サザンオールスターズ 40周年シングル+回顧3~1982-1983~

スポンサーリンク

サザンオールスターズ 40周年シングル+回顧3~1982-1983~

2年間シングルヒットが出ていなかったが、「チャコの海岸物語」が久々の大ヒットを記録。また桑田・原の結婚も話題となった。以降3連続でトップ10ギリギリではあったが30万程度のヒットを連発。しかし83年後半には再度失速。変わらずアルバムではNo.1ヒットを継続していた。

80年代テクノロジー、コンピューターサウンドを徐々に導入し始めたとされるのがこの時期だが、84年以降に比べるとまだ本格的な導入には至っていない。同時期に『NUDE MAN』前後の頃には学生時代のサークルBETTER DAYSがフューチャー(?)されるなど、学生時代のサークル出身から始まったバンドの活動の1つの区切りになった時期だったのかもしれない。

2018.6執筆
2008年30周年時に聞いてないシングルがありながら禁断の空欄突破で公開した過去曲回顧「30周年シングルレビュー」を、2013年35周年復活時にA面全曲聞いた上での完成版「35周年シングルレビュー~1978-2008~」として公開。
今回は40周年を記念して全C/W追加各アルバムからも数曲ずつピックアップして全面リメイク。以前書いたA面部分もほとんど破棄して書き直している。
シングルは05年リマスター盤、アルバムは08年リマスター盤を全て聞いての執筆。
2023.6 文字サイズ、リンクの調整

14th チャコの海岸物語

チャコの海岸物語
82年1月21日
発売当初はこれまで同様にパッとしなかったようだが、桑田と原の結婚という話題性も手伝って最高2位にまで上り詰め、久々の大ヒット曲となった。トップ10入りも初期5作以来だったが「勝手にシンドバッド」を越えて「いとしのエリー」に続く自身2番ヒットを記録。エリー共々92年の「涙のキッス」「シュラバ★ラ★バンバ」以降までは10年間2番ヒットの座に居座り続けた

このヒットにより2度目の紅白出演も果たした。…が、現在よりも圧倒的に番組の方針が堅かった当時において国民的歌手の三波春夫の後の出番で三波春夫のモノマネをしながら登場して、「受信料は払いましょう、裏番組はビデオで見ましょう」などと発言。今なおこの辺りの言葉は伝説として語り継がれているが、ふざけまくった態度に批判が殺到してわび状を書く騒動になったとされている。これで懲りて紅白に出なくなったとされているが、実際には翌年も出演してから出なくなっているので、一撃出禁になるほどNHKが激怒したわけではないようだが…良く分からない。

チャコの海岸物語

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦管編曲:八木正生
海岸物語だし、ジャケットも海だし(上空をメンバーが飛行しててシュールだが)歌詞でも南の島に飛んでるし、海と夏のイメージが強いが、発売は思いっきり1月で真冬。随分と季節外れなタイミングで出したなこれ…。

日本の歌謡曲を意識したというか昭和の時代の昭和歌謡そのものといった感じの歌謡ナンバー。洋楽からの影響が強めな曲が続いていた中で、この作風というのはかなり傾向が異なるが、見事なまでに復活ヒットとなったという事はJ-POPという言葉が生まれる以前の当時の日本のヒットシーンには適した曲だったのかもしれない。リアルタイムで体感していないがヒットしなかった2年間のシングル群と明らかに違っていてこの頃のTVの売れ線の歌謡曲というイメージがある。

当時を知る人にとっては桑田と原のウェディングソング的なとらえ方もあったみたいだけど、後追いで聞くと強烈な歌謡臭と変な歌い方がインパクト。田原俊彦のモノマネをしながら歌ったとか言われてもいるが、いずれにせよ普段とは違う変な歌い方をしていたのは確からしく、イロモノ要素が強くてあまり真面目な扱いは当時からされていなかった事は紅白でのパフォーマンスの様子からも分かる。また久々のヒット曲なのにオリジナルアルバム未収録だったのも納得で、こんな強烈な曲を入れる余地は当時のアルバムにはなかったと思う。

またチャコへの愛を歌った曲なのかと思いきや、2番ではミーコ、最後のサビではピーナッツ…とお前だけとか言ったそばから別の女の名前を繰り出して同じ言葉(心から好きだよ)と告げるという節操の無さがなかなかとんでもない。チャコ=飯田久彦のあだ名、ミーコ=弘田三枝子、ピーナッツ=ザ・ピーナッツから取っただけで歌詞としての流れは意識してないとは思うけど。
★★★☆☆
限定ベスト『すいか
限定ベスト『HAPPY!
ベスト『海のYeah!!

C/W 翔(SHOW)~鼓動のプレゼント

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
作ったのは桑田だが松田弘ボーカル曲。当時松田の妻が妊娠しており、生まれてくる子供に捧げた楽曲。その後無事に生まれてきた男の子はタイトル通りに「翔」と名付けられた。長らくこの話はそこで止まっていたが、23年後の05年の『キラーストリート』の「愛と死の輪舞」では成長した松田翔がSnare Rollとしてクレジットされ、父のバンドに父と同じドラム(スネアロールのみだが)でゲスト参加を果たした。曲自体はどうということのない正直フツーな曲だが曲にまつわる背景からサザンメンバーの絆と歴史を感じられる1曲
★★★☆☆
限定ベスト『すいか

15th 匂艶 THE NIGHT CLUB

匂艶THE NIGHT CLUB
82年5月21日
前作に続いてトップ10ヒット(8位)を記録。83年1月にはミュージックビデオとしても発売されたようだ。PV自体が珍しい時代にかなり珍しい…。タイトルの「匂艶」は造語で正直字面だけではどう読むのか分からないが「にじいろ」と読む。あまりにも分かりにくい上、作中でも出てこないためか、ふりがなが併記されていることが多い。

匂艶 THE NIGHT CLUB

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦管編曲:八木正生
派手な管弦サウンドを生かしたラテン歌謡ナンバー。前作で振り切った歌謡方面に対して「勝手にシンドバッド」など初期で印象付けたサザンのイメージを融合させてこちら側に手繰り寄せたような曲。このため、歌謡臭は強いんだけど前作のようなふざけた感じが無く、真面目に作りこまれていて完成度が高い印象。完成度がそのまま売上に直結するわけではないが、前作ほどの強烈さの後でも負けない強烈さはあると思う。

中学生の頃に『海のYeah!!』で初めて聞いたので”ナイトクラブ”のイメージや子供が立ち入れない夜の大人の世界といったイメージはなんとなくこの曲でイメージづけられた記憶がある。ナイトクラブどころか大衆酒場すらほとんど行かないため、ナイトクラブ=この曲のイメージは今も変わらない。
★★★☆☆
5thアルバム『NUDE MAN
限定ベスト『すいか
限定ベスト『HAPPY!
ベスト『海のYeah!!

C/W 走れ!! トーキョー・タウン

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
全英語詞のロックナンバー。Synthesizerとして国本佳宏がゲスト参加していて、ロックというかまもなく傾倒するコンピューターサウンドへの片鱗、テクノポップっぽい感じも。桑田自ら出演していた日産『パルサー』CMソングという事でそのまま東京の街を疾走していくような勢いがある。車のCMタイアップとしても忠実で優秀な1曲だ。
★★★☆☆
アルバム未収録

From 5thアルバム『NUDE MAN』

NUDE MAN(リマスタリング盤)
82年7月21日
メンバー出身の青山学院大学の音楽サークルBETTER DAYSの後輩である国本佳宏が実質7人目のメンバー、キーボードとして全面参加したアルバム。BETTER DAYSでのライブテイクがあったり、次回作以降でコンピューターサウンドに傾倒していったりと、大学サークルの仲間で結成された初期サザンの1つの到達点のような1作となっている。

夏をあきらめて

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦管編曲:八木正生
2ヵ月後に研ナオコがカバーしてトップ10入りするヒットを記録したが、サザンの息の長さと『海のYeah!!』収録も大きく、現在はサザンのアルバムの名曲として知名度が高い。先行2シングルでの歌謡路線をもう少し落ち着かせたような歌謡ナンバー。タイトル通りにあきらめのムードが全体に漂っているが、海に遊びに来たのに雨、雨なのでパシフィックホテルに入って夏をあきらめている(超訳)という内容で、最後まで空は曇天、太陽が見えない夏曲

『海のYeah!!』でこの曲を知った後、海の無い埼玉県民にとっては特別感のある海に家族で出かけていったのに低温&曇天で海に入れずに海をあきらめた、そんな日にこの曲はハマっていた。ただうちの家族、夏をあきらめてたまるかとばかりに茨城の海に見切りをつけてそのまま行き先を変更し、いわき市にあるスパリゾートハワイアンズに乗り込んだ。海をあきらめた同志たちが殺到しており入場に時間がかかったのを記憶している。ハワイアンズにこの曲は当然似合わなかっ
★★★☆☆
5thアルバム『NUDE MAN
1stバラードベスト『バラッド’77~’82
限定ベスト『すいか
ベスト『海のYeah!!

PLASTIC SUPER STAR(LIVE IN BETTER DAYS)

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:新田一郎
青山学院大学の音楽サークルBETTER DAYSでライブ録音を行った楽曲。歓声もそのまま入っている。学生時代に戻ってそのままのノリで憧れていた洋楽ロックに挑んだようなロックナンバー。どちらかというとこの手の洋楽ロックへの憧れは、後々サザンよりもソロ活動(KUWATA BAND、THE BALDING COMPANY)で追求していっている印象もある。
★★★☆☆
5thアルバム『NUDE MAN

16th Ya Ya(あの時代を忘れない)

Ya Ya
82年10月5日
医者が女の子に注射しているというイラストジャケットが謎すぎる1枚。タイトルに引っ掛けて注射が嫌嫌→イヤイヤ→Ya Yaなのではないか?という説もあるが…。トップ10(10位)ヒットを記録した。

Ya Ya(あの時代を忘れない)

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦管編曲:新田一郎
アルバム『NUDE MAN』に続けてというか延長にあるような楽曲で、学生時代を回想したバラード。BETTER DAYSの名称も登場するが、サークル名というよりはそのままの意味で使われているっぽい。当時の桑田さんは26歳になり、結婚もした時期(大学を卒業したのは原・関口の2人だけで桑田・大森は卒業はしていないようだが…)だったが、まさに遠ざかっていく学生時代への思いをほぼそのまま綴ったのではないかという極めて私的な感じの曲だ。桑田さんはあまり個人的な思いを強く反映したような楽曲を中心とするタイプではないが、ここまで分かりやすい歌詞というのはかなり珍しいんじゃないかと思う。そして個人的であるがゆえに聞き手の心にも届く。『海のYeah!!』に収録されなかったシングルで1番知名度と人気があるのはたぶんこの曲だと思う。

といってもこの曲を最初に聞いたのが学生時代だったので当時は普通にいいメロディーだなぁと思っていただけで、学生時代が遠ざかっていくにつれて物凄く響くようになってきた。“ああ、もうあの頃のことは夢の中へ 知らぬ間に遠くYears go by”とか本当にその通りで、学生時代を終えての生活の激変の中で必死にもがいているうちに気が付けば遠くなっていった。当時そんなに楽しかったとか最高だとか思っていなかったのに振り返ってみると妙にあの頃が愛おしい。そんな大人になって誰もが抱く学生時代への思いがこの曲には封じ込められている。今、その只中にいる人も学生を終えてしばらくしてからもう1度聞いてみると本当の意味でこの曲が響いてくるのではないだろうか。

バンドサウンド自体はメロディー重視でかなりおとなしい。リマスター盤でもおとなしいので、音量控えめな『バラッド’77~’82』で聞くともう少し派手でもいいんじゃないかと思ってしまうところもある(05年シングルリマスター盤を除くとアルバムでは『HAPPY』では95年当時のリマスターが効いているので『バラッド’77~’82』よりは良い)。ただ間奏でだけハードに展開する大森のギターソロはとても熱い。この曲は今でも歌われているだろうし、間奏のギターは斎藤誠が引き継いで今には今のこの曲の味はあるんだろうけど(2008年の30周年無期限活動休止前最後のライブではこの曲がラストナンバーだった)、この曲がレコーディングされたタイミングで大森のギターソロが響いて…というもう今は2度と聞けない、出せない味は確かにあると思う。大森のギタープレイがどうなのかとか技術的な事は全く分からないし、活動後期はサポートが入る事も増えてきたのでどこまで大森が担当しているのかも分からなくなってくるが、サザンのリードギタリストだったこの当時、リードギターとして奏でているこのギターソロがとても好きだ。
★★★★☆
1stバラードベスト『バラッド’77~’82
限定ベスト『すいか
限定ベスト『HAPPY!

C/W シャッポ

作詞作曲編曲:サザンオールスターズ
初期に少しあった作詞作曲がバンド名義の最後の楽曲。ソウルフルでダンサブルな要素のある楽曲。こういうのは夏は夏でも山下達郎が得意としていたような夏曲というイメージがあり、サザンとしてはかなり意外性がある。しかしその意外性はなかなか面白い。これ以降のコンピューターサウンドの味気無さと時代性が未だにもう1つ馴染めないところもあるので、この時期の楽曲としてはけっこう好印象な方になってくる。
★★★☆☆
限定ベスト『すいか

17th ボディ・スペシャルⅡ

ボディ・スペシャルII
83年3月5日
上半身ヌードの女性(顔は見切れている)が堂々ジャケットという衝撃的なシングル。当時トップ10入り(10位)を果たしているが、05年リマスター盤では今作が最高位となる18位、翌週16位を記録して1番売れた。ライブの盛り上げ定番曲に成長しながら現存アルバム未収録だったという時点で今作はかなり有利であったが…おっぱいジャケットインパクトに引き寄せられたリスナーが多かったから売れたのかは不明。

ボディ・スペシャルⅡ(BODY SPECIAL)

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:新田一郎
当時のサザンは日本武道館でのライブも82年に経験していたが1ツアー50本近くに及ぶ全国ホールツアーをメインにしたライブ活動を行っていた。ライブ規模が大きくなってきた中で今作はアリーナクラスの大会場でのライブを前提にしたようなライブ向け盛り上げナンバーといった趣き。Man callという最早放送禁止にならずにそれを言いたかっただけみたいなフレーズもぶっこんでいて歌詞は全体にエロティックだが、ノリの良さが全てに優先する感じ。

ただ以降サザンはこの手のアリーナ級のド派手なレパートリーを増やしていくが、今作に関してはそれらに比べると勢い先行というか…派手な割には意外とメロディーが印象に残らない。派手といってもこれまでに比べて派手ではあるが「みんなのうた」以降のアップナンバーは基本的にどれも今作よりも派手な雰囲気の曲が多くなる。正直曲よりもジャケットの方がインパクトがあり、後追いで聞くほどなんか思ってたほど凄い曲ではないな…と思ってしまうというか…。

ライブの定番曲になっていったというのはサビでoh yeah!! Oh,no!と返せばとても盛り上がるのは容易に想像できるので納得ではある。音源だけ聞くと後の派手派手な曲の方が盛り上がりそうな気がしてしまうが、観客との一体感を得られるコール&レスポンスがサビに組み込まれているというのは非常に大きく、ライブでその場にいて一体となってoh yeah!!するのがこの曲の最大のポイントになるのかもしれない。
★★★☆☆
限定ベスト『すいか

C/W ボディ・スペシャルⅠ(BODY SPECIAL)

作詞作曲:原由子、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:新田一郎
キーボード主体のほんわかしたインストナンバー。コーラスみたいな声は入っているが、歌詞の記載は無い。だが何故か作詞表記はある。コーラスみたいな部分を指しているのだろうか。いかにもキーボードの人が作った曲みたいなインストナンバーだが、「ボディ・スペシャルⅡ」とのつながりは特に感じられず、完全に別の曲といった感じ。そもそも今作が先にあったわけでもなく、「ボディ・スペシャルⅡ」が先にあったので今作が「Ⅰ」になったとされており、完全に後付けっぽい。もっと言えばこのタイミングじゃなかったら別にこのタイトルにする必要性も無かったっぽい。何故「ボディ・スペシャルⅡ」は最初からⅡだったのか…謎だ。
★★☆☆☆
アルバム未収録

18th EMANON

EMANON
83年7月5日
6thアルバム『綺麗』と同時発売でジャケットもタイトル表記以外は同じもの。2曲ともそのままアルバムに収録されたため、4作連続トップ10入りしていたがここで一気にトップ20落ち(23位)した。また累計売上で10万割れになっているシングルは現時点で今作が最後となる(当初は「イエローマン」などもう少しあったが05年リマスター再発の加算集計で他は全部10万越えを達成)。

EMANON

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦管編曲:八木正生
アダルトコンテンポラリー、AORに接近したような渋めのラブソング。メロディーラインはジャズのアドリブセッションみたいな雰囲気があるし、全体にソウルとかR&Bっぽい感じもある。アルバム同時発売とはいえチャコ以降のシングルで明らかにいきなり超絶地味なので売れなかったのは納得だが、シングルとして考えなければなかなか聞き心地のいい楽曲である。以前は単なる地味曲だと思っていたが、年月を重ねてみるとけっこう隠れ名曲なんじゃないかと思うようになった。

一方でタイトルに関しては謎が多く、NO NAMEを逆にした言葉遊びだとは言われているが、曲中に当然出てこないし、NO NAMEに行き着くような要素も全く見当たらず、本人から由来が語られていないため、結局何故このタイトルなのかは分からないまま。
★★★☆☆
6thアルバム『綺麗
2ndバラードベスト『BALLADE2 ’83~’86
限定ベスト『すいか
限定ベスト『HAPPY!

C/W ALLSTARS’JUNGO

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
アフリカンでジャングルなリズムを取り入れたワールドミュージック色の強い異色曲。色々な曲に挑んできたサザンではあるがここに来てまた斬新な方向に振り切ってきたような印象。正直メロディーや歌詞はほとんど印象に残らないが、明らかにサウンド重視、リズムが強調されているのでこのドコドコに身を委ねよ!といった趣き。アルバムではその点をより強調するかのように短いインストナンバー(「ALLSTARS’ JUNGO(Instrumental)」)としても収録されている。
★★★☆☆
6thアルバム『綺麗
6thアルバム『綺麗』(Instrumental)

From 6thアルバム『綺麗』

綺麗(リマスタリング盤)
83年7月5日
80年代テクノロジー(打ち込み)を導入し始めた頃の1作。これまで以上に多種多様な楽曲が並んでいる。同時発売のシングル『EMANON』と表記以外のジャケットが同じだったため、当時間違われて買われる事が多かったとも言われている。ビクター内にサザン専門レーベルタイシタレーベルが設立されたのも今作から。

そんなヒロシに騙されて

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
原由子ボーカル曲。8月には高田みづえ、ジューシィ・フルーツが同時発売でカバーシングルを発表(高田みづえ版はトップ10入りした)。リズムの響きが80’sっぽい機械的な感じになってきている点が以前とは異なるが、昭和歌謡度の非常に高い楽曲。原由子の声には歌謡曲が似合うのだろうか。主人公を騙した“ヒロシ”とは松田弘から拝借しているが、松田弘が小粋なリードで原由子を誘ったわけではなく、名前を借りただけである。

「鎌倉物語」と並んで『海のYeah!!』に選曲されているため、個人的に2,3番目に聞いたサザンにおける原由子ボーカル2曲のうちの1曲でもある(初聞きは『Young Love』発売当時に「恋の歌を唄いましょう」、原由子のソロでは『海のYeah!!』の1年前の97年の香取慎吾&原由子「みんないい子」やソロシングル「涙の天使に微笑みを」のヒットで耳にしていた他、原由子の作詞作曲した曲はやはり同じ97年に広末涼子へ提供した「風のプリズム」で聞いていた)。
★★★☆☆
6thアルバム『綺麗
限定ベスト『すいか
ベスト『海のYeah!!
原由子2ndベスト『ハラッド

旅姿六人衆

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
ツアーに出ているメンバー6人をそのまま歌にしたバラードナンバー。80’sテクノロジー色が強いアルバムの最後にして余計なテクノロジーを入れないバンドサウンドで勝負しているのが逆に耳に残る。間奏で派手にギターソロがあるところなど「Ya Ya」に近い作りになっているが、今作の方が終盤でのラララ合唱やバンドサウンドの盛り上がりが熱い仕上がり。”華やかな者の影で今Mr.Suizuらがいてくれたら今日も大丈夫”というフレーズが出てくるが華やかな者はステージに立つメンバー達で、Mr.Suizuとはステージ監督の水津雄二を指しており、影でライブを支えてくれるスタッフへの感謝も歌っている。

人気バラードの1つだが、大森が脱退してサザンが六人衆では無くなったためライブで演奏されなくなり封印されたと言われている。実際には発売当時83年のツアーを除くと93年のツアーと98年の20周年ライブくらいでしか演奏してないらしく、大森在籍時はあと99年のツアーや00年の茅ヶ崎ライブがあるが演奏しなかった模様。そんなわけで封印されたというより元々ライブで演奏されることの方が珍しい曲だったようだ。

また2008年に無期限の休止を発表しての30周年ライブの際にはTV放送されたドキュメント内で演奏候補曲が壁に並んでいる中にこの曲が入っていたという(実際にこの部分のキャプチャを証拠として上げているファンがいる)。実際の30周年ライブでは演奏されなかったのでやっぱり演奏されていない事に変わりはないのだが、そもそも大森脱退後に封印になっているなら候補曲としてすら取り上げられないはずなので、候補曲になるくらいのポジションではあるが元々演奏頻度も低く結局候補落ちしてしまって結果的に20年演奏されていないというのが正しいところなのかも。

大森脱退後のリードギターはずっとサポートメンバーである、といっても桑田ソロでもリードギタリストである斎藤誠は最早在籍時後半の大森よりも関わりが深いギタリストになっており、BETTER DAYSの後輩でもあり、学生時代からの仲間の1人といえる。五人衆にしないでも、斎藤誠を含めての六人衆としても状況的には不自然ではない。正式メンバーではないため気持ちの問題はあるが…。

また08年の無期限休止時には今回はマジの休止っぽいので復活には時間がかかりそうだし、万が一復活する際は大森復活、6人復活とかあるんじゃないかとも思っていたので、40周年くらいでサザンが復活して還暦を越えたメンバーが20年ぶりくらいに「旅姿六人衆」を演奏するなんていう感動的な場面が生まれるんじゃないかなんてちょっと期待していた。

果たしてライブで歌われる日は来るのか。その時、五人衆なのか、+斎藤誠の六人衆なのか、1度だけでも大森が共演しての六人衆があるのか…。脱退以降の大森は問題行動が多かったり、SNSで現ファンを煽るようなマネをして最早大森を知らない若い世代を中心に反感を買いまくりな状況らしいので最近は正直もう無いんじゃないかっていう思いが9割くらいになってきているけど、それでも1度見てみたいんだ…。

※2019年ツアーではアンコールラストで久々に演奏された。
★★★★☆
6thアルバム『綺麗
2ndバラードベスト『BALLADE2 ’83~’86

19th 東京シャッフル

東京シャッフル
83年11月5日
アルバム同時発売だった前作での失速が回復せずに23位と低迷。しかし何故かこの曲で3度目の紅白出演を果たし、メンバー全員演奏せずにミュージカル風の演出を行ったという。結果的に特別枠以外での正式な出場者として紅白最後の出演となっているが、前年色々あった上にそもそも売れなかったこの曲で何故出れたのかは謎が残る。売上が10万枚を突破したのは紅白効果によるロングヒットが効いた模様。

東京シャッフル

作詞作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:八木正生
シャッフルリズムのビッグバンド風ジャズナンバー。歌われている東京はアラ戦(アラウンド戦時中)というか昭和初期頃のようで、最早レトロすぎて不思議な時代感を味わえる。ノリ自体は非常にいいのでさらっと聞ける上にインパクトもある。83年のシングルの中では最も好印象で、この数年間の中でもなかなか面白い楽曲だったと思う。
★★★★☆
限定ベスト『すいか

C/W Still I Love You

作詞作曲:大森隆志、編曲:サザンオールスターズ
大森隆志ボーカル曲。何故かレゲエ調のナンバーとなっており、陽気なノリ。ギタリストらしくギターサウンドも効いているがレゲエのノリの前では抑えめになっており、せっかくのソロの機会なのでもう少しギターを生かした曲が聞きたかった。何故にレゲエ…?
★★★☆☆
限定ベスト『すいか

コメント

タイトルとURLをコピーしました