REBECCA 35周年シングル回顧1~1984-1989~

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REBECCA 35周年シングル回顧1~1984-1989~

REBECCAの結成は82年頃とされており、埼玉県浦和市(現在のさいたま市)周辺で結成されたようだ。2015年の再結成以降に番組や雑誌で特集された際にこの浦和がピックアップされ、実際にNOKKOが浦和駅近くにある楽器屋を訪れて思い出を語る場面もあった。メンバーが集っていたというその浦和の楽器屋は現在も健在で、個人的にも高校時代にギターを買ったり、弦を買い足したりと利用していた事がある(00年代前半頃)。まさかNOKKOら当時の音楽仲間がそれよりも20年くらい前にあの場所に集っていたとは当時は知らなかった。

83年にソニーのオーディションに合格後に後のリーダーでメインライターとなる土橋安騎夫が加入。この当時は木暮武彦がリーダーで、デビュー時点でのメンバーはボーカルNOKKO、メインライター、ギター木暮武彦、ドラム小沼達也、ベース高橋教之、キーボード土橋安騎夫の5人。

シングル2枚とアルバム(ミニ)2枚をリリースするが、木暮武彦、小沼達也が同時に脱退。音楽性の違いとされていたが、当時木暮とディレクターの折り合いがかなり悪く、ポップな曲もやれという方針に反発したためクビになったと後に木暮のインタビューで語られている。レベッカを命名したのは木暮武彦で愛着があったためか、木暮武彦、小沼達也がボーカルにDIAMOND☆YUKAIを迎えて結成した新バンドは当初レベッカ♂を名乗っており、レベッカとレベッカ♂が同時に存在する時期があったが、やはりクレームが入ったのかRED WARRIORSに改名。これもアルファベット順、50音順のいずれでもレベッカの前後に来るように徹底したバンド名にしていてかなり意識していたことが伺える。

木暮、小沼脱退後は土橋をリーダー、メインライターとして、新たにドラム小田原豊、ギター古賀森男を迎えて再始動。程なくして一躍ブレイクしたので世間に知られているのはそれ以降だ。人気バンドとして80年代を全力で駆け抜けた。

一方でギタリストが定着せず古賀森男は1年半ほどで脱退、代わって加入した友森昭一は1度もレコーディングに参加することなく半年で脱退してしまった。最終的にレベッカに正規メンバーのギタリストは不在となり、古賀森男の在籍時からサポートギターとして断続的に関わっていた是永巧一が固定のサポートギタリストとして再結成以降も参加している。パーカッションの中島オバヲも同様で固定のサポートとして再結成以降まで関わっている。

1990年年明けの武道館ライブを最後に活動を休止翌91年に再開することなく正式に解散した。

2019.5~6 新規執筆

特に記載無ければ作詞:NOKKO、作曲:土橋安騎夫

1st ウェラム・ボートクラブ

84年4月21日
記念すべきデビューシングル。デビュー時点でのメンバーはNOKKO(Vocal)、木暮武彦(Guitar)、高橋教之(Bass)、小沼達也(Drums)、土橋安騎夫(Keyboard)の5人組。今作に関しては全くヒットせずに100位圏外だった。

ウェラム・ボートクラブ

作詞:木暮武彦・有川正沙子、作曲:木暮武彦
疾走感のあるロックナンバー。キーボードもけっこう存在感を発揮していて初期REBECCA=ロック色が強い=ギタリストの木暮がメインライターでリーダーなのでギターが強い、と思っていると案外そうでもない。というか初期アルバム2作でメインライターだった木暮武彦だが、シングルが2作しかないうえにB面含めて4曲中2曲のみ、A面作曲は実はこれだけなので、基本的にREBECCAのベスト盤を聞いても木暮武彦がメインライターだった時代のREBECCAの雰囲気はほとんど掴めなかったりもする。

イントロではキーボードがパーラーパーララッと鳴り、曲中では男性陣がヤーヤーヤーヤヤッ♪とシンガロングしまくるのでサビよりもその部分の方が最初に印象に残る。後のイメージとはやや異なる曲だが、暴れ回るような元気溢れるNOKKOのボーカルは既に健在でこの点においては木暮リーダー時代も土橋以降も共通してブレていないところだったんじゃないかと思う。

アルバム『VOICE PRINT』収録Ver.とシングルバージョンが存在するが、表記上は『The Best of Dreams』収録時にSingle Versionの表記がされたのみでアルバムの方にアルバムバージョンの記載が無い。一部演奏やミックスに違いがあり、シングルバージョンは間奏ギターソロがアコースティックな音色だが、アルバムバージョンはエレキギターになっている。またシングルバージョンの方がドラムの強弱の差が大きい。サビの“今夜の悪だくみ~Oh”のOh部分などキメの部分でシングルではドッシンバッシンとかなり強調されて派手に鳴り響くがアルバムバージョンではほとんど強調されていないのでスーッと流れていく。

「Wearham Boat Crub(remixed edition)」では表記が英字になっている。ギターソロがエレキなのでアルバムバージョンの音源をリミックスしているようだ。全体の音を分厚くしているので全体的に派手で迫力がある。
★★★☆☆
1stアルバム『VOICE PRINT』(表記は無いがアルバムバージョン)
1st+2ndアルバム編集盤『EARLY REBECCA』(表記は無いがアルバムバージョン)
1stベスト『The Best of Dreams』(Single Version)
3rdベスト『REBECCA SINGLES』(表記は無いがSingle Version)
3rd remixed editionベスト『LEGEND OF REBECCA』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA』(表記は無いがSingle Version)

C/W 夢幻飛行

作詞:NOKKO・有川正沙子、作曲:後藤次利
後藤次利による提供曲。当初所属していたCBSソニーのFITZBEATというレーベルの代表が後藤次利だったことからプロデュースとして参加していてその流れで曲提供も行った模様。とはいえ1stアルバムから作曲は全曲メンバー(木暮5曲、土橋1曲)なので、提供メインで行く必要も無かったようだ。メロディーに非常に勢いのあるロックナンバー。表題よりも初期のREBECCAはロック色が強いと言われていることが分かるような1曲だが、演奏の随所で和風な音色が奏でられているのがかなり存在感のあるスパイスになっていて、オリエンタルというか、タイトル通り夢幻な感じを漂わせている。

レコードのみで発売されていたものの間もなくCDへ移行していく事となり、今作は未CD化のB面曲だったため、『WILD & HONEY』初期CD版とカセット版に追加収録する形で初CD化。解散後に再発された『WILD & HONEY』はオリジナル準拠となったため、『COUPLING SONGS COLLECTION』発売まではアルバム未収録状態となっていた。
★★★☆☆
3rdアルバム『WILD & HONEY』初期CD版(スリムケース仕様)・カセット版のみ追加収録
4thベスト『COUPLING SONGS COLLECTION
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

2nd ヴァージニティー

84年11月21日
2ndアルバム『Nothing To Lose』と同時発売。アルバムには「ヴァージニティー」はそのまま収録され、B面の「黄金の日々」は未収録。結果的に『Nothing To Lose』を最後に木暮・小沼が音楽性の違いで脱退したためデビュー時メンバーでの最後の作品となり、バンドは早くも再構築を余儀なくされる事となった。

脱退した2人は田所豊(後のダイアモンド☆ユカイ)、小川清史と共にRED WARRIORSを結成するが、RED WARRIORSは当初はレベッカ♂を名乗っていたため一時的に同名のバンドが2つ存在する時期があったという。これは小暮の脱退理由が自主的というよりディレクターとの方針の違い(もっとポップな売れるのをやれ)で衝突を繰り返して辞めると宣言する前に実質的にクビになってしまったが、レベッカというバンド名には愛着があったためとされている。

「ヴァージニティー」は代表曲として扱われる事も多い楽曲だが発売当時は100位圏外で売上記録は残っていない。

ヴァージニティー

作詞:宮原芽映、作曲:土橋安騎夫
いわゆる初期の名曲。少なくとも99年のremixed edition展開以降では代表曲扱いされていたように記憶している。ただ木暮時代の曲はライブでもほとんどやらなくなっていたようで現役時代も定番曲というほどではなかったようだ。2015年の再結成では披露されなかったが、2017年のツアーではアンコールで披露されてかなり会場が沸いていたので人気曲だけどそんなに聞けず、聞ければ歓声が上がるくらい嬉しいポジションの曲のようだ。

処女喪失を詩的に表現した曲で唯一無二の世界観を持った1曲だと思う。シリアスなんだけど暗くはない。何よりメロディーがとても強い。リーダー交代する前に土橋がもう表題曲やってたというのも凄いが、土橋という才能がいたのでレコード会社側も言う事聞かない木暮をクビにするのに割と抵抗が無かったというところもあったのだろうか。メインライター2人というのも面白かった気がするが、衝突が増えていた可能性も高いだろうなぁ…。

1st、2ndアルバムは完全にレコードとカセットの時代だったが間もなく訪れた新メディアCDへの移行が始まる。しかしメンバー脱退劇があったためか、単独でのCD化をせずに初期2作は編集盤『EARLY REBECCA』としてCD化された(1stから2曲外された)。そして何故かこの曲のみ別バージョンで収録された。イントロでドラムが先行して入ってくるという違いがある。

具体的にはオリジナルではテケテケテケテケテケテケテケ(略)の後にチャーラーラーラーーチャーラーラーラーー♪と一緒にバンド演奏が一気に入ってくるが、このバージョンではテケテケテケテケテケテケテケ(略)の後にズッ!ダンッ!チチチッ!ダダンッ!ズッ!ダンッ!チチチッ!ダダンッ!とドラムだけ先行して入ってきてからチャラーラーラーーチャーラーラーラーー♪に突入する。

『The Best of Dreams』でのNew Remixはなんとこの『EARLY REBECCA』バージョンをリミックスしているようで、ドラムが先行して入るものとなっているが、リミックスにより一聴して分かるくらいにドラムの音色が変わっている。

remixed editionはオリジナル準拠。remixed edition効果が強く出ている曲の1つでオリジナルではけっこうしょぼい音色だったテッテーテケテケなどのギターやドラムの音がしっかり・がっしりしたものになり全体に音に厚みがある。
★★★★★
2ndアルバム『Nothing To Lose
1st+2ndアルバム編集盤『EARLY REBECCA』(イントロ別バージョン)
1stベスト『The Best of Dreams』(New Remix)
3rdベスト『REBECCA SINGLES
5thベスト『STAR BOX REBECCA
1st remixed editionベスト『Complete Edition』(remixed edition)
3rd remixed editionベスト『LEGEND OF REBECCA』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA
3rdライブアルバム『REBECCA LIVE’85~Maybe Tomorrow Tour~』(1985年11月28日 神奈川県立青少年センター)

C/W 黄金の日々

作詞:NOKKO、有川正沙子、作曲:木暮武彦
シリアスな雰囲気のロックナンバー。比較的1st,2ndアルバムの方向性に近く、シングルの4曲の中でも最も初期のREBECCAっぽい曲だと思う。デビュー間もない時期にしてはけっこう刹那的(?)な歌詞だなぁと思う。

前作C/W「夢幻飛行」同様に『WILD & HONEY』初期CD版とカセット版に追加収録する形で初CD化。解散後に再発された『WILD & HONEY』はオリジナル準拠となったため、『COUPLING SONGS COLLECTION』発売まではアルバム未収録状態となっていた。
★★★☆☆
3rdアルバム『WILD & HONEY』初期CD版(スリムケース仕様)・カセット版のみ追加収録
4thベスト『COUPLING SONGS COLLECTION
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

3rd ラブ・イズ・Cash

85年4月21日
木暮・小沼が脱退してしまったため、土橋安騎夫をメインライターにしてリーダーとしての再始動作。ギターは古賀森男、ドラムは小田原豊が新たに加入した。ギタリストはこの後も変動があったが、ドラムの小田原豊は最終メンバーとして固定した。

前2作は100位圏外だったため、今作が初チャートインシングル(30位)。木暮・小沼を実質クビにしたのはひとまず売れることを目的としたためだったと思われるが、その目的の第一歩であるチャートへのランクインをいきなり果たせたという事で、結果的にメンバーチェンジ、土橋をリーダー・メインライターとする選択は一気に吉と出た。

ラブ・イズ・Cash

作詞:NOKKO,沢ちひろ、作曲:土橋安騎夫
「ラブ・イズ・Cash」というカタカナと英字が混ざったものが正式表記。80年代は英語タイトルのカタカナ表記がやたら多かったが、何故Cashだけ英語にしたのかは謎。「Love is キャッシュ」よりはマシな気もするが…しかし歌詞はフツーに“Everybody Love is Cash”とカタカナなんて一切使わずに英語は英字でちゃんと表記されている。

前2作と比べると明らかに売れ線狙いでポップオブポップな曲で跳ねたノリの良さもあってとても聞きやすく耳に残る。曲自体はシンプルだが1番2番間奏サビと進行するのでこれで終わりかと思いきや3番が始まり、3番のサビはそのまま繰り返し続けたままフェードアウト…という構成がちょっと珍しい。3番まであるなんててんこもりな気がするが、最後がサビの繰り返しでフェードアウトでも4分半に満たない。

売れ線を狙うのに否定的な見方も確かに存在するし、実際抵抗があると中途半端なものになってしまったりすることもあるが、今作は徹底してポップだし、NOKKOの歌声にも合っていて当時はガールポップなんて言葉はまだ無かったと思うけどまさにこれぞガールポップといった感じ。しかしそれにしてもギターの存在感の消失っぷりがかなり露骨だ。一応新ギタリストが加入していたはずなんだけど全くと言っていいほどギターが目立っていない…。

『WILD & HONEY』のSpecial Remixでは10数秒ほど短くなっていてフェードアウトが早い。普通シングルが短くてアルバムで完全版(フェードアウトしない)という流れだと思うんだけどアルバムの方が短くなるって…。しかもSpecial Remixという何か盛られたかのようなサブタイつけといて尺を削るって…。削っただけでなくミックス変更で全体に力強い音の響きに変わっているのでこの点がSpecial…なのかもしれない。

耳に残りやすい曲なのであまり不遇な印象は無いんだけど(後期のシングルの方が印象薄いのが正直あ)、意外とベスト盤に収録されておらず、remixed editionが施されなかったシングルA面曲は両A面の「ガールズ ブラボー!」を除くとまさかの今作1曲ポッキリ。どうしてこうなった…。まあポップ路線だったら4thアルバムの曲や3rdでも「ラブ パッション」の方が優先されるのも分からなくはないが…。
★★★☆☆
3rdアルバム『WILD & HONEY』(Special Remix)
1stベスト『The Best of Dreams
3rdベスト『REBECCA SINGLES
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA
3rdライブアルバム『REBECCA LIVE’85~Maybe Tomorrow Tour~』(1985年11月28日 神奈川県立青少年センター)

C/W 恋するおもちゃ

作詞:松井五郎、作曲:中嶋英也
唯一メンバーが一切作詞も作曲もしていない完全提供曲。メインライターの小暮脱退で既に前作でもA面採用されていたとはいえ土橋単独で行けるか未知数だったので、作家の曲も用意していたとかそういう事だったのだろうか。ここで提供メインになっていたら全く違う歴史になっていたかもしれない。ただ1ヶ月後の『WILD & HONEY』では既に全曲土橋作曲になっていたので杞憂だったと思われる。

「ラブ・イズ・Cash」同様にポップさが強調された楽曲。やはりギターの存在感が無さすぎるのが気になるが…。平メロからけっこうポップなのに肝心のサビが盛り上がり切れずに終わってしまう上に、“おもちゃのCha-Cha-Cha”とどこかで聞いたようなフレーズで締める(メロディーは違う)のがなんだかトホホ感全開。若い女の子が主人公のポップな感じという恐らくレーベルの指示はそんな感じでそれっぽい歌詞に仕上げる松井五郎はさすが職業作詞家だとも思うけど、しかしこれはなかなか主人公の女の子がいかにもパッパラパーな感じで違和感は拭えない。NOKKOの描く女の子はもっと芯がしっかりしているように思うので、これなら歌詞はNOKKOが書いた方がいいし、曲にしても土橋が書いたほうがいい…とは思ってしまう。実際そうなったのでまあ黒歴史なんてのがあるのならこの曲が1番黒歴史なんじゃないかと思ってしまうようなそんな1曲。

これも前2作のC/W同様に『WILD & HONEY』初期CD版とカセット版に追加収録する形で初CD化。解散後に再発された『WILD & HONEY』はオリジナル準拠となったため、『COUPLING SONGS COLLECTION』発売まではアルバム未収録状態となっていた。
★★☆☆☆
3rdアルバム『WILD & HONEY』初期CD版(スリムケース仕様)・カセット版のみ追加収録
4thベスト『COUPLING SONGS COLLECTION
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

4th フレンズ/ガールズ ブラボー!

85年10月21日
当時のシングルジャケットでは2曲併記された両A面表記になっているが、「フレンズ」の知名度があまりに先行しすぎたせいか両A面だった事はほぼ忘れられている。『REBECCA SINGLES』『GOLDEN☆BEST REBECCA』発売時は完全に「フレンズ」単独A面扱いされており「ガールズ ブラボー!」は『REBECCA SINGLES』には収録されず『COUPLING SONGS COLLECTION』に収録された。またベスト盤のブックレットに掲載されているディスコグラフィーでも「フレンズ」は単独A面、「ガールズ ブラボー!」は思いっきりC/Wと表記されている。

自身最大のヒットシングル。最大ヒットといっても85年はレコード売上がかなり低迷していた時期なので枚数はさほど高くなく30万枚程度。年間チャートでは翌86年に累計より5万枚ほど少ない25万枚で30位に入っている。

バンド自体が90年代の到来と共に解散しているので、あくまで80年代のヒット曲の1つくらいの認知度だったと思われるが、99年のremixed editionによるリバイバルヒットによって知名度の裾野が下の世代に大きく広がった。

フレンズ

代表曲にしてやはり名曲。ずば抜けた存在感があるけど、NOKKOの明るく元気なイメージを強調するのではなく、切なさが溢れる曲調、しかし暗すぎないという絶妙な切なさがこの曲の魅力だと思う。10代というか学生時代一通り終えれば友情の始まりも終わりも一定数以上経験すると思うんだけど、永遠の友情だとかそういう熱いものではなく、壊れた・離れた友情を表現しているのは誰かしらどこかしら刺さるところがあるんじゃないかと思う。シングル初となるNOKKOの単独作詞となったが、そこで一気に大ヒットというのもなかなかドンピシャなタイミングだった。例えばLINDBERGなんかも初期は作詞家が担当していたので最大ヒットの「今すぐ Kiss Me」は渡瀬マキの作詞ではなかったりする。

疾走感のあるサウンドもギターとキーボードの共存が早くもバッチリ決まった感じ。どちらも主張しすぎていないバランスの良さが絶妙だ。まずもって強く印象的なのは80年代らしいキーボードサウンドではあるが、この曲はギターもけっこう良い。ていうか前作でギターが存在感無さすぎたのは何だったのかというくらい今作はバンドとしてもバランスが取れている。

現役時代には『REMIX REBECCA』でリミックスされたがこれは海外エンジニアによるミックス変更。表記が英字で『FRIENDS』となっているものの、そこまで大きく変わったわけではないが、全体に音の広がりが変わって違う空間で聞いているような感じになっている。

99年のremixed edition、15年のreviveに関してはそれぞれのところでまた取り上げるが、1番違いが分かるのはremixed edition(ギターが先行して鳴るのでイントロが違う)で1番ガッツリ音をいじっていると思う。15年のreviveはリミックスではあるが、オリジナルのミックスを現代技術で再現するという試みでミックスしているので新解釈は一切行っておらず、まさにオリジナルの現代版・完成版がreviveかなという感じがする。

当時は紅白に出なかったが、2015年再結成時にこの曲で紅白に初出演。何故かこの曲は4人の友情を歌った曲だという珍妙な紹介と共に披露された。この曲リリース時のメンバーは5人でまだギタリストが別にい

REBECCAだけでも複数のバージョンが存在するがNOKKOソロでも何度かセルフカバーされており、99年シングル、10年カバーアルバム『KISS』でのセルフカバー、2015年REBECCAのEDMセルフカバーアルバム『NOKKO sings REBECCA tunes 2015』の「フレンズ feat.Charisma.com」などが存在する。

99年のもEDMのもちょっとイメージ変えすぎていてイマジンブレイカーレベルではあるが、『KISS』でのセルフカバーは正統派のロックカバーになっていて、重心の低いギターロックな「フレンズ」を聞く事ができる。これはカッコいい(下記視聴リンクの1番下のやつがそれ)。
★★★★★
4thアルバム『REBECCA IV Maybe Tomorrow
リミックスベスト『REMIX REBECCA』(リミックス)
1stベスト『The Best of Dreams
2ndライブアルバム『LIVE SELECTION 2』(日本武道館 1990年1月19日)
3rdベスト『REBECCA SINGLES
5thベスト『STAR BOX REBECCA
1st remixed editionベスト『Complete Edition』(remixed edition)
3rd remixed editionベスト『LEGEND OF REBECCA』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA』(remixed edition)
3rdライブアルバム『REBECCA LIVE’85~Maybe Tomorrow Tour~』(1985年11月28日 神奈川県立青少年センター)(2回演奏)

ガールズ ブラボー!

後年ほぼC/W扱いに格下げされてしまった一応両A面曲。この辺りからしばらくはA面もB面もアルバム曲も関係なく勢いのあるナンバーが連発されるので、この曲も普通以上の勢いは軽くある。歌詞は前作B面の「恋するおもちゃ」に近いような女の子のワクワク感が詰まっていて、表面的には似てはいるんだけど輝きを求めている点がNOKKOらしいところ、これがREBECCAらしさなのかなと思う。改めて「恋するおもちゃ」に戻って聞いてみるとコレジャナイ感が漂う

ただそれでも『REBECCA IV Maybe Tomorrow』の中においてはこの曲よりも凄いのがまだゴロゴロしているというのが恐ろしいところで、これだけキャッチーな曲なのにベスト盤になったら『The Best of Dreams another side』にしか選曲されなかった…っていうのも仕方なしと思えてしまう。remixed editionでは聞いてみたかったとも思うが…。アルバム曲でも「76th Star」「ボトムライン」「London Boy」「プライベイト・ヒロイン」等々…あまりの層の厚さに驚くばかり。いずれ過去曲回顧のアップグレードの際にはアルバム曲も取り上げたい。
★★★☆☆
4thアルバム『REBECCA IV Maybe Tomorrow
2ndベスト『The Best of Dreams another side
4thベスト『COUPLING SONGS COLLECTION
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA
3rdライブアルバム『REBECCA LIVE’85~Maybe Tomorrow Tour~』(1985年11月28日 神奈川県立青少年センター)

5th Raspberry Dream

86年5月2日
前作に続く自身2番ヒットシングル。現在もそのまま「フレンズ」に続く2番目の代表作として認知されている。ギターの古賀在籍時最後のオリジナルシングル。このためなのかアルバム『TIME』に収録されず、オリジナルアルバムに収録された事が無い。

Raspberry Dream

ギターのイントロから小田原豊のドラムからバンドが入ってくるが、このドラムはけっこうポイントになっていると思う。リミックスバージョンが数多いこの曲の場合はこのイントロのドラムの響きが全バージョンで毎回異なるので聞き比べも楽しい。どれが1番いいというよりかは気分次第でしっくりくる響きが変わる。

英単語の連発やサビの最後とかCHU CHU CHU連呼で歌詞は正直良く分からないが、メロディーとアレンジ、勢いだけで十分に名曲足りうるインパクトを誇る代表曲の1つ。「フレンズ」しか知らないリスナーが次に印象に残る曲がこれか「ヴァージニティー」かというのが多いんじゃないかと思う。

シングルバージョン、12インチシングルでのDUB MIX、『REMIX REBECCA』でのリミックス、『The Best of Dreams』でのStraight Remix、remixed edition、reviveとスタジオ音源だけで6ミックスも存在するが、いわゆるトラック加工系のリミックスはDUB MIXだけ。それ以外は音の響きやバランスを変更したものが5バージョンあるという感じ。前述のようにイントロのドラムの響きが全部違うので割と聞き比べがしやすい。
★★★★★
2nd12インチシングル(DUB MIX)
リミックスアルバム『OLIVE』(DUB MIX)
リミックスシングルコレクションアルバム『12inch REMIX』(DUB MIX)
リミックスベスト『REMIX REBECCA』(リミックス)
1stベスト『The Best of Dreams』(Straight Remix)
2ndライブアルバム『LIVE SELECTION 2』(日本武道館 1990年1月19日)
3rdベスト『REBECCA SINGLES
5thベスト『STAR BOX REBECCA
1st remixed editionベスト『Complete Edition』(remixed edition)
3rd remixed editionベスト『LEGEND OF REBECCA』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA』(remixed edition)

C/W MOTOR DRIVE

早すぎる時代の流れの中で出遅れないように急ぎ続ける気持ちを歌った爽快ポップロックナンバー。恐らく多忙な中で制作の締め切りに追われる人気絶頂期の日々がほぼそのまま歌詞に反映されていると思われるが、まさに勢い全開の無敵状態の勢いがみなぎった1曲。これでB面になってしまうのだから恐ろしい…。さすがにもったいないという事なのか次の12インチシングルでは今作のEXTENDED DANCE REMIXが表題扱いにはなった。ただ意外とベスト盤の選曲も少なかったりする。
★★★★☆
2ndベスト『The Best of Dreams another side
4thベスト『COUPLING SONGS COLLECTION
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA
2nd12インチシングル(EXTENDED DANCE REMIX)
リミックスアルバム『OLIVE』(EXTENDED DANCE REMIX)
リミックスシングルコレクションアルバム『12inch REMIX』(EXTENDED DANCE REMIX)
5thベスト『STAR BOX REBECCA』(EXTENDED DANCE REMIX)

6th LONELY BUTTERFLY

86年10月15日
アルバム『TIME』10日前の先行シングル。当時のシングル市場は低迷していたため売上枚数だけ見るとパッとしないが、一応ある程度安定してヒット連発の黄金期であったようで、当時の若者であれば一定以上の認知度はあったものと思われる。

LONELY BUTTERFLY

別れを決意して出ていく心情を歌っているためこれまでの元気さとは異なる切なさが感じられる1曲。彼は眠っており、朝がくるのでもう行かなきゃと出ていくシチュエーションで”愛がすべてを変えてくれたらまよわずにいれるのに”と続くが、これまた多忙すぎる日々の中で恐らく当時付き合っている恋人がいたとしても生活はすれ違いまくりで、この曲で歌われているようなシチュエーションそのままになっていたんじゃないかと思う。もしかしてほぼそのまま?
★★★★☆
5thアルバム『TIME
2ndベスト『The Best of Dreams another side
3rdベスト『REBECCA SINGLES
1stライブアルバム『LIVE SELECTION 1』(名古屋市民会館 1988年4月23日)
2nd remixed editionベスト『Complete EditionⅡ』(remixed edition)
3rd remixed editionベスト『LEGEND OF REBECCA』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

C/W GIRL SCHOOL

タイトルからして若々しい感じの曲かと思いきやこれまでのポップさを抑えてクールな雰囲気の楽曲。アルバム『TIME』では一気に雰囲気がガラッと変わっていったがそれを象徴するような1曲。サビでももう1つ突き抜けきれず、印象には残りにくい。
★★★☆☆
5thアルバム『TIME
4thベスト『COUPLING SONGS COLLECTION
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

7th Monotone Boy

87年4月22日
3番目のヒットシングル。当時アルバム未収録となり、休止後のベスト盤『The Best of Dreams』で初めてアルバムに収録された。B面の「Never Told You But I Love You」は『TIME』からのシングルカット。

偶然かソニーが狙っていたのか、同日の松田聖子のシングル「Strawberry Time」は今作と同じ作詞が松本隆、作曲が土橋という組み合わせで1位を獲得、今作は3位だった。

Monotone Boy

作詞:松本隆
映画『微熱少年』主題歌。原作が松本隆だったのでそのまま作詞も松本隆が担当した。このためややタイアップに寄せた企画作扱いされたのか、現役活動中はシングルオンリーになっていた1曲。当時は「モノトーン・ボーイ-微熱少年のテーマ-」という表記でサブタイトルが付属する事もあった。

REBECCAらしいポップで元気な感じの1曲ではあるが、雰囲気を変えた『TIME』期とは異なる。それ以上でも以下でもないようなプロフェッショナルに求められるものに応えた感のあるヒットチューンといった感じ。NOKKO特有の同世代女子目線の歌詞でもなく、作詞家らしいなんだか詩的な雰囲気とサビだけ全部英語になってしまうところも含めて歌詞に関してはかなりREBECCAっぽくない気もする。
★★★★☆
1stベスト『The Best of Dreams
2ndライブアルバム『LIVE SELECTION 2』(東京ドーム「BIG EGG」 1989年7月17日)
3rdベスト『REBECCA SINGLES
2nd remixed editionベスト『Complete EditionⅡ』(remixed edition)
3rd remixed editionベスト『LEGEND OF REBECCA』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

C/W Never Told You But I Love You

作詞:宮原芽映
アルバム『TIME』からのシングルカット。既にほぼ全作詞がNOKKOに移行している中で『TIME』で唯一にして最後の宮原芽映による作詞作品だが、これによりシングルで唯一NOKKOが共作でも一切作詞に参加していないシングルとなった。『TIME』期らしく、前作の「GIRL SCHOOL」同様にクールな印象のロックナンバー。
★★★☆☆
5thアルバム『TIME
4thベスト『COUPLING SONGS COLLECTION
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

8th NERVOUS BUT GLAMOROUS

87年11月18日
「LONELY BUTTERFLY」同様にアルバム『Poison』10日前の先行シングル。

NERVOUS BUT GLAMOROUS

『TIME』期のクールさとも異なり、もう少し躍動感を戻しつつも大人っぽく挑発的な雰囲気の楽曲。間奏のサックスソロも大人びていてムーディー。メロディーもサウンドも程よい複雑さで洗練されていて聞き込みがいがあるというか、最初の印象はそうでもないが何度か聞いていると面白くなってくる。中期REBECCAを象徴する1曲。
★★★☆☆
6thアルバム『Poison
リミックスアルバム『OLIVE』(English Version)
2ndベスト『The Best of Dreams another side
3rdベスト『REBECCA SINGLES
2nd remixed editionベスト『Complete EditionⅡ』(remixed edition)
3rd remixed editionベスト『LEGEND OF REBECCA』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

C/W 真夏の雨

スローなバラードナンバー。真夏らしくゆったりした雰囲気が妙に蒸し蒸しと湿気を帯びているように感じられる。メロディーはそれなりに強いが、ちょっとまったりしている。2015年さいたまスーパーアリーナでは中盤、2017年ツアー日本武道館では中盤過ぎで2回とも披露され、いいアクセントになっていた。
★★★☆☆
6thアルバム『Poison
リミックスアルバム『OLIVE』(「WALKING IN THE WARM RAIN」(English Version))
2ndベスト『The Best of Dreams another side
4thベスト『COUPLING SONGS COLLECTION
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

9th MOON

88年2月26日
アルバム『Poison』からのシングルカット。B面は「ヴァージニティー」のライブ音源。初の新曲が無いシングルとなったため、5作連続のトップ10入りから20位と低迷した。

今作からEPだけでなく、8センチCDでの発売も開始された。

MOON

シングルカットながら『Poison』の中では先に出ていたシングルよりもシングルっぽい1曲。これまでよりも抑えた雰囲気ながらまた新たな魅力を発揮した中~後期の代表曲の1つだと思う。最初の一人称は”あたし”、そして”ママ”が出てくるが以降は第三者的視点で”あたし”=”娘”、”ママ”は”彼女”と呼び方が変わり、不良(?)に堕ちていき家出する”娘”について歌っている。その物語を月(MOON)はずっと見ていた…つまり第三者視点というのは月の視点というこれまでとは少し毛色が異なり更なる深みが感じられる1曲だ。

当時この曲が別の意味で有名だったのが曲の途中で謎の女性の声「せんぱーい」が聞こえるという心霊的な話題だったようだ。かなり後で知ったのだが『幽遊白書』1巻(1990年~1991年)の作中の台詞で曲名は出てこないが友人が「ホントだって Bメロの出だしのとこにさー“センパイ”って声が入ってんのよー」と雪村螢子に喋っているシーンが登場するのはこの曲の事だったと思われる。具体的には2番の”戻らなくなった”から”こわしてしまうのは”の狭間辺りで「せんぱーい」と聞こえてくる。これが何なのかは当時から諸説あったようだ。なおremixed editionではしっかり消されている
★★★★☆
6thアルバム『Poison
リミックスアルバム『OLIVE』(English Version)
1stベスト『The Best of Dreams
2ndライブアルバム『LIVE SELECTION 2』(東京ドーム「BIG EGG」 1989年7月17日)
3rdベスト『REBECCA SINGLES
5thベスト『STAR BOX REBECCA
1st remixed editionベスト『Complete Edition』(remixed edition)
3rd remixed editionベスト『LEGEND OF REBECCA』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

C/W ヴァージニティー(LIVE VERSION)

初のライブ音源。いつ頃のライブなのかは不明だが発売当時は前年12月から始まった78公演に及んだ「REBECCA LIVE TOUR ’87~’88 POISON」の真っ最中だったのでこのツアーの初期公演からの最新ライブ音源だろうか。スタジオ音源は木暮・小沼在籍時でメンバーが異なっていたので現メンバーでの演奏に変わり、ライブ感のある演奏はやや印象が異なる。
★★★★☆
4thベスト『COUPLING SONGS COLLECTION
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

10th ONE MORE KISS

88年11月21日
88年はリミックスアルバム『OLIVE』のみだったので、88年唯一の新作シングル。今作だけ制作時期が異なっていたためか、アルバム『BLOND SAURUS』には収録されず、解散後の『The Best of Dreams another side』でようやくアルバム初収録、B面「NOISE FROM YOUR HEART」に至っては『COUPLING SONGS COLLECTION』がリリースされるまで未収録のままだったという何かと置いてかれがちだったシングル。

ONE MORE KISS

これまでに比べると随分とさっぱりとしたミディアムナンバー。何だかNOKKOのソロ作品っぽく感じるほどバンドは抑えめで曲調もおとなしいが、サポートの中島オバヲのパーカッションを生かしたり、元気さだけではないしっとりしたボーカルスタイルでのNOKKOの魅力など、今までの元気な曲中心ではなかなか気づけないようなところに気づける1曲でもある。もう少し活動が続いていれば過渡期みたいな時期になっていたんだろうけど、潔く解散してしまうのでこの辺りで完全に絶頂期は過ぎたような感じがしてくるのも否めないが、意外とじっくり浸ると聞きどころは多い1曲。
★★★☆☆
7thアルバム『BLOND SAURUS
2ndベスト『The Best of Dreams another side
2ndライブアルバム『LIVE SELECTION 2』(東京ドーム「BIG EGG」 1989年7月17日)
3rdベスト『REBECCA SINGLES
1st remixed editionベスト『Complete Edition』(remixed edition)
3rd remixed editionベスト『LEGEND OF REBECCA』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

C/W NOISE FROM YOUR HEART

派手さは無いが、適度にポップで抑えた雰囲気がさらっと心地いい。さらっとしているんだけど突き抜けずにけっこう残るというか。95年の『COUPLING SONGS COLLECTION』で完全アルバム初収録になった唯一の曲という事もあり、まさに隠れた名曲。メインにはならないかもしれないが『Complete EditionⅡ』でサプライズ的に選曲されたりもした。
★★★☆☆
4thベスト『COUPLING SONGS COLLECTION
2nd remixed editionベスト『Complete EditionⅡ』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

11th VANITY ANGEL

89年4月30日
アルバム『BLOND SAURUS』1ヵ月前の先行シングル。「フレンズ」以降シングルカットだった「MOON」以外で初めて新曲でトップ10落ち(12位)となった。C/W
「ONE WAY OR ANOTHER」はタイトルが異なるが同じメロディー・アレンジの英語バージョン。

『MOON』以降8センチCDとEPで発売されていたが、切り替えが恐ろしく早く進んでいてEPでの発売はこれにて終了した。

VANITY ANGEL

軽快でポップな楽曲だが妙に淡々としていてあまり躍動感が無く、ますます土橋プロデュースのNOKKOソロみたいなバンド色の薄さが気になってくるポップナンバー。さらっとしていて聞きやすくはあるんだけど、後追いで聞いていても何だか活動休止(解散)が近づいているのを感じられるような…。
★★★☆☆
7thアルバム『BLOND SAURUS
3rdベスト『REBECCA SINGLES
5thベスト『STAR BOX REBECCA
3rd remixed editionベスト『LEGEND OF REBECCA』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

C/W ONE WAY OR ANOTHER

作詞:M.KESSLEY,M.L.KORTES
全く異なるタイトルになっているが「VANITY ANGEL」の英語バージョン英訳ではなく全く違う内容の歌詞になっているようだが、アレンジ自体は変わらないので意味が分からなければ聞いていてあまり違いを感じない。何故かこれも『BLOND SAURUS』に一緒に収録されたので同じ曲が日本語と英語で2回収録されたアルバムになったが、曲数を揃える以外にあまり意味が…。
★★★☆☆
7thアルバム『BLOND SAURUS
4thベスト『COUPLING SONGS COLLECTION
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

12th SUPER GIRL

SUPER GIRL
89年9月21日
これまで既存曲リミックスを収録した12インチシングルを3作リリースしていたが(全作リミックスなので今回のシングル回顧では取り上げていない)、実質的な4作目のリミックスシングル12cmシングルCD形態で発売され、レコードでの発売は無くなった。いわゆるマキシシングルだが、当時はマキシシングルの概念はまだ無く、過去3作の12インチシングルレコードの代わりとしてこの形態を使用したものと思われる。

3曲入り仕様で過去3作のリミックスシングルは全て既出曲のリミックス(同じ曲のリミックスは無し)が2,3曲という構成だったが、今作では初めてオリジナルバージョンがそのまま収録された(3曲目)。当時のCD帯にだけ3曲目はアルバム・リミックスと書かれていたが、2曲のエンジニア表記が”Remix Engineer”と明記されているのに対して3曲目の「SUPER GIRL」のみ”Mixed by”表記でアルバムでのエンジニアと同じ人物が表記されていてリミックスを示す表記が無い事と、そもそも初出がアルバムだった「SUPER GIRL」のアルバムリミックスってなんなんだ?という微妙な意味不明さ、そして実際聞いていても変更された箇所が特に見当たらないのでたぶんオリジナルと同じなんじゃないかと思う。また当時のマスタリングもTed Jensenが担当。何気にTed Jensen氏もJ-POPの歴史の中でずっといる人の1人だなぁ…。

こういった例外的・過渡期的な作品だったこともあり、『REBECCA SINGLES』では通常シングルカウント(12th)で「SUPER GIRL」のオリジナル(3曲目)が収録されたが、『COUPLING SONGS COLLECTION』ではスルーされた。リミックスシングルを集めた『12inch REMIX』では12インチシングル3作と共に全曲収録していて4th12インチシングル扱い、『GOLDEN☆BEST REBECCA』では通常シングル(12thシングル)扱いにして「SUPER GIRL」のオリジナル(3曲目)、「BLOND SAURUS(WILD REMIX)」をC/Wとして収録し、「SUPER GIRL(SUPER REMIX)」だけスルーするなど、収録アルバムや時代ごとに扱いが異なっている

公式なディスコグラフィーが存在しないため、レコード会社ではなくREBECCA公式としてどのような扱いになっているのかは不明だが、『REBECCA SINGLES』『GOLDEN☆BEST REBECCA』での扱いから12thシングルとして扱われているものと思われる。そして同時に4作目のリミックスシングルでもあるという2つの顔を持つシングル。

NOKKOがスーパーマンならぬスーパーウーマンとなって飛行しているという超絶に80’s、ダサの極み乙女のような珍妙なジャケットが激しいインパクトを残す。

SUPER GIRL(SUPER REMIX)

Remix Engineer:Mick Gazauski
これまでのリミックスと少し毛色が異なり、新たにアメリカのギタリストSteve Vaiがリードギターを担当したという触れ込みでのリミックス。このためオリジナルよりも随所で聞こえるギターがド派手になっていて、間奏のギターソロも異なる。それと同時にリミックスなのでトラックに引き延ばし処理も施されている、という独特の味わいの1作。

『The Best of Dreams』でのStraight Remixでは今作と同じギターが鳴っているように聞こえるのとクレジットにSteve Vaiが表記されているから、Steve Vaiのリードギターだけ引っこ抜いて原曲オケに合体させてミックスし直したバージョンと思われる。
★★★★☆
リミックスシングルコレクションアルバム『12inch REMIX

BLOND SAURUS(WILD REMIX)

Remix Engineer:Francois Kevorkian,Goh Hotoda
7thアルバム『BLOND SAURUS』表題曲のリミックス。リミックス担当者の1人Goh Hotodaは現在のNOKKOの夫であり、ハイレゾリマスター等も担当しているがREBECCA現役時代はこのような形で関与していた。何がワイルドなのかは良く分からないが、野生動物っぽい鳴き声みたいな音が聞こえるためだろうか。やや加工され引き伸ばされたエクステンド系リミックス。オリジナル自体が実験的な雰囲気をまとっていたので、より実験性が増した感じ。
★★★☆☆
リミックスシングルコレクションアルバム『12inch REMIX
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

SUPER GIRL

シンコレ系のベスト盤では今作がメイン扱いで収録されているオリジナルバージョン。ストレートな自ら含めた女の子応援歌。男社会の中で奮闘するスーパーマンならぬスーパーガールの逞しさを歌っている。スーやオリーブなど過去の楽曲に登場した友人の名前が再登場して現在の様子にも触れられているが(オリーブは母親に、スーは相変わらずバイト)、そういった面も含めてNOKKOの描いてきた女性像の集大成みたいな楽曲になったと思う。

爽快感のあるギターサウンドはいいが、割とリズム隊は機械的で淡々としているというこの時期特有のサウンドは続いていてバンドっぽさはやや薄め。ただそれを差し引いても久々にREBECCAらしい元気さが戻ってきたような勢いはあると思う。

remixed editionでの変貌が大きい曲の1つで、ベース、ドラム全てを分厚くミックスし直しているので、淡々とした機械的な感じが薄れてかなり躍動感が増してロックバンドっぽくなった。ただサビでギターがジャララッジャララッジャララッジャララッと鳴っていたのがけっこう好きだったのに分厚いサウンドにすっかり埋もれてしまったのがちょっと惜しい。

ジャケットのダサさがインパクトとはいえ、やはり空を飛ぶイメージが今作には根強く、実際に2015年の再結成ライブさいたまスーパーアリーナ公演では今作が1曲目に披露され、いきなりNOKKOがフライングを披露し、サビ部分で空中に浮遊しながらのパフォーマンスを繰り広げて喝采を浴びた。
★★★★☆
7thアルバム『BLOND SAURUS
1stベスト『The Best of Dreams』(Straight Remix)
3rdベスト『REBECCA SINGLES
リミックスシングルコレクションアルバム『12inch REMIX
2nd remixed editionベスト『Complete EditionⅡ』(remixed edition)
3rd remixed editionベスト『LEGEND OF REBECCA』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

13th LITTLE ROCK

89年11月22日
7thアルバム『BLOND SAURUS』が結果的に最後のオリジナルアルバムとなってしまい、アルバムより後に発売された結果的に解散前ラストシングル。この頃既にメンバーがスタジオに揃う事も少なくなっていが今作に関してはメンバーが揃ってスムーズなレコーディングだったという。そしてこのレコーディングを最後にスタジオにメンバーが集まる事は2度と無く、解散した、と後に語られている。年明けの武道館ライブで活動休止を発表、再開しないまま1年後に正式に解散を発表した。

LITTLE ROCK

バンド感の薄い曲が増えていた末期だったが、今作は前述のようにメンバーが揃ってスタジオに入り、スムーズなレコーディングが行われたそうで、実際シンプルなバンドサウンドに回帰したポップロックナンバー。懸命に生きるNOKKOと同世代の女の子を歌ってきた中で集大成的な「SUPER GIRL」を経てのエンドロールな側面もある。派手さは無く、ガツンとしたロックではない、まさにリトルなロック。極力凝ったりするのもあえて止めているかのようなシンプルさが逆に心地いい。ワンツースリーフォー!というNOKKOの掛け声と共に演奏が始まるなどバンドらしさが最後に戻っているところに特別さを感じる。

『The Best of Dreams』のNew Remixはシングルがフェードアウトだったのが最後まで演奏されるという違いがある。remixed editionではフェードアウトのシングル準拠。リミックスによってよりバンド感が増している。
★★★★☆
1stベスト『The Best of Dreams』(New Remix)
3rdベスト『REBECCA SINGLES
5thベスト『STAR BOX REBECCA
3rd remixed editionベスト『LEGEND OF REBECCA』(remixed edition)
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

C/W SEXY GROOVE

中期頃に回帰したようなロックナンバー。淡々としている後期モードのノリではあるが、後期よりはバンド感がある。大人っぽい歌詞ではあるが、曲調自体はセクシーなグルーブというほどアダルティーな雰囲気はない。そういう意味でこの時点でもう十分に駆け抜けた、やりつくしたというところはあったのかもしれない。

『The Best of Dreams』にも『The Best of Dreams another side』にも収録されずアルバム未収録のまま解散してしまったが、92年のライブ盤『LIVE SELECTION 1』にライブ音源ではなくStudio Version Remixとしてボーナス的に収録され、未収録C/W仲間(?)の「NOISE FROM YOUR HEART」より先にアルバム初収録を果たした。Studio Version Remixは89年から92年という数年の間でだいぶ音の流行りが変わってしまったのに対応させたように音の響きが変更されている。
★★★☆☆
1stライブアルバム『LIVE SELECTION 1』(Studio Version Remix)
4thベスト『COUPLING SONGS COLLECTION
6thベスト『GOLDEN☆BEST REBECCA

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