2020年7月22日
Type-A,B
初登場2位 売上13.3万枚
山口事件以来1年9ヵ月ぶりの新作。事件を受けてArioraはクビになってしまったようで、今作ではHKT48と同じユニバーサル(EMI)へ移籍となった。これまではソニー系列だったため46系列と同じくCDのみ通常盤の一般発売があったが、移籍により48系列と同じ劇場盤へと変わり一般発売が無くなった。
CDは3曲から2曲(+カラオケ)にグレードダウンした。
Type-A,B,劇場盤でC/Wが異なる。
A,BのDVDの内容はMV2曲は共通、特典映像が前編・後編で分割されている。
また2曲目のMVはType-AのみのC/Wであるため、Type-BにはCDに収録されていない曲のMVだけDVDに収録されるという事態となった。
握手会はが封じられている状況ながらType-A,Bには通常通りのイベント参加券封入、生写真ランダム封入が継続された。このイベントは9月開催予定とされている。
劇場盤はこれまでの大握手会(個別握手会)ではなく、「オンライン個別おしゃべり会」へと変更されて販売された。
配信ではAriora時代に引き続き、全C/Wまで4曲セットのSpecial Editionとなっている(カラオケの配信はなし)。
1.シャーベットピンク
センターは藤崎未夢。ドラフト3期生として2018年加入ながらここまでこれといった実績は無く、なんか急に大抜擢された感じ。前作では新潟SHOWROOM選抜に入っていたくらいで、これは2018年の総選挙時に行われたSHOWROOMで稼いだポイントランキングでのNGT内での順位が高かったメンバーが選抜されたもので最上位ではなく割と下の方だった。後は年明けのTDCコンサート選抜メンバー16名に選ばれたと思ったら今回のいきなりのセンター抜擢という大出世。
楽曲自体はド王道の48系量産型アイドルポップ。48でも46でも多用されるAPAZZI編曲は明るく煌びやかなシンセとギターで埋め尽くす野中”まさ”雄一や佐々木裕をド王道の中央値とするともう一工夫したり、爽やかだったりカッコよかったりその時々で多様な対応をするイメージがあったけど、今回は珍しいくらいにドストレートなテンプレートに沿ったような、むしろ彼らでも最近ここまでテンプレ通りではないぞというくらいにド王道感が…。ただドンドン言ってるリズムとか確かに当時の野中・佐々木ラインよりは控えめではあるのでその辺にらしさはあるのかな。
まあ色々あったのでカッコつけたり、当初あったような独自性を打ち出すよりもというところではあったと思うし、それこそ前作みたいな世界平和みたいな事も内部が平和じゃないイメージになってしまったのにやれるはずもないし…となっていくと結局やれることは超がつくほどの王道しかないのかもしれない。メンバーもいい加減とにかくアイドルしたいだろうから、これ以上ない爽やかアイドルポップというだけで涙が出る勢いなんだろう。
ただこれではちょっとフツーすぎる。48王道の曲で握手会を封じた新イベント販売を最も売れない事が容易に推察されるNGT48でどこまで売れるか、つまり握手会が封じられた状況下での最低ラインを図る観測気球としては有意義なデータが取れそうではある。ただ目的がそれであっては最早曲は関係ない。
★★★☆☆
Type-Aのみ
2.絶望の後で/NGT48 TDCコンサート選抜メンバー
2020年1月18日にTOKYO DOME CITY HALLで行われた『NGT48 選抜メンバーコンサート~TDC 選抜、合宿にて決定。初めての経験~』で選ばれたメンバーで当日新曲として披露した曲。
策士家お得意のグループに起きた出来事をドキュメントタッチに描くという作風で、なんとあの真相がほとんど判明しなかった山口騒動を歌った楽曲。秋元康はほとんど運営に関与できないため、実際に何が起きたのかも把握できていない、ほとんど何も知らないとされていたが、実際歌われている内容も結局どこに真実があったのかは分からないという視点で描かれていて、それでも言えない事が多かったメンバーの心境に寄り添い、あの時メンバーはどう行動すれば良かったのか?という葛藤にギリギリまで迫っていくという内容。残されたメンバー視点としては限りなく正しい心情と思われ、関与していないのにしているとされたメンバーや、別口で叩かれたメンバー(ファンとのいわゆる”繋がり”やそれに準ずるガードの緩さは暗黙の中であったが事件自体には無関係とか)、そもそも山口と親しくも無くほとんど何も知らないのに巻き込まれたというメンバーも当然いるわけでその辺を汲んで書き下ろす手腕はさすが策士家。
しかも「絶望の後で」であって、明確に希望が見えているわけでもない現状もよく表している。シリアスで重たいナンバーではあるが、真相が判明しなかった以上は最も騒動を表した1曲でもあるのかもしれない。次々挙げられたよく見ると真偽不明な情報ばかり見てNGT48を嫌いになって叩いていた外野からは美談にするんじゃないとか見当はずれな批判を受けそうな曲でもあるがこの段階でまだNGT48を聞こうと思っているリスナーからはそんなに文句は言われない曲じゃないかとは思う。
★★★☆☆
Type-Bのみ
2.後悔ばっかり/研究生
現在NGT48は1期生と研究生の2つのみで構成されていて2期生は研究生のまま。また研究生に加藤美南が紛れ込んでいるがこれは山口騒動に渦中でネイルをしている最中に山口の報道が流れているのを見てチャンネル変えてほしいなどとインスタに投稿したのが問題視された降格処分となったため。表題センターの藤崎未夢も研究生のままなのでここにも参加している。このため先輩たちを差し置いて藤崎未夢の参加曲が多い事態となっている。
事件には関係ないのかあるのかあいまいな去ってしまった君を思う僕の後悔というこの段階で歌うには妙に暗めの後悔を歌ったミドルナンバー。研究生というとなんか無邪気に明るい元気ナンバーばかり歌わせるイメージが強いが、なんか無駄に重くない?研究生なんかほとんどオリジナル曲ももらってないどころかほとんどアイドル活動できないままに長期活動不可になってたんだからもっとアイドルさせてあげればいいのに…。
★★★☆☆
DVD
1.シャーベットピンク[MUSIC VIDEO]
新潟西海岸突堤でのダンスシーンと「久しぶりの再会」をテーマにした30名それぞれのデートシーンっぽい個別シーンというオールロケで構成された内容。30人全員を個別シーンで取り上げているので、それぞれに何らかの細かい設定や何か待ち合わせて喋っているっぽいカットもあるが内容はほとんど分からない。砂浜から伸びている突堤でのダンスシーンは爽やかかつダイナミックで見ごたえがあるが、場所が全然違うとはいえ瀬戸内海を舞台にしたMVが多かったSTU48と印象が被ってしまうところはある。それにしてもセンターの子があまりにフツーの子すぎてセンター感が全くない。正直人気が出るようなアイドルフェイスでもない一般人の子のような…。普通かつ事件イメージを引きずらないというのを最大限に配慮して選んだのだろうか。
2.絶望の後で[MUSIC VIDEO]
標高1420mの新潟県二王子岳登山に9時間かけて挑んだというセンター本間の単独登山シーン+草むらにソシャデを保った距離感で佇むメンバーというこれまたオールロケ。ドローンも駆使した本格登山番組風な本間の単独カットの自然風景は圧巻。また草むらに佇むメンバーは曲とグループの現状に合わせて1番の間は全員歌いもせずに悲しい表情で佇んでいる→2番では悲しい表情は変わらないが歌い出す→最後のサビではフォーメーション組んで一気に踊り出す、と進化していく。スタジオロケしなくても地元には雄大な自然があるという新潟の地の利を生かしたいい映像だ。そしてやはり本間のセンターが現状1番映えるんじゃないかと思う。
中井りかは知名度は高いがスキャンダルと誤解を招く態度もあってアンチが増えすぎた、荻野由佳は山口事件時の何気ない発言が山口を揶揄していると猛攻撃を喰らった挙句に山口事件時に単独での外部バラエティ出演が多かったため世間一般からも出てくるんじゃねぇ!と異様なまでに叩かれまくってしまい総選挙シンデレライメージも薄々思われていたあまりの不自然さも重なって超絶なイメージダウン、この2人はAKB48の選抜からも外されていた。AKB48選抜入りとしては3番目ではあったが、事件によるイメージダウンはほぼ無く、インターネッツ探偵によるいわゆる”黒メン”判定をされなかった本間日陽だけがAKB48選抜に残った。となれば再始動するにあたってはセンターを背負えるのは本間日陽しかいなかったし、もう1つ可能性があった初代センター高倉萌香の再登板は高倉がとっとと辞めてしまったのでもう本当に本間1択。という事でTDCコンサート選抜メンバーで本間をセンターにしたこの新曲、というのは分かるんだけどニューシングルにおいてはそれでも過去センターをやってそれなりに知られたメンバーではまだ不安で全く新しい子をセンターに置いた…という事なのかなぁ…。
Type-Aのみ
3.特典映像 NGT48 TDCコンサート選抜メンバー 選考合宿オーディション(前編)
山口事件の長期化でほとんど活動できない状態となっていたが(8月には劇場公演を再開したが以前の勢いはなく…)、2020年1月18日に『NGT48 選抜メンバーコンサート~TDC 選抜、合宿にて決定。初めての経験~』をTOKYO DOME CITY HALLで開催することが決定。このライブには全員ではなく16名の選抜メンバーのみの出演でその16名を決める3日間の合宿が行われる事になり、その合宿の模様を30分ずつのドキュメント映像で前後編にまとめた内容。
前編は主に初日の歌唱指導の模様。歌唱指導の講師が激しいオーバーアクションと繰り広げながら熱く厳しく指導するタイプのちょいオネェっぽいおじさんという割とテンプレ感のある人で、ガミガミ指摘されて必死についていくメンバー、絆を深めていくメンバーというそんな構成のドキュメント。ライブそのものよりもこういったグループ内部の様子を映し出してメンバーの一生懸命さと健全化をアピールしておきたい意図が見え隠れする。ただあんまり説教シーンばかり見せられてもな。
Type-Bのみ
3.特典映像 NGT48 TDCコンサート選抜メンバー 選考合宿オーディション(後編)
こちらは主に2日目のダンス指導の様子。ダンス指導の人もかなり厳しいが、歌唱指導の人よりはガミガミ言わなかったのかメンバーに超上から目線で心構えの甘さを説教するようなガミガミシーンは前編よりはかなり少なめ。発表後のメンバーの様子を少し映し出して終了。
正直なところ実力勝負は建前感もあって半分くらいは人気と知名度がそれなりにあるメンバーはほぼ選ばれている+研究生の抜擢でバランス取った感じ。人気ありそうなところでは中村歩加が落選したのが意外だったくらいで、山口事件で最も容疑者扱いされていた事で有名になった太野彩香やよほど降格処分を喰らった加藤美南なんかはきっちり外されている。しかしインターネッツ探偵に太野彩香とセットで最重要参考人のように”黒メン”判定されていた西潟茉莉奈は選んでいるので別に山口事件の反応を気にしているわけではない感じも醸し出している。
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