PRINCESS PRINCESS シングル回顧~1987-1996~

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PRINCESS PRINCESS シングル回顧~1987-1996~

ガールズバンドの元祖、最も成功したガールズバンドと現在では言われる事が多いPRINCESS PRINCESS。しかしガールズバンドの呼称は文字通りに10代半ばでヒットしたWhiteberryやZONE以降に一般的になっていった言葉で、当時の女性編成のバンドはギャルバンとかレディースバンドなどと呼ばれる事の方が多かったようだ。同時期に活躍したSHOW-YAとはスタイルはかなり違っていたがいずれにしても当時の両者のヴィジュアルを見る限り、「ガールズ」=少女扱いするには少々失礼な感じがする。

出自は自分たちでバンドを組んだのではなく、1983年に一応バンドのオーディションという形で選ばれたメンバー5人だったが、翌1984年の「赤坂小町」としてのデビューはどう見ても聞いてもアイドルであり、バンドというには難しいものがあった。
1985年には事務所を移籍し、「JULIAN MAMA」に改名するも作品リリースには至らず、1986年に「PRINCESS PRINCESS」と再び改名してCBSソニーでデビューした。このデビューはシングルではなく、ミニアルバム『Kissで犯罪』でプロデュースはムーンライダーズの岡田徹が担当。赤坂小町時代からすればしっかりロックバンドの体裁にはなったものの、6曲中自作は1曲だけ「作曲:プリンセスプリンセス」だったのみ。この当時レコードからCDへの過渡期だった事もあったと思われるが、ミニアルバム『Kissで犯罪』は解散するまでCD化されることは無かった

1987年にレコード会社はそのままに再び事務所を移籍。4月に1stシングル「恋はバランス」が発売され、以降は解散までそのままの体制となった。「恋はバランス」こそ提供だったものの、続く1stアルバム『TELEPORTATION』で自作へ移行し、メンバー5人全員がソングライターとして活躍した。

PRINCESS PRINCESSは90年代のミリオンヒット時代が到来する直前の89年にイチ抜けでミリオンヒットを飛ばして全盛期を迎えた。そしてミリオンセラーが当たり前になっていた90年代半ば頃には既に失速してしまっていた。解散した96年は個人的にヒットチャートを見始めた時期だったが、それが96年8月からであり、既にPRINCESS PRINCESSは解散していた。現役時代をリアルタイムで見ることはできなかったが、「世界でいちばん熱い夏」「Diamonds<ダイアモンド>」はどこかで耳にしていつの間にか知っていた。またソロになった奥居香が97年に『めざましテレビ」のテーマ曲「ハッピーマン」を歌っていたのでプリプリのボーカルの人とは知らずに耳に入っていた。この1曲ポッキリしか記憶が無いのでしばらく「ハッピーマン」歌ってた人と一致しなか

解散から10周年を迎えた06年にベスト盤、シングルBOX、アルバムBOX、ライブDVD BOXと立て続けにリリースされ、ここで初めてまともに聞いた。以降『プリプリ・サマソン!』『THE PREMIUM BEST』、12年再結成時の『THE REBIRTH BEST~再会~』と適宜リリースされるベスト盤はリアルタイムで都度聞いてきたが(あれ?フユソン…)、実のところ主要なベスト盤だけでは21作のシングルを聞くことができない。後半がほとんど入らないからだ。かといってオリジナルアルバムだけだと今度はヒットシングルさえ抜けまくる…。

シングルBOXと全曲集がリリースされているのでそれ1発で揃えることは可能だが、BOXモノ以外で21作を辿るにはオリジナルアルバム、特定のベストアルバムを組み合わせて辿る必要がある。シングルを全部聞くだけでもかなりの時間がかかった…。

このたび87年の1stシングルから30周年を記念し、21作のシングルA面のみを取り上げる事にしてみた。

2017.8~9執筆

1st 恋はバランス

87年4月22日
作詞:中山加奈子、作曲:鈴木キサブロー
シングルでは今作のみ作家の提供曲。鈴木キサブローといえば2年前のTUBEのデビュー曲「ベストセラー・サマー」も担当しているが、当時のCBSソニーは自作できる若者でもデビュー曲は大事なので自作で行かせずに鈴木先生に頼めば大丈夫!というジンクスでもあったのだろうか。
これだけ提供曲なので方向性が違う…と思いきや、こっいっは~バラ~ンス♪ノーテンキ明るく歌われるポップなバンドサウンドはそんなにイメージを外した曲では無い。むしろ赤坂小町時代やデビューミニアルバム『Kissで犯罪』収録曲に比べれば今作の方がよっぽどプリプリっぽさが見え始めていると思う。

ベスト盤収録率の低い曲の1曲でもあり2回しか収録されたことが無い。そのうち最初の1回はミックス変更が施されている。唯一オリジナル音源で収録された『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS』はあまり出回っていないので後追いで聞こうとすると1stアルバム『TELEPORTATION』を探してきた方が早い。
★★★☆☆
1stアルバム『TELEPORTATION
1stベスト『SINGLES 1987-1992』(’92 mix)
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS

2nd 世界でいちばん熱い夏

世界でいちばん熱い夏
87年7月16日
作詞:富田京子、作曲:奥居香
代表曲の1つだが、2ndシングル当時は全くヒットしなかった。自作でも余裕でイケるじゃないかと思えるドキャッチーなメロディーはインパクト抜群。サビが「Can’t Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」じゃないかとパクりを指摘する声もあるが、実際参考にして作った曲のようだし、いい曲なので問題ない。

基本的に無表記のものがオリジナルバージョン。後の”平成レコーディング”に比べると全体に音が薄く、個人的には平成レコーディングの方が好きだ。元々オリジナルアルバム未収録で、『SINGLES 1987-1992』収録時は既に平成レコーディングが存在したが、あえてなのか原曲であるオリジナルにミックス変更を施して収録。以降のベスト盤は平成レコーディングでの収録が鉄板となってしまい、オリジナルバージョンが聞けるアルバムは少ない。そんな中で『プリプリ・サマソン!』は平成レコーディングで始まり、オリジナルで終わるという2バージョン収録が実現している。

01年に奥居香(岸谷香)の夫である岸谷五朗が主演したドラマ『世界で一番熱い夏』放映時に若干の再注目を浴びた。ドラマ自体は政治家秘書の岸谷五朗が汚職疑惑を押し付けられて逃亡犯となり、ホームレスとして生活し、ホームレスたちの力を借りながら潔白を主張するため奮闘するというものだったが、COLOR(後のBuzy)が歌った「翼がなくても」の作詞作曲を”岸谷香”として担当。奥居香は制作時出産直前で活動をセーブしていたが、これを機に結婚後の本名となった“岸谷香”へ改名した。

夫が主演のドラマで自身の代表曲と同タイトル(漢字違い)という被せたかのような流れでも「世界でいちばん熱い夏」が使われるような場面は無かったが(展開が展開だけにかける要素が皆無だった)、「Diamonds」を両A面にして01年8月8日に便乗再発。解散後唯一のシングル発売で唯一のマキシシングルとなっている。上記のジャケットは再発盤だが…やる気なさすぎで偽物みたいなジャケットはもう少し何とかならなかったのか。

前述のようにドラマと無関係だったのでリバイバルヒットが巻き起こるはずも無かった。ドラマもほぼ一桁視聴率で低迷。主題歌「翼がなくても」もヒットせず、同じTBSのドラマタイアップでも昼ドラやってた方のZONEの「secret base~君がくれたもの~」が同時発売で大ヒットしてしまうという恐らく当初の目論見と真逆の減少も起こった。そのZONEが女性編成のバンド&ソニーの後輩だった事も何かの縁か。今ではドラマも主題歌もほとんど忘れ去られてしまったが、個人的には「翼がなくても」はけっこう思い出深い。
★★★★☆
1stベスト『SINGLES 1987-1992』(’92 mix)
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS
7thベスト『プリプリ・サマソン!


3rd MY WILL

87年11月21日
作詞:今野登茂子、作曲:奥居香
3作目にして初めて100位以内にランクインした楽曲。けっこうロックに鳴り響くギターと並んで鳴り続けるキーボードサウンドはいかにも80’s。このキーボードに時代を感じるがパワフルでどっしりとしたアメリカンな雰囲気も漂うポップロックバラード。前作に比べると突き抜けきれないところがあり、多くのベスト盤でスルーされてしまうのもなんとなく納得ではあるが悪くは無い1曲。
★★★☆☆
2ndアルバム『HERE WE ARE
1stベスト『SINGLES 1987-1992』(’92 mix)
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS

4th 19 GROWING UP-ode to my buddy-

19 GROWING UP
88年2月26日
作詞:富田京子、作曲:奥居香
収録された2ndアルバム『HERE WE ARE』と同時発売だったのであまりヒットはしていないが、プリプリと言えばこの曲!というくらい元気全開な王道のポップロックナンバー。まさにバンドがブレイクに向けて飛躍していく瞬間を切り取ったような勢いに満ちている。ギター以上に全開で響き続けるキーボードサウンドにはやはり時代を感じてしまうが、まさに駆け上がっていくバンドの勢いを記録した若き日の傑作。10代の煌めきを感じられる曲だがメンバーにとってリリース時点で既に19歳は5年前後昔の事になっていたので歌詞が少しあの頃を振り返る感じになっているのもポイントか。

一般知名度では二大ヒット曲には及ばないが、ベスト盤収録の機会は多く、そのうち3度1曲目(DISC-2の1曲目含む)を飾っている。またライブアルバム2作ではどちらも最終曲となっているなどかなり重要なポジションにある曲といえる。
★★★★☆
2ndアルバム『HERE WE ARE
1stベスト『SINGLES 1987-1992
3rdベスト『The Greatest Princess
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS
6thベスト『プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~
9thベスト『THE PREMIUM BEST』(2008 New Mix)
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ)
2ndライブアルバム『VERY BEST OF PRINCESS PRINCESS TOUR 2012~再会~at 武道館』(ライブ)

5th GO AWAY BOY

88年5月21日
作詞作曲:中山加奈子
初のトップ20ヒットまで飛躍し、ブレイクへの足がかりとなった楽曲。前2作の方向性をいいとこ取りして伸ばしたような印象のポップでパワフルでロックなナンバー。印象としては前2作のいいとこ取りという感じなんだけど、いざ並べてみると「MY WILL」よりは明らかにパワーアップしているんだけど、「19 GROWING UP-ode to my buddy-」の方が耳に残るというか単純に好きだなぁ…という感じも。
★★★★☆
2ndアルバム『HERE WE ARE
1stベスト『SINGLES 1987-1992
3rdベスト『The Greatest Princess
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS
6thベスト『プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ)

6th GET CRAZY!

88年10月21日
作詞:中山加奈子、作曲:奥居香
ギターロック色の強いナンバー。基本的にロックというよりポップな印象の強いプリプリだがそれはギターと同じくらいキーボードサウンドが派手に鳴り響いているのが大きい。しかしこの大ブレイク直前のアルバム『LET’S GET CRAZY』ではキーボードよりもエレキギターを効かせたアメリカンロックみたいなスタイルを見せていて今作でもエレキギターがグイグイと曲を引っ張っている。キーボードが消え去ったわけではなく、今作ではいつものピロピロ音ではなくピアノの音色で存在感を発揮しているが、こういう使い方の方が時代性を感じずに聞ける。この曲は今聞いても普通にカッコいいロックナンバーだ。この路線ももう少し聞いてみたかった気がする。

選曲対象外の『PRESENT』、季節ベスト2作以外といったコンセプトから外れるベスト盤を除けば毎回収録されている。

また06年の解散から10周年展開でベスト盤やBOXが連続リリースされた際には当時のソニーの若手が参加したコンピ盤『14プリンセス』が発売され、「SAKURA」でデビューする1週間前にいきものがかりがこの曲のカバーで参加していた。このいきものがかりバージョンはシングル『コイスルオトメ』C/Wに収録された別バージョンと2種類あるが、原曲よりもアップテンポで勢いのあるロックナンバーに仕上がっている。いきものがかりの中でもかなりロック色が強くいきものがかりでは通常あまり感じないカッコ良さを感じられる。ストバラではなく「流星ミラクル」みたいなアッパーなロック路線のいきものがかりを聞きたいなら必聴の仕上がり。
★★★★☆
3rdアルバム『LET’S GET CRAZY
1stベスト『SINGLES 1987-1992
3rdベスト『The Greatest Princess
4thベスト『STAR BOX
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS
6thベスト『プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~
9thベスト『THE PREMIUM BEST』(2008 New Mix)
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ)
2ndライブアルバム『VERY BEST OF PRINCESS PRINCESS TOUR 2012~再会~at 武道館』(ライブ)

7th Diamonds<ダイアモンド>

DIAMONDS
89年4月21日
作詞:富田京子、作曲:奥居香
ミリオンヒットを記録した代表曲中の代表曲。まもなく訪れた90年代はミリオンセラーが連発され、ミリオンが珍しくもなんともない時代が10年ほど続くが、レコードからCDへの移行がほぼ完了したばかりのこの時期はミリオンは珍しく、この曲から00年代序盤まで続いたミリオン連発時代が到来したといっても過言ではない。文字通りに時代をリードするヒットシングルだったと思われ、世代ではない自分もこの曲は気が付いたら知っていた。
またこれぞプリプリというイメージが強いもののモータウン調のノリは後にも先にも珍しく、パブリックイメージのど真ん中のようで意外と他にない曲調だと思う。

これだけの大ヒット曲ながらなんとオリジナルアルバム未収録。この次のアルバム『LOVERS』は全曲ラブソングを掲げたコンセプトアルバムになったので全曲新曲で構成され、今作がアルバムに収録されたのは3年も先の『SINGLES 1987-1992』だった…というのも今考えると凄い。
★★★★★
1stベスト『SINGLES 1987-1992
3rdベスト『The Greatest Princess
4thベスト『STAR BOX
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS
6thベスト『プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~
7thベスト『プリプリ・サマソン!
9thベスト『THE PREMIUM BEST』(2008 New Mix)
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ)
2ndライブアルバム『VERY BEST OF PRINCESS PRINCESS TOUR 2012~再会~at 武道館』(ライブ)

7thC/W M

作詞:富田京子、作曲:奥居香
筆頭格の代表曲の1つだが、元々は『LET’S GET CRAZY』収録曲。ロック色の強いアルバムにおいて浮いてしまうため、一時は収録しないという選択肢もあったらしい。その後C/Wとしてシングルカットされたものの、じわじわと人気に火がつき、最大のヒット曲でありミリオンセラーの「Diamonds<ダイアモンド>」のC/Wという埋もれがちなポジションながら双璧をなす人気曲となった。それだけ楽曲の力が強かったということだろう。『SINGLES 1987-1992』にもこの曲は例外的に収録された。

「M」というのは作詞をした富田京子が失恋した相手の男性のイニシャルだという事は当時から付随するエピソードとして浸透していたようで、よりリアルな響きをもって共感されたんじゃないかと思う。そんなわけで個人的にはあまり関心が無い曲ではあるんだけど(おい)、じっくり聞けばやはり多くの人たちに支持されただけというのは納得できるし、バラードの中では随一な曲だと思う。凄くしっとりした曲というイメージが強かったので『THE PREMIUM BEST』を聞いた時はNew Mixでけっこうバンドサウンドがガツンと聞こえてまた印象が少し変わった。
★★★☆☆
3rdアルバム『LET’S GET CRAZY
1stベスト『SINGLES 1987-1992
3rdベスト『The Greatest Princess
4thベスト『STAR BOX
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS
6thベスト『プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~
8thベスト『プリプリ フユソン!』
9thベスト『THE PREMIUM BEST』(2008 New Mix)
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ)
2ndライブアルバム『VERY BEST OF PRINCESS PRINCESS TOUR 2012~再会~at 武道館』(ライブ)

8th 世界でいちばん熱い夏
C/W 世界でいちばん熱い夏<平成レコーディング>

89年7月1日
作詞:富田京子、作曲:奥居香
レコードだった2ndシングルを8センチシングルCDで再発したもの。アルバムはCDでも発売されていたがこの曲はアルバム未収録だったので、CDとして存在していなかった。レコードからCDへの切り替えはかなりスピーディーでこの頃にはもうレコードでのリリースがあっという間になくなる段階になっていたので、CD化の要望がかなり多くそれに応えたものと思われる。

シングル盤の構成は1曲目はそのままオリジナルだが、C/W曲を差し替えて当時のライブアレンジを基にした新録音「平成レコーディング」で収録。当時昭和が終わって平成元年。平成という言葉がとても最新のものでありそれゆえに「平成レコーディング」と題されたものと思われる。全体に明らかにサウンドがパワーアップしている上にいきなりサビから始まるので聞き分けるのは容易い。基本アレンジはほぼ同じだが全体にバンドサウンドががっしりしているので個人的にはこっちの方が好き。

この再発シングルが大ヒットして2番ヒットになったことで、「Diamonds<ダイアモンド>」と双璧の代表曲としての地位を築いた。個人的には平成レコーディングの方がパワーがあって好きだけど、あくまで現役時代は再発盤のC/W扱いだった。平成レコーディングで改めてオリジナルアルバムに収録することはしなかったので、アルバム(ベスト盤)に収録されるようになったのは解散以降。『The Greatest Princess』以降は平成レコーディングでのベスト盤収録が標準となった。

TVでサビだけBGMとしてかかる場合だとどっちのバージョンなのか瞬時に聞き分けるのは難しく、どっちがよくTVでかかっているのかも正直良く分からない。現状ではCDを手に取れば高確率で平成レコーディングなわけだけど、プリプリのCDではなく夏曲コンピCDを手に取るとオリジナルを採用していたりするものも多い。結局のところ一般的にどっちが知られているんだろうか。
★★★★★
3rdベスト『The Greatest Princess
4thベスト『STAR BOX
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS
6thベスト『プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~
7thベスト『プリプリ・サマソン!
9thベスト『THE PREMIUM BEST』(2008 New Mix)
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ)
2ndライブアルバム『VERY BEST OF PRINCESS PRINCESS TOUR 2012~再会~at 武道館』(ライブ)

9th OH YEAH!

90年4月21日
作詞:中山加奈子、作曲:奥居香
明るく元気でポップなプリプリ像をそのまま貫いたようなアップナンバー。前2作でのポップ化に比べると少しロックバンドっぽさを取り戻そうとしている感じもあるが、サビでブラスサウンドが入ってくるので印象はかなりポップ。ラブソングのようでもあるがツアーで全国を飛び回る様子がモチーフになっていると思われる全盛期極まりない1曲
★★★★☆
1stベスト『SINGLES 1987-1992
3rdベスト『The Greatest Princess
4thベスト『STAR BOX
6thベスト『プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~
9thベスト『THE PREMIUM BEST』(2008 New Mix)
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ(「PRINCESS PRINCESS MEDLEY」内))

10th ジュリアン

90年11月21日
作詞:中山加奈子、作曲:奥居香
「OH YEAH!」をわずかに上回り、自身3番目のヒット曲となった。元気な曲が続いたがここで落ち着いたミディアムナンバー。一気に地味になった感じもするけど、「M」の人気沸騰もあったし、こういう落ち着いたプリプリも当時から浸透していたので勢いが落ちたという感じではなかったと思われる。なんだかんだ全盛期のメロディーは非常に強く印象に残りやすい。
★★★★☆
5thアルバム『PRINCESS PRINCESS
1stベスト『SINGLES 1987-1992
3rdベスト『The Greatest Princess
4thベスト『STAR BOX
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS
6thベスト『プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~
8thベスト『プリプリ フユソン!』
9thベスト『THE PREMIUM BEST』(2008 New Mix)
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ)

11th KISS

91年5月10日
作詞:富田京子・中山加奈子、作曲:奥居香
「Diamonds<ダイアモンド>」からの連続1位は今作まで続いた。シングル売上で見ると全盛期最後(前2作より10万以上落としているので正確には下り始め)のシングル。前作に続いて落ち着いたポップス路線。聞く機会は多いが正直そんなでもないかなというのが個人的な印象。
★★★☆☆
1stベスト『SINGLES 1987-1992
3rdベスト『The Greatest Princess
4thベスト『STAR BOX
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS
6thベスト『プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~
8thベスト『プリプリ フユソン!』
9thベスト『THE PREMIUM BEST』(2008 New Mix)
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ)

12th SEVEN YEARS AFTER

SEVEN YEARS AFTER
91年10月25日
作詞:富田京子、作曲:奥居香
大胆にストリングスを導入した新機軸なポップロック。疾走感のあるサウンドに切ないサビメロがたまらない名曲。連続1位が途切れ、3位となってしまった上にトップ3も早くもこれが最後になってしまうほどに人気は急落していたが、そんな時期に起死回生の名曲だったと思う。これまでの元気さやしっとりさではなく、切なさが加味された個人的には最も好きな1曲。
★★★★★
6thアルバム『DOLLS IN ACTION
1stベスト『SINGLES 1987-1992
3rdベスト『The Greatest Princess
4thベスト『STAR BOX
6thベスト『プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~
9thベスト『THE PREMIUM BEST』(2008 New Mix)
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ)
2ndライブアルバム『VERY BEST OF PRINCESS PRINCESS TOUR 2012~再会~at 武道館』(ライブ)

13th ジャングルプリンセス

92年2月5日
作詞:今野登茂子、作曲:中山加奈子
『DOLLS IN ACTION』からのシングルカット曲。音楽ジャンルとしてのジャングルではなく、アマゾネスな方向の動物たちがひしめく文字通りのジャングルといった装いのドンドコナンバー。原住民的なドンドコドンドコと賑やかなサウンドが展開し、かなり楽しい1曲。サビで連呼されるAI AI AIも相まってインパクトは絶大だ。また歌詞自体はジャングルだとか動物的な要素は何もなく、男性に対してもっと野性的に男らしく自分をリードしなさいとばかりに鼓舞するような言葉が並び、少し強気な女性像となっている。その辺りが肉食っぽい→野性的→ジャングル…という着想か?

同時にここまでのイメージをぶっ壊すような方向性もであり、アルバムの中の遊び曲的なポジションが相応に思え、わざわざシングルカットしなくても…。これで一気にトップ10落ちしてしまい、ピークを過ぎつつあった人気が加速度的に急低迷するきっかけになってしまったのもまた否めない。
ベスト盤への収録回数はやはり売上が急落した今作以降少なくなっていくがオリジナル音源で現状最新と思われる06年リマスターの『プリ2』にちゃっかり収録されている。続けて08年リミックス&リマスターの『THE PREMIUM BEST』にも収録されたが、再結成した2012年の『THE REBIRTH BEST~再会~』からは『プリ2』及び『THE PREMIUM BEST』収録曲の中で唯一ハブられてしまった。
★★★★☆
6thアルバム『DOLLS IN ACTION
1stベスト『SINGLES 1987-1992
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS
6thベスト『プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~
9thベスト『THE PREMIUM BEST』(2008 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ(「PRINCESS PRINCESS MEDLEY」内))

14th パイロットになりたくて

92年5月21日
作詞:中山加奈子、作曲:今野登茂子
躍動感のあるバンドサウンドが炸裂するロック色の強いナンバー。ポップな曲やバラード、前作は若干迷走っぽい方向性だっただけにブレイク直前のロック路線を久々にやってみた感じ。サビ頭の“頑張れポンコツ車♪”の印象が強く、自身をポンコツ車と称して無理やりにでも自分を鼓舞して激走していこうとするイメージの楽曲で、タイトルの「パイロットになりたくて」は終盤にならないと出てこない。しかも”パイロットになりたくて 夢見た少年は一体どこへ姿を消すんだろう”と、今になって振り返ったあの頃の少年を指したもの。ここに来て少年時代にパイロットを目指していた少年はすっかりその夢とは程遠い場所で燻っていてどん底まで落ちた後にもう1度這い上がろうとしている…という事が見えてくる。けっこう深い曲だ。普通にサビ頭からタイトルを取って「頑張れポンコツ車」にしていたら絶対締まらなかったと思う(そんなことしねぇよ)。
★★★★☆
1stベスト『SINGLES 1987-1992
3rdベスト『The Greatest Princess
4thベスト『STAR BOX
7thベスト『プリプリ・サマソン!
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ)

15th POWER/REGRET

92年12月2日
唯一の両A面シングル。ジャケット表が「POWER」(C/Wが「REGRET」扱い)、ジャケット裏が「REGRET」(C/Wが「POWER」扱い)という表記になっている。アルバム『BEE-BEEP』への先行シングルとして2曲とも収録されたが、その後ベスト盤にことごとく外され続け、99年の『STAR BOX』に仲良く2曲収録されただけというかなり不遇な扱いになっていたが、「REGRET」は2012年の『THE REBIRTH BEST~再会~』に突如選曲された。

POWER

作詞:富田京子、作曲:奥居香
どっしりとした骨太なバンドサウンドが引っ張っていく文字通りのパワーロックナンバー。1度手放した恋にもう1度向かっていこうとする前向きな言葉、パワー溢れるバンドサウンドはとても力強いが、一方でメロディーがサビになってもやや覚えにくく、結果的にパワフルなロックナンバーという以上の印象になかなかなってこない。今までのシングルよりも聞き込んで良さが見えてくるタイプの1曲。
★★★☆☆
7thアルバム『BEE-BEEP
4thベスト『STAR BOX

REGRET

作詞:中山加奈子、作曲:奥居香
ミディアム寄りだがバラードというほどゆったりはしていないポップナンバー。サビのメロディーは伸びやかでいい曲。収録機会の少なさもあってあまり聞く機会が多くない曲ではあるが、久々にピックアップされた『THE REBIRTH BEST~再会~』で「ジュリアン」と「パパ」という人気曲に挟まれても全く負けていなかった。
★★★★☆
7thアルバム『BEE-BEEP
4thベスト『STAR BOX
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)

16th だからハニー

93年5月3日
作詞:中山加奈子、作曲:奥居香
オリジナルアルバムにスルーされたが、その後に出たベスト盤『PRESENTS』に収録された。以降頻繁には収録されないがこの時期のシングルの中ではそこそこな扱いだろうか。特に07年の『プリプリ フユソン!』に選曲されてからは3連続でベスト収録されるなど突如扱いが向上した。今作が最後のトップ10ヒットシングルとなったが、累計売上では低迷が止まらなかった中でなんとジリ貧していた前3作を明確に上回る好調な売上を記録している。
明るいポップナンバーでこれといった印象が正直あまり無い曲なんだけど、なんだか全体に漂う暖かさとほのぼのとしたサウンドがどこかウィンターソングちっく。思いっきり5月発売だけどな!これで鈴の音をシャンシャン入れたらもうクリスマスソングになると思う。5月発売なのに冬曲扱いされて『プリプリ フユソン!』に入ったのはこのアレンジゆえか?
★★★☆☆
2ndベスト『PRESENTS
4thベスト『STAR BOX
8thベスト『プリプリ フユソン!』
9thベスト『THE PREMIUM BEST』(2008 New Mix)
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)

17th ふたりが終わる時

93年11月10日
作詞:中山加奈子、作曲:奥居香
アルバム『Majestic』に収録されるも、ベスト盤選曲が1回ポッキリという不遇曲。今作でトップ10落ち(18位)、10万割れとなり、以降回復することなく結果的には最後のトップ20ヒットとなった。
落ち着いた失恋ミディアムナンバー。エレキギターではなくアコースティックギターと安定したバンドサウンドによりまさに終わっていく恋の切なさを表現。発売時期も晩秋という事でドンピシャで冷たい風が流れていくかのよう。かなり凝縮された曲で歌が3ブロックしか無く、3分に満たずに終わる。アルバム曲ならまだしもこれをシングルで出すというのはかなり挑戦だったと思われる。
★★★☆☆
8thアルバム『Majestic
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS

18th THE SUMMER VACATION

THE SUMMER VACATION
94年5月1日
作詞:中山加奈子、作曲:奥居香
ライブ会場でのアンケート結果を基にしたとされるベスト盤『PRESENTS』の前にリリースされ、そのまま『PRESENTS』に収録されたためオリジナルアルバム未収録。二大ヒット曲はどちらも夏の曲であり、この曲も久々に夏を掲げたシングル曲だがもうあの頃の路線は目指しておらず、ブラスやストリングスで余裕と優雅な雰囲気を醸し出した旅先での夏休みを思わせるポップナンバー。80年代だったらもっとリゾートミュージックっぽくなっていたはずだが、リゾートミュージック的なものが徐々に過去のものになりつつあり、少し時流に合っていなかったのかもしれない。元気なプリプリからはかなり方向が変わっているので落ち着いたというか地味と言えば地味な感じは否めないが、これはこれで悪くない。学生時代よりも大人になってからの仕事の合間を縫っての貴重な夏休みに旅先で聞くときっと非常にしっくりくるはず
★★★☆☆
2ndベスト『PRESENTS
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS
7thベスト『プリプリ・サマソン!
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)

19th Birthday Song

95年2月10日
作詞:富田京子、作曲:奥居香
オリジナルアルバムにスルーされ、ベスト盤でもスルーされまくり、99年の『STAR BOX』が唯一のアルバム収録(全曲集、シングルBOX除く)という最も不遇なシングル

楽曲自体はかなり淡々としたポップナンバー。歌詞もストレートに誕生日を祝っていて文字通りにBirthday Song以外の何者でもない。サビもハッピハッピーバースデーソング♪を3連呼するストレートっぷりなので、サビだけなら2回目のサビの頃には一緒に口ずさめるほど。ただあまりに淡々としていてプリプリのシングルA面としては地味すぎるし、ベスト盤を作ろうとしたら確かに30曲選んでもこの曲はまだ入ってこないんじゃないかとは思う。
この頃には話し合いが進んでいたようだけど解散を前提としていない…という点ではこれが最後の作品であり、今後の方向性を巡って話がまとまらなかったのが解散理由とされているが、そういう意味での末期な感じもあるかも。
★★★☆☆
4thベスト『STAR BOX

20th Fly Baby Fly

Fly Baby Fly
95年10月21日
作詞:富田京子、作曲:奥居香
解散を発表してのラストシングル。メンバー側もプリプリの最後を意識していたと思われ、落ち着いた曲やイメージと違う曲、試行錯誤したような曲が並ぶ後期のシングルの中ではまさにこれぞプリプリ!といえる王道っぽさがある。かといって全盛期の再現ではなく、これまでを踏まえてこれからを見据えたような少しばかりの感傷と前向きさが同居し、解散を踏まえたラストシングルとして実に素晴らしい。後期のシングルでは1番印象的な1曲。当時は解散特需でヒットする事も無く今作も前後の作品同様に低迷したが、ベスト盤収録率は末期の中では屈指の高さを誇る。ベスト盤での後追いリスナーだと全盛期の曲と変わらないくらいなじみのある曲になってくると思う。往年のプリプリを思わせる曲調から再結成時もヒット曲や人気曲と並んでライブで歌われていたようで再結成時のライブ盤でも1曲目を飾っている。
★★★★☆
9thアルバム『The Last Princess
3rdベスト『The Greatest Princess
4thベスト『STAR BOX
5thベスト『STAR BOX EXTRA PRINCESS PRINCESS
7thベスト『プリプリ・サマソン!
10thベスト『THE REBIRTH BEST~再会~』(2012 New Mix)
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ)
2ndライブアルバム『VERY BEST OF PRINCESS PRINCESS TOUR 2012~再会~at 武道館』(ライブ)

21st 夏の終わり

夏の終わり
96年2月1日
作詞作曲:渡辺敦子
解散前最後のベストアルバム『The Greatest Princess』と同時発売アンコールシングルという扱いでリリースされた。ラストシングルはあくまで前作で、今作はアンコールという事らしい。ベスト盤は売れたものの今作は前作同様に20位台後半、3万枚程度の売上に留まっており、ヒットチャートにおいてはヒット曲と認識されるほどのヒットにはなっていない。

「Birthday Song」と並ぶ不遇シングル。解散ライブの中でメドレーで披露されたのでライブアルバムにかろうじて収録されているだけマシだったが、そのまま10年に渡り放置されてしまった(解散直後の全曲集除く)。タイトルに夏が入っていたのが幸いし、『プリプリ・サマソン!』でアルバム初収録を果たした。

当時は1~5月まで行われていた解散を受けての全県ツアー中だったが、いかんせんタイトルが季節真逆だったのが…。歌詞自体は2人が別れていく様子を描いたもので、その様子が夏の終わりのようだと1回だけ「夏の終わり」という単語が出てくるのみで、別に夏を歌った曲ではない。むしろ解散していくバンドへの切なさが綴られているかのようで少々未練タラタラにも思えてしまうところがある。渡辺敦子の作詞どころか作曲というのはかなりレアだが、渡辺敦子にとって解散してゆくバンドの景色はこの曲のように見えていたのだろうか。別れの感傷に浸る曲としてはいい曲なんだけど、バンドの最終シングルとしてはやはり「Fly Baby Fly」のように終わるほうが前向きでプリプリらしいなと思う。
★★★☆☆
7thベスト『プリプリ・サマソン!
1stライブアルバム『The Last Live』(ライブ(「PRINCESS PRINCESS MEDLEY」内))

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