2020年3月4日
2020年3月23日(配信)
初登場2位 売上9.9万枚
初登場3位 売上3.6万DL(Birthday)
2年8ヶ月ぶりのCDシングル。配信含めても2年2ヵ月ぶり、新作自体がアルバム『重力と呼吸』以来1年5ヵ月ぶり。
ロンドンレコーディングにより現地のエンジニアSteve Fitzmauriceが録音ミックスを担当。プロデュースもSteve Fitzmaurice、Ken Masuiとの3者共同名義となっている。Ken Masuiは『重力と呼吸』ではディレクターとしてクレジットされていたが、今作ではディレクター表記が無く、プロデューサーとして表記されている。
またストリングスアレンジはSimon Holeが担当。「君と重ねたモノローグ」のハモンドオルガン、エレクトリックピアノはHarry Broadbentが担当するなど海外勢のサポート参加となっている。
真っ青な紙ジャケットには一切何も表記されていないため、ビニールにタイトルとドラえもんの主題歌ですと書かれたシールが貼られているが何故か両面に巻き付けるように貼り付けてあるため、思いっきり文字が両面に別れてしまって非常に分かりにくいパッケージとなっている(一応2枚用意して並べると片面だけで繋がる)。
1位を逃すのは2014年の「足跡~Be Strong」以来。
タイアップ先映画『ドラえもん のび太の新恐竜』公開に合わせての発売のはずだったが映画がコロったため公開延期となり、現時点で8月公開予定となったため、曲だけ先に出る事態となった。またCD発売時には配信せず何のアナウンスも無かったが、3月23日から唐突に配信開始となった。
1.Birthday
映画『ドラえもん のび太の新恐竜』主題歌。前向きなアップテンポナンバーだが明らかに今までとは様子の違うアレンジで、ストリングスまで入っているものの音数は非常に少なく抑えたサウンドで展開していく。徐々に盛り上がりを見せていくものの、もう1つドカンと行かないままに終わっていってしまうので正直かなり物足りなさを感じてしまうところもある。
というのも率直に音がスカスカすぎる。ドラムがいつもよりも相当軽いのが聴感としては1番スカスカ感に繋がっていると思われるが、ギターも結局盛り上がってもテレテレ言ってるだけだし、これに加えて全体に音を小さく絞っているので、パッと聞いた時の印象がとにかく軽すぎる。今作が当初CD発売のみとなり、配信での発売を遅らせたのも納得で、これをいきなりサブスクで流して構えずにさらっと流し聞きされても本当にその1回限りで文字通りに流されて終わってしまいそうだ(プレイヤーにCDを入れて再生を待つなりなんなりとにかくある程度の「よし聞くぞ」という心構えが必要)。
一方で今作の真髄は海外レコーディングにより突き詰めた新たな音作りにあると思われ、スカスカというのは言い換えれば各楽器の演奏が非常に立っているという事でもあり、ギター、ベース、ドラム、ストリングスそれぞれの音が本当に綺麗に聞こえるし、かなり1音1音こだわって磨き上げた音像であるのかなぁ…という気もじっくり耳を傾けて聞いてみると確かにそんな気もしてくる。ただこの音の良さを実感するにはある程度の音を出せる環境、現代の他の音源再生時よりもややボリュームを上げて聞かなければ実感しにくいと思う。
個人的にはコバチル時代末期(ブラオレ)のピアノストリングスに覆われていた時期でもギターこそ遠かったもののベースドラムはそれなりに躍動していただけに、今作でのベースはその時よりも明らかに聞こえないし、ドラムも特にセルフ以降力強かったのでいくら何でも音が細すぎる、ギターも1番盛り上がってるところでもテレテレテレテレ…というアレンジと音作りにはやはり少し不満が残った。いくら何でも小奇麗にまとめすぎた感じはあり、ライブで聞けば化ける可能性は秘めていると思う。
★★★★☆
2.君と重ねたモノローグ
映画『ドラえもん のび太の新恐竜』主題歌。今回ドラえもんの映画としても初のW主題歌とされていて、OPと主EDや、主題歌(実質ED)と挿入歌という扱いになっていない模様。映画が8月まで延期されてしまったので実際どのように使用されるのかも不明のままだが、少なくとも映画の主題歌となればEDにかかるのが主題歌だし過去ドラえもんはOPはTV版のOP、EDに主題歌タイアップ曲を使用していたはず。今回は「Birthday」をOPで使って、「君と重ねたモノローグ」をEDで使うのだろうか…。
一転して穏やかなバラード。やはり音は抑えめでドラムも軽いが「Birthday」よりはもう少しだけどっしりとはしている印象。曲自体はなんか割といつものバラードというか“アルバムに入ってて人気曲になってベスト盤に入るバラード”みたいな感じのバラード。5分半ほどで終了…すると思いきや突如陽気にテンポアップして延々とインストが続いてバンドがフェードアウトしてストリングスが残って…とかなり時間をかけてフェードアウトするのかと思いきやまたバンドが戻ってくる…とアウトロが2分近く展開するため、総尺が7分半を突破。過去7分越えシングルとして君臨していた「しるし」「終わりなき旅」を上回り、ここに来てA面曲最長楽曲の座に君臨した。両曲の壮大さに比べるとアウトロが長いだけなのでそこまで壮大だったり長く感じるわけではないが、どういうこだわりでこういうアウトロになったのだろうか。タイアップとしてこの部分が使用されるのかも含めていろいろ謎だ。
★★★☆☆
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