い。
★★★☆☆
アルバム未収録

ブルーライトヨコハマ
サザンオールスターズ
2005/07/20 ¥250

C/W リンゴ追分

作詞:小沢不二夫、作曲:米山正夫、編曲:斎藤誠&片山敦夫
1952年美空ひばりのカバー。こちらも元は女性ボーカル曲だがボーカルは桑田佳祐。「TSUNAMI」でレコード大賞を取った時に“ひばりさんの背中が見えてきました”とコメントしたと報じられていたので思い入れは強いと思われる。編曲がサポートメンバー2人だけでサザンが参加していないため、作詞作曲編曲のどれにもメンバーが関与してない。斎藤誠のアコギ、片山敦夫のピアノとシンセ、成田明彦のパーカッションといったアコースティック編成に山本拓夫のソプラノサックスが入るが、メンバーはほぼ参加していないか…?
★★★☆☆
アルバム未収録

リンゴ追分
サザンオールスターズ
2005/07/20 ¥250

From 14thアルバム『キラーストリート』

キラーストリート(リマスタリング盤)
05年10月5日
03年の再始動以降、厳密にはその前の時期から制作が進んでいた30曲を詰め込んだ集大成的な大作アルバム。ビートルズの『アビー・ロード』を彷彿とさせるタイトルやジャケットからこれでやりきって解散なのではないかとも当時よく言われた。実際にはこの後も活動は続いたがシングル2枚で無期限休止となり、10年近くにわたって今作が最新アルバムである状態が続いた。

初回盤はレコーディングの模様を収録したドキュメントDVD付。さらに1曲ごとの桑田本人によるセルフライナーがブックレットに記載されており、この中でベースを関口ではなく桑田が弾いているのがどの曲なのかも明言されている。

ロックンロール・スーパーマン~Rock’n Roll Superman~

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:片山敦夫
TOYOTAのCMタイアップ。フィギュアの安藤美姫が当時TOYOTA所属で翌06年のトリノオリンピックに出場した事もあり、その時期まで長期にわたってCMで使用されていた。アルバムのリード曲としてMVが制作され、TV出演時にはこの曲を新曲として披露、さらには発売後もメンバーがお気に入りを公言して、現在に至るまでライブでも定番曲となっていて、最早シングル以上にシングルみたいな存在感となっている00年代サザンの最定番曲。

『Young Love』『さくら』など90年代後半までに比べるとロックというよりポップな印象ではあるが、どっしとしたドラムサウンドは特に印象的で音の厚いポップロックナンバーだ。ただベースが桑田と明言されている曲の1つで、アルバムのリード曲だし、03年の復活以降ここまでの集大成みたいな曲でもあるんだからとりあえずメンバー全員で演奏してほしかったところではある。
★★★★☆
14thアルバム『キラーストリート
プレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!

ロックンロール・スーパーマン ~Rock’n Roll Superman~
サザンオールスターズ
2005/10/05 ¥250

ごめんよ僕が馬鹿だった

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫
DISC-2の冒頭を飾ったポップロックナンバー。アルバム発売が告知された際に特設サイトで公開されたのがこの曲のイントロだったため、来るアルバムへの期待が高まった始まりの音という印象がある。それこそそのままリード曲やタイアップがついても不思議ではないような曲だったと思う。
★★★★☆
14thアルバム『キラーストリート

ごめんよ僕が馬鹿だった
サザンオールスターズ
2005/10/05 ¥250

52nd DIRTY OLD MAN~さらば夏よ~

DIRTY OLD MAN ~さらば夏よ~
06年8月9日
2枚組大作アルバム『キラーストリート』リリース後、06年唯一の新作。例年の7月発売ではなくこの年は少し遅れての8月発売だった。前作同様にアルバムサイズの通常プラケース1種のみでの発売。前作のBOHBOくんに続いて今作ではジャケットに出ている頭がスイカ、股間を麦わら帽子で隠した謎の男スイカーマンがキャラクターとなっており、初回盤は噂の”スイカーマン”ステッカー封入。

今作では桑田が一切ギターを弾いておらず、全てサポートの斎藤誠がギターを弾いている。これは5人になって初だが、以降07年のソロにかけても斎藤誠にギターを一任することが増えた。一方でギターは弾いていないがベースクレジットはあり、関口が3曲の中でどこまで参加しているかは不明。また依然として野沢も腰痛も一進一退でパーカッションも三沢またろうが「DIRTY OLD MAN~さらば夏よ~」「BREEZE」の2曲でサポート参加している。

発売時のTV出演はそれなりに活発で、8月26,27日には桑田主催の「THE 夢人島 Fes.」が開催されサザンオールスターズとしても出演したものの、サザン単独でのライブは行われず、サザンとしての新作リリースも今作で一旦途絶え、07年以降は5年ぶりに桑田ソロでの活動が展開したため、30周年を前にして休止状態となった。

DIRTY OLD MAN~さらば夏よ~

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:原由子
フジテレビの夏のイベント『お台場冒険王2006』テーマ曲。前2作に続くダンス楽曲でもあり、MVでも振付がされているほか、Mステ出演時は観客と見せかけて全員ダンサーだったという派手な演出で披露されていた。しかしストリングスが入っているものの、ド派手に鳴り響くブラスは無く、派手なシンセも控えられ、前年までに比べると全体に落ち着いた雰囲気でサウンドもシンプル。さらに1番の歌詞では“人生大惨敗”なネガティブな言葉が延々列挙されるという異色の内容。2番以降はそこから立ち直っていき最終的には前向きになっていくが、1番でのネガティブっぷりはけっこう印象的だ。最終的にはプラスに転じるとはいえ、いつもの夏と違うという印象を強く抱いた。同時にサザンを続けるのにも疲弊が生じているのかなと思ったりも…。

当時、進む道も見えず体調も悪化する一方でかなりヤバい精神状態(09年ほどではない)に陥り、一旦リセットしてようやく気持ちが落ち着いてきた状況だったので、”人生大惨敗”な1番とそこから復活していく2番以降の歌詞はタイムリーで、サザンの歌詞が響くことってあまりないんだけど、この時ばかりはグッと来た。
★★★★☆
プレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!

DIRTY OLD MAN ~さらば夏よ~
サザンオールスターズ
2006/08/09 ¥250

C/W BREEZE

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
淡々と進行する楽曲でそんなにキャッチーではないが、かといってマニアックでもないなんとも言い難い普通の曲。間奏でリコーダーが鳴っているところは引っかかるポイントではあるが…。
★★★☆☆
アルバム未収録

BREEZE
サザンオールスターズ
2006/08/09 ¥250

C/W 太陽に吠える!!

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
ドラマ『太陽にほえろ!』のパロディなタイトルだが曲自体はあまり関係ない。前年のツアーで未発売曲として毎回タイトルを変えてアンコール1発目に披露していた楽曲を完成させたもの。当時は「○○のブルース」と○○の部分が毎回変わっていたがブルースというのは共通していたようで、実際ブルージーな仕上がり。地味ながらも6分半に達し、なかなか終わらず少々かったるさも感じてしまう。
★★★☆☆
アルバム未収録

太陽に吠える!!
サザンオールスターズ
2006/08/09 ¥250

53rd I AM YOUR SINGER

I AM YOUR SINGER (初回完全生産限定) I AM YOUR SINGER
08年8月6日
特に休止を宣言することも無く07年から08年にかけて桑田ソロ活動が続いていたが、2年ぶり、前作に続いてその年唯一の新作。30周年は当然サザンとして活動するだろうというのが大方の見方であったが、いきなり30周年を機に無期限での活動休止を発表。これまでの休止は特に休止を強調したり明言することは無く、なんかさらっと(主に桑田)ソロ活動になってた…みたいな形で休止して、復活時は復活・活動再開として大々的に告知するという、そんな休止と復活の繰り返しだったため、無期限休止とわざわざ発表した事はこれまでとは全く異なる雰囲気であり、只事ではない様子であった。

それに向けての休止前ラストシングルとして発売され、そして30周年記念ツアーにして休止前ラストツアーが開催された。『キラーストリート』でやり切った事からの解散説が根強く、以降の新作ペースの鈍りっぷり、頻繁にベースを桑田が弾いてしまったり、腰痛によりなかなか野沢が参加できない事も含めて(今回のツアーにも不参加だった)色々ガタが来ている感はあったが、あくまで無期限の休止であり解散は無いと明言された。

例によって今作も桑田のクレジットにはベースがあり、関口のベース演奏状況は不明。パーカッションは「OH!! SUMMER QUEEN~夏の女王様~」で成田明彦が担当。片山敦夫は「I AM YOUR SINGER」「OH!! SUMMER QUEEN~夏の女王様~」ではキーボードを担当しているが原由子ボーカル曲の「すけっちぶっく」ではDubbing Adviserというクレジットに留まっており、「すけっちぶっく」のキーボード演奏は全面的に原由子である模様。

これまで『すいか』や『HAPPY!』で行っていたような派手な特典付でのリリースをシングルで初めて行い(「勝手にシンドバッド」25周年のBOXはあったが)、真夏の大感謝BOXとして30万枚限定で『HAPPY!』付属の法被をリニューアルしたものが付属した。

休止の話題性もあって前2作の2倍以上となる50万枚突破のヒットを記録した。ただ30万枚限定の真夏の大感謝BOXに関しては割高(通常盤の2倍近い値段)もあって回避する者が多かったようで『すいか』や『HAPPY!』のようなプレミアアイテム化することは無かった。むしろ余って投げ売ら

I AM YOUR SINGER

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
au『LISTEN MOBILE SERVICE』キャンペーンCMタイアップ。ありきたりな作風ではなくあえて実験的な作風にしたそうで休止前最後なのにバンドサウンドではない。打ち込みを駆使しまくったサウンドに、ボーカルやギターなど生の音にもエフェクトを施しまくったデジタル全開の曲。サザンはもう既にバンドとしてほとんど機能してない感も漂っていたが、この作風はそんなバンドの限界状態を示しているようだった。攻めの姿勢とも受け取れるが、休止前最後の表題曲が打ち込みまみれというのはやはり…。

一応前作まで同様に今作もダンス路線であり振付が存在。サビ以外はどちらかというとポーズを決めていくような動きだが、サビではそこそこ動きがある。08年の休止前最後のライブでもバンド演奏を放棄。ボーカル・コーラス以外はカラオケを流して桑田以外の4人は演奏せずにダンスという異例の形式で披露していた。その際に腰痛により不参加だった野沢も登場し、以降の楽曲ではパーカッションでも参加、無事にメンバー5人で休止前最後のライブを締めくくった。

休止前最後を意識せざるを得ないような切ない曲調で、曲だけなら03年以降の中でも屈指に好きな1曲でもあるんだけど、やはりサウンドがどこか味気ない。事務主アミューズの後輩Perfumeがブレイクしたばかりだったので、ボーカルにエフェクトをかけるのがトレンドっぽくなっていた時期でもあったが…。トレンド導入はMVでも顕著で当時流行っていた芸人のエド・はるみが出演してグゥググゥグな持ちネタを披露するほか、Bメロでは同じく当時流行っていた世界のナベアツのやっていたネタ「3の倍数でアホになる」のアホになる時みたいな動きを桑田が行っていた。両芸人とも完全に1発屋状態ですぐにブームが終わってしまい、時事ネタ臭が強すぎる…。せめて小島よしお辺りにしておけば(前年「そんなの関係ねぇ」がブレイク)…。このためなのかは分からないが発売後にエド・はるみ含めてエキストラの出演シーンをカットした別バージョン(再編集)のMVが制作され、2013年の復活以降の公式You Tubeチャンネルでは、再編集バージョンのショートサイズが公式扱いされている。完全に抹消されたエド・はるみがそれはそれで不憫だが、グゥググゥグっぽい動きは桑田も行っていたため再編集版でもエドの名残は残っている。
★★★★☆
プレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!

I AM YOUR SINGER
サザンオールスターズ
2008/08/06 ¥250

C/W OH!! SUMMER QUEEN~夏の女王様~

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
資生堂『サマーキャンペーン』CMソング。表題曲で攻めたためか、こちらはサザンに期待される夏だ!水着だ!お祭りだ!みたいなド派手なノリの楽曲。最早休止を前提として最後にサザンらしい楽曲と言う要請に全力で応えたというセルフパロディみたいな印象で、確かにサザンらしいとは感じるんだけど、今までの曲を越えていくとか並ぶような印象にはなかなか上がってこないところがある。パブリックイメージに沿ったプロフェッショナルな仕事っぷりではあるけど、こういうの求められ続けるのにも疲れたのかなぁ…と思わなくもない。

実際しばらくこの手の派手なノリの夏歌はソロでも避け、比較的落ち着いた楽曲を中心に発表していたが、2011年には「ハダカ DE 音頭~祭りだ!! Naked~」なんていう夏だお祭りだ路線の曲をソロで発表しているのでなんだかんだ嫌いではないらしい。
★★★☆☆
プレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!

OH!! SUMMER QUEEN ~夏の女王様~
サザンオールスターズ
2008/08/06 ¥250

C/W すけっちぶっく

作詞作曲:原由子、編曲:サザンオールスターズ&斎藤誠、管編曲:山本拓夫&斎藤誠
原由子ボーカル曲。原由子らしい安定の優しいポップソング。無期限の活動休止という複雑な心情を中和してくれるような不思議な魅力があり、休止前の最後の1曲としてはいい緩衝材のような役割を果たしている。
★★★☆☆
アルバム未収録

すけっちぶっく
サザンオールスターズ
2008/08/06 ¥250

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