ステレオポニー 10周年シングル回顧~2008-2012~

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ステレオポニー 10周年シングル回顧~2008-2012~

AIMI(Vocal,Guitar)、NOHANA(Bass)、SHIHO(Drums)の3人で沖縄で結成されたいわゆる”ガールズバンド”ステレオポニー。08年のデビュー当時の年齢は18、19歳。また08年10月にSCANDALがEpicからデビュー、11月にステレオポニーがソニーからデビューしたため、この2組はほぼメジャーデビューが同期で同世代でもあった。SCANDALは楽器経験も浅かったこともあり当時はまだ自作ができず、実力勝負ではなく制服を武器にした提供楽曲で派手にアピール(その間に演奏力や自作能力を磨き続けて現在は自作へ移行している)したのに対して、ステレオポニーはAIMIがほぼ作詞作曲を一手に手掛けた完全自作のバンドとしてあまりビジュアル面を強く打ち出さずに硬派なロックバンドとしてアニメタイアップで中心で認知度向上を図るようなプロモーションを展開した。

結果として先にトップ3ヒットを放ったのはステレオポニーだったが、大きなヒットを出さずにうまく成長を遂げていったSCANDALはライブ規模をどんどん拡大しいつしかガールズバンドの代表を自称するような存在となった。対してステレオポニーはソニーアニメ典型パターン(アニメタイアップで売れるが自力人気がつかずやがてアニメタイアップも息切れ状態になってどんどんシュリンクしていく)に陥ってしまった。

その気になればボーカルAIMIのキュートなルックスや歌声を強く打ち出す事も出来たはずだが、そういう売り方はしたくなかったのか良くも悪くも強い”売り”をアピールせず、しかも最初期のイメージでは若さすら売りにせずに硬派・真面目なイメージ(プロデューサーの影響でYUIのフォロワー的な要素も初期はあった)で定着してしまったため、どうしても地味な印象を持たれがちだったところはあり、どうしても派手さで差がついてしまったのは否めない。また結果的にJ-POP好きとロック好きの両方を取り逃がして立ち位置が中途半端になってしまっていたところもあると思う。

やや遅れて青春感やさわやかな色を見せたり、活動後半はもっとはじけようと試行錯誤しつつもロックバンドしての逞しさは格段に増していただけに早すぎる解散が悔やまれるところだが、気が付けばデビューから10年。改めてそのシングルを振り返ってみる。

2018.11執筆

1st ヒトヒラのハナビラ

ヒトヒラのハナビラ
08年11月5日
アニメタイアップでのデビュー作で初登場25位で1.1万枚。1ヵ月前のSCANDALが26位で1.2万枚だったのでスタートは同世代のガールズバンドとしてほぼ同じような規模でのスタートとなった。

今作のみ作詞作曲表記が異なっており、シングル盤歌詞カードにおいては作詞作曲はAIMI&ステレオポニー、編曲はステレオポニー&R’dh+で一括表記されている。C/W2曲は以降アルバム収録機会が無かったのでそのままだが、し「ヒトヒラのハナビラ」に関しては1stアルバム、ベスト盤共に作詞作曲はAIMI単独、編曲もステレオポニー単独で表記されている。

ヒトヒラのハナビラ

作詞作曲:AIMI&ステレオポニー、編曲:ステレオポニー&R’dh+(シングル盤表記)
作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー(アルバム表記)

アニメ『BLEACH』ED。硬派かつ淡々としたシンプルなロックナンバー。一定以上のクールさを押し出しつつも適度な熱さを兼ね備えているがあまり10代らしくはなく、若さを打ち出していこうという感じも特にない。このため佇まいが地味といえば地味ではあるが、無理やりアイドルバンドっぽく売り出されるのもキツいだろうし、割と本人たちの意向に沿っていたらこうなったのか、プロデューサー近藤ひさしの意向で当時手掛けていたYUIのフォロワーバンドっぽく売り出してYUIファンの流れを狙っていこうとしたのか、たぶん後者だったと思う。

なんだかんだステレオポニーというバンドのイメージを決定づけたデビュー作にして、外向けでも名刺代わりのポジションでライブで披露される機会も多かったようなので代表曲の1つになっていると思う。ステレオポニーは2011年末のZONE/SCANDALとの合同ライブで実は1度だけ生で演奏を見ているんだけど、その時も今作はキラーチューン扱いだった。
★★★★☆
1stアルバム『ハイド.ランジアが咲いている
ベスト『BEST of STEREOPONY

C/W ニャーミィ

作詞作曲:AIMI&ステレオポニー、編曲:ステレオポニー&R’dh+
タイトル通りにややかわいらしい雰囲気のラブソング。手痛い失恋ソングにして硬派な雰囲気だったA面とは真逆の少しかわいい1曲。一応猫の鳴き声的なものではなく歌詞中ではnear Meとなっている。ただこのnear Meをサビ終りで2連呼するので、普通にニャーミィニャーミィ連呼してるようにしか聞こえない。とはいえそこまでぶりっ子するつもりはないとばかりに、キュート方面に振り切るつもりもない感じのニャーミィニャーミィというさじ加減がステレオポニーらしい。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W 勇敢なファニーフレンズ

作詞作曲:AIMI&ステレオポニー、編曲:ステレオポニー&R’dh+
ストレートに爽快なアップナンバー。希望を感じさせる前向きな楽曲で、歌詞中では”校舎の裏側”など学校を舞台にしたものとなっていて10代のバンドらしい瑞々しさが出ている。この色をもっと前面に出していけばよかったのに、表題では硬派なイメージをアルバムまで一切緩めなかったのはまあ明らかに近藤プロデューサーの戦略だったと思うんだけど果たしてそれが正解だったのかどうか…。
★★★☆☆
アルバム未収録

2nd 泪のムコウ

泪のムコウ 泪のムコウ(期間生産限定)
09年2月11日
ガンダムタイアップ効果でいきなり2位を獲得した最大ヒット作。大型のアニメタイアップはそれだけしかヒットせずに1発アニメヒットのイメージがついてしまう危険性もはらんでいたが…まあなんていうか…高橋瞳と同じパターンになってしまった感じ(この後もう1回アニメでトップ10ヒットの計2回トップ10入り、アルバム3枚のうち最初の1枚がトップ10入りという流れが綺麗に一致)。SCANDALよりもいち早くブレイクしたかに見えたがタイアップ効果だけでここでファンを掴めなかったのがじわじわと人気格差に繋がっていった。

アニメ盤(期間生産限定盤)はC/WにTVサイズの「泪のムコウ~Opening Edition~」を追加収録している(アニメタイアップの際は必ずデジパック仕様のアニメ盤が用意され、TVサイズの音源が追加収録されるソニーパターン)。

泪のムコウ

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&northa+
アニメ『機動戦士ガンダム00-2nd Season-』OP。前作に続いて…といった感じで正直今作だけ何か格が違うとか明らかにヒット曲っぽいとかそういうこともない。ほぼ同じような佇まいのクールだけど熱さもあるシンプルなロックナンバー。哀しみを乗り越えていけという力強い曲だが、全体のトーンはそんなに明るくなく、前作のイメージを堅持。BLEACHもガンダムもアニメを見ていなかったので、正直これだけそんな飛び抜けた曲にも思えなかったが、もうガンダムだったから売れたって事だったんだろうなぁ…。
★★★☆☆
1stアルバム『ハイド.ランジアが咲いている
ベスト『BEST of STEREOPONY

C/W ステレオポニーの旅は続く

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&R’dh+
なんといきなりバンド名をタイトルに持ってきたバンドのテーマ曲(?)的な1曲。ソニーでも「Whiteberryの小さな大冒険」以来のような…。歌詞中ではさすがにバンド名は出していないが、ここから全国へ自分たちの音楽を届けに行くという決意が詰まっていてた始まりを感じさせる。例によってC/Wでは表題曲にはない多少の明るさが漂っていてこっちの方が等身大っぽい。ていうか普通だったらA面でやるような売れ線装飾的なシンセで少し明るく味付けするみたいな事もこっちでやっているので本当にA面だけ硬派に徹底してるなぁ…と。

解散時のベスト盤では時系列収録の後に今作、そして1stアルバムラストの「青空Very good days!!」を持ってきてラスト2曲を明るい終わりにしようとする演出が取られているが、ロックバンドとして進化した「stand by me」の後で今作はギャップがありすぎた。
★★★☆☆
ベスト『BEST of STEREOPONY

C/W ヒトヒラのハナビラ~AIMI Acoustic Version~

作詞作曲:AIMI、編曲:AIMI&Cruz.7th
わざわざAIMI Acoustic Versionとして編曲もAIMI単独なのでAIMIソロ曲で他のメンバー2人は不参加と思われる。前作のアコースティックバージョンで、アコースティックギター+アレンジャーの簡易な打ち込みというシンプルな編成。このためバンドアレンジをする前にAIMIが持ってきた弾き語りデモバージョンみたいな感じに聞くこともできる。

ただこの前作のアコースティックバージョンをC/Wに入れるというのはYUIがやっていた手法そのまま。近藤プロデューサー、完全にYUIの成功事例をそのままステレオポニーに持ち込んでいたっぽい。しかし一応こっちはバンドなんだから3人でアコースティックバージョンとしてアレンジするとかでも良かったのでは。
★★★☆☆
アルバム未収録

3rd I do it

I do it(初回生産限定盤)(DVD付) I do it
09年4月22日
3作目にしてアニメタイアップではなく、YUI初の提供曲として話題になった。当初からYUIっぽいと思われていたところにそのまま御本人登板という逆に離れ業であった。

I do it

作詞:AIMI、作曲:YUI、編曲:ステレオポニー&northa+
元々AIMIがYUIを尊敬していたとされる事、プロデューサーである近藤ひさしがYUIも担当していたという縁があったため、当時一時的に休業中だったYUIがメンバーの地元沖縄をプライベートで訪れている際にスタジオも訪問して意気投合してセッションした事で生まれた曲とされている。

前2作でなんとな~く感じていたステレオポニーってどこかYUIのフォロワーバンドっぽくない?というほのかな予感が確信に変わるような1曲。ああこれはYUIだというような楽曲で作詞はAIMIなんだけど、YUIに引っ張られたのか歌詞までなんだかYUIっぽい。それはいわゆる笑顔なしでどこか大人に反抗心があるような、ひたすらがむしゃらに夢だけ追いかけているような…そんな初期YUIを貫いていた太い芯みたいなものが今作には色濃く出ていると思う。後にYUIがセルフカバーしたらもうYUIでしかなかったし。

ただYUI提供の話題性もトップ10には届かず…。あまりにもYUI過ぎた…というかイメージが決定づいてしまったのは良くなかったような気がしてならない。そのYUI本人でさえイメージが窮屈になったのかYUIの活動を後に辞めてしまうくらいだったので大人がイメージを作りこみすぎると良くないことも多いのかも。

ここまで3シングル全て笑顔皆無だったが、続く1stアルバムのリード曲「青春に、その涙が必要だ!」では高校生たちが出てくる学校全開・青空全開・笑顔全開の青春真っ只中みたいな曲に仕上がっており、シングルと真逆のノリはちょっとギャップがありすぎた。
★★★☆☆
1stアルバム『ハイド.ランジアが咲いている
ベスト『BEST of STEREOPONY

C/W シグナルが青に変わるとき

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&Cruz.7th
前2作ではC/Wで等身大っぽい明るい面を見せていたが今回は男女の別れの瞬間を切り取った失恋ソング。アコースティック色の強い抑えめのサウンドになっていて新たな一面は見せているが、YUIっぽさはむしろ増している気がしなくもない。
★★★☆☆

C/W 泪のムコウ~AIMI Acoustic Version~

作詞作曲:AIMI、編曲:AIMI&northa+
2作連続となる前作のアコースティックバージョン。アレンジャーは変わったが今回もシンプルな弾き語り+簡易打ち込みのソロ仕様。これは恒例化するかと思われたが次の1stアルバムを持ってプロデューサー交代となったため、これっきりとなった(アコースティックバージョン制作は以降1度だけ行っているがちゃんと3人でやっている(後述))。この事からもこのアコースティックを入れるという企画は近藤ひさしプロデューサーの意向がかなり強かったものと思われる。
★★★☆☆
アルバム未収録

4th スマイライフ

スマイライフ(初回生産限定盤)(DVD付) スマイライフ
09年8月19日
1stアルバムを経て路線を変更。というかプロデュースを近藤ひさしから、大塚愛の共同アレンジャーとして活躍していたIKOMAN率いるクリエイター会社BONDへとチェンジ。BONDというのは人物名なのか会社名(プロジェクト名)なのか不明だが、会社としてのBONDには数名の記号のような名前のクリエイターが所属していたようだ。現在はBOND自体が無くなっているようで詳細は良く分からない。BOND×○○というアレンジャー表記が中心となっていたが、BONDというのが社長であるIKOMANを指すのか、“BOND所属の○○”という意味合いなのかも不明。後者っぽくもあったが、一部BOND単独のクレジットもあったりする…。

スマイライフ

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
アニメ映画『劇場版 ヤッターマン 新ヤッターメカ大集合! オモチャの国で大決戦だコロン!』主題歌。プロデューサー変更の効果がいきなり分かりやすいくらいガツンと出ていて、まず曲が明るい。意図的に抑えていたようなクールなトーンが排されて、今作からはワクワクするような若きバンドの躍動感が前面に出ているように思う。
実際バンド演奏もこじんまりしていたのが一気にダイナミックになった。1stアルバムでは突然青春な装いも見せていたが、どこかYUIフォロワーイメージを覆しきれなかったところもあったので、ほとんど期待せずに聞いたらまるで別のバンドのようにイキイキとしているし、今作には本当に驚いた。これまでリスナーと一体となって盛り上がるような曲が無かったと思うんだけど今作はまさにみんな笑顔で盛り上がれるような1曲だと思う。同時に前のプロデューサー正直合ってなかったんだな…とも思ってしまったが、今作以降を聞いてYUIっぽいと思うところとか微塵も無くなった。

そしてこんな明るい曲なのにジャケットが今までと全く変わらない睨み付け系っていうのは一体…。曲と全く合ってなさすぎ。
★★★★★
2ndアルバム『OVER THE BORDER
ベスト『BEST of STEREOPONY

C/W Cupido

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
夏よ終わらないで系の爽やかなラブソング。C/Wに関しては最初から比較的明るい曲をやっていたのであまり大きく変わった感じはしないがそれでもやはりバンド感は増したように感じるし、A面との方向性のギャップも無くなったと思う。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W 流れ星

作詞:SHIHO、作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
等身大の若者の抱えている自問自答でもがいている系のミディアムロック。初めてAIMI以外のメンバーが作詞を担当した楽曲で、今作以降時々メンバー2人も作詞を担当するようになった。

しかしこの曲、地味に謎なのがそのタイトル。基本的に自問自答しているばかりで、特に流れ星が出てこない。冒頭では雨降ってる(流れ星どころか星が見えねぇ…)、2番で“膝をかかえて泣いてた夜は 空を見上げて星を探した”という1フレーズのみが唯一夜空を示唆している部分だが別に流れ星ではないし、そもそも探しただけで星も発見できてない。終いには最後のサビの締めは”いつか大きなになれ”、最後のフレーズは”どこまでも続く 歩いていこう”と完全に地上全開であり、流れ星も空も全く関係ない視点で終わってしまう。これで何故タイトルを「流れ星」にしたのか、世の流れ星、シューティングスター系のタイトルでここまで流れ星が関係ないのも珍しい。
★★★☆☆
アルバム未収録

5th ツキアカリのミチシルベ

ツキアカリのミチシルベ(初回生産限定盤)(DVD付) ツキアカリのミチシルベ ツキアカリのミチシルベ(アニメ盤)(期間生産限定盤)
09年11月4日
アニメタイアップ効果が強かったらしく、2nd以来2度目となるトップ10入り(8位)を果たした久々のヒットシングル。結果的にこれが最後のヒットとなってしまった。期間生産限定盤(アニメ盤)はアニメのOAサイズである「ツキアカリのミチシルベ~Opening Edition~」を追加収録。

ツキアカリのミチシルベ

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
アニメ『DARKER THAN BLACK-流星の双子-』OP。前作でダイナミックさを増したサウンドに初期のシリアスイメージを融合させたような自問自答系ロックナンバー。クールな方向の楽曲をやってもアレンジャーが違うだけで随分変わった。答えの出ない日々の中での苦悩を描いた歌詞もこの世代中心に広い共感を呼びそうだ。09年当時、個人的には完全な活動停止状態で答えが出ないどころではない暗黒の中にいたので正直このような自問自答は辛すぎるものがあったので、改めて好きな曲になったのはもう少し後になってからだったが…。AIMIのソングライティングの向上も重なり、初期イメージの延長の楽曲としても今作が最高峰に達したと思う。
★★★★☆
2ndアルバム『OVER THE BORDER
ベスト『BEST of STEREOPONY

C/W 橙色

作詞:SHIHO、作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
秋の夕焼け空の風景を描いた爽やかだけどちょっぴり切ないポップロックナンバー。前作に続いてSHIHOが2度目の作詞を担当しているが、今回は「流れ星」のように全く出てこないわけではないが、やはり直接「橙色」という言葉は曲中に登場しない(「橙」も出てこない)。夕方であることが示唆されているのみ。タイトルを曲中に出さないというこだわりがあったのだろうか。とりあえず1年前に同じ編成の3人組女性バンドチャットモンチー先輩が出したシングルとタイトル丸被りは回避したんだと思
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W fuzz

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
通常よりも歪んだロックサウンドが激しく炸裂するロックナンバー。明確なサビも無く歌も2ブロックあるだけで2分ちょいで駆け抜ける。2ブロック間の間奏では3人がそれぞれの演奏をぶつけ合うなど、いつになく3人組ロックバンドとしてのステレオポニーのバンド魂が垣間見える1曲。これは1stアルバムまでだと想像すらできないくらいのロックっぷり。
★★★☆☆
アルバム未収録

6th はんぶんこ

はんぶんこ(初回生産限定盤)(DVD付) はんぶんこ
10年2月17日
初のカバー曲を表題にしたシングル。ジャケットの方向性が今作で変わり、何故か今度はイラストジャケットになってしまった。この辺りから本格的に低迷し始め、トップ20クラスに留まれなくなってきて同期のSCANDALとの差もどんどん開いていってしまった…。

はんぶんこ

作詞作曲:堤晋一、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
かつてソニーに所属していた事もあり、09年に解散したばかりだったBivattcheeのインディーズ時代(02年)のシングルのカバーシングル。何故突如カバーになってしまったのか謎だが、そういえばSCANDALもこの1年前にメインのリスナー層が原曲どころか原曲歌唱者すら知らないような曲の改変カバーをやっていた(ほぼ黒歴史化状態でベスト盤には絶対に選出されないライブでもやらない不人気曲になってしまったが…)

カバー曲という事で普段とは少し作風が異なり、あまり見せてこなかったようなライブ感のある直球アッパーなノリ。より若手バンドらしいバンドサウンドの勢いとか熱さ・がむしゃらさみたいなものが全面的に出ている。バンドとしての熱さを前プロデューサー体制下ではあまり出せなかったのでここで改めて提示したかった…とすればこのタイミングでこのカバーというのはありだったかもしれない。今まで以上の熱さは確かにカバーを通じて発揮できていると思う。
★★★★☆
2ndアルバム『OVER THE BORDER
ベスト『BEST of STEREOPONY

C/W Cherry my…

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
卒業シーズンに合わせた桜と別れを歌ったちょっぴり切ない春歌。季節柄、自作ならそのまま今作を表題にするつもりだったかは分からないがいつものC/Wよりもサビはインパクトがあると思う。
★★★☆☆
2ndアルバム『OVER THE BORDER

C/W Dreamin’

作詞:NOHANA、作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
前2作でのSHIHOに続いてNOHANAの初作詞ナンバー。タイトル通りに夢や明日を信じていこうという前向きで爽やかなロックナンバー。希望に満ちた春に向けてもハマっていた1曲だったと思う。
★★★☆☆
アルバム未収録

7th OVER DRIVE

OVER DRIVE(初回生産限定盤)(DVD付) OVER DRIVE
10年5月12日
同時期にGARNET CROWが「Over Drive」をコナン主題歌でヒットさせていたのでタイトル被り(今作は全部大文字)してしまっており、当時シングルをまとめていたCD-Rでは1枚の中に「Over Drive」と「OVER DRIVE」が一緒に録音されているという個人的な思い出。たぶんGARNET CROWの方がヒットしたのでこちらは出てたの知らない人も多いかも(今作28位だったし…)。

OVER DRIVE

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×L!th!um
深夜ドラマ『プロゴルファー花』主題歌。青空を感じる爽快なロックナンバー。過去最高の爽やかさを!とばかりにキラキラしたシンセで味付けを試みたり、爽やかに徹した歌詞やメロディーといい、とにかくとびきりの爽やかさだ。まあこのタイトルであんまり爽やかじゃない曲というのも珍しい気がするが「OVER DRIVE」ってやっぱりこうじゃなくてはとも思う。たださすがに爽やかさを出そうとちょっと無理したような感じもしなくもない。
★★★☆☆
2ndアルバム『OVER THE BORDER
ベスト『BEST of STEREOPONY

C/W ユメ

作詞:SHIHO、作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
どっしりとしたロックナンバー。夢を彷徨った孤独を抱える僕の心情をつづった内省的な1曲。爽やかすぎるほど爽やかった表題曲の反動だったのか、闇だなぁ…。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W 虹橋

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
前作「はんぶんこ」での成果を発揮したかのようなガツンとしたギターロックナンバー。加速しまくりなアッパーなサビ頭が”ゆっくりと歩くのもいい”、”ゆっくりと選ぶのもいい”などと音と真逆な事を歌っているのが地味に面白い。この曲を聞いてもよしゆっくり進もうとは思えず、テンション上げまくりでウオオオオ!と勢いで突き進むような気分にしかならない。
★★★☆☆
アルバム未収録

8th 小さな魔法

小さな魔法(初回生産限定盤)(DVD付) 小さな魔法 小さな魔法(テガミバチ盤)
10年12月8日
本格的にアニメタイアップでも伸ばせない→効果の高いアニメが回ってこなくなる→更に低迷…という地獄ループによるソニーアニメ典型パターンへ突入していってしまった。アニメ盤には例によって「小さな魔法-Opening Edition-」追加収録。

小さな魔法

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×R_MEN_SOUL
アニメ『テガミバチ REVERSE』OP。郵便配達をテーマにしたアニメだったのに合わせてか、今作も離れた大切な人へ思いを届ける事がテーマになっている。直接”手紙”という言葉を出さずに手紙を表現しようとしているところがタイアップ職人的でもあり、1つの楽曲としても優れたところだと思う。ただ単純にインパクトが弱くなってきたような感じも。いい曲なんだけどもう1つ足りないというか、良さを感じるのにやや時間がかかった、じわじわ響いてくる1曲。
★★★★☆
3rdアルバム『More! More!! More!!!
ベスト『BEST of STEREOPONY

C/W Everything OK!!!

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
サビではスマイルスマイル連呼する前向きさ120%な直球のアップナンバー。これまた安定の1曲といった印象だが人気が高いのか、他よりも代表ポジなのかベスト盤に収録された。
★★★☆☆
ベスト『BEST of STEREOPONY

C/W It’s a wild world

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×BOND×R_MEN_SOUL
初の全英語詞。ひたすらロックサウンドで押しまくるロックナンバー。安定の印象が強い今作の中では攻めた1曲だとは思う。
★★★☆☆
アルバム未収録

9th たとえば唄えなくなったら
/ステレオポニー×かりゆし58

たとえば唄えなくなったら(初回生産限定盤)(DVD付) たとえば唄えなくなったら
11年8月10日
かりゆし58とのコラボシングル。実際にはかりゆし58からはボーカルの前川真悟、ギターの新屋行裕の2人のみの参加。ドラムとギターはこれ以上は楽器が被るため不要という判断になったのかドラムの中村洋貴、ギターの宮平直樹は参加していない。またコラボは1曲目のみでC/Wはステレオポニー単独の楽曲となっている。そしてカラオケバージョンはお互いの声のみを残したAIMI Duet Ver,前川真悟 Duet Verと両方の声を抜いたInstrumentalの3バージョンが収録されている。

たとえば唄えなくなったら/ステレオポニー×かりゆし58

作詞作曲:前川真悟、編曲:ステレオポニー&BOND×PRISM147
サビをAIMIメインの前川ハモり、平メロを前川がメイン歌唱するデュエットナンバー。沖縄色はさほど出ていないが、比較的リラックスした曲調は沖縄出身なのに全く沖縄色を出してこなかったステレオポニーとしてはこれでもだいぶ珍しい。メロディーはかりゆし58らしい割とゆったりしていたものだが、ステレオポニー側で施したアレンジがなかなか曲者。特にサビになるとかなりアッパーで忙しないロックナンバーとなり、割とゆったりした感じのメロディーとのギャップがかなり強烈。しかしこれぞコラボレーションといえるような面白さが出ていると思う。

ステレオポニー解散後の2013年にかりゆし58のシングル『恋の矢』C/Wとしてかりゆし58単独のセルフカバーバージョンが新たに制作されている。かりゆし58のセルフカバー版では、加速するようなアレンジは施さずに全体にゆったりした雰囲気。個人的にはどこか物足りなさもあった。
★★★★☆
3rdアルバム『More! More!! More!!!
ベスト『BEST of STEREOPONY

C/W SHOOTING STAR

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
以前「流れ星」という星が全然出てこない曲があったが、今回は空や星をテーマにしたちゃんとシューティングスターしている感じのラブソング。ここまでくるともう王道的なステレオポニーらしい感じで安定しているようにも聞こえる。この安定感を打破したかったのか、来る3rdアルバム『More! More!! More!!!』はタイトルに表れているようにもっともっととばかりに新たな地平を切り開こうとしたアルバムになった。
★★★☆☆
アルバム未収録

10th ありがとう

ありがとう(初回生産限定盤A)(DVD付) ありがとう(初回生産限定盤B)(DVD付) ありがとう
11年9月28日
これまでアニメタイアップの際にアニメ盤が存在することはあったが、今回はDVD付2種の実質初の複数商法を導入。しかしDVDの内容は初回Aが映画バージョンのMV、初回BがステレオポニーのMV、そして何故かジャケットが逆になっていてジャケットではAがステレオポニー、Bが主演の阿部寛単独カットという謎の分け方がされていた。

ありがとう

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND
映画『天国からのエール』主題歌。沖縄県の無料の音楽スタジオ「あじさい音楽村」の設立に尽力して2009年に亡くなった仲宗根陽氏の実話を基にした映画で、ステレオポニーもまた「あじさい音楽村」出身のバンドだったため起用されたという最も縁の深いタイアップ。この縁の深さが強く出すぎたためか、私的な感謝の思いは強く感じるものの、曲自体はかなりフツーなバラードナンバー。当時J-POPを支配していたいわゆるストバラ的なこってり感は無く、そもそも既にストリングス呼ぶ予算が無かったのか演奏クレジットはメンバーのみなので何となく鳴っているストリングス風の音は打ち込みと思われる。このため抑えたバンドサウンド+ストリングス風シンセによるコンパクトなサウンドはステレオポニーの中ではそれなり大きなスケール感ではあったが、当時のJ-POPの中ではけっこうさっぱりしたサウンドのバラードだったと思う。
★★★☆☆
3rdアルバム『More! More!! More!!!
ベスト『BEST of STEREOPONY

C/W ツキアカリのミチシルベ-Acoustic Ver-

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND×mw
近藤プロデューサー下における2nd、3rd以来となる過去シングルのアコースティックバージョン。特に「ありがとう」のC/Wとして収録するような繋がりはあまり感じられないし、単に3rdアルバムに向けてタイアップがあったのでシングルを切る事になったが曲が無かったのか、無理にアルバムから収録してもアルバムの新曲減るしということだったのかは不明。

今作はバンド名義でのセルフカバーとなっていて、アコースティックギター、ベース、ドラムによるアコースティックなバンドスタイルでの演奏になっているのでAIMIのソロ+アレンジャー簡易打ち込みだった前2作と異なる。ライブでアコースティックコーナーとか導入してやるようなそんな感じのアレンジ。改めて曲が良かったなと思う。
★★★★☆
アルバム未収録

ありがとう-映画 Ver-

実際に映画『天国からのエール』主題歌として使用されたサイズ、という事だと思われ、1コーラスでそのまま大サビに突入していく構成。
★★★☆☆
アルバム未収録

11th stand by me

stand by me(初回生産限定盤)(DVD付) stand by me stand by me(アニメ盤)
12年5月30日
3rdアルバムでは新たなアレンジャー陣を複数起用して違う地平を切り開こうとしていたが、結果的にアルバム明けの今作が単独最終シングルとなった。例によってアニメ盤には「stand by me –アニメVer-」を追加収録。

stand by me

作詞作曲:AIMI、編曲:ステレオポニー&BOND
アニメ『エウレカセブンAO』ED。シングルだと連続だがアルバムでは違うアレンジャーを複数起用していたので、再びBONDに戻ったという形。方向性を拡散させたアルバムに対して今作はロックバンドとしてドストレートに直球勝負といった趣き。シングル表題曲で今まで意識していたようなキャッチーさや爽やかさも排して、初期の笑顔皆無のシリアスさと経験を積んで逞しさを増したバンドサウンドで攻めているのでストレートにカッコいい。メロディーのインパクトはあまり強くは無いが、今作はロックバンドとしてのカッコよさが魅力。また結果的に今作がステレオポニーの作詞作曲を一手に手掛けていたAIMIがステレオポニーとして発表した最終曲でもある。このままロックバンド方面で深化させていたら…という可能性も垣間見えるだけにこれが最後なのが惜しい。
★★★☆☆
ベスト『BEST of STEREOPONY

作詞:serial TV drama、作曲:新井弘毅、編曲:serial TV drama
3rdアルバムにも参加していたserial TV dramaが前年のアルバム『パワースポット』で発表していた曲のカバー。プロデュースはそのまま新井弘毅になっていてアレンジもserial TV dramaなので、完全にserial TV dramaの世界観で演奏していると思われる。勢いのあるロックナンバーで、ロックボーカリストしてのAIMIの成長は感じられるが…これ以降でAIMIが制作に関与した曲が無くなってしまったのを考えると、この結果的にバンド末期だったこの時期に何があったのかは気になる。一応喉の不調で夏に一時休止というのはあったが…。
★★★☆☆
アルバム未収録

12th Just rock with me/涙なんて見してやんない
/ EVANPONY/ステレオポニー

Just rock with me(初回生産限定盤)(DVD付) Just rock with me
12年10月24日
アヴリル・ラヴィーンのプロデューサー兼ギターリストのEvan Taubenfeldを招いて新たに結成したバンドEVANPONYによる「Just rock with me」、ステレオポニーとしての「涙なんて見してやんない」というスプリットシングル的な両A面。結果的に最終シングルとなったが、これまでほぼ作詞作曲を一手に手掛けてきたAIMIが一切作詞作曲に関与していない

今作発売のほぼ1ヵ月弱前となる10月2日に解散を発表。今作の発売告知の方が先で当初はEVANPONYを指して新バンド始動というような宣伝がされていたが解散発表により今作がラストシングルとなる事が判明した。また解散理由は結局なんだかハッキリしなかったが、解散前後の頃からNOHANAとSHIHO、さらにサポートギターであったMAOまで揃ってDraft Kingとして活動を開始しており、8月に喉の手術のため一時療養に入ったAIMIだけがそのまま単独離脱したみたいな形だった。

解散に伴うベスト盤には何故か最終シングルである今作は収録されなかったためアルバム収録の機会を逃し、シングルオンリーのまま放置されてしまっている。

Just rock with me/EVANPONY

All Songs Written by Evan Taubenfeld&Stereopony
ギターにEvan Taubenfeldを加えての4人編成、新バンドEVANPONYでの最初で最後の1曲。楽曲は共作扱いになっているが、日本でもヒットしてイメージされるアブリル感(?)溢れる洋楽テイストのロックナンバー。言い換えればJ-POPらしいメロディアスさは無く、カッコいい事はカッコいいがまあステレオポニーのファンにこれ提示してもヒット曲にはどうやってもならないっていう…。解散特需どころか誰だか分からなくなって最低位である68位を記録してしまったというのも仕方なかったと思う。

またEvan Taubenfeldがギターで参加しているというのがウリにされていたはずだが、良く見るとLead Guitar on “just rock with me”Devin Bronsonという謎の一文がクレジットされていた。メンバーとしてEvan TaubenfeldとAIMIにもギター表記はあるが、リードギターは表に出ていないDevin Bronsonという人物が担当しているという事がこっそり記載されているわけで、それはちょっと待ってくれどういうことだ…。
★★★☆☆
アルバム未収録

涙なんて見してやんない/ステレオポニー

Songwriters:野村陽一郎/NOHANA/TBD
こちらはステレオポニー名義ではあるが何故かこれまで一手に作曲を手掛けてきたAIMIが一切不参加でNOHANAと外部2名による共作名義でしかもクレジットはSongwritersという新表記。最後の最後で突如AIMIが曲を書かないなんて一体ステレオポニー解散に当たって何が起こったのか心配になってくる。作ってる人が違うだけに別名義だった「Just rock with me」はともかくとして今作もあまりステレオポニーの最後の曲っぽくない。ギターとキーボードで外人参加してるし。

一応ストレートなロックナンバーではあるし、AIMIが歌っているのでステレオポニーだとは認識できるんだけど、なんか違うよね…っていう。最後にしてステレオポニーが本当はどういう方向性で行きたかったのか分からなくなってしまった。
★★★☆☆
アルバム未収録

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